第40回国会 内閣委員会 質疑5

平成9年5月27日(火) 10:00開会


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  出席者は左のとおり。
    委員長         鎌田 要人君
    理 事
                板垣  正君
                鈴木 貞敏君
                鈴木 正孝君
                清水 澄子君
                谷本  巍君
    委 員
                海老原義彦君
                狩野  安君
                矢野 哲朗君
                依田 智治君
                大久保直彦君
                永野 茂門君
                山崎  力君
                角田 義一君
                齋藤  勁君
                笠井  亮君
                須藤美也子君
                北澤 俊美君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  武藤 嘉文君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
   政府委員
       人事院総裁    弥富啓之助君
       人事院事務総局
       任用局長     角野 敬明君
       人事院事務総局
       給与局長     武政 和夫君
       人事院事務総局
       職員局長     佐藤  信君
       総務庁人事局長  菊池 光興君
       総務庁行政管理
       局長       陶山  晧君
       総務庁行政監察
       局長       土屋  勲君
       防衛庁防衛局長  秋山 昌廣君
       防衛庁人事局長  大越 康弘君
       科学技術庁科学
       技術政策局長   近藤 隆彦君
       科学技術庁科学
       技術振興局長   青江  茂君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 久雄君
   説明員
       文部大臣官房人
       事課長      伊勢呂裕史君
       文部省学術国際
       局研究助成課長  遠藤  啓君
       厚生大臣官房人
       事課長      丸田 和夫君
       自治省行政局公
       務員部給与課長  浦山 紘一君
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  本日の会議に付した案件
○一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時
 間の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○理事補欠選任の件
○国家公務員退職手当法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(鎌田要人君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○狩野安君 今回提出の研究公務員の任期制にかかわる法律案について質問いたします。よろしくお願いいたします。
 本法律案は、昨年七月に閣議決定された科学技術基本計画の要請を踏まえ、人事院が検討、立案されたものと聞いておりますが、まず科学技術基本計画の概要と任期つき研究員の位置づけについて改めて御説明をお願いいたします。

○政府委員(近藤隆彦君) 科学技術基本計画の概要と任期つき研究員制度の位置づけでございますけれども、科学技術振興の重要性ということから出発するわけでございます。我が国が二十一世紀に向けまして、産業の空洞化とか社会の活力の喪失等を回避しまして豊かな国民生活を実現するためには、経済フロンティアの拡大等に貢献します新産業の創出といったものを目指しまして積極的に科学技術を振興することが重要でございます。このような観点から、一昨年十一月には科学技術基本法が制定されました。また、昨年の七月には同法に基づきまして科学技術基本計画というものが閣議決定されたところでございます。
 この科学技術基本計画に示されました大きなポイントは二つございます。第一点は新しい研究開発システムの構築ということでございまして、できるだけ創造性豊かな研究ができるような方向でさまざまな制度の改革をしようという点でございます。もう一点が政府の研究開発投資の充実という点でございます。
