第136回国会 予算委員会 質疑2

平成8年4月17日(水) 15:00開会
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   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     阿部 正俊君     馳   浩君
     笠原 潤一君     狩野  安君
     牛嶋  正君     鈴木 正孝君
     朝日 俊弘君     伊藤 基隆君
     阿部 幸代君     笠井  亮君
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  出席者は左のとおり。
    委員長        井上  裕君
    理 事
               大河原太一郎君
                斎藤 文夫君
                清水 達雄君
                塩崎 恭久君
                泉  信也君
                白浜 一良君
                都築  譲君
                山本 正和君
                有働 正治君
    委 員
                板垣  正君
                狩野  安君
                久世 公堯君
                河本 三郎君
                鴻池 祥肇君
                坂野 重信君
                関根 則之君
                武見 敬三君
                谷川 秀善君
                野沢 太三君
                野村 五男君
                馳   浩君
                服部三男雄君
                真鍋 賢二君
                依田 智治君
                荒木 清寛君
                岩瀬 良三君
                海野 義孝君
                大森 礼子君
                加藤 修一君
                小山 峰男君
                鈴木 正孝君
                直嶋 正行君
                益田 洋介君
                横尾 和伸君
                伊藤 基隆君
                一井 淳治君
                大渕 絹子君
                梶原 敬義君
                川橋 幸子君
                前川 忠夫君
                緒方 靖夫君
                笠井  亮君
                小島 慶三君
                島袋 宗康君
   国務大臣
       内閣総理大臣   橋本龍太郎君
       大 蔵 大 臣  久保  亘君
       法 務 大 臣  長尾 立子君
       外 務 大 臣  池田 行彦君
       文 部 大 臣  奥田 幹生君
       厚 生 大 臣  菅  直人君
       農林水産大臣   大原 一三君
       通商産業大臣   塚原 俊平君
       運 輸 大 臣  亀井 善之君
       郵 政 大 臣  日野 市朗君
       労 働 大 臣  永井 孝信君
       建 設 大 臣  中尾 栄一君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    倉田 寛之君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 梶山 静六君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  中西 績介君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       岡部 三郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  臼井日出男君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       田中 秀征君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 秀直君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  岩垂寿喜男君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  鈴木 和美君
   政府委員
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       総務庁長官官房
       審議官      土屋  勲君
       防衛庁参事官   小池 寛治君
       防衛庁防衛局長  秋山 昌廣君
       防衛施設庁長官  諸冨 増夫君
       防衛施設庁施設
       部長       小澤  毅君
       公安調査庁長官  杉原 弘泰君
       外務省総合外交
       政策局長     川島  裕君
       外務省アジア局
       長        加藤 良三君
       外務省北米局長  折田 正樹君
       外務省経済局長  野上 義二君
