第129回国会 予算委員会 質疑1

平成6年6月15日(水) 10:00開会


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   委員の異動
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     野沢 太三君     板垣  正君
     堀  利和君     山田 健一君
     西山登紀子君     林  紀子君
六月十五日
    辞任         補欠選任
     森  暢子君     三重野栄子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         井上 吉夫君
    理 事
                片山虎之助君
                久世 公堯君
                村上 正邦君
                梶原 敬義君
                北村 哲男君
                角田 義一君
                足立 良平君
                林  寛子君
                常松 克安君
    委 員
                板垣  正君
                遠藤  要君
               大河原太一郎君
                大木  浩君
                大島 慶久君
                狩野  安君
                沓掛 哲男君
                斎藤 文夫君
                下稲葉耕吉君
                野間  赴君
                服部三男雄君
                松浦 孝治君
                松谷蒼一郎君
                溝手 顕正君
                一井 淳治君
                上山 和人君
                川橋 幸子君
               日下部禧代子君
                谷畑  孝君
                種田  誠君
                肥田美代子君
                三重野栄子君
                峰崎 直樹君
                山田 健一君
                藁科 滿治君
                池田  治君
                笹野 貞子君
                武田邦太郎君
                直嶋 正行君
                荒木 清寛君
                牛嶋  正君
                刈田 貞子君
                林  紀子君
                吉岡 吉典君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       内閣総理大臣   羽田  孜君
       法 務 大 臣  中井  洽君
       外 務 大 臣  柿澤 弘治君
       大 蔵 大 臣  藤井 裕久君
       文 部 大 臣  赤松 良子君
       厚 生 大 臣  大内 啓伍君
       農林水産大臣   加藤 六月君
       通商産業大臣   畑 英次郎君
       運 輸 大 臣  二見 伸明君
       郵 政 大 臣  日笠 勝之君
       労 働 大 臣  鳩山 邦夫君
       建 設 大 臣  森本 晃司君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    石井  一君
       国 務 大 臣 
       (内閣官房長官) 熊谷  弘君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  石田幸四郎君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       佐藤 守良君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  神田  厚君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       寺澤 芳男君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       近江巳記夫君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  浜四津敏子君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  左藤  恵君
   政府委員
       内閣官房内閣安
       全保障室長
       兼内閣総理大臣
       官房安全保障室
       長        坪井 龍文君
       内閣法制局長官  大出 峻郎君
       内閣法制局第一
       部長       津野  修君
       国際平和協力本
       部事務局長    鈴木 勝也君
       警察庁刑事局長  垣見  隆君
       総務庁行政管理
       局長       八木 俊道君
       防衛庁防衛局長  村田 直昭君
       防衛庁人事局長  三井 康有君
       防衛施設庁建設
       部長       森本 直孝君
       経済企画庁調整
       局長       小林  惇君
       経済企画庁物価
       局長       谷  弘一君
       環境庁水質保全
       局長       野中 和雄君
       法務大臣官房長  原田 明夫君
