夕緋ノ向コウ側 でのWorld of Darkness的イベント

 光野が行ったように、主観ではなく客観的に見てこんな非現実的な事を信じるにはエネルギーが必要なんだ。
 俺も……他人がそんなこと言い出しても、はいそうですか、と信じるわけがない。
 だから光野は俺の身に起こっている事を今、夕日の少女だと確定させたんだろう。

理屈をつける

いかに強力なメイジといえど、無制限に魔法を行使することはできません。 好き勝手な魔法の使用は矛盾を呼び込み、科学技術結社や魔狩人等の外敵も 呼び寄せます。 目的を果たそうとするメイジは、行使する魔法を可能な限り周囲の静的現実に 沿ったものとするのが賢明です。上記に挙げた問題の回避はもちろん、周囲の 人々の静的現実を侵さない魔法はそうでない魔法よりずっと簡単に行えるのです。

この物語に登場する光野慎太郎は、魔法を偶然に装う技術に長けたメイジです。 彼は、普段は世俗の民俗学者として振る舞い、自分が学校に在籍していることに するという魔法以外は基本的に魔法を使いません。そして、魔法を使うときは、 民俗学の範囲で説明できるような現象にとどめます。

ゲーム序盤に起きる現象について、彼は意志を現実に変えるメイジの言葉ではなく、 あくまで世俗の学問の言葉で説明します。民俗学者の彼が説明できる範囲の現象だと 周りの人々に示すことで、周囲の静的現実からの反発を抑えているのです。

とはいえ、影界と現実世界との間の移動は現代の学問で説明のしようはありません。 ですから最後には破則魔法にならざるを得ません。ですが、それまでの積み重ねは やはり重要です。偶然魔法を通じて少しずつ人を慣らしていけば、最後の破則魔法も 楽になるのです。


「夕緋ノ向コウ側」トップ | コーナートップ | ホーム