年金制度改革関連法案

委員会報告・採決

 

 

この度の年金制度改革関連法案は、昨年の通常国会に提出されてから、衆参両院での長い審議時間を経て、ようやく成立いたしました。

今回の改正は、我が国の予想を越えた少子化・高齢化の進行などにより、将来のサラリーマンなど働く世代の負担を軽減する一方、現在の年金額を下げることなく、現役世代の手取り収入のおおむね6割を確保することを主とし、給付額の伸び率を適正化しながら抑制するといった、現役世代、高齢者世代、そして将来の働き手である今の子供達、すべての国民に配慮するとった、現段階での最良の形で改正を行えたと思っております。

参議院の国民福祉委員長としましては、常に公平な立場で委員会での審議を行うということに留意してまいりました。

野党側が審議拒否の情況では、審議出席の呼びかけを行うなど正常化を促がし、与党側からの質疑打ち切りの意見を数回見送りながら、衆議院を上回る時間をもって慎重に審議を重ね、国民の中にある年金に対する不安感を解消するための責任ある立場として決断してまいりました。

今後は年金、介護、医療などの社会保障全体の整備に全力で取り組み、65歳まで生き生きと働ける社会の実現に努力してまいります。

年金改正の内容と必要性について、国民の皆様のご理解を頂けますよう心よりお願い申し上げます。

国民福祉委員長 狩野安

  

平成12(2000)年3月22日(水)10:00開会

○議事日程 第八号

 

○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。(〜中略〜)

○議長(斎藤十朗君) 日程第一一 国民年金法等の一部を改正する法律案

 日程第一二 年金資金運用基金法案

 日程第一三 年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案

 日程第一四 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案

 日程第一五 私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案

 日程第一六 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案

 日程第一七 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案

  (いずれも第百四十五回国会内閣提出、第百四十六回国会衆議院送付)

 以上七案を一括して議題といたします。

○議長(斎藤十朗君) これより国民福祉委員長の報告を求めるのでありますが、勝木健司君外三名から、委員会審査省略要求書を付して、国民福祉委員長狩野安君解任決議案が提出されておりますので、まず、本決議案についてお諮りいたします。

 国民福祉委員長狩野安君解任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。

 よって、本決議案を議題といたします。(〜中略〜)

 

○議長(斎藤十朗君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許し

ます。山本保君。

   〔山本保君登壇、拍手〕

○山本保君 私は、自由民主党・自由国民会議、自由党及び公明党・改革クラブ三会派を代表して、ただいま議題となりました狩野安国民福祉委員長に対する解任決議案に対し、断固反対の討論を行うものであります。(拍手)

 改めて申すまでもなく、委員長の職責とは、公正中立の立場から委員会の円滑かつ正常な運営を図り、立法府としての機能を十全に発揮させて、国民の負託にこたえていくことであります。

 狩野委員長は、御就任以来、国民福祉委員会の運営に関して強い責任感を持って臨まれ、決して一党派に偏することなく、常に公正中立の立場からその職責を全うされてこられました。このことは、野党諸君も十分御存じのことと思います。

 特に、今国会、国民福祉委員会において年金制度改正法案を粛々と審議していくことができましたのは、狩野委員長の手腕によるところが大きかったと高く評価されます。(拍手)

 しかるに、今回の解任決議案の理由として、委員会の採決を強行したとありますが、これをもって理由とするのは、採決に至った経緯を無視した全く理不尽きわまりないものであります。

 もとより、年金制度改革七法案は、少子高齢化が進展する二十一世紀を展望して、年金制度における給付と負担の均衡を図り、将来世代の負担を過重なものとしないよう、公的年金制度を活力ある長寿社会の実現に資するものとするために、制度全般にわたる抜本的な見直しを行おうとするものであります。

 すなわち、国民の公的年金制度に対する信頼感、安心感を揺るぎなきものとするための必要不可欠の改正であります。法案の一刻も早い成立を図ることこそが国民の社会保障に対する信頼の確立に資するものであり、また多くの国民の期待にこたえるものであると確信しております。

 年金制度改正七法案は、昨年の七月、国会に提案され、衆議院において継続審査とされた後、昨年の十二月、本院に送付され、継続審査となっていたものであります。国会に提出されてから既に八カ月経過しており、本院においても、これまで三カ月の間、極めて慎重に審議が重ねられてまいりました。

 国民福祉委員会におきましては、参考人からの意見聴取、公聴会の開催を初め、厚生大臣、大蔵大臣、文部大臣、農林水産大臣、自治大臣等に対し、今日まで充実した質疑が行われてきたものであります。

 ちなみに、国民福祉委員会におきましては、関連共済四法案に六時間、公聴会、参考人質疑に五時間、その他それらを除いた年金三法の対政府質疑だけでも二十一時間と衆議院の十八時間を上回る十分な審議時間が確保され、審議は十分に尽くされております。

 十分な審議を尽くした後に採決を行うのは至極当然のことであり、委員長が質疑打ち切り動議に応じて採決したのは全く非のない適切な判断であります。

 よって、解任決議を提出した野党の諸君こそ、法案の誤った解釈を喧伝しつつ、対案や修正要求も提出することなく、国民の長期的な生活の安定、利益を守るための決断から逃避する無責任な体質を国民の前に露呈していると断言せざるを得ません。