       外務省条約局長  林   暘君
       大蔵省主計局長  小村  武君
       大蔵省銀行局長  西村 吉正君
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       農林水産大臣官
       房長       高木 勇樹君
       農林水産省経済
       局長       堤  英隆君
       農林水産省畜産
       局長       熊澤 英昭君
       食糧庁長官    高橋 政行君
       郵政大臣官房審
       議官       品川 萬里君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       建設大臣官房長  伴   襄君
       自治大臣官房長  二橋 正弘君
       自治大臣官房総
       務審議官     湊  和夫君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮本 武夫君
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  本日の会議に付した案件
○平成八年度一般会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成八年度特別会計予算(内閣提出、衆議院送
 付)
○平成八年度政府関係機関予算(内閣提出、衆議
 院送付)
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○委員長(井上裕君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成八年度一般会計予算、平成八年度特別会計予算、平成八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 昨日に引き続き、総括質疑を行います。〜中略〜

○狩野安君 沖縄問題を初めとして国内外に難問が山積している中で橋本総理が本当に奮闘されているお姿を拝見いたしまして、私は大変敬意を表したいと思っております。また、きょうもテレビを拝見させていただきましたけれども、クリントン大統領を初め橋本総理の本当に明るくそしてさわやかな会見風景を拝見いたしまして、私もすごく安心をしたというか、新しい日米関係がこれからスタートするんじゃないかなというふうに感じまして、大変期待をいたしております。
 きょうのクリントン大統領との日米首脳会談の結果を先ほど共同記者会見で日米両国民へのメッセージとしてお話しになりました。日米両国が同盟国として、よきパートナーとして二十一世紀に向かって世界の平和と繁栄のために何ができるかということで胸襟を開いて話し合われた成果が伝わってまいりましたが、厳しい内外の諸情勢が多くある中でかなり突っ込んだやりとりもあったのではないかと推察いたしております。
 もちろん、日米関係を基軸として日本人とアメリカ人とが交流と理解を深めて、アジア地域の安定化、日米間の経済問題の解決に努めていくことが大切でありますが、きょうの国民へのメッセージの中での総理の思いをもう少し具体的にお話しいただければと思います。特に、総理は本日の首脳会談は太い柱と大きな屋根で支えられていたと言われておりますが、この点についてもわかりやすく御説明をお願いいたします。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 本日そして昨夜、公式、非公式二度のクリントン大統領との会談の時間を持つことができました。そして、これに至ります関係者の努力にも心から敬意を表する次第であります。
 今回、その議論を踏まえまして、日米両国国民へのメッセージ並びに今御議論をいただいておりました日米安全保障共同宣言という二つの文書に私はサインをいたしました。そして、恐らく大統領も同じ気持ちでおられると思いますけれども、この両国国民へのメッセージというものの中に、我々が今日当然のこととして改めて意識をしない民主主義あるいは自由というものがどれだけ大切なものであるのか、しかもお互いが逆にこれを大事にしていかなかったら非常にもろいものになりかねない、これは地球上いろいろなところで起きております現実の状況を振り返ったとき、特に私はそう思います。
 そして、その上で、地域問題について、現在もいろいろなところで我々は協力関係を持っておるわけでありますけれども、両国が協力していくことの大切さ、あるいは戦後五十年という一つの節目を越えて次のステップに入ろうとしている国際連合、国連改革という言葉が昨年は随分あちこちで聞かれましたけれども、ことしに入りましてからだんだん聞かれなくなりました。
 しかし、ただ安保理の問題だけではなくて、これからの開発に対する取り組みをどうしていくのか、あるいは国連そのものが財政的にどうすれば健全な姿になっていくのか、実はいろんなことを我々は価値観を共有するものとして話し合っていかなければならないと考えております。その意味で私は、昨日から本日にかけて、お互いが自分たちの問題意識をストレートにぶつけ合うことによって非常に得るものが多かったと思っております。
 昨年、私自身も責任がありますけれども、自動車問題という一つの分野での論争があたかも何か両国の関係を壊しかねないような印象にすらとられた時期がございました。私は、そんなものにならなくて本当によかったと思っておりますし、むしろその中から、経済問題というのはお互いにこれからも出てくるでしょうけれども、それこそ必要な場合にはいつでも話し合うということでお互いの中で処理をしていく、あるいはそれは国際ルールのもとで処理をしていく、当然のことでありますけれども、そういうことを改めて確認ができたことも一つよかったと思っております。