       法務省民事局長  濱崎 恭生君
       法務省人権擁護
       局長       寛  康生君
       外務省総合外交
       政策局長     柳井 俊二君
       外務省総合外交
       政策局国際社会
       協力部長     高野幸二郎君
       外務省総合外交
       政策局軍備管   林   暘君
       理・科学審議官
       外務省アジア局
       長        川島  裕君
       外務省欧亜局長  野村 一成君
       外務省経済局長  原口 幸市君
       外務省条約局長  丹波  實君
       大蔵省主計局長  篠沢 恭助君
       大蔵省主税局長  小川  是君
       大蔵省理財局長  石坂 匡身君
       大蔵省証券局長  日高 壮平君
       文部大臣官房長  吉田  茂君
       文部省初等中等
       教育局長     野崎  弘君
       文部省学術国際
       局長       佐藤 禎一君
       文化庁次長    林田 英樹君
       厚盛大臣官房総
       務審議官     佐々木典夫君
       厚生省健康政策
       局長       寺松  尚君
       厚生省保健医療
       局長       谷  修一君
       厚生省生活衛生
       局長       柳澤健一郎君
       厚生省老人保健
       福祉局長     横尾 和子君
       厚生省児童家庭
       局長       瀬田 公和君
       厚生省保険局長  多田  宏君
       農林水産大臣官
       房長       高橋 政行君
       農林水産省畜産
       局長       高木 勇樹君
       食糧庁長官    上野 博史君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   江崎  格君
       通商産業省通商
       政策局長     坂本 吉弘君
       通商産業省環境
       立地局長     高島  章君
       通商産業省機械
       情報産業局長   渡辺  修君
       運輸大臣官房長  黒野 匡彦君
       運輸省運輸政策
       局長       豊田  実君
       運輸省自動車交
       通局長      越智 正英君
       運輸省海上交通
       局長       尾松 伸正君
       海上保安庁長官  井山 嗣夫君
       郵政大臣官房財
       務部長      楠田 修司君
       郵政省通信政策
       局長      五十嵐三津雄君
       労働大臣官房長  征矢 紀臣君
       労働省労政局長  齋藤 邦彦君
       労働省婦人局長  松原 亘子君
       労働省職業安定
       局長       七瀬 時雄君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       建設省建設経済
       局長       小野 邦久君
       建設省道路局長  藤川 寛之君
       建設省住宅局長  三井 康壽君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省行政局公
       務員部長     鈴木 正明君
       自治省行政局選
       挙部長      佐野 徹治君
       自治省財政局長  湯浅 利夫君
       自治省税務局長  滝   実君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
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  本日の会議に付した案件
○平成六年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成六年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成六年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)

○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、総括質疑を行います。狩野安君。
○狩野安君 自由民主党の狩野安でございます。
 普通の言葉で普通の人として政治をやりたいという羽田総理のもとで質問させていただくことを、私は大変光栄に思っております。
 私は女性でありますので、一言言わせていただきたいことがございます。
 男性優位であろうと思って入ってきた国会で、私は女性べっ視ということを感じたことは一度もございません。ですけれども、あの例の、どの女と寝ようと勝手だろうと言われたこと、そしてまたそれに対して女性担当の官房長官のおざなりな答弁には、男性を代表しての誠意ある答えを期待していただけに、むなしく聞こえました。その上、ある新聞社との会談で、一・一ラインと言われているもう一人の方が、あんなことは男ならだれでも言っているというようなことを言われたようです。そういう考え方を持っている男性の方が立派な政治家として永田町で幅をきかせているということは、女性である私は我慢することができません。
 そういう考えを持っている方が当選に至る経過の中で女性からたくさんの御支持をいただいているかと思いますと、なおさらあの発言は重大だと思いました。
 羽田総理も地元では大変女性に人気があると聞いておりますけれども、その大切な一票を総理のために投じた女性に何か一言このことに対して言うことはないか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。
