シナリオスクリプトの作成方法が示され、ユーザー側がアナザーストーリー(サイドストーリー)を作成して周りの人にプレイしてもらうことができるというシステムが売りである。そのためか、シナリオも当然その点を意識し、アナザーストーリーを作りやすいようとの意図がうかがえる。
このゲームでとった手法は、「メインシナリオに不完全な部分を残しておく」「メインシナリオでは不必要な設定を公表する」である。しかし、これの代償として、物語が不完全になってしまった。また、パロディもののサイドストーリーは原作がきちんとできていていなければ作れないため、パロディものが作りにくくなってしまっている。
あと、サイドストーリーを作る上での重要な要素として、魅力的なキャラクターの存在が挙げられる。この点についてこのソフトでは、ヒロインの一人の桜子が圧倒的に強烈な個性を放っている。これは良い点でも悪い点でもある。サイドストーリーのネタにしやすいキャラクターがいるのは良い点であるが、一人しかいないため、話が特定のパターンでしか作れないのは悪い点である。
結局のところ、Bluelight Magicで採られた演出手法はユーザー参加という新たな試みに向いているとは言えず、まだ模索の段階にあるようである。ユーザー参加という試み自体が悪いわけではないので、将来的により優れた作品が生まれる素地はあるだろう。
項目 | 評価 | コメント |
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シナリオ | ☆☆☆ | 悪くない。前半のギャグ調についていけない可能性があることと、上で述べたように不完全な点があることが難点。 |
CG | ☆☆☆ | 問題はない。 |
キャラクター | ☆☆☆☆ | キャラクターにより差が大きいが、相当印象的。 |
サウンド | ☆☆☆ | 問題はない。 |
ゲームシステム | ☆☆☆☆ | 今後の一層の発展を期待したい。 |
プログラム | ☆☆ | 無用に重い。 |
ゲーム分量 | ☆☆☆ | 多数のシナリオが用意されている。 |