 このうち、制度改革につきましては、任期つき任用制度の導入でありますとか共同研究の促進あるいは研究者の兼業許可の円滑化とかいったものがございますけれども、特に任期つき任用制の導入につきましては、研究者の流動化を促進しまして研究者が意欲を持って研究できるように柔軟で競争的な研究環境を実現する、こういった観点から大変重要な施策というふうに考えられております。この任期つき任用制度につきましては、基本計画におきましては人事院に早期の検討を求めたところでございます。
 なお、この点に関しましては、研究者の意欲を引き出すためといった観点から「柔軟かつ競争的な研究環境を整備する」と、科学技術基本法の附帯決議におきましてもこのように述べられておりまして、この附帯決議の趣旨を受けましてこのような制度の導入につきまして検討を進めてきたという点もございます。
○政府委員(弥富啓之助君) お答えを申し上げます。
 ただいまのお話にもありましたように、昨年七月に閣議決定を見ました科学技術基本計画の中におきましてもその重点施策の一つとして、柔軟で競争的な研究開発環境の実現を目指しまして研究者の流動性を高め研究活動の活性化を図る、そのために研究者の任期制の導入の具体化につきまして本院に早期の検討を求められたところでございます。
 人事院といたしましても、これを踏まえまして関係各方面の意見を聴取しながら、研究活動の活性化を図る観点から去る三月六日に意見の申し出を行ったところでございます。
 具体的に申し上げますと、研究業務の特性を考慮して、新たな雇用の仕組みといたしまして、ま
ず一つは特にすぐれた研究者と認められている者を外部から招聘する場合のいわゆる招聘型任期制と、二つは独立して研究する能力があり高い資質を有すると認められる研究者を対象として先導的役割を担い得る研究者を育成するためのいわゆる若生育成型の二つの場合に、研究員を任期を定めて採用することができる制度につきまして、給与の特例及び裁量による勤務に関する事項を含めて整備することを求めたところでございます。
○狩野安君 これらの背景をもとに任期制を導入することとした政府としての基本的な考え方を総務庁長官にお伺いし、またその導入によりどのような効果が期待できるかということもあわせて総務庁長官の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今も御答弁がございましたように、日本の二十一世紀を思いますと、やはり科学技術創造立国という形でいかなきゃいけない、そのために、御指摘のありましたように科学技術基本法ができ、それに基づいて科学技術基本計画ができ、その中で招聘型とそれからもう一つは若生育成型という形で任期制を導入していこうということでございます。
 戦後の日本を見てみますと、これだけ経済が成長してきた中には相当技術革新が行われた。ただ、幸いにもアメリカその他の国が、先進国が割合日本に理解を示してくれてきたのではなかろうかなと思います。しかし、日本の方がどんどんそれをうまく活用し応用して新しい技術あるいは新しい商品を開発してきたために、どちらかといえば国際競争力ではもうこちらも肩を並べていけるところまでなってきた。そうなりますと、向こう様から見ればもう日本にそう出す必要はないんじゃないかということにもなってきたと思います。ですから、こういう形で科学技術を創造、いわゆるクリエートしていかなきゃいけないということが私は日本のこれからの方向だろうと思うのでございます。
 そういうことから考えますと、科学技術をどんどんやっていく中で、ある程度それはコストを考えていかなきやなりませんから、民間の場合には思い切ったことができないかもしれない。そうなると、ある程度コストを考えなくても、しかし場合によるとこれは研究すればすばらしいものが生まれるかもしれないぞというようなものはやはり国家で研究していくことが必要ではなかろうか。私はそういう面で招聘型というのはそれに当たっているのではなかろうかと思います。
 それからいま一つは、そういう形で日本がクリエートしていく中にあって、ずっと引き続いてしっかりしたものをつくり上げていくという意味において、国の研究機関、その中で一生懸命皆さんやってくれてはおりますけれども、やっぱり民間の頭脳というものを取り入れて、そしてその中で切磋琢磨しながらそういう国の研究機関の中でよりすばらしいものをつくり上げていこうという意味においては、こういう若手の人も入れて切磋琢磨させることが、将来の日本の科学技術がより進み、より新しいものがつくり出されていくということには役立つのではないかというふうに考えておるわけであります。
○狩野安君 ありがとうございました。科学技術創造立国の日本といたしましては、大変期待をしているということですね。
 招聘型と若生育成型、この二つの任期制の選考採用はそれぞれどの分野からどのような手続で行われるのでしょうか。選考の諮問機関のようなものはお考えなのでしょうか。人事院にお尋ねいたします。
○政府委員(角野敬明君) 今回の任期制でございますけれども、招聘型と若生育成型、二つのタイプを考えておるわけでございます。それぞれのタイプにおきまして、研究者を採用するに当たりましては任命権者でございます研究所長さんの選考によって処理を進めていただくというふうに考えてございます。
