『りぶる』の表紙でもおなじみの

岡村敦子さんとの対談

 



垣根を曲がったら懐かしい焚き火、チロチロとのぞく