 あの発言につきまして、あのとおりの言葉であったのかどうか、これはこの間官房長官から御説明したとおりでございます。私は彼ともずっとつき合っておりますけれども、女性べっ視というよりは平素の行動はむしろ女性の方を尊重する人そういうものであるということ、私は長いことつき合いながらそのことは理解いたしております。
 そして、私は平素から女性の方が、政治ですとかあるいは社会のあらゆる分野、これは特に社会でも産業の中でもそうでありますけれども、あらゆる分野の中に入ってこられて、そしてその能力というものを発揮していただくということは非常に大事なことでありまして、べっ視とか何とかというよりは、まさに平等に女性の方が認められる、そういう社会というものができていくということが非常に大事だろうと思って、これは長年私自身もそういったことで働いてきた人間でございまして、これからも女性の方がきちんと参画できる社会をつくっていくために、我々はこういったことを一つの契機としてさらに努力しなきゃならぬという思いを持っております。
○狩野安君 私はそういうことを申し上げているのではなくて、男ならだれでもそんなことを簡単に言うというそういう男性自身のお気持ちに対して聞きたかったわけであります。
 官房長官にしても、口では男女平等ですからとおっしゃっていましたけれども、官房長官に限らず、日本男性の頭の中には体じゅうに女性べっ視がしみ込んでいるような気がしてなりません。女性も御自分と同じ人間であるということを、理屈じゃなくて本当に自然体でお感じになってくださるようにお願いしたいわけですけれども、官房長官、それにあわせてちょっと二言お願いをいたします。

○国務大臣(熊谷弘君) 小沢代議士の御発言については、既に衆議院の予算委員会におきまして、私が確認をいたしまして、正確な話ではなかったという趣旨のお話をしたということはもう私繰り返しません。ただ、私はそのとき、参議院の本会議でもお答えをしたとおりでありますが、事実であれば不穏当であり適切でない考え方であり発言だと。しかしそういうことではなかったということでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、私自身女性問題担当大臣でございまして、男女共同参画型社会をつくる、そのために日本にはまだいろいろな問題がある、私どもそれを克服するために努力をしていかなければならないと考えておるわけでありまして、近々ようやくにしてこの男女共同参画型社会をつくるために内閣に正式な室もつくりまして、政府総力を挙げてその先頭に立って頑張っていきたいと思っておるところでございます。
○狩野安君 私は、言った言わないとかそういう形式的な問題じゃなくて、男なら当たり前だというようなことを言われた男性としての本当の気持ちを聞きたかったわけで、そういうことで質問をさせていただいたわけですけれども、もう一度よくお考えになっていただきたいと思います。
 時間がありませんのでそれで終わりにしますけれども、二十年ほど前までは、男性が社会において常に主導権を握り女性は結婚して家庭に入り子供を育てるという、女性にとって結婚は永久就職でありました。しかし、その後の女性の高学歴化と雇用市場への進出が大きな変化をもたらし、女性も職場において立派に責任を全うする仕事ができるようになってきたのです。そういう時代に女性が子供を産んでも働ける雇用政策、税制や年金面などでの優遇策をそれぞれどのようにお考えか、労働大臣、大蔵大臣、厚生大臣にお尋ねをいたします。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 現在、国会に雇用保険法の改正をお願いいたしておりまして、衆議院は既に通過いたしておりますが、その雇用保険法の改正の中にいわゆる育児休業給付制度というものがございまして、育児休業をとった場合に雇用継続のための給付金を出すという内容になっております。
 先生御承知のように、いわゆる育児休業法というのは既にございまして、子供を産んでもまたもとの会社へ戻って働き続けることができるという制度をつくっておりますので、これが定着できるように努力をすることでありましょうし、例えば、この育児休業をとっているお母さんになった方、その母親に一定のいろんな情報提供などを会社がやるような場合、それに奨励金を出すとか、あるいはいわゆる勤務時間の短縮というもの、子供がまだ小さいから勤務時間を短くしてそれでも勤めることができるようにするとか、あるいは事業所内に託児所をつくるような場合にはそれを公に御援助申し上げるとか、そういうようなことをいろいろやってまいりまして、女性が子供を産んでも働き続けることができるような世の中をつくっていくことが少子化社会を防ぐためにも重要な施策であると考えております。
○国務大臣(大内啓伍君) 平成六年度予算におきまして私どもが一番力を入れた一つの政策が児童家庭対策でございまして今、働く女性、年齢にいたしまして大体二十五歳から三十四歳、子育て期間と言われておりますが、その方々が大体今五六%ぐらいお仕事についているわけですが、これから二十一世紀初頭にわたりましてこれが七〇%ぐらいにふえてくるであろう、これが労働省の一つの調査の結果でございます。
 したがいまして、そうした方々に対しまして出産、育児をあらゆる面で支援していくという体制を確立するために、一つは出産、育児の一時金の引き上げといったような問題とともに、特に保育関係について多様なニーズがございますので、乳児保育であるとか延長保育であるとか、あるいは駅型の保育であるとか、あるいは企業における保育であるとか、各種多様の保育制度を初めて確立したわけでございまして、これらを推進することによりまして働く女性が安心して出産、育児ができるような体制を整えたいと思っております。
○国務大臣(藤井裕久君) 私も、狩野委員御指摘のように、旧来の男女の役割を固定的に考えるという考え方は全くおかしいと思っています。それぞれの能力に応じて、それこそ男女共同参加型社会といいますか、能力に応じた形でおのおのがその役割を社会に対して果たしていく、こういうことだと思います。
 したがいまして、税については私は当面は申立てあるということが正しい選択であると考えておりますが、鳩山労働大臣が今言われた育児休業給付については非課税の措置をとるということなどは税制上いたしておりますが、今後の女性の方の雇用のあり方などの進展を見ながら、税で何か考えるべきことがあればまた検討させていただきたいと思っております。