 少しく御説明させていただきますが、招聘型任期制につきましては、御案内のとおり、研究業績等により特にすぐれた研究者と研究社会で評価を受けているような方を国立の研究所にお招きしょうということでございます。研究者の世界では専門の領域につき優秀な実績をお持ちの方につきましてはそれぞれ情報があろうかと思っておりまして、そういう人につき任命権者である研究所長が具体的な採用計画を持ってお話しになるというふうに考えております。そういう個々の具体的な採用のケースにつきまして、事前に人事院に御相談をいただき、人事院の承認を得ていただいた上で処理を進めていただく、そういう手続をとることによりまして適切な運用を確保するようにしていきたいと思っております。
 また、若生育成型でございますけれども、対象になりますのが独立して研究する能力を有するような高い資質を有している研究者というふうに考えておるわけでございますが、差し当たり具体的には大学院の博士課程を修了したような方、さらにはその後数年間の特別の研究員活動の経験をお持ちの方を対象にしてそれぞれ選考を進めていただくということになろうかと思っております。
 こういう層の方を考えてみました場合に、個々に当たるというよりも、広い範囲から候補者を選ぶというふうなことをお考えいただくのではなかろうか。そういうことを意識いたしまして、若生育成型の採用手続に関しましては、事前に対象になるような職種、それからどういう手続で公募を行うか、そういうふうなものを記載いたしました採用計画書をおつくりいただき、それにつきまして人事院に御協議をいただき事後の処理を進めていただく、そういうことを通じて適正な推進を図っていきたいと思っております。
 御説明いたしましたように、招聘型、若生育成型いずれにつきましても人事院が関与させていただき、適正な手続等をしていこうと考えておりまして、御質問のような特別の諮問機関を重ねて設定するということまでは考えていないところでございます。
○狩野安君 わかりました。
 科学技術庁にお聞きしたいんですけれども、過日の新聞報道によりますと、科学技術庁は、我が国の国立研究機関が欧米と比較し規模が小さいこと、組織的にも縦割りであることなどが柔軟な人事管理を阻害し予算の硬直化をもたらしているとお考えのようでありますが、本法案の導入により、これらの問題も含めた改善に近づくとお考えでしょうか。

○政府委員(青江茂君) お答え申し上げます。
 今後、日本国といたしまして、例えば独創的、創造的な基礎研究でございますとか、地球規模の問題を解決するための研究でございますとか、それから防災等に資するための研究でございますとか、国としまして責任を持って遂行しなければならない研究課題というものはますますふえてくるだろう、こういう中におきまして、国立試験研究機関、国研というものの役割、それに対する期待というものは今後ますます高まってくるというふうに認識をしておるところでございます。
 そういうふうな国研の現状というものに対しましては、例えば各省庁縦割りの中におきまして業務が細分化されまして規模が小さい、こういうふうなところでもちまして国際レベルのいわゆるCOEと言われるような非常にハイレベルの研究機関というのが育ちにくいといった指摘もございます。
 例えば、我が国の大変高名な研究者の方がおっしゃいますには、研究機関というのは一定のスレッシュホールド、いわゆる閾値というのがあるんだと。それに達しないような規模、小規模でございますと、いかにその成員一人一人が頑張っても、マスとしてはどうもそのアクティビティーは上がらないというふうな御指摘をなさる方もいらっしゃいます。こういうふうな現状も一方にございます。
 また、国の直轄機関であるために、人事管理制度でございますとか財産管理制度、こういったものは一種の準則の中で対応しなければならない、一種の硬直性といいましょうか、研究現場という
ところからいたしますと、もう少し柔軟に対応していただいた方がいいんではなかろうかというふうな指摘もございます。
 こういうふうなことを逐次国研というものが本当に役割を果たしていく、真にアクティビティーの高い研究現場というものをつくり上げていくという観点から解決をつけていかなければならないというふうにも認識をしておるわけでございますが、こういう中におきまして、今回の任期制という問題は、いわゆる研究現場というものをより流動化した状態に持っていく、そういうことを通じまして活性なものに持っていくというふうなことでもちまして大変重要なステップになろうというふうに理解をしているところでございます。
○狩野安君 今お話を聞いて、本当にこれがスムーズにいけばすばらしいことだというふうに思っております。
 招聘型と若生育成型と二つあるわけですが、招聘型は何となくイメージとしてわかるわけですが、若生育成型ということで、これを導入することによって現場で従事している研究者にどんなふうな影響を与えるのだろうかな、また反発などは現場の人たちが持っていないだろうかと大変心配しておりますので、それをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○政府委員(青江茂君) お答え申し上げます。
