かぜおと、ちりん 批評

ハッピーエンドは遠く、ヒロインを忘れてしまうほど --- by S.N.

繰り返しプレイをシナリオの中に取り込んでいるのが特徴である。攻略対象キャラクターのエンディングを見ていくうちに次第に自然と別イベントもこなしていき、全員のエンディングを見る頃には全てのイベントを見ることができて、最後に真のエンディングに導かれるという仕立てである。

これはこれで悪くないやり方である。さらにこのゲームでは、真のエンディングを重視する都合もあって、各ヒロインのシナリオでは全てハッピーエンドにならず、ハッピーエンドに行くには真のエンディングまで待たなければならなくしてある(真のエンディングでは無事各ヒロインと幸せになるエピローグが用意されている)。

その結果、各ヒロインのシナリオ(アンハッピーエンド)と、真のエンディングのエピローグとの間が広く空いてしまっている。それだけ空いていても忘れられないだけのキャラクターの魅力があればよいのだが、残念ながらこのゲームに出てくる攻略対象キャラクターはそこまでの存在感を示しておらず、エピローグでの満足感に欠けてしまっている。

このゲームでは、攻略対象キャラクター6人が完全に対等に扱われており、「メインヒロイン」は存在しない。この平等な扱いというのが、魅力ある攻略対象キャラクターの不在につながったのかもしれない。

項目評価コメント
シナリオ☆☆☆☆最後は難解きわまりないが、基本的によい出来。
CG☆☆昨今の綺麗な色使いに慣れてしまうと、格が落ちるかも。
キャラクター☆☆このゲームシステム、シナリオにはもっと印象の強いキャラクターが欲しい。
サウンド☆☆☆☆音楽、声ともに問題なし。
ゲームシステム☆☆☆良くも悪くも、ここが特徴。
プログラム☆☆☆☆バグや誤字脱字が無いのは良いこと。
ゲーム分量☆☆☆標準的。


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