 そして、太い柱と屋根という形容詞の今お尋ねがありましたが、私はきょうの首脳会談というものを根元からしっかりと支えてくれた大きな柱があったと思うんです。それはまさに日米両国国民の相互理解というものでありましょう。そして、このごろむしろ交通手段が余りに発達し過ぎましてお互いの距離が近くなりました結果、ビジネスの行き来はふえましたけれども、私どもが学生時代、あるいはその後の時代を振り返りましたときほど、本当に若い人々がじっくりと相互で交流をする機会が逆に減ってきているような気がします。
 殊に、アメリカから日本に来て、日本で暮らし、日本で学び、日本を理解する、そうした機会が減ってきたような気がしてなりません。それだけに、私はこの相互理解という柱をもっと太くしたい。そして、将来もっとたくさんのアメリカの若者が日本に来られる機会をふやしたい。高校生の招聘プログラムも始めたい。今まで大学はございましたが高校までは手を伸ばしておりませんでした。あるいは若い芸術家の方々の招聘、そうした機会をふやしていきたい。そして、それによって相互理解という柱をもっと太いものにしていきたいと本当に思っております。
 また、屋根という形容詞を使いましたのは、まさに民主主義、あるいは自由、人権、あるいは開かれた経済といった普遍の価値のうち我々が共有するもの、これが私は屋根だと、そう思っております。そして、私はさまざまな思いを込めながら、こうした柱と屋根を持つ日米両国というものがこれから先もしっかりとしたお互いの協力関係を築き上げていくことによって、両国のためだけではなしに世界のために役立っていくものにしていきたい、そんな思いを込めております。
○狩野安君 ありがとうございました。何か総理の思いがすごく伝わってきたような気がいたします。
 次に、沖縄基地問題の象徴である普天間基地が沖縄県民の長年にわたる願いがかなって全面返還されることを初め、過去二十五年の返還実績を大きく上回る基地の縮小等の方針が決定されましたことは、クリントン大統領に敬意を表するとともに、死に物狂いで臨まれた橋本総理の政治決断とリーダーシップに大変感銘いたしました。
 国内的に、これから十一月に向け返還に伴う移転先等の問題について関係者の理解を得つつ取り組んでいかなければならないなど調整の積み上げが必要になってきますので、総理の決意のほどを承りたいと思います。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私どもは、本日まとめました日米安全保障共同宣言の中でも、「総理大臣と大統領は、米国が引き続き軍事的プレゼンスを維持することは、アジア太平洋地域の平和と安定の維持のためにも不可欠であることで意見が一致した。」という内容を盛り込みました。私どもは、確かに現在、日米安全保障条約というものを基盤にした日米関係によりまして、日本だけの平和ではなく、この地域の安定の上に大きく資していると思っております。
 そして、その結果、今日まで沖縄県に非常に多くの基地が重なってしまい、本土の我々がその重みに苦しんでおられる沖縄の方々の思いに十分意を用いなかったことから大変不幸な事件が発生し、それを機に基地の整理、統合、縮小というものが大変大きな問題になりました。そして、そのお気持ちを酌みながら、同時に米軍の機能、能力というものを低下させないという、ある意味では相反する部分を持つ命題に死に物狂いで取り組んできたつもりであります。
 結果として、普天間基地は五年ないし七年の間にヘリポートの新しい建設といった条件を満たした上で返還をされるということになりました。しかし、これはまさに約束ができ上がったということでありまして、これからその実現のためにはヘリポートが移される既存の基地の周辺の方々にも御同意を願わなければなりませんし、また御協力をいただかなければなりません。あるいは、返還後の跡地利用計画というものを本気でまとめ上げ、県とともにその計画にいつでも着手できるだけの準備を整えなければなりません。さらに、沖縄県外の他の基地にその機能の一部が動くケースもございます。
 先ほど泉議員にも御指摘を受けましたけれども、交渉事というものの性格から、途中で御報告のできなかったこと、あるいは事前に御相談ができなかった点でおしかりを受けている部分が多々ございます。これは交渉の責任者である私自身の責任でありますし、こうした点はおわびを申し上げます。
 方向がやっと確認をされ、前途に姿が見え始め
ましたこの普天間基地の全面返還というものに向けて、またそのほかのSACOにおいて合意をいたしました事項の着実な実施に向けて、我々も全力を挙げてまいりますし、県も協力を約束してくだすっております。国会におきましても、でき得る限りの支援をお与えいただきますように心からお願いを申し上げます。
○狩野安君 基地問題はこれからが本当のスタートだと思いますので、どうぞ頑張っていただきたいと思います。私たちもできるだけ後押しをさせていただきたいというふうに考えております。
 次に、最近、朝鮮半島情勢は緊張が続いており、我が国にとって朝鮮半島の安定は死活的な重要性を持つと考えております。朝鮮半島の平和のために日米韓の三カ国の協力が今回確認されましたが、他方、きのうの米韓首脳会談での韓国、北朝鮮、米国、中国の四者会談の提案との関係も考慮した場合、日本が今後具体的にどのような役割を果たしていくのか、これも総理大臣にお聞きしたいと思っております。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、昨日、クリントン大統領と金泳三大統領の間で合意をされ呼びかけの行われました韓国、アメリカ、中国、そして北朝鮮、その四者会談の呼びかけというものを非常に歓迎し、これを支持し、これが実現し、その結果、朝鮮半島に真の平和がよみがえることを心から願っております。