 任期制導入の指針につきましては累次お答えしているとおりでございまして、いわゆる研究現場というものが流動化していく。従来とかくございましたようなタコつぼと申しましょうか、そこでじっとしておったのでは独創的、創造的な研究というのはなかなか花開かないというところがございまして、研究現場というのが横に動いていくということが大変重要というふうなこと、そこに発想の原点があるわけでございます。
 そして、任期制でもって入っていただける方というのは優秀な方でいらっしゃいます。非常に異なる研究環境の中で研究活動にこれまで従事をしてきました方、そういうふうな経験、知識というものも大変豊富な方がある研究現場に入ってくるということになりますと、研究現場全体の雰囲気というものを大きく変えるでございましょうし、それから受け入れた側の従前おられる研究者の方々に対しましても非常に知的触発の機会というものを与えるわけでございます。
 というふうなことで、決して反発とかそういったことではなく、新しい血が入ることによりまして研究現場全体がより活性化していくのではなかろうか、このように期待しているわけでございます。
○政府委員(菊池光興君) 今回の任期制は、ただいま科学技術庁の方からもお答えございましたように、研究者の流動化を図り研究活動の活性化を図るという観点から導入するものでございます。
 具体的に今回の任期制により、特に若生育成型ということで御指摘ございましたけれども、若生育成型につきましても、任期制により採用されるすぐれた研究者、その能力に基づく研究活動によりまして、従来からの国立試験研究機関にいる研究者との間で異なった背景、経歴あるいは研究実績というようなものに基づいて相互の交流が行われることによって、相互にいい刺激、啓発を受けて、これによってお互いに研さんが積まれるということになれば、今お話がございましたように研究実績というものも上がってくるであろうし、また国立試験研究機関の研究業務全体の活性化というところにも大きくつながってくるものと、こういうふうに期待しているわけでございます。
○狩野安君 確かに交流とかいろんなことを考えるといいことだと思いますけれども、現場で研究している人たちもきっと自分たちこそ最高に優秀だと思っておられる方ですので、優秀なというのはどこでどういうふうにして見つけるのかなと、そういうことで反発もあるんじゃないかと私は老婆心ながら思っているわけであります。そういうことで、これも十分に留意してやっていただきたいというふうに考えております。
 それからまた、若生育成型により採用された研究者が任期を満了した後の雇用や保障などについてはどのようにお考えでしょうか、聞かせていただきます。

○政府委員(菊池光興君) 若生育成型任期制の研究員については、その趣旨が、将来において特定の研究分野をリードしていくような優秀な研究者として認知されていくための登竜門として国立試験研究機関等においてそれにふさわしい研究業務に従事させる、そういう体験を積ませるというところにあるわけでございます。
 本来、任期制の研究員になることについては先ほどから公募によると、こういうようなお話がございます。本人の志願によって、任期がついているということを前提にそれに採用されてくるわけでございますから、任期満了のときには国との間における雇用契約で身分関係が切り離されるということについては十分御承知の上で応募してこられる、こういうふうに考えられるわけでございます。
 いずれにしましても、任期満了後におきましてはその試験研究機関における研究活動の経験が本人のキャリアパス、研究者としてのキャリアパスとして高く評価されて、それをもとに広く各方面における新たな研究活動に参画し活躍していくということが期待されているものでございますし、そういうような形で若手研究者としての育成が図られるものと、こういうふうに確信いたしておりますので、任期満了後における雇用の問題ということについては今からあらかじめいたずらに心配する必要はないんじゃなかろうか、政府の趣旨が十分生かされれば当然この問題は解決されてくるものと、こういうふうに考えております。
○狩野安君 それでは、今回の任期制で導入することとしている招聘型と若生育成型について別々の俸給表を設けていますが、その二つのタイプの任期つき研究員の給与水準についてはそれぞれいかなる考え方により設定したのか。また、招聘型については俸給表を超える特例的な給与額を定めることができることとしているが、どのような趣旨かをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(武政和夫君) 任期つき研究員につきましては、特定の研究業務にあらかじめ一定の業績を上げることを期待しまして任期を限って任用するというものでありますから、期待される職責に見合った給与を確保するというのが基本的考え方かと思います。
 また、人材確保という面から見ましても、招聘型研究員につきましては各研究所の特定のニーズに即しそれぞれの研究分野において顕著な実績となる優秀な研究者を確保する必要がある、また若生育成型につきましても将来優秀な研究者として広く研究社会をリードし得る資質の高い研究員を確保する必要があるという前提に立っております。