 そして、極めて民主的に委員会運営を行ってきた狩野委員長に解任決議を突きつけるなどということは、もはや暴挙以外の何物でもないのであります。

 もとより、野党諸君は、我々と政治的立場を異にする以上、またそこに見解の相違が生じるのは当然のことであります。しかしながら、以上申し上げてきましたように、提出者の真意は全くはかりかねるところであります。

 ここに正義と良心をもって国民の負託にこたえんとする議員各位とともに、野党諸君の猛省を促し、本決議案に断固反対の意思を表明し、私の反対討論といたします。(拍手)

(〜中略〜)

 

○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。

 足立良平君外九十名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。

 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。

 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。

 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。

   〔議場閉鎖〕

   〔参事氏名を点呼〕

   〔投票執行〕

○議長(斎藤十朗君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。

   〔投票箱閉鎖〕

○議長(斎藤十朗君)これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。

   〔議場開鎖〕

   〔参事投票を計算〕

○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。

  投票総数        二百三十二票  

  白色票           九十四票  

  青色票          百三十八票  

 よって、本決議案は否決されました。(拍手)

 

○議長(斎藤十朗君) これより委員長の報告を求めます。国民福祉委員長狩野安君。

〔狩野安君登壇、拍手〕

○狩野安君 ただいま議題となりました七法案につきまして、国民福祉委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。

 年金関係七法案は、第百四十五回国会に衆議院に提出され、衆議院において継続審査とされた後、第百四十六回国会で本院に送付され、同国会において継続審査となっていたものであります。

 まず、国民年金法等の一部を改正する法律案は、国民の老後の生活設計の柱である国民年金及び厚生年金保険について、今回の財政再計算に当たり、年金制度における給付と負担の均衡を図り、制度全般にわたり見直しを行おうとするものであり、その主な内容は、厚生年金報酬比例部分について給付水準の五%適正化を図ること、裁定後の基礎年金、厚生年金については物価変動のみで改定すること、老齢厚生年金の支給開始年齢を平成二十五年度から段階的に六十五歳まで引き上げること、総報酬制を導入すること、国民年金保険料の学生納付特例を導入すること等のほか、厚生年金基金について所要の改正を行うとともに、国民年金及び厚生年金保険の積立金について厚生大臣が自主運用を行うこととするものであります。

 なお、衆議院におきまして、基礎年金の国庫負担割合の引き上げに向けての検討過程において基礎年金の給付水準についても検討を求める趣旨の修正が行われております。

 次に、年金資金運用基金法案は、国民年金及び厚生年金保険の積立金の自主運用に当たり、厚生大臣から寄託された資金の管理及び運用を行う専門機関として、年金資金運用基金を設立し、その責任体制の明確化及び専門性の確保を図るとともに、運用実績等に関する適切な情報の公開により、年金資金運用の透明性を確保しようとするものであります。

 また、年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案は、年金福祉事業団を解散させるとともに、同事業団が行ってきた住宅資金の貸し付け等を一定期間年金資金運用基金において実施させ、また、年金受給権を担保とする小口の資金の貸し付けを、社会福祉・医療事業団において新たに実施させようとするものであります。

 次に、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案についてでありますが、その内容はいずれも、公的年金制度としての信頼を確保する見地から、長期的に給付と負担の均衡を確保し、将来世代の負担を過重なものとしないよう、制度全般にわたり見直しを行おうとするものであり、報酬比例部分について給付水準の五%適正化を図ること、退職共済年金の支給開始年齢を平成二十五年度から段階的に六十五歳まで引き上げること、総報酬制を導入すること等、基本的に厚生年金保険の改正と同様の措置を講じようとするものであります。

 委員会におきましては、国民年金、厚生年金保険関連三法案について、参考人から意見を聴取するとともに、公聴会を開催したほか、共済四法案を含めた七法案について、基礎年金の財源及び給付水準のあり方、支給開始年齢の引き上げと高齢者雇用の関係、賃金スライドの停止を含む報酬比例部分の給付のあり方、繰り上げ減額支給の減額率、女性の年金問題、年金積立金の自主運用のあり方、農林年金の厚生年金との統合問題等の質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。

 質疑を終局することに決定した後、国民年金法等の一部を改正する法律案外六法案に対し、山本理事より、自由民主党・自由国民会議、公明党・改革クラブ及び自由党の三会派共同提案に係る七修正案が提出されました。修正案の趣旨は、七法案の審査が越年したことに伴い、法律番号及び法律の略称に係る暦年について、「平成十一年」を「平成十二年」に改めることであります。

 次いで、七修正案及び修正部分を除く七原案をそれぞれ一括して採決の結果、国民年金法等の一部を改正する法律案外六法案はいずれも多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。

 以上、御報告申し上げます。(拍手)

 

○議長(斎藤十朗君) これより七案を一括して採決いたします。

 七案の委員長報告はいずれも修正議決報告でございます。

 七案を委員長報告のとおり修正議決することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。

   〔投票開始〕

○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。

   〔投票終了〕

○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。

  投票総数         二百三十七  

  賛成            百三十九  

  反対             九十八  

よって、七案は委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)

○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。

   午後零時十三分散会