第136回国会 内閣委員会 質疑3

平成8年9月10日(火) 13:00開会
  


  出席者は左のとおり。
    委員長       鎌田 要人君
    理 事
                板垣  正君
                鈴木 貞敏君
                鈴木 正孝君
                齋藤  勁君
    委 員
                岡野  裕君
                狩野  安君
                亀谷 博昭君
                依田 智治君
                猪熊 重二君
                大久保直彦君
                友部 達夫君
                永野 茂門君
                萱野  茂君
                角田 義一君
                笠井  亮君
                聴濤  弘君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 梶山 静六君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  中西 績介君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  臼井日出男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菅野  清君
   説明員
       内閣官房内閣参
       事官       安富 正文君
       内閣官房内閣内
       政審議室長    田波 耕治君
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       管理局長     武政 和夫君
       人事院事務総局
       給与局長     小堀紀久生君
       人事院事務総局
       職員局長     佐藤  信君
       総務庁人事局長  菊池 光興君
       防衛庁防衛局長  秋山 昌廣君
       防衛施設庁長官  諸冨 増夫君
       防衛施設庁施設
       部長       首藤 新悟君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調
 査並びに国の防衛に関する調査
 (一般職の職員の給与等についての報告及び給
 与の改定についての勧告に関する件)
 (沖縄米軍基地の整理縮小問題に関する件)
    ―――――――――――――

○狩野安君 狩野でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、人事院に質問する前に、さきの通常国会の会期末に成立した内閣法の一部改正による内閣総理大臣補佐官制度の公布、施行後三カ月ほど経過して、いまだに内閣総理大臣補佐官を任命しようという動きが見えないわけです。私もこの前のこの委員会で質問をした経過がございますので大変興味があって関心を持っていたんですけれども、いまだ何も動きはない、補佐官が任命をされた形跡もございませんので、きょう本当は官房長官にお聞きしようかなと思いましたけれども、ぜひこの件についてお聞かせをいただきたいと思います。

○説明員(田波耕治君) 内閣総理大臣補佐官は内閣の重要政策に関しまして内閣総理大臣に対して直接進言をする、あるいは命を受けまして意見を具申することにより、内閣の首長としての内閣総理大臣の思考それから判断、そういったものを内面的に助けるものであるというふうに理解をしております。
 そういった意味におきまして、委員の先国会からの大変御熱心な御意見、御質問も伺っておりますけれども、基本的にこの任命につきましては、今後の社会経済情勢あるいは政策の課題等を踏まえまして、内閣総理大臣御自身が判断されるものであるというふうに承知をしておるところでございます。
○狩野安君 会期末に成立させたわけですので、もうできるかななんというふうに思っていたわけですが、当分の間は総理大臣も必要ないというふうにお考えか。まあお忙しいのでそういう余裕もないということなのかもしれませんけれども、これからまだまだ忙しいし、いろんな問題が起きておりますので、できるだけすばらしい補佐官を早く任命していただければいいなというふうに考えております。