○狩野安君 現在の住宅難、高い教育費を考えて、仕事をしながら結婚、子供を産みたいという女性の願いは現在大変困難な状況であります。この状態が続けば未婚や子供をつくらない家庭が一層ふえる結果となり、ますます高齢化の一途をたどるような結果になると思いますけれども、総理はこの少子家庭の現況についてどういうふうにお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(羽田孜君) 少子化が進んでおるということ、これは日本の将来にとって憂うべき問題であろうと思っております。
 そうなってきますと、しかも高齢化が進んでくるということになると、支える分母というのは少なくなってくるわけでありますから、そういう社会というのは非常に厳しい社会になっていくであろうというふうに考えておりまして、少子化に対する対策というものも国を挙げて真っ正面から議論し取り組んでいくべき問題であろうというふうに考えます。
○狩野安君 目標をきちっと定めて一貫して政策を展開していただきたいと思っているわけですけれども、私は、例えば総理みずからが大きな、何ですか、今一家族二・九六人ということですから、一家族五人を目標にとか大きく目標を掲げられるようなことをなされたらいいんじゃないかということを御提起したいと思っております。
 続きまして、私は主人を亡くし多額の相続税、所得税、そして地方税、市県民税と払わせていただきました。もうけたお金に対しての税金ではなくて、先祖伝来の土地を相続税のために手放したわけでありますので、一時は先祖が化けて出るのではないかと思ったときもありました。でも、先祖のおかげでお国のために貢献できたと思えば気が楽になりましたけれども、税金は正しく使われてほしいと心から願っております。国会議員である私でさえそういう思いがいっぱいでありますから、政治家を信頼して任せている国民の思いは切実だと私は思います。
 そこで、十四日の税制協では七%を軸に消費税を考えるということになってきておりますけれども、九日の連立与党の税制基本小委員会は消費税率引き上げの必要性を挙げ消費税アップ不可欠と報告書をまとめ上げたようですけれども、税制協小委員会では引き上げ時期や幅については先送りする、ことしじゅうに考え方をまとめるということになっています。このことについて総理はどういうふうにお考えでいらっしゃいますか。

○国務大臣(羽田孜君) 今、税制協議会、これは前年の国会での決議、今度の特例措置の決議ですね、こういったものなんかも踏まえながら、やはり抜本的な税制改革をやらなければいけないということ、そして将来を考えましたときに、中堅の勤労者の皆様方に偏ったものではなくて国民が幅広く負担する、そういった方向にいこうということであろうというふうに私は考えておりまして、私はその方向は正しいだろうというふうに思っております。
 税制協議会の方では今御議論をいただいておりまして、これは何とか六月中に一つの成案を得ようということでありまして、この結論がどんなふうに出てくるか私まだ承知しておりませんけれども、一つの方向が出されるものであろうと思っております。
 ですから、幅とかそういったものは、これは年内に法律を成立させなければいけないわけでありますから、いずれにしましてもそういった議論というのは深まっていくと思いますけれども、今一つの輪郭が示されておるということでなかろうかというふうに思っております。
○狩野安君 それが、九日の小委員会でまとめ上げたそのときに、私はどの新聞も見たんですけれども、その報告を先送りするという理由が驚くべきことに社会党への配慮のためとなっておりました。
 今の内閣はどちらを向いて政治を行っているのでしょうか。国民への配慮なら十分に理解できますが、ただ民意の反映されていない少数与党による内閣が、連立復帰へのラブコールであり、なびかせるための道具として使われていることは明白であります。これがいわゆる永田町の常識なんでしょうか。だれのための政治なのか。
 国民にとって大事な問題なので、責任ある羽田内閣として、消費税アップの是非は、いずれにせよ本当に日本の国にとって不可欠な税金なら自信を持って国民に理解を求め、総理としてリーダー
シップを発揮され決意をなされたらいかがでしょうか。

○国務大臣(羽田孜君) 報道ではどのように伝えられているかわかりません。しかし、今までこれを一つの合意として物事を進めてきたということでありますから、多くの党の皆さん、多くの皆様方に理解されるということは、また理解をもし求めるということがあるとするならば、それはまさにやっぱり国民の広い層の理解を得るための努力というふうに私は受け取るべきであろうというふうに考えております。
○狩野安君 消費税アップ反対のはがきが私のところにもたくさん来ています。
 消費税が導入される前は、買い物をしていると端数のお金をおまけしてくれたんですね。今は一円といえどもまけてくれるお店がないわけです。そうすると、毎日毎日買い物をしている主婦にとってはそれだけ、家計費というのは一円たりとも赤字を出さないように家計簿とにらめっこをしているわけですから、消費税には極めて強い抵抗があるわけです。
 その消費税が自分たちの権力の保持の材料に使われ、自分のところへ来れば考えてもいいが来なければ税を上げるというような状態では、自分たちの将来のことを考えても、税は大事だと頭ではわかっていても賛成を得られないと思いますので、その辺、誤解を受けないようによろしくお願いしたいと思います。

○国務大臣(羽田孜君) この税の問題については、政権の延命ですとかあるいは党利党略、そんなものでやれるものじゃありません。
 また、私ども少数政権ですよね。かって私が自由民主党にありましたころも、なかなかこの税の問題というのは絶対多数でもこれを本当に国民の中に問いかけることさえできなかった。しかし、今この時代には、むしろみんなでやっぱり議論をしようということで、先ほども申し上げましたように、特例措置をやったときには、全会一致でこの次の本格的な税制改革のために一つの何というんですか方向を出しましょう、それで年内に結論を出しましょうということになっているわけでございまして、これは決して党利党略とかそんなものじゃない。