 そして、これに対しては、その意図が公表されました瞬間に私は支持の談話を出させていただきました。そして、数十年前に朝鮮戦争において相対侍したその当事者が、休戦協定に参画した四者が今回何らの前提なしにテーブルを一つにしてくれることができれば、そこから平和が生まれてくるのではないか、私はそう望みたいと思います。そして、その中で日本が果たし得る役割があれば、無論これに対して喜んで私は協力していくべきだと思います。
 他方、現実に進展しております問題として、いわゆるKEDO、軽水炉の供与の問題がございます。これは北朝鮮の核開発の疑惑が非常に大きく取り上げられました時点から、それに対応する方策としてアメリカが交渉の当事者となり、韓国と日本がともに手を結びながらこの論議を煮詰め、核開発疑惑を解消する手法として軽水炉供与という方針を決めました。私は、まさにこれは日本、アメリカ合衆国、そして大韓民国、この三つの国が連携をとり協力し合いながら行動していく一つのいい例だと思っております。
 そして、我々は朝鮮半島に平和が本当に戻ることを期待いたしますし、日朝の国交というものについても正常な姿になることを願います。しかし、それについても我々はきちんと韓国と相談をし、あるいはアメリカの意見も聞き、本当の平和がよみがえるその助けになるような形でその努力はしていかなければなりません。朝鮮半島の問題を議論していこうとした場合には、私は今まで以上に韓国、そして時にアメリカとの相談というものはきちんと連係プレーで進めていきたいと思っております。
○狩野安君 朝鮮半島と同じようにまた大事な問題があります。それは、中台関係については中国のミサイル発射演習により一時本当に緊迫の度を高めまして、私たちも万が一何かあるかと思って大変心配をいたしました。台湾海峡の緊張を解きほぐしていくためには、日米が中心となり、両国が対話を進める国際環境づくりが重要と思われます。
 今回の共同宣言には中台関係について直接触れられませんでしたが、首脳会談ではどのような話があったのでしょうか、これまた総理大臣にお伺いします。

○国務大臣(橋本龍太郎君) この安全保障共同宣言の中で中国問題に触れております部分は、「両国政府が、アジア太平洋地域の安全保障情勢をより平和的で安定的なものとするため、共同でも個別にも努力することで意見が一致した。」、こうした流れの中におきまして、「この地域の安定と繁栄にとり、中国が肯定的かつ建設的な役割を果たすことが極めて重要であることを強調し、この関連で、両国は中国との協力を更に深めていくことに関心を有することを強調した。」という表現をいたしております。
 我々は、先般、台湾海峡をめぐる情勢の緊迫で非常に心配したことを決して隠してもおりません。しかし、そういった問題が議論をされたかどうか自体を私はお返事すべきではないと思います。
 しかし、そうしたさまざまな状況というものを十分に踏まえた上で、我々は、中国が国際社会の中でより改革・開放路線を進めながら肯定的な役割を担ってくれることを両国が願っている、この宣言の中にはそのメッセージを織り込むべきだということで一致したと、そう御理解をいただければ幸いであります。
○狩野安君 共同宣言の「二十一世紀に向けての同盟」におきましては、安全保障面の二国間協力として、一九七八年の日米防衛協力のための指針の見直しを開始することで一致いたしました。この中には、いわゆる極東有事の際の対応を検討、準備するということも重要な課題ではないかと見られますが、総理として先日、法的側面の検討にも言及されているようですが、今後具体的にどのような方針で検討されていかれるか、お伺いいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) まさにこれから検討をするわけでありますので、具体的に今申し上げる中身を持ちません。ただ、私は先般、法的側面から申し上げたつもりはございません。
 ただ、先日、私は例示で、例えばどこか特定の地域における何らかの危機の中で在留邦人を救出する、あるいは避難民が発生しそれを受け入れる、そういった具体的ケースを考え、その場合に使える手法というものについての検討が十分なされていないということに気づいたということを申し上げました。そして私は、さまざまな事象がどういうものがあり得るかということをまず考える、そしてそれに対する対応策を検討していく中から、あるいは法的な整備を必要とするものも出てくるであろうと想定はいたします。
 しかし、これから作業を進めてまいります段階で、私どもは例えば法律制度が必要であるとかないとかいう固定した考えからこの作業をスタートさせようとは考えておりません。
○狩野安君 ありがとうございました。
 次に、共同文書の中で、人類や地球社会に対する脅威に日米が協力し立ち向かっていくことも確認されました。私は、女性の立場からしても、生命の安全、環境問題等にグローバルな視点で取り組んでいかれることは大変大切なことであり、コモン・アジェンダの協力に多数の国と人々が参加するよう働きかけていくべきだと思います。また、これを日本国民に知らせる努力が必要ではないかとも思います。我が国の平和外交の大きな柱として位置づけ、人類共生のプロジェクトに発展するよう総理の強いリーダーシップをお願いいたしたいと存じますので、一言御決意をお述べいただきたいと思います。

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、実は日米間のさまざまな分野の協力の中でコモン・アジェンダの果たしている役割というものが世間から余り注目を浴びておらないことを大変残念に思っておりました。
 今御質問いただきまして改めてお礼を申し上げますが、コモン・アジェンダと言われますものの中には、保健と人間開発の促進という柱、人類社会の安定に対する挑戦への対応という柱、そして地球環境の保護という柱、さらに科学技術の進歩という柱と相互理解のための交流の助長という大きな五本の柱がございます。そして、例えば途上国の女性の支援でありますとか、あるいは人口問題、エイズ、子供の健康といったテーマがこの保健と人間開発の促進の中では今までも進められてまいりました。
