アルカナム電脳遊戯研究所 個別解説

いつか、届く、あの空に。: 絵が良いって、素晴らしい。


「いつか、届く、あの空に。」 (C) Lump of Sugar  発売日: 2007/1/26 機種: Windows98以降 レーティング: 18歳未満禁止 ノベル式天体観測シネマ(*1)

(*1) 自称。実際の内容を反映しているとは言い難い。


絵の好みはパッケージを見ればわかる。しかしシナリオは作品をプレイしてみるまで好みに合うかわからない。そのため、シナリオ重視作品はどれだけ質が高くても、 プレイしてみたら合わなかったプレイヤーの比率が絵を最大の売りにする作品(“絵ゲー”)に比べ多くなる。 だから、絵が非常に高品質でそれだけで買ってくれる人が十分にいる場合には、凄みのあるシナリオは嫌われる危険性を増すため不利であり、シナリオ部分では誰にも嫌われないよう当たり障りのない話にした方が営業上有利である。 またもちろん、単に凄みのあるシナリオを書けるライターが業界内にそう多くはないという現実もある。いずれにせよ、非常に優れた絵とシナリオが両立された作品はきわめてまれである。

本作品はブランドLump of Sugarの第二作で、 このブランドは原画家(萌木原ふみたけ氏)とCGスタッフが優秀で、絵ゲーを制作し続けたとしても生き残ることが可能と思われるレベルにある(実際前作は絵ゲーと扱われている模様である)。 しかしこのブランドはその道をとらなかった。あまり名前が知られているわけではないが腕の良いシナリオライター(朱門優氏)を招聘し、全力でシナリオ主導作品を作り込んできた。

シナリオ重視のプレイヤーにとっては快挙である。 絵は良いに越したことはなく、 シナリオ主導作品にとって優れた絵はシナリオを強化し、作品の質を確実に向上させる・・・はずである。だが、上で述べた理由で絵が優れたシナリオ主導作品はあまりに少なく、なかなかこれを実証する機会はなかった。が、 本作については間違いなく言える。「絵が良いのは素晴らしい」。

あと問題となるのは、シナリオ傾向が好みに合うか、である。 本作はシナリオが難解(おそらく初回プレイで全容の把握は無理)で、かつ凄惨である(主要登場人物に死人が結構出る、 全員そろってのハッピーエンドは存在しない)ため、好き嫌いが出やすそうであるが、このタイプに抵抗がないプレイヤーにとっては本当に優れた作品となることだろう。

ただ、本作の難解さは相当なものなので、解説があった方がよいかもしれない。以下に解説を掲載する。プレイ後を想定しておりネタばれ全開なので、プレイ前には見ないこと。

>「いつか、届く、あの空に。」解釈と解析




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last update: 2007/3/25