第142回国会 労働・社会政策委員会 質疑

平成10年3月3日(火) 11:44開会


出席者は左のとおり。
   委員長         鹿熊 安正君
   理 事
                海老原義彦君
                狩野  安君
                竹村 泰子君
                大脇 雅子君
                吉川 春子君
    委 員
                阿部 正俊君
                石渡 清元君
                佐々木 満君
                佐藤 静雄君
                武見 敬三君
                坪井 一宇君
                橋本 聖子君
                今泉  昭君
                和田 洋子君
                木庭健太郎君
                山本  保君
                瀬谷 英行君
                聴濤  弘君
                都築  譲君
                堂本 暁子君
   衆議院議員
       発  議  者  小川  元君
       発  議  者  河村 建夫君
       修正案提出者   金田 誠一君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       尾身 幸次君
   政府委員
       経済企画庁国民
       生活局長     井出 亜夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○市民活動促進法案(第百三十九回国会衆議院提
 出)(継続案件)
    ―――――――――――――
○委員長(鹿熊安正君) ただいまから労働・社会政策委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二日、上杉光弘君、笹野貞子君、菅野壽君及び吉岡吉典君が委員を辞任され、その補欠として武見敬三君、和田洋子君、瀬谷英行君及び聴濤弘君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(鹿熊安正君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鹿熊安正君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に竹村泰子君を指名いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(鹿熊安正君) 市民活動促進法案を議題といたします。
 本案の原案並びに修正案に対する質疑は去る二月二十六日に終局いたしておりますので、これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
〜中略〜
狩野安君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました市民活動促進法案に対する修正案及び修正部分を除く原案に賛成する立場から討論を行います。
 近年、ボランティアなどによる社会貢献活動が活発化しており、その社会的な意義も極めて大きなものとなってまいりました。阪神・淡路大震災や福井県沖の重油流出事故の際にも、大勢のボランティアの方々の献身的な姿を目の当たりにして国民各層が感動したことは、今なお記憶に新しいところでございます。こうした方々の活躍によって震災による社会的混乱の収束が早められ、また重油による環境への影響も最小限に食いとめられたことは否めない事実でありましょう。
 今後、財政状況が一段と厳しさを増す中で、高齢化が進み、福祉需要が一層増大することを考えますと、民間団体が行う社会貢献活動への期待は高まらざるを得ません。むしろこうした活動を抜きにしては我が国社会は成り立たなくなると言っても過言ではないと思われます。したがいまして、こうした活動を支援し、その健全な発展を促進するということが極めて重要かつ喫緊の課題となっていると申せましょう。
 本法案は、これらの活動に携わっている団体の切実な願いでもある法人格の取得を容易にしようとするものですが、これによって従来困難であった団体としての不動産登記や銀行口座の開設が可能となり、また社会的信用の得にくさなどといった障害も取り除かれることが期待できることから、現下の課題にこたえる内容となっていると判断し、大いに賛成いたす次第でございます。
 なお、本法案に対しましては、法人格の付与に当たって活動対象を限定したことや所轄庁による認証や監督が行われることによって排除される団体が生ずる、あるいは団体の自主性を損ないかねないなどとの指摘がなされたことも事実でございます。
 しかし、審査の過程における答弁によって民法の特別法としてのすみ分けの必要性からとった措置であり、主たる活動を十二項目に当てはまるようにすれば大部分の団体が法人格を取得できるとの解釈が示され、さらに行政の裁量の余地を狭め、書類審査によって法の規定に適合すれば速やかに認証する必要があることなどの点も明確にされました。
 また、公益法人並みの軽減税率や本法に基づく法人への寄附金控除の必要性を求める御意見もございました。重要な課題であるとは思いますが、容易に法人格を取得できるようにすることに加え税優遇制度を導入することは、厳格な審査に基づいている現行の公益法人制度とのバランスを失することになり、社会的な公正という面から見ても
適切ではありません。しかし、この点につきましても本法の附則に検討規定があり、その対象として税制も含まれることが答弁の中で明らかにされていることから、現段階では適切な対応がとられていると考えます。
 このほか、法人の要件など委員会における質疑で指摘された点については、理事懇談会でまとめ上げた修正案にできる限り取り込んでおり、現状ではベストと言ってよい内容になったと自負いたしております。
 このように、法案は当委員会の審査によってよりよいものになったと思いますが、ここで少しく私なりの感想を述べさせていただきたいと思います。
 特に強調しておきたいのは、本法案を衆参の多くの関係者が力を合わせてつくり上げたとの思いがすることでございます。今回、与党案を取りまとめられた方々の御苦労には並々ならぬものがありましたでしょうし、対案を出されました方々にも同様の御苦労があったと思います。
 当委員会におきましても、趣旨説明を聴取した後、都合五日間にわたって委員会を開催し、多くの参考人の方からも御意見を伺うなど熱心に取り組んでまいりました。またこの間、理事懇談会を頻繁に開催し、十一時間にも及ぶ修正協議も行いました。本法案、二つの対案、いずれの法案にしましても、活動をしておられる団体の切実な要望にできる限りこたえたいとする発議者を初めとする関係者の方々の思いは同じであり、それぞれのお考え、お立場に基づき工夫を凝らされたと思います。
 私たちは、本法案が現行制度との整合性を踏まえつつ団体の要望に的確にこたえていると判断しましたが、対案にも参考とすべき点は多々あったと思います。そして、こうした対案が出され、各法案が比較、対比されながら審査されたからこそ質疑がより白熱し、充実したものとなり、国会審議の活性化という点から非常に有意義であったと思われます。
 当初、私たちとしてもよりよい法案にしたいとの考えは持っておりましたが、衆議院が提出した法案でもあり、既に調整がし尽くされていることから見て修正はなかなか困難であるとの認識が先に立っていたことも事実でございました。しかし、こうした白熱した質疑や修正協議の中で、皆様の法案に対する熱意がひしひしと感じられ、できる限りの努力を行って法案をよりよい形に仕上げ、願わくば全会一致で衆議院に送りたいとの思いを強めました。
 このため、同僚の海老原理事を初めとする各理事、オブザーバーの方々の並々ならぬ御努力、御協力をいただき、本日全会一致をもって修正議決される運びとなったことはまことに喜ばしいことと存じます。
 国会議員みずから立案したものを、国民の声に耳を傾けつつ質疑を行い、関係議員が協力して知恵を出し合い、よりよいものにつくり上げられたという意味で、この法案に対してはまさに議員立法の真髄をきわめた感があります。私は、こうした法案の審議にかかわれたことをうれしく、そしてその修正の一翼を担えたことを誇りにも感じております。手塩にかけたこの法律について、三年後の見直しを含め、今後とも大事に注意深く見守っていくことをお誓い申し上げ、私の賛成討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)