 もう一つ、昨年の十二月二十五日に閣議決定された内閣官房五室長の格付について、俸給の引き上げが二段階に行われているわけですけれども、なぜ一律じゃなくてあのような形の引き上げ方をしたのかということをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○説明員(安富正文君) 先生御指摘のように、昨年、平成八年度の予算要求におきまして、内閣機能強化の一環といヶことで五室長の格上げについて要求してまいりました。その結果、内政室、外政室、安保室のいわゆる三室につきましては、従来指定の九号俸ということだったわけですが、これを指定の十という形に上げております。それから、広報官、内閣情報調査室長の二室長につきましては、従来指定の七ということでしたが、これを二段階上げまして指定の九という形に上げております。
 一律にならなかった点はございますけれども、いわば従来指定の七、指定の九とあったのを、片方は指定の九、片方は指定の十ということで、それぞれ一段階及び二段階ずつ上げまして、特に内閣広報官、内調室長につきましては指定の九ということになっておりますが、職歴等を勘案して指定の十になるというような道も残す制度になっております。そういう意味では、非常に財政状況は厳しい折でございましたけれども、一応の格上げというようなことができたんではないかというふうに考えております。
○狩野安君 私もこういうのはよくわかりませんけれども、せっかく上がったんですから、何かそれも一緒に上がるのが本当なのかななんというふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
 さて、ことしの人事院勧告は平均金額で三千三百三十六円、率では〇・九五%と、昨年に次ぐ史上二番目に低い勧告内容であるというふうに考えております。任意的勧告を毎年慣例的に行う意義というのはどういうことなんですか、ちょっとわからないのでお聞かせいただきたい。
○説明員(弥富啓之助君) 御承知のとおり、公務員の給与等の勤務条件、これは国公法にも規定がございますが、これは社会一般の情勢に適応するように定めるというふうになっておりまして、人事院としましては、毎年、社会経済全般の動向や各方面の御意見などを踏まえながら、公務員給与を民間給与に均衡させることを基本として対処してきているところでございます。
 例えば、国公法の二十八条二項を見ますと、「人事院は、毎年、少くとも一回、俸給表が適当であるかどうかについて国会及び内閣に同時に報告しなければならない。」というふうな規定がございます。毎年の勧告を通じまして職員に常に適正な処遇を確保することは、先ほども申し上げましたとおりに、職員の士気の高揚、それから職場の労使関係の安定に寄与するとともに、毎年その必要な人材を確保し、将来にわたりまして国の行政運営の安定を図るための基盤となるものと考えておるところでございます。
○狩野安君 次に、民間企業における賃金制度の変化を踏まえた民間準拠を基本とする公務員の給与制度の改革への取り組みの経過と今後の方向性、また民間企業の賃金制度の変化の実態についてお伺いいたします。
○説明員(弥富啓之助君) 先ほども御報告を申し上げましたとおりに、民間企業では御承知のとおり今厳しい経営環境のもとにございます。それにつきまして、民間企業では人事・給与制度の大幅な見直しを行う動きが見られるところでございます。
 一方、公務におきましても、職務内容の複雑化、専門化やあるいは在職パターンの多様化がいろいろ進んでまいりました。これらの情勢の変化に対応いたしまして、例えば世代間や職種間や地域間、また個人の能力や実績に応じた適切な配分を行うことが必要ではないかというふうに考えております。このために、民間企業の取り組みも踏まえまして、我々といたしましては給与制度全般にわたりまして見直しを進めていく必要があるのではないかというふうに考えております。
 このような観点から、調整手当あるいは期末・勤勉手当の見直しを初め、俸給の調整額や、今回は寒冷地手当制度の見直しをやりましたし、年功要素を見直すという観点からでございますが、給与カーブというのがありまして、給与カーブを早期立ち上がり型へ修正をして、今までよりもなだらかなカーブにしていくというふうな考え方もいたしておるところでございまして、今後とも一層成績主義を反映いたしました給与システムや社会環境の変化に対応した職種別、きめの細かい給与及び地域生活関連手当というもののあり方について検討を進めてまいる所存でございます。
○狩野安君 なるべく私たちにわかりやすく、そして納得いくような方法をぜひとっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、私は茨城県選出なものですから、筑波研究学園都市移転手当の廃止の理由と事情についてお伺いいたします。私は筑波の人たちの反対の意見もいろいろ聞いておりますので、
ぜひその理由と事情について伺わせていただきたいと思います。