 むしろ、こんなことをやったら、それこそいわゆる消費税やりましょうなんということは、選挙をやる者にとっては大変マイナスなことなんです。それと同時に、今前段でお話しがありましたように、やっぱり主婦の方々は毎日毎日買い物をされるということでありますから、税の理屈はわかっても、実際に毎日使っておる者にとっては、これは大変だぞ、これが上げられるのは大変だなと思っていらっしゃる気持ち、それを私どももよく承知の上でこの問題に取り組んでおるんだということ、これをぜひともひとつ理解をいただきたいというふうに思います。
○狩野安君 私たち主婦にとって本当に真剣に考えている問題ですので、真剣に取り組んでいるという姿勢を私はやっぱり国民に知らせていただきたいと思っております。
 また、日本人の平均寿命が年々延びてまいりました。これは喜ばしい結果であると思いますけれども、そうなりますと、なおさら高齢化社会に向けた福祉は現在よりもっと充実させなければなりません。国民の税金は、福祉を目的とする福祉目的税とも解釈され、国民のために活用、運用しなければならないものであります。
 これらの予算を組み立てるのは国会議員として最も重要な責任ではないかと思うのでありますけれども、細川前総理はこの最も重要な平成六年度予算を成立させず、まためどを立てることもせず、私たちから言わせてもらえば国会議員の義務を投げ捨て自分勝手に総理を辞任してしまいました。これに対して総理大臣はどういうふうにお考えになりますか。そしてまた、当時副総理であった羽田総理御自身の責任に対してはどうお考えになっておられますか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(羽田孜君) 今お話しのあった件は、まさに予算を内閣としてきちんと国会で成立させる、これは内閣の最も大きい責任であろうと思っております。ただ、細川前総理としてはああいう中にあって、みずからがこの席にとどまることよりはむしろ新しく政治を動かした方が国民の信頼を得られるものであろうという思いで私は対応されたんではなかろうかというふうに思っております。
 当時私も外務大臣でありましたが、副総理という立場でもございましたので、その責任は痛感をいたしておるところであります。そして、その後の内閣を組織しておるということでございまして、私は何としても一日も早くこの予算を上げていただきたいということで皆様に御協力をお願いしておるわけでありますけれども、非常に充実した議論をしていただいておりますことに対して心から感謝を申し上げておるところであります。
○狩野安君 予算を通さないでやめられたということに対しての感想を聞きたかったんですけれども、今回の総理交代劇のように、大事な予算審議を前に、単なる議員個々の利害関係のためにいたずらに時間を費やし国会を空転させるような無責任な行動は慎んでいただくようお願いを申し上げます。
 政権をだれが担当するかということは国政上大変重要なことは言うまでもありません。しかしながら、長期間低迷を続ける経済状況下で、今回の予算措置で目玉は何なのか、それによってどういう成果が期待されるのか、政策論議がマスメディアで取り上げられることも大変まれであります。何か予算委員会というのが政権闘争の場であるがごとき報道ばかりが目立っております。
 政府におかれましても、平成六年度の予算編成に対して特に努力されたこと、一言で言うならば目玉の政策は何なのか、それぞれの大臣にお伺いしたいのですけれども、まず総理と大蔵大臣にお伺いしたいと思います。そしてそのほかに、どなたか大臣の方でこれが目玉だという自信のおありの方からもお聞かせいただきたいと思っております。

○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。
 まず、五兆五千億円に上ります所得税の減税、これが実施されるということ。これは個人消費にいい影響を与えるということで、景気対策としても大変大きな役割を果たしてくれるというふうに思っております。
 また、当初の一般歳出につきましては、二・三%で非常に厳しく抑制されたものでありますけれども、投資部門経費は経常部門に比べまして高い伸びを示しているということであろうというふうに思っております。
 公共事業等につきましても高いものを提案しておりますし、また地方単独事業につきましても地方が単独で事業が進められるように手当てをいたしておるところでありまして、これは地方財政を取り巻く厳しい環境の中でありますけれども、六年度においても一二%増になっております。また、住宅投資の促進ですとか中小企業対策、雇用対策、こういったものを一つの柱にしておるということを申し上げられると思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 本予算は羽田内閣の、もっと言えば細川内閣でございますが、基本的姿勢を示すものでありますから、今お話しのように、全般にわたって内閣の姿勢を示している政策の集約が予算であると考えております。しかし、その中において当面の事態に対応するために景気に特別に配慮したことは事実であり、その点については総理が今言われたとおりであります。
 しかし同時に、景気だけのために本予算があるのではないということも事実でありまして、各般の施策にバランスをとって私は編成をしたものと考えております。福祉、中小企業、農業、それぞれにバランスをとって編成したつもりでございますので、もし大臣からお話があれば、個々についてはお聞き取りいただきたいと存じます。
○国務大臣(大内啓伍君) どなたかということでございますのであえて申し上げますが、今、日本というのは、お話しのように、超高齢化社会とか少子社会という避けようと思っても避けられない
大きな流れの上に動いているわけてございます、
 やはり今度の羽田政権の一つの大きな目玉といいますのは、そうした大きな流れを直視いたしまして、その中でやらなければならない政策というものを中長期にわたって展望しながら来年度の予算についていろんな政策を出しているというところでございまして、中長期的には、これは前にも幾らか行われたのでございますが、高齢化社会への福祉ビジョンというものを曲がりなりにも定量的にもお示しをしたということは、私はこれまで十数年見られなかったことではなかったかと。