 今回、ここに新たに私どもが取り上げましたのは、一つは地球的な食糧供給。そして、エボラ熱のような新興感染症、あるいは現在結核が抗生物
質に耐性を持ってしまい抗生物質の効かない結核が実はふえてきております。再び興るという意味で再興感染症という呼び方をしておるようでありますけれども、こうしたテーマを我々は新たに取り上げることにいたしました。この新興及び再興感染症につきましては、日米両国の感染症の専門家によります初めての会合を、本年七月、京都で開くことにいたしております。
 あるいは、人類社会の安定に対する挑戦への対応、これは今まで麻薬だけが問題として取り上げられておりました。今回、テロ対策、自然災害、そして市民社会と民主化というテーマを新たに追加いたしました。市民社会と民主化と申しますと、途上国の選挙監視でありますとかあるいは司法制度の強化などの分野における支援調整といったものもございます。
 また、自然災害についてはアメリカも地震において苦い経験を負ったわけでありますが、我々も昨年の阪神・淡路大震災というもので手痛い被害を受けました。多くの人命も失いました。そうした共通の経験に立ちまして、自然災害早期警戒ネットワークを構築していけないだろうか、そんな思いを持ちながら本年の秋に地震のシンポジウムを開催したい、こうしたこともございます。
 あるいは、地球的な食糧供給という意味では、食糧生産力の向上のために共同調査研究等を行いたい。
 さらに、二十一世紀のための工学教育というテーマを新たに取り上げておりますが、これはコンピューター等先端技術の利用可能性を模索していこうということでありまして、これは日本でも既に一部さまざまな試みは始められておりますが、体系づけられたものとしてはまだ自信の持てるものにはなっておりません。これはアメリカの方も同じような問題があるようであります。二十一世紀のための工学教育というものができないだろうか。
 コモン・アジェンダの中で新たに我々が取り上げてきた幾つかのテーマはこのようなものでありまして、こうした地道な協力が私は何よりも大切な日米関係というものを下支えしてくれている、そのように信じております。
○狩野安君 まさしく、一見地味ではありますけれども、日米の共同作業として極めて有意義なものであると思います。そしてまた、これを国民に知らせる努力もぜひしていただきたいと思っております。
 この予算というものは、まさしく住専問題ということに集中をしておりますけれども、私を含めて国民の大半の方は新聞、テレビなどマスコミを通じていち早く住専という言葉を知り、そしてまた住専というのは何だということになると、あのバブルの時代に何千万円、いや何億円、何十億円のお金を右から左へ動かし、高級車を乗り回していた人たちの会社である、その人たちの借金のツケに私たちの税金が使われるんだということをマスコミ等で教えられたわけですから、お願いするとか御理解をいただきたいだけではもう国民の皆さん方は聞く耳を持たないわけです。聞く耳を持たないし、そして納得することもできないわけですから、もっと政府側が自信を持って、本当に日本の国のためになることだったら、絶対に必要と判断したならば、もう自信を持って進んでいただきたいというふうに私は思っております。
 そして、これはもう早い時期に、これはこういうふうになってこうだからと、住専問題という言葉が流れる前に政府の方から、これはこういうふうになるんですよ、こうだからこうしなければいけない、だからこういうことをした人たちはこのようにきちっと責任をとってもらいますよ、こういう悪い会社はだめにするんですよと、こういうことをもっとわかりやすい言葉で国民に示していただきたかったと私は思っております。
 しかし、その時期にはまだ橋本総理大臣は総理大臣としてのバトンタッチをされていなかったわけですから総理大臣に遅過ぎたということは言えないわけですし、また総理に歴代の方々の責任をとれというわけではありませんけれども、私たち政治家としての自己批判とともに、政治家としての責任の所在の追及が足りなかったような思いがいたします。
 ですから、今の国民の皆さんはよく勉強をしてしっかりした知識も持っておられますので、政府が自信を持って、そしてしっかりしたビジョンを国民の皆さん方に示すことにより、不安ながらも理解していただけると思います。本当に一生懸命私たちも頑張りますので、自信を持って進んでいっていただきたいと思います。
 それで、参議院の自由民主党では住専問題に関してのプロジェクトチームをつくりまして、衆議院の予算委員会と並行いたしまして約一カ月、八回にわたる会合を重ねて調査と検討をしてまいりました。その中間報告も出ておると思いますので、ぜひそれも参考にして活用をしていただければというふうに思っております。
 私は、そのプロジェクトチームの中で特に農林系の金融機関についての調査をさせていただきましたので、その件に関して二、三質問をさせていただきます。
 六千八百五十億円もの財政資金導入の目的について、農協系金融機関の救済や負担軽減をねらいにしたものであるとの論議があります。このような論議のせいで、農業の現場では、この問題に直接関係のない農業者までが非難の声を受けているという声も聞きます。
 今国会において、橋本総理、久保大蔵大臣とも繰り返し財政資金の導入は系統金融機関を救済することを目的としたものではないと答弁しておられますが、その声が必ずしも現場まで届いていないのではないでしょうか。あるいはまた、その声を否定しようとする傾向があるのではないかと考えられます。
 そこで、住専処理策が農林系統の救済や負担軽減の目的ではないということについて、改めて総理と大蔵大臣の明確な答弁をお願いいたします。

○国務大臣(久保亘君) これは二つの考え方を申し上げなければいけないと思っております。