○説明員(弥富啓之助君) 筑波研究学園都市移転手当というのは、これは東京都一極集中の排除あるいは研究や教育の効率的な運営をしたいという国の政策といたしまして筑波研究学園都市が建設されたというのは御存じのとおりでございます。それに伴いまして、その当時は生活環境等の未整備な同都市へ移転する試験研究機関等の職員の異動と定着、これを促進する観点から、昭和四十六年に当分の間の措置として設けられた手当でございます。
 現時点になりますと、その当分の間の見直しの年がことしてございますが、現時点で筑波研究学園都市移転手当をめぐる状況を見ますと、昭和五十五年に気象研究所が移転いたしましたのを最後にもう移転が行われておりませんし、そういう意味で移転促進手当としての役割は事実上終息しているのではないか。また、委員御承知のとおりでございますが、同都市の生活環境等は近隣都市と比べて遜色がない程度まで充実をしてきている、いわば都市として成熟をいたしておるわけでございまして、この際、同手当を存続させる合理的な理由はないのではないか。いろいろ御意見を聞きましたが、今回そういう考えを持ちまして廃止することとした次第でございます。
○狩野安君 この筑波研究学園都市移転手当の廃止の理由というものを聞いておりますと、私も反対じゃなくて、反面、大変うれしく思うわけですね。ほかの都市と比べてずっと成長した、成熟したということを伺って、私もそう思っているわけですけれども、皆さんやはり何か不満を感じることもあるのかなという面、まだまだ住んでいる方が筑波研究学園都市に対して足りない部分があるのかということと、よくなったということと、大変複雑な気持ちでございます。あそこに住んでいらっしゃる方のこともよく考えていただきたいと思いますけれども、移転手当の代替手当という見方もある研究員調整手当というものは実際どの程度置きかわるものと見込んでおられますか、また研究員以外はどのような職種のものが支給対象となるんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○説明員(弥富啓之助君) ただいま申し上げましたように、筑波移転手当は研究学園都市に所在する研究所の研究員の人材確保に寄与いたしておりましたし、研究員全体の給与水準の維持に大きな位置を占めてきた。また、御承知のとおりに科学技術の振興というのはもう我が国の重要課題の一つとされておりまして、そのための処遇の改善が求められております。研究員調整手当はそういうことなどを考慮いたしまして、全国に所在する研究所のうち高い研究水準を維持し、または研究活動の活性化が図られている研究所に勤務する研究員を対象とするように措置しようとするものでございまして、いわば今までは筑波研究学園都市という地域的な問題に絞られていたのを、今度は全国に所在する研究所のうちで高い研究水準を維持した研究所に対して活性化と人材の確保を図るための措置をとったわけでございます。
 したがって、今、委員が言われましたように、研究員調整手当というものは筑波移転手当の代替手当といいますか、筑波移転手当が果たしてきました役割を十分に踏まえまして、同手当の廃止を契機として新たに措置することとしたものでございます。
 ただ、今どの程度のという御質問がありましたけれども、これは研究員に対する手当でございます。また、それとともに、有機的な関連を有しまして研究に従事した大学等の教官もいわば権衡職員としてこの措置の対象といたしたい、かように考えておる次第でございます。
○狩野安君 筑波研究学園都市移転手当の廃止というものは、今お話を聞きますと発展的廃止ということで、研究に携わっている方々が十分に心置きなく研究できるような手当ということに変わっていったんだと思いますので、どうぞそういうように十分に働きやすい環境というものをよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
 次に、初任時における長期合同研修の新設の具体的内容、またそれらと平成五年十月の第三次行政改革推進審議会の最終答申における共同採用の推進と今回の提言内容との関連についてお伺いいたします。

○説明員(武政和夫君) ちょっとうっかりしまして、先生の御質問をちょっとあれしたんですが、合同初任研修ということでよろしいですか。
○狩野安君 そうです。合同研修と、それから行革審の最終答申における共同採用の推進と今回の提言の内容との関連についてお聞きしたいのです。
○説明員(武政和夫君) 私ども、合同初任研修といったようなものを来年から新設し実施すべく用意をしておりますが、今、先生おっしゃいますように、共同採用云々の話とは直接かかわっておりませんで、今日的な状況にかんがみまして、今日的な状況と申しますのは国際化とか国民の価値観、行政ニーズの多様化への対応あるいはセクショナリズムの排除、そういったものをねらいとしまして、三カ月程度の合同研修を実施したい、こういったようなものを計画している段階でございます。