 そういう中にあって、年金制度をどういうふうに改正したらいいか、長期的に安定した信頼できる年金制度というものを御提案申し上げる。それから、医療・保険制度についても相当抜本的な改革を今御審議いただく。それから、先ほど来御指摘がございました御婦人の社会的な進出に対して、出産、育児を支援するという相当多様な政策を用意した。また、今トピックでございますがんとかエイズといったような問題についても、これは相当重点的な計画を立てましてこれに対する配慮をしたという点では、まさに生活者の立場に立った、しかも将来の福祉社会というものを切り開いていく上で重要な提言をしている、こう考えておる次第でございます。
○狩野安君 所得、資産、消費にバランスのとれた高齢化社会にマッチした税制改革が望まれており、一夜漬けての国民福祉税の表明などは将来を考えた上での発言であるとは思われません。
 社会での女性の活躍、地位の向上などを考えると、パート税制などと言われている配偶者控除、配偶者特別控除などについても抜本的な改革が望まれるところではないでしょうか。今のままでは働く時間の制約、短縮、金額の制約となってしまっております。
 特定扶養控除につきましても、年齢を十六歳以上二十三歳未満の者で制限しておりますが、年齢のみで一律に区切るのではなく、実態に合った在学証明書等での適用が大切なのではないでしょうか。また逆に、乳幼児等の期間に対する特定扶養控除なども検討すべきであると思います。働く女性にとって保育所等への出費がかさむ時期には優遇されるべきではないかと考えております。
 総理並びに関係大臣よりこれについてのお考えをお願いいたします。

○国務大臣(藤井裕久君) まずパートさんの問題に絡んでの配偶者特別控除のお話でございますが、パートさん問題というのは一応世に言う逆転現象は解消いたしたというのはもう御承知のとおりであります。あとは、本当のキャリアウーマンと申し上げるんでしょうか、専従で働いていらっしゃる方、あるいは家庭の専業の主婦の方々とのバランスを考えながら、今、狩野委員御指摘の配偶者特別控除の問題をどう考えるか、これは論点の一つだと思っております。思っておりますが、パート問題については、逆転的問題が残るとすればこれは企業の配偶者手当の給付の基準あるいは健康保険料等の社会保険料の基準の問題であると考えております。
 また、特定扶養控除につきましても、御承知のとおり、今御指摘のように十六歳−二十二歳問題ということになっておりますが、これはそのころいろんな意味でお子様を育てる時期としては一番出費がかさむということからこのような特定扶養控除をやらせていただいておるわけでありますが、やはりあのとき、これは前政権でありますが、そういう一番出費のかかる時期はこのときであるという考え方のもとにやられたこの施策は私は正しいものと考えております。
 また、いろいろお話しございました点につきましては、税でやるのがいいのか歳出でやる方がいいのかといういろんな基本的な問題があると考えておりますが、私は税というものは基本的に公平ということが大事だと思っておりますので、このあたりの特別な措置、これは特別な措置になるか基本的な措置がはいろいろ議論あるところでございましょうが、この辺ではないか。あとは歳出の問題によることによって今対応しているのではないかと考えております。
○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、パート減税ですとかそういった問題が従来からあれされておりましたけれども、大蔵大臣から今お答えいたしましたように、この基本的な逆転現象というものは解消されたということで、あと大蔵大臣から今お答えしたのと私も全く同じでございます。
○狩野安君 昨年成立した環境基本法に基づく初めての環境白書ができました。その中で、地球規模で深刻化する環境の第一番目に人口問題を挙げ、今日の環境問題は、資源採取と不用物排出の量と質が自然の循環の容量を超えてしまったために生じたものであると分析しています。人口増加に伴う経済成長でエネルギー使用量も爆発的にふえ、生産と消費もふえ、人間の欲望もふえれば、比例して排出物もふえるのは当然です。
 日本には長い鎖国時代、限られた資源、使えるものを徹底的に再利用など再生してきた伝統と文化がある。そんなことを思い起こして、小さな行為の積み重ねで多少でも環境悪化にブレーキをかけようと白書は言っています。
 確かに、一人一人の自覚の問題です。でも、住民運動やボランティア、そして学校教育その他で一人一人の自覚は草の根的に高まっております。しかし、意識が高まれば高まるほど廃棄物は住民に嫌がられ、内陸では限界に来ております。しかし、一分の休みなくふえ続けているのが廃棄物であります。また、その処分に困っているのも事実です。
 二十一世紀を前に、世界のリーダーとなるべき国として、データをむやみに並べるだけではなく、この現実のごみをこれからどうなさるおつもりか。総理の先見を持った視野の広い政策をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(大内啓伍君) これからごみ等の量がこの十年間にかけまして一・五倍ぐらいの速度で増大してくるという意味で、御指摘のように、このごみの排出量の増大に伴いましてこれに対してどう対応していくかというのはもう最大の政治課題になっております。言うまでもなく、それは一つは廃棄物の適正処理を確立するということと、もう一つはごみの排出をできるだけ抑制するというものが二つにございまして、三つ目にはそれをリサイクルしていくという問題が大事でございます。
 このため、私ども厚生省といたしましては、御指摘いただいたようなケースも含めまして、資源ごみの集団回収を推進するためのいろんな助成、あるいは施設整備に対する助成を今積極的に行っているわけでございまして、特に平成六年度予算におきましては、単に燃やして埋める処理からごみ処理施設とリサイクル施設を一体的に整備する廃棄物循環型処理というものを今進めているところでございます。
