矢野 謙次
プロフィール 右投右打 80年9月21日生 外野手 國學院久我山高→國學院大→巨人・03年ドラフト6巡
09年終了時
通算成績
打数 安打 二塁 三塁 本塁 打率 打点 盗塁 三振
729 198 40 21 .272 75 14 133
かつての東都大学2部リーグ三冠王。05年には一軍定着し、5月は2試合連続猛打賞など、打率4割前後をキープする絶好調だったが、キャプラーの二軍降格不可契約のため、あおりを食らって二軍落ち。このやる気を削ぐ起用法は、まさに巨人の真骨頂だ。

この年は2番で起用される事が多かったが、決して適正ではなく、他に空いてる打順がなかっただけの事。ぎこちなくバントや右打ちをする姿は、なかなか痛々しかった。それでもなんとかこなしていたのは、持ち前のひたむきさゆえだろうか……。
本来はパンチ力ある、思い切りの良い打撃が売り物の選手。そして翌06年序盤、その打棒が猛威をふるう事になる。



この年の開幕スタメンはライバルの亀井に譲ったものの、4月4日に代打勝ち越し2点タイムリーツーベース、さらに翌日に代打ツーランと結果を出すと、8日、ついに実力でスタメン奪取。するとこの試合、3本の二塁打を放ってキッチリ活躍し、12日には勝ち越し決勝ホームランと、ますます勢いに乗る矢野。13日は三打席連続タイムリーツーベースで3打点、さらに三盗を試みてエラーを誘い、ホームにも帰って来た。連日の大活躍で、この日の桑田600日ぶりの勝利に大きく貢献。そして解説の中畑氏は、3本目の二塁打を放った矢野にこうコメントした。

「ミスター・ツーベースって称号を与えてもいいんじゃないですか」

これが定着しなかった異名誕生の瞬間だった。
さらに中畑氏は、こうも続けた。

「そう言うね、バッティングと言うのがね、何か今年1年間ね、結構見られるような気がしますね」

実際は4月中しか見られなかったんだけど、さらに矢野は14・15日にも二塁打を1本づつ放ち、16日は4安打猛打賞、19日は二塁打1本を含む3安打猛打賞、22日はダメ押しツーラン、25日は決勝ツーラン、28日は3安打猛打賞に、タッチアップのランナーを刺して守備でも貢献。
もうこれでもかと言うほど猛攻を続ける、驚異の大爆発。しかもことごとく勝負所で打つため、ヒーローインタヴューの常連。

「現状の巨人では、ど真ん中にいるくらいの存在感がある」

原監督もその剛打に感嘆するばかり。4月の打率.387、9二塁打4本塁打と、打率も長打率もチームトップ。この年のスタートだけダッシュの立役者であった。

しかし5月に入ると、その猛爆激打がプッツリと止み、怪我もあって、結局は平凡な成績で終わってしまった。



07年はいよいよレギュラーかと思われたが、元々のライバルである亀井と鈴木に加え、ホリンズと谷も加入し、せっかくの前年の活躍が水の泡。ところが、シーズンが始まってみると、谷は予想以上の好成績ながら、亀井と鈴木は相変わらず不安定で、実質、ライバルはホリンズだけとなった。

5月に入ると矢野は調子を上げ、1日に代打同点ツーラン、13日に代打2点タイムリースリーベースと、再び力強い打撃を披露。そして31日のソフトバンク戦では極め付け、16試合連続無失点中の篠原から、有名な代打逆転満塁ホームラン!
これ以来、矢野は渡辺恒雄会長のお気に入りのようで、1,000万円の特別ボーナスもゲットしている。

そして6月11日には0行進の均衡を破る、代打勝ち越しホームラン。
「神懸かっているくらいですね」
原監督も絶賛したが、その一方で、矢野のスタメン起用について問われると、「見極めて使っていきたい」と、なぜか言葉を濁す原監督。

これで3年連続で少ないチャンスを物にしてるのに、一向に認めてもらえないその姿は、清水に続く、報われない外野手だ。
この時期は確かにホリンズも活躍していたのだが、矢野もまったく遜色なく、むしろ守備走塁を含めると上だったかもしれない。それならば、外国人選手より生え抜き選手を優先するのは当たり前だと思うのだが……。

それでも頑張る矢野は、8月5日、ツーランを含む4安打4打点。9月2日の横浜戦では代打ホームランに、延長10回2点タイムリースリーベースを放つ活躍を見せた。



そして08年、ホリンズが去ったかと思えば、今度はさらなる大物、ラミレスが加入。しかも矢野本人が怪我をしてしまうと、その間に亀井が大躍進し、鈴木も活躍。09年は松本が台頭と、チームとの相性も悪ければ、運も悪い。
ようやくの怪我から復帰は、09年のペナント制覇決定後。原監督はポスト・シーズンに向けて、「矢野がキーマン」と期待を寄せるものの、矢野のポジションを完全封鎖しておいて、白々しい事言うよなあ。

本来なら7番あたりで伸び伸び打たせ、いずれクリーンナップに座って欲しかった選手だが、今年からは長野も加入し、現在では一軍すら入れない。

ひょうきん者かつ、必死なプレイが印象的だが、集中力が一定しないせいか波があり、大爆発もあれば、空回りもある。これで面白い顔してたら後藤路線を狙えるのだが、なまじハンサムなために無理でしょう。
また、感情を表に出す元気者キャラクターだが、その実、怪我が多い選手で、元気じゃない時期が多い。

打力だけでなく、50m5秒台の俊足に、強肩と言う武器もある。力はあるだけに、あとは安定性が出てくればと惜しまれる選手だ。とは言え、この安定性がないのは鈴木や脇谷も同様なのだが、なぜかこの二人は大目に見てもらえて、矢野にだけ冷たい。
ガッツと積極性があり、しかも努力家と、いかにも原監督が好みそうな選手なのだが、その裏には一体何があるのだろうか?

僕の大学の後輩なので、個人的には応援しております。キャンパスで見かけた事はありませんでしたが(笑)。




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