 共同採用の件につきましては、やはりセクショナリズムの弊害打破ということから一つの考え方として打ち出されているかと思いますが、そのことと今申し上げました研修ということは直接関係ない。共同採用の有無にかかわらず、私どもとしては合同研修というものをセクショナリズム排除という意味から充実強化してまいりたい、このように考えております。
○狩野安君 関連はないわけですね。わかりました。
 それから、七月三十日に政府が閣議決定した国家公務員採用I種試験による採用者の縮減を行政改革の一層の推進を図るためとしておりますけれども、1種採用者の縮減がなぜ行政改革の推進につながるのでしょうか。

○説明員(安富正文君) 先生御指摘のように、七月三十日付でI種職員の採用数の縮減ということで、平成九年度は一割、その後五年間で三割ということで決めさせていただきました。
 これにつきましては、行政改革の推進との関係で申しますと、いわゆる行政の中核を担っているI種職員の採用を三割というような形で大幅に減らすことによりまして、従来の行政運営のあり方自体を見直す契機にしていただこうということに大きな意味があるかと思っております。行政運営の効率化とか規制緩和あるいは地方分権といったようなことを推進していかないとなかなか行政運営自体がスムーズにいかないというようなことになるであろうということで、一つの契機にしたいということでございます。
 それからもう一つは、I種職員の採用縮減とあわせまして、地方自治体とかあるいは大学、民間人、そういう方々との人的交流を進めるという契機にもしたい。その結果として、行政運営に幅広い人材を活用できるということと、いわゆる従来以上に発想の活用ということが進むのではないかということで期待しているものでございます。
○狩野安君 I種採用者の縮減がなぜ行革の推進になるか、ちょっと私まだ理解できないんですけれども、これはよく勉強させていただきます。
 それから、昨年一月の阪神・淡路大震災の際には数多くのボランティアの方々が各方面で活躍し、それを契機に我が国でもボランティア活動がかつてない高まりを見せ、ボランティア休暇に関心を持つ者も増加していると聞きます。そういう中で、今回の報告でボランティア休暇を取り上げたのは時宜を得たものだと思います。まず、ボランティア休暇を導入する趣旨及びその内容についてお伺いいたします。

○説明員(弥富啓之助君) ボランティア活動につさましては、今、委員言われましたとおりに、阪仲・淡路大震災を契機といたしまして、その意義やあるいは必要性についての認識が社会一般に浸透するとともに、一方、高齢社会に対応するため
の多様な活動の一つとしてその重要性が認識をされ、各方面から支援していくことの必要性が打ち出されているものでございます。ボランティア活動は、今申し上げましたように、今後、社会的に重要な役割を担うものであるという認識が広まっておるということも事実でございます。
 したがいまして、本院といたしましては、このような状況を踏まえまして、従来から検討を進めてきた結果、人事行政の側面からもこれを支援していくことが適当であるというふうに認めまして、ボランティア活動に参加しやすくするためのきっかけとなるものとして、対象といたしましては、災害時における被災者、それから障害者、高齢者等に対する援助活動に参加する場合に取得できる休暇を設けることとしたものでございます。
 具体的に申し上げますと、一年につきまして五日の範囲内で、給与を減額することなく認める特別休暇として導入を予定いたしておるところでございます。
○狩野安君 ボランティア休暇を取り入れたことは私は大変評価するものですけれども、ボランティアといっても大変幅が広いわけです。
 今度の対象となるのが災害における被災者及び障害者、高齢者等に対する援助活動に限定しておりますけれども、最近は自分の肉親なんか身近にも高齢者援助を必要とする者が多くいると思います。そういう意味でも、それへのボランティア休暇の適用というものをぜひ考えていただきたいと思いますし、またこういう要望に対して人事院はどういうふうにお考えになるか。また、五日ということも、それと別枠として自分の肉親などに対する休暇というものも考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○説明員(佐藤信君) 委員おっしゃいますように、ボランティア活動と一口に言いましても、具体的には非常にさまざまな活動が含まれておりまして、おっしゃる人によってもいろいろ違うことがございますし、時代の変化によりましてもその活動の及ぶ範囲というものが拡大してきているところでございます。