 これらの諸事情を考慮しまして、今回の俸給表はそれぞれにふさわしい俸給月額の水準を用意したところであり、これを具体的に申し上げますと、招聘型につきましては、三十歳代前半からの比較的若手の研究員に対応するものとして一号俸から、そして国内レベルの民間研究員のトップクラスの研究員の給与水準に相当しかつ研究所部内で見れば副所長に相当する水準である六号俸までを設定する、このような考え方をしております。また、若生育成型研究員につきましては、将来の我が国研究活動の中核を担うことを期待されている民間の優秀な初任から若手クラスの研究員との均衡を考慮して水準を設定しているところであります。
 また、法律につきましては特例的な取り扱いを規定しておりますけれども、通常は私どもは今申し上げました招聘型の俸給表水準に対応できるものというふうに考えておりますが、世界的なレベルの研究者を招聘する場合などにつきましてはこの俸給表では必要な人材が確保できない、そういった場合もあり得るかと思いますので、そのようなものに対応し得るよう、この法律で金額を出しています水準を超えた水準に個別に決定できるようにというふうに用意をさせていただいている
ところであります。
○狩野安君 それでは、総務庁にお伺いいたします。
 公務員の退職手当法は生涯雇用のためのもので、任期つきは期間が短いため低率の退職手当しか支給されないことになっております。処遇を含めて検討することも必要ではないでしょうか。例えば裁判官、審議会委員など、在職期間が短い特別職の退職手当の支給率適用などはお考えになっておられませんでしょうか。

○政府委員(菊池光興君) 国家公務員退職手当法上、任期つき研究員が任期満了により退職した場合の退職手当の支給率といいますか、これにつきましては、純然たる自己都合による退職の場合より高い支給率により計算されることとなっております。そういうような意味でいきますと、任期のついている審議会の委員と他の任期つきの公務員と同等の扱いをすることといたしております。
 また、任期つき研究員が任期満了後引き続いて国家公務員として採用されるという場合もあろうかと思いますが、こういうような場合には当然のことながら他の国家公務員と同様に、その前後の期間に断絶がないということであれば前後の期間を通算して最終的に退職する際に退職手当を計算して支給するということになります。
○狩野安君 あと、一般研究員に充てる予算や採用枠にもかかわり合いが出てくると思いますけれども、任期制の割合というのは全体の何%を想定しているのでしょうか。また、個々の研究所が必要なときに採用するというんですか、必要なときに募集するとか、そして募集したその時点で予算を要求するのか、また定期的に採用していくのか、それはもう既に予算も枠組みが決められているのか、その辺をちょっと教えていただきたいと思います。
○政府委員(菊池光興君) 今回の任期制につきましては、今年度予算が実は編成されてもう衆議院から参議院に移るという三月六日という時点で人事院からの意見のお申し出をいただきました。それで、慌ててといいますか、速やかに検討をしまして、本日その御審議をいただいているところでございます。既に平成九年度予算というのは編成済みでございますので、この法律に基づきます予算措置というのは具体的には講じられていないというのが実態でございます。
 今後、今回この法律を成立させていただいて、施行する段階になった場合にどう対応するかということになると思いますが、今回の任期制の具体的な導入の規模というようなことについては現時点で私ども明確に承知しているわけではございません。
 ただ、科学技術庁であるとか通産省の工業技術院であるとか、できれば法律が施行されたら今年度内の予算をやりくりしてでもできるだけ早期に導入したいということの御意向は承っているところでございます。そういう意味で、今年度どの程度の規模でできるかというのは各省庁において御検討いただくべきことであろうかと思いますけれども、既定の予算の枠内でこれをやっていくということに相なっております。
○狩野安君 果たしてうまくいくのかな、どうかなという心配もございますけれども、私の質問はこれで最後とさせていただきます。
 将来、我が国の科学技術立国に向け、柔軟な行政の対応による開かれた研究開発環境の整備が必要と考えます。それには間違いのない人選と育成が大変重要であると考えますが、最後に総務庁長官の見解をお聞きして、質問を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほども申し上げましたけれども、将来の日本にとりまして科学技術の振興ということは私は大変大切なことだと思っております。そういう意味においては、このような制度が導入されることは決してマイナスではなくて、私はプラスに働いていくと信じておるわけでございますし、今たまたま人事局長からことしの予算がどうかというような心配もございましたけれども、今なるべく通産省なり科学技術庁の中の予算の範囲でやっていただきたいのでございますが、本当にすばらしい方がここで入ってくるということならば、そういうものは予備費の中から支出してでも対応していくというのが私は政府の姿勢でなければならないと、こう考えております。
○狩野安君 すばらしい方に恵まれますことを心から祈念いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。