 一つは、貸し手でございますいわゆる債権者としての金融機関、その一分類であります系統金融機関と呼ばれる農協関係の金融機関、こういうところと、母体行と呼ばれるいわゆる銀行へこういうところと住専とのかかわり方において過去の経緯における責任論という立場に立って考えてまいります場合に、系統金融機関は貸し手責任や経営責任は存在するとしても、住専問題の処理に当たって住専との直接のかかわりにおける責任というのはない。そういう意味においては、住専問題の処理は系統金融機関の救済という立場において財政資金の投入を決めたものではないという考え方を申し上げてきたわけであります。
 今度は物を考えてまいります場合に、農協系統金融機関は金融機関としての体力の面で銀行等と比べました場合に非常に基礎が弱いということがございます。その背景には九百万の農家が存在するということがございます。そういうようなことをすべて検討しました上で、農協系統金融機関にも贈与という形で一定の負担はしていただくが、この体力を超えるようなことをやりました場合には結果的に系統金融機関に信用不安を起こす可能性も、おそれもある。いろいろなことを検討してまいりまして最終的に決めたので、系統金融機関の救済を目的としてやったものではないが、最終的に預金者全体のことに配慮を加えるという意味においては系統金融機関の問題もよく考えた上で全体の合意を得たもの、こういうことだと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、久保副総理から御答弁をされましたけれども、もともとこの住専の問題というものが民間のことでありますから当事者間の話し合いで処理をしたい、そのことに時間をかけ過ぎ、先ほど御批判をいただきましたように、かえって国民に御説明をするのが後手に回った、この点でおしかりは私は甘受しなければならないと思います。
 そして、副総理が述べられたことに私からつけ加えるといたしますならば、住専というものに非
常にたくさんの金融機関が母体行として、あるいは一般行として資金を供給してまいりました。それは住専七社と言われるそれぞれの社によって違いはあるわけですけれども、いずれにしても多くの金融機関が関与してきたということは変わりがありません。そして、その七つに対して共通して一つ大きく横のくいのような形で入っている、それが系統金融の資金だったということもこれは事実です。
 そして、系統金融をも含めて当事者の責任分担を決めていく中からこのスキームというものが決まってまいりました。系統金融機関救済ということで決められたスキームではない、むしろ住専問題を処理するために住専というものをなくしてしまう、そのために必要な手法を講じたということでございます。
○狩野安君 明快な答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 次に、農林系統の住専問題に関する責任の明確化には、住専設立から今日の破綻に至った経緯を十分踏まえる必要があります。農林系統金融機関は、母体金融機関と異なり、住専の経営には参画せず、また母体行がみずから住専の業務分野に進出したような経営破綻の原因をつくったわけでもありません。
 さらに、平成五年の第二次再建計画の中で金利減免協力を行った際、金融監督当局から、農協系統には今般の金利減免措置を超える負担はかけさせないよう指導していく、農協系統には元本ロスは生じさせないとの説明を受け、これを前提として再建に協力したと聞いております。このような経緯を踏まえて、農協系統の貸付債権について全額返済することにしたと聞いております。
 しかし、農協系統金融機関が住専に多額の貸し出しを行っていたことに対するリスク管理の問題があるとの指摘もあります。
 住専問題については、バブルの時代に余裕資金が豊富にあったとしても、住専に対し多額の貸し付けを行っていたということは、結果的に農協系統が金融機関を経営していく上でのリスク管理が不十分であったのではないかという疑問も生じております。特に、これから金融自由化が定着する中で、他の業態との競争が激化するとともに経営の自己責任の一層の徹底が求められます。
 しかし、今回の住専問題に関して農協の貸付審査体制などのリスク管理を不安視する声もあります。農協は、農家組合員の相互扶助組織とはいえ、農家組合員の大切な貯金を預かっているからには、その安全な管理運営には一層の体制整備が図られるべきであると考えます。
 農協、信連の審査体制と内部検査体制の実態について、またこれからの体制整備はどのようにお考えになっているのか、農林水産大臣にお伺いいたします。

○国務大臣(大原一三君) 委員御存じのとおりに、ただいま農政審議会におきましてもこの九月ぐらいまでに、今おっしゃったような特に農協の信用、組織のありよう、これからの監督体制のありよう、それからそのチェック機能の充実等々について御審議をお願いしているところであります。農林水産省といたしましても、独自にプロジェクトチームをすぐにつくりまして、おっしゃったような問題について基本的な課題に今取り組んでいる最中でございます。
 先ほど、総理、大蔵大臣から大変御丁重な答弁をいただいたわけでございますけれども、御承知のように五千三百億円の拠出といいますか贈与というのは、これは農協系統にとっては大変な負担なんです。
 ちなみに一例を申し上げますと、内部留保が一兆三千しかないんです。協同組織ですからこれは当然なことであります。その中で五千三百を負担したわけでございます。一般行や二十一行等を見ますと、三十兆ないし四十兆円という内部留保を持っているわけでございまして、そういう意味では経営責任の果たし方として、もとより金融秩序の再構築という問題もございまして、五千三百億を贈与して、厳しい中であるがこの問題の解決をしてもらいたいということで拠出することになったわけでございます。