 そのような中で、今回初めて私どもボランティア休暇というものを考えようということで、その際に、休暇の対象となる活動をどういうふうに考えるべきかということでいろいろ議論をいたしたわけでございますけれども、公務員が有給の休暇として勤務時間を割いて活動するものであるという点、それからまたボランティア休暇が民間においてまだ必ずしも広く普及しているとは言えないという状況の中で、公務が民間に先駆ける形で導入することとなるものでございますので、大方の国民の目から見て異論がないというふうに思われる活動に限定することもやむを得ないんではないかというふうに今回判断をいたしまして、御指摘のございましたように、災害時における被災者に対する援助活動、それから障害者、高齢者などに対する援助活動を対象とすることとしたいということで報告をさせていただいたわけでございます。
 御指摘がございましたけれども、これからの高齢社会に向けて、肉親なりに対する介護の問題も非常に大きな問題になるということは言うまでもないわけでございますが、ボランティア休暇の対象としてそういうものまで含めるというのは、ややボランティア休暇あるいはボランティア活動というもののあり方からしていかがなものかということがございますが、他方で、父母等肉親の介護に従事する場合については別途介護休暇というものを数年前に措置しているところでございますので、そちらの方を御利用いただくということになろうかと思っております。
○狩野安君 民間に先立って公務員の方がこういうことをおやりになるということは大変すばらしいことだと思います。ボランティア活動に対する国民の関心というのも日々高まってきておりますので、これは平成九年の早い時期ということを言っておられますけれども、できるだけ早く実行していただきたい。具体的には平成九年のいつごろを目標としていられますか。
○説明員(佐藤信君) 基本的な枠組みにつきましては報告においてお示しをしたわけでございますけれども、なお具体的に細かい点について詰めていく部分もございますので若干の時間をいただきたいというふうに思っております。御指摘がございましたように、平成九年のできる限り早い時期に成案を得て実施できますように最大限の努力をいたしたいというふうに考えております。
○狩野安君 最後の質問になりますけれども、高齢者雇用制度については、今回の報告で示した方向でできるだけ早く成案をまとめていただきたいと思いますけれども、高齢者雇用の問題は単に制度をつくれば済むというものでもなく、それと同時に具体的な雇用の場の確保が重要であると思いますけれども、いかがでしょうか。そしてまた、将来的には定年延長を考慮し、これまでの六十歳定年を前提とする人事管理について全般的に見直すことも必要ではないかと思いますけれども、この二つについて御意見をお伺いしたいと思います。
○説明員(武政和夫君) 先生御指摘のように、高齢者雇用問題は働く意欲と能力のある高齢者を広く雇用するというのが基本であろうかと思います。そういう意味におきまして、私ども再任用制度の整備ということを考えているわけでありますが、あわせまして高齢者の職域の開拓を図るというのは大変重要でございますから、人事院としましても、各省庁に対して職域開拓や職務再編等の努力を促している状況あるいは今後も促していきたいというふうに考えております。
 その際、公務能率の維持とか行政サービスの確保に留意しつつ高齢者を本格的に活用し、さらには高齢者の能力や経験や持ち味も十分に生かせるような視点も重要でございますので、業務内容や業務運営方法の見直しを図ることも必要というふうに考えております。
 さらに、高齢者の関係につきましては、各人の能力、適性に適合した雇用機会を拡大する上で、政府全体として省庁を超えて雇用機会の提供というか人材情報の交換の場を設けるといったような対応も必要ではないかというふうに考えている次第であります。
 現在、六十歳定年制を前提としまして人事管理の仕組みができ上がっております。先生御指摘のように、今後、六十歳代前半層の職員の雇用といったものが本格的に動いていくためには、現在のそういった六十歳定年を終点とする現行の人事管理システムといったものは見直しまして、六十五歳継続雇用というようなものを組み込んだ新たな人事管理システムの構築が必要ではないかというふうに私どもも考えております。
 また、高齢化の進展とともに国際化や高学歴化あるいは勤労観の多様化、そういった社会経済環境の変化といったものもありますから、そういったものに対応する公務員制度を目指すという意味でも人事管理システムの全般的見直しが必要ではないかというふうに考えております。
 気持ちはそういうことでございますが、若干具体的なものを申し上げますと、年功を重視した人事体系、処遇体系の見直し、あるいは就業意識の変化とか専門職志向に対応した多様な勤務形態や昇進コースの設定、そういったようなもろもろの課題があるのではないか、それに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○狩野安君  終わります。