Kanon 批評

演出手法の成功と問題 --- by S.N.

話の設定、話の展開から考えて、みんな幸せで終わるよりも、どこか悲劇的な結末で終わる方が正しいと思える場合はときどきある。ところが、正しいことと満足できることは別問題である。幸せに終わらせてしまうと話が薄っぺらになって白けてしまうが、だからといって悲劇的な風に終わらせると不満が残る。

Kanonにおいては、この問題を強引な手法で解決した。すなわち、「どうとでもとれるようにはっきり描かず、ごまかす」である。ユーザーが自分の好きなように解釈し、それで満足する。うまくいった。だが、邪道である。話の結末はしっかりつけるべきである。さらに、ごまかしている部分が、主人公が本来はっきり分かるはずの内容である、というのが大きな問題である。主人公の立場では分からない情報なので分からないままでおく、というわけではないのだ。

しかしそれでも、Kanonは人気作である。結末に問題があり、ツッコミを入れたくなるようなシナリオ上の内容はいくつかあるにせよ、序盤、中盤、クライマックスと、飽きさせないシナリオに演出、BGMにはもったいないほどの出来の音楽がある。CGも、上手いかどうかは別にして、雰囲気をよく出している。優れた作品であることは間違いない。

項目評価コメント
シナリオ☆☆☆☆上に述べた通り。
CG☆☆まあ、雰囲気には合っている。
キャラクター☆☆☆キャラクターで押す作品でもないので、これでよい。
サウンド☆☆☆☆☆最高品質。
ゲームシステムADVとしての性質を生かしているとは言えない。
プログラム☆☆☆特にバグもなく、概ね妥当。
ゲーム分量☆☆☆シナリオを理解するために何度もプレイすることになるので、結構かかる。


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