 御承知のように、金融組織の中で七十兆円というお金をいかにこれから運用していくかということ、非常に難しい課題をたくさん抱えております。農協内部で融通し合うということは不可能でございます。農協も、機械は持っている、自動車は買ったし、もう設備投資というのはそんなにないんです。貯蓄はふえていくことは確実でありますが、その資金を効率的に運用する仕組みが現在の系統の金融秩序では担保されておりません。それらを含めて抜本的な改革をしていきたい、かように考えているところでございます。
○狩野安君 力強い農林水産大臣の御答弁をいただきました。ぜひよろしくお願いを申し上げます。
 次に、農協系統金融機関の再編整備についてお伺いしたいと思います。
 このたびの住専問題を機に、銀行運営の改革や効率化などとともに農林系統金融機関の再編成などが論じられてきています。既に五年ほど前から、これはもう住専の前ですけれども、組織の再編成に取り組んでいたと聞いております。従来の三段階方式を平成十二年までには二段階方式に改めるという点で、組織機能の強化や効率化などの面でその効果はいかがなものなのでしょうか。
 また、農林系統機関については、農林中金法及び農協法を改正し、農林中金と都道府県の信連との合併などを進め、さらに全農と経済連、全共連と共済連の統合なども進めていると聞いております。これらの再編整備について、法改正の見通しを含めて農林水産大臣の所見をお伺いいたします。

○国務大臣(大原一三君) 委員のプロジェクトチームでも既に取り上げられたと聞いておりますが、現在あります農協システム三段階をできるだけ早く二段階システムに切りかえたいというのは、農協の、JAそのものの自己改革の御提言があって、我々としてもその提言を積極的にサポートする仕組みをつくっていかなければなりません。
 その中で、特に先ほども御指摘のございました金融システムのありようが、農協系統の存立の基盤にかかわるだけに非常に緊急を要する課題でございます。したがって、我々としては新しい農協法、農林中金法の改正を遅くとも次の通常国会までには用意をしたい、準備をさせていただきたいと思います。
○狩野安君 よろしくお願いを申し上げます。
 先ほども農林水産大臣がおっしゃっておられましたけれども、農協系金融の資金の源泉は農協貯金でありますから、農林団体の皆さんも地域への還元融資を望んでおります。もちろん、農協系統としてもそのことが望ましいと考えているのでしょうが、今日では農業活動も地域の経済活動も停滞しており、融資の需要を考えることはほとんどできないでしょう。
 農協系統の貯貸率は全国的に五〇%程度しかなく、貸し金の運用対策に頭を痛めているのが現状と聞きます。一方、農協系の住専七社への融資は五兆五千億円であり、七社借入額のおよそ四三%を占めております。
 私は、この機会に、農協の金融機関としてのあり方について十分に考える必要があると思います。農協系統は地域密着型の金融機関であり、地域還元を望む声を考慮するならば、この資金が地域においてより有効に活用されるよう検討する必要があるのではないでしょうか。
 そこで、農林水産大臣にお尋ねしますが、政府としてこれから農協系統の金融機関としての資金運用をどのように考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

○国務大臣(大原一三君) これは、大蔵省もおやりになるこれからの金融制度改革の一環として考えるべき部門がたくさんあると思われます。
 ただ、御指摘がありましたように、貯貸率が単協で四割水準、信連で二割、残りは全部農林中金か国債、地方公共団体にも回っておりますが、そのシェアは非常に少ない。したがって、蛇口が狭
いわけでございます。そういった面で、これからの金融改革の中で七十兆円、一千兆円の中で七十兆円の役割をどのように考えていくかということは、大蔵大臣もこれから進められる金融改革の中の位置づけを我々としても積極的に農協系統にも展開できるような仕組みをつくっていかなきゃならない。
 特に農林中金でございますけれども、ここへ全部お金が集約されております。今度、農林中金は先ほどの金融制度改革で、農中の証券会社、農中の信託会社、いわゆる子会社をつくることもできるようになりました。したがって、現在吸い上げられている四割とか五割の農中に集約された資金がむしろ一般金融機関並みに効率的に運用できる仕組みにできるだけ近づけていく手法はないかというのがやはり私は改革の一番大事なキーポイントだと思っております。
○狩野安君 いろいろと問題があるようですけれども、ぜひ国民の皆さんが納得いくような、そしてまたこの金融というか農林系の系統を初めいろいろな問題が、行革その他リストラ、いろんなことで国民の皆さん方が納得いけるようにぜひ御努力をお願いしたいと思います。
 最後ですけれども、食糧問題についてちょっと質問をさせていただきます。
 現在、我が国の農業は、担い手の減少、高齢化の進展、農山村における過疎化など厳しい状況に直面しております。二十一世紀に向けての世界の食糧需給は、開発途上国を中心とする人口増加や砂漠化などの地球的な環境問題から不安なものとなることも懸念されます。
 我が国の食糧の安定的な供給を図っていくためには、食糧供給体制を検討し、食糧自給の維持強化を図ることが重要であると考えます。これについて農林水産大臣はいかがお考えでしょうか。

○国務大臣(大原一三君) 大事な御指摘、ありがとうございます。
 現在、食糧自給率は、いろいろの数字を見ましても、FAOの数字を見ましても穀物自給率では世界で百十八番目だという非常にお粗末な自給率水準でございます。牛肉を食べますとその十一倍の量のトウモロコシが飼料として必要だということで、そういう計算でいきますと自給率がカロリーベースで四六%に落ちてしまう。これ以下に自給率を落とすということは、これはもう大変なことだと思うんです。
 ちなみに、二〇五〇年には地球人口が倍になって百億になる。我々の隣国には中国の十二億という、そしてまたその先には九億というインドの民もいるわけであります。この人たちの所得水準が上がり食糧志向が上がっていけば、やはり穀物の自給率等々、我が国に直接に影響を及ぼすものがかなり大きいと思うんです。