 さらに、生産から再生利用の各過程におきまして、ごみを減量化すれば経済的にメリットが出てくる、こういう社会的な経済的システムを確立することが課題になっておりますので、現在、生活環境審議会におきまして製造・流通事業者、行政、住民、それぞれが果たすべき役割について今鋭意検討を行っているわけでございまして、この結果を踏まえまして適切な処理をしたいと考えております。
○狩野安君 私としては、総理大臣に大きな夢、例えばごみを海に埋めてそこに飛行場をつくりたいとか、何かそういう感じで現実的な問題、最終処理をしても必ずたまるごみ、今のごみの山はどういうふうになさるかというそういう夢みたいな話をお聞きしたいと思ったんですけれども。
 じゃ、もっとごみの問題を細かく質問させていただきます。
 資源ごみと言われる古紙、くず鉄などは町内会や子供会が中心になって集団回収が行われております。それが資源回収業者によって有償回収されてきました。また、その売り払い金が会の活動資金となって回収が促進されてきたことも事実です。しかし、最近の状況を見ますと、資源回収業
者は有償では回収せず、逆にお金を払わないと回収してもらえないと聞いています。集団回収の意欲にも影響することから、多くの市町村では町内会等に補助金を出して集団回収をやっと維持していると聞いておりますが、市町村の負担が大きいものがあります。
 集団回収が進まないとリサイクルが行き詰まるのではないかと危倶するわけですが、このような事態が起こるのはどこに問題があるか、関係大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(大内啓伍君) 今御指摘のような事態が起こっていることは、私どもよく承知しております。
 そこで、先ほど述べましたような形で廃棄物の処理、それから減量化、あるいはリサイクルといったようなものを、これは廃棄物循環型処理という形で総合的に解決したいと思っておりまして、今鋭意努力をしているということを申し上げたわけでございます。確かに自治体等の負担がふえている状況にございますので、そういう施設その他の助成についても格段の配慮をしたいと思っております。
 なお、先ほど夢みたいな構想はないかというお話でございましたが、きのうも実は、東京近辺でいきますと伊豆諸島というのがございまして、そこに一大廃棄物処理場をつくりたいという提案がございまして、これはまだ総理とは御相談申し上げておりませんが、そういうことも検討しているわけでございます。
○狩野安君 先ほど質問したような逆有償回収が続くようですと市町村の経済的負担が大きく、市町村が中心になって資源ごみを回収する現在のようなシステムを見直す必要があるのではないかと考えます。
 至るところ自動販売機が設置され、いろいろな容器があふれています。また、スーパーマーケットでは大量に新しい容器が使われ、これらが消費者に渡った途端すべてごみになってしまうことを考えると、このまま野放しにしてよいのかと疑問を持たざるを禍ません、このような状況を見ますと、資源ごみの回収に当たって製造業者や流通業者の責任について検討する時期にきているのではないだろうかと考えますが、それについてどう取り組もうとしているのかお伺いいたします。

○国務大臣(畑英次郎君) ただいま狩野先生御指摘のとおり、これからのごみの膨大な出現ということを考えますと、原則は自治体あるいは住民の方々が費用負担ということには法的には相なっておるわけでございますが、やはり事業者側においてもこれに積極果敢に協力をしていかなくちゃならない、こういう立場にあろうかというふうに考えるわけでございます。
 我が方といたしましても、かような意味合いをもちまして事業者の方々に従来から協力を呼びかけておるわけでございますが、残念ながらまだまだという感が深いわけでございまして、これから力を入れてまいりたいというふうに考えます。
 一つの例としましては、あき缶処理対策協会、そういう一つの組織がございますが、その中からスチール缶のプレスカー、圧縮する車等の寄贈を、これも例えば平成五年度の実績では三・二億円というようなことに相なっておるわけでございます。あるいはまたアルミ缶リサイクル協会、こういう組織もございますので、スーパーマーケット等の回収拠点の拡大、器を置きましてきちっと回収を図る、平成五年度末で約一千カ所というようなこともやっていただいておるということでございます。あるいはこのほかアルミ缶の有償拠点回収モデル事業、ちょっと難しい名前でございますけれども、いずれにしましても事業者側がより実態の上に立って、将来展望の上に立ってますます協力姿勢を展開していく、さらなるこれこそ積極的な呼びかけを通産省としてやってまいりたい、かように考えております。
○狩野安君 平成三年に制定された再生資源の利用の促進に関する法律、通称リサイクル法があります。この法律では製造業者の回収義務についてまでは踏み込んでいませんが、先ほど申し上げたとおり、回収義務まで検討することになれば当然この法律の見直しが必要と考えますが、通産省ではいかがでしょうか。
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御指摘がございましたように、事業者側の回収義務という点と従来の廃棄物に対する対応の法的な裏づけ、いまだに御案内のとおりいろいろかんかんがくがくの論議もあるところでございますが、現行法の中では、先ほど申し上げましたような意味合いでの協力と、あるいは進んで自分なりの社会的な責務を解消していくというのが現在の取り組みの限界ということでございます。
 これから私どもは、ちょっと失礼な話でございますが私自身も地方自治体の経営者でございますけれども、やはり今度は自治体側におきましても、そういった資源ごみであるかないかその辺の区分とかいろんな協力体制、そういう中での新しい納得づくの仕組みといいますものの論議をすべき時期には来ておるかな、こういう感じを受けるわけでございます。
○狩野安君 それでは、まるっきり視点を変えまして、私は、普通の言葉で普通の人として政治をやるということを言われている羽田内閣のもとで大変わからないことがあるわけですね。集団的安全保障、普遍的安全保障、国際的安全保障、この違いというのを私皆さんに聞かれるんですけれども、全然わからないわけです。これを、定義とかそんなことじゃなくて、どこがこう違うんだよという、本当に普通の人にわかりやすく説明をしていただけないかなとお願いをするわけです。
 外務大臣、私なんかでわかるような、簡単で結構です、私、難しいことを質問しているわけじゃありません。簡単に聞かせていただければありがたいと思います。

○国務大臣(柿澤弘治君) 連立与党の合意ということでなくて、今使われている言葉という一般論で申し上げますが、普遍的安全保障、集団的安全保障、国際的安全保障、それぞれ国連を中心として国際社会が集まって、それぞれお互いの努力で、その中で武力紛争に訴えるような人たちを事前に説得して予防するとか、それから武力紛争が不幸にして起こってしまったときには一種の警察的な行動でそういう人たちをみんなで抑えていこうと。PKOなんかもそれに当たると思いますが、決して紛争を拡大するとか敵味方の関係でなくて、仲間の中でそういうことをやった、地域社会の中でもときどきそういうことが起こるわけですけれども、そうした暴力行為に訴える人をみんなで抑えていこうというのが普遍的安全保障、集団的安全保障、国際的安全保障と言われる国連の枠組みだと思っております。
 その中で国連憲章上に集団的措置という言葉があるんですが、これは平和に対する脅威、今言ったようなことですが、これを抑え込むために集団的措置が必要な場合にはこれをとることができると国連憲章に書いてありまして、これが国連憲章上に出てきている言葉に一番近い言葉だと思います。その中には予防的な措置もありますし、またPKOのような、武力に訴えるのではないけれどもある程度の装備を持っていくというような活動もあります。それから、第七章と言われるような、国連軍をつくるとかいうような形でそうした暴力的な行為、軍事的な行為を抑え込もうということも含まれている非常に幅広い考え方だと思います。
 それを言いかえたのが一つ国際的な安全保障。つまり、これは国際社会で安全保障を守ろうというのだから、集団というと何か国連加盟国百八十四カ国の中の何十カ国かが集まってやろうというふうにとられる。国際的というとまさに百八十四カ国がみんなで力を合わせるんだということで、この言葉が出てきたのではないかと思います。
 さらに、普遍的というのは、その百八十四カ国、国連に入っていない人たちもいるわけですから、そういうユニバーサルといいますか、普遍的なという意味で普遍的安全保障ということだと思っております。
 そういうことで、いろいろな言葉が今出てきて
いるという状態ですが、いずれにしましても、国連を中心として国際社会の中の武力紛争に訴えようとする人たちを何とか抑えるというか、抑止していくという努力のことを指しているのだと、一番易しい言葉で言えばそうだと思います。
○狩野安君 何となくわかったような気がいたします。ありがとうございました。
 外務大臣から今御説明をいただきましたけれども、それに対して防衛庁長官は何かございますか。ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(神田厚君) 外務大臣が御答弁をいたしまして、大体そんなことでございますけれども、集団的安全保障といいますのは、平和に対する脅威、平和の破壊、または侵略行為が発生したような場合に、国際社会が一致協力してこのような行為を行った者に対し適切な処置をとることによりまして平和を回復する概念でありまして、国連憲章にはそのための具体的な措置が書かれております。
 それから、普遍的安全保障といいますのは、これは連立与党の確認事項の中で新たに出てきた問題でございまして、これは国連による平和と安全の維持のための枠組みの総体であるとされておりますが、政府としてはこのことに解釈をつけ加えてはおりません。連立与党をつくる政策協議の中で、安全保障の項でこの問題が出てきたわけでございます。
 最後に、国際法上確立された概念ではございませんが、国連による平和と安全の維持のための枠組みの総体を国際的安全保障と呼ぶこともあると承知しております。
 以上でございます。
○狩野安君 外務大臣の説明はよくわかりました。
 今、防衛庁長官のお話の中にも出てきましたけれども、普遍的安全保障は連立与党の中で生まれてきた言葉だということをお聞きしましたけれども、どういう経過でこういう言葉が出てきたのか、外務大臣にちょっとお聞きをしたいと思います。

○国務大臣(柿澤弘治君) どのような過程で出てきたかということだけは、私はちょっとそこに参加しておりませんでしたので、申しわけありませんがお答えできません。
○狩野安君 では、防衛庁長官にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(神田厚君) 普遍的安全保障の問題につきましては、どういう経過で言葉になって出てきたのかよくわかりません。
○狩野安君 わからなければわからなくても構いませんけれども、普遍的安全保障という言葉が出てきたのは四月二十二日で、社会党がそこにいたときですけれども、それから社会党が出られた後これは変わらないわけですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 羽田総理大臣は、連立与党時代の九項目の合意確認書を十分に尊重しながら内閣の運営をしていきたいということを再三おっしゃっておられますので、その意味ではこの確認書に従って私どもも努力をしていきたいと思っております。
○狩野安君 最後になりましたけれども、細川前総理に対する佐川疑惑につきまして、総理辞職により責任をとったことは当然として、もし御自分が潔白であるならば、逃避せずに正々堂々と国民の前で証人喚問に応じ釈明することが身の潔白を証明することではないでしょうかと私は思うわけです。それは、細川さんがあれだけ人気があって、それだけ信頼をしていた国民に対する一つの償いでもあると思いますけれども、これについて総理のお考えをお聞かせいただきます。
○国務大臣(羽田孜君) この問題につきまして私が御答弁するというのはふさわしくないんではないかと思います。しかし、いずれにいたしましても、実際にこの事務を取り扱っておられた深山さんが国会に証人に出られるということでありましょうから、そういった議論を踏まえながらのまたお話であろうというふうに私は思います。
○狩野安君  関連質問を斎藤さんにお願いいたします。
〜以下省略〜