 そういう意味で、我々は今までいろいろ農業白書とかたくさん出してまいりましたけれども、日本の食糧自給率を上げるには、ないしは現状を維持するにはどうしたらいいかという処方せんが不透明な部分がかなりございます。これにはWTOのあのあらしのさなかで、我々はやはりある程度後退に後退をしてきた部門もなきにしもあらずでございまして、委員がおっしゃったように、これから二十一世紀を考えた場合に、そしてその際に、しまったという後悔がないようにするためにはどうしたらいいかということは、食糧安全保障ということで国策の基本にかかわる大きな問題の一つだと、かように認識をしております。
○狩野安君 食糧問題はすごく私は大事なことだと思います。
 特に、衣食住ということを言われておりますけれども、衣と住は一回きりで人間は死ぬということもございませんけれども、食糧だけはもうなくなったら人間は絶対生きていけませんので、本当に食糧の確保ということが大事だと思います。最低限の自給というものは守っていかなければいけないというふうに考えておりますので、ぜひよく御検討いただきまして、これからの日本の将来、私は食糧問題だけは大事に扱っていただきたいというふうに心からお願いを申し上げます。
 そしてもう一つは、今私も大変びっくりしているわけですけれども、イギリスで今起こっております狂牛病です。イギリス国民を大変恐怖におびえさせている狂牛病については、もういかなる手段を用いても我が国への侵入を防がなければならないと思います。政府はこのイギリスからの侵入を防止するためどのような措置を講じられているか、お伺いしたいと思います。

○政府委員(熊澤英昭君) お答え申し上げます。
 まず初めに、我が国におきましてはこれまで狂牛病は発生しておりません。いわば狂牛病の清浄国でございます。それをまず申し上げておきたいと思います。
 今お尋ねの輸入の問題でございますけれども、英国本島からの牛肉あるいは牛の臓器につきましては一九五一年以来輸入は禁止されております。また、生きた牛につきましても一九九〇年以来禁止をされております。ただ、昨今、狂牛病が国際的な問題となっていることにかんがみまして、これまでの措置に加えまして牛肉の加工品等につきまして、実はイギリスからは平成五年以来輸入実績はございませんけれども、三月二十七日以降、牛肉の加工品等につきましても禁止措置をとったところでございます。
 今後ともこれらの措置を確実に実施いたしまして、水際での防疫には万全を期してまいりたいと存じます。
○狩野安君 もちろん、英国からの輸入というものは今はやられていないということですけれども、これは牛が来るか来ないかというよりも、やっぱりこの病気が日本に入ってこないように、どういう形で入ってくるかわかりませんので、ぜひその辺もよく勉強していただきたいと思います。
 そしてもう一つ、最後になりますけれども、今また騒がれております水増し牛乳の問題についてでございます。
 全酪連の長岡工場に引き続き宮城工場においても、牛乳に脱脂粉乳、クリーム及び水を加えたものを成分無調整牛乳として販売していた問題が発覚したところでありますが、このような事態は消費者の牛乳に対する信頼を損ね、牛乳消費全体に大きな影響を及ぼしかねないだけに、あってはならないことであります。しかも、専門農協の全国連組織であり大手メーカーでもある全酪連がこのような不祥事を起こしたことが酪農生産者や国民全体に与えた不信感はまことに大きいものがあります。
 今回の不祥事が乳業者、乳業界全体に与えた影響を考慮し、これについての事実関係と農林水産省における対応についてお伺いいたします。

○政府委員(熊澤英昭君) 先生御指摘のとおり、私ども牛乳消費の拡大に努めている中で大変遺憾な不祥事だというふうに強く感じているところでございます。
 私どもは事件が発生した直後に全酪連から事情聴取を行い、さらに製品回収の指導を行ったところでございますが、同時に両工場におきます事実関係、さらに再発防止の体制の整備、責任者に対する厳正な処分等を直ちに厳重に指導したところでございます。
 また、酪農農家への影響が大変心配されますので、私どもは酪農農家への影響をできるだけ小さくするという視点から、中央酪農会議さらには全農に対しまして、両工場を初めとして全酪連に生乳を出荷いたしております農家の生乳が円滑にほかのメーカー等へ振り分けができますように直ちに指導をしたところでございます。あわせまして、全農及びさらに大手の乳業メーカーに対しまして、そうした振り分けた先の生乳の加工処理等について協力を要請したところでございます。
 なお、本日、新潟県知事から長岡工場に対します営業禁止処分を解除したという通知が全酪連に入ったという報告を受けたところでございます。また、全酪連が新潟県に対しまして再発防止対策を提示していたわけでございますが、それが適切であると認められた上で営業禁止処分が解除されたというふうに承知をいたしております。
 なお、宮城県につきましては、現在、全酪連が
再発防止対策を提示しておりまして、県の方で精査中というふうに承知をいたしております。
 農林水産省といたしましても、こうした事態を再び招くことのないように今後とも指導に万全を期してまいりまして、消費者の飲用牛乳に対します信頼回復に努めてまいりたいというふうに考えております。
○狩野安君 これはもう二度と起こしてはならないことですので、厳重に監督のほどをよろしくお願いいたします。
 大変お忙しい中、お疲れのところを貴重な時間をいただきましてありがとうございました。
 以上で終わります。

○委員長(井上裕君) 以上で狩野安君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 明日は午後三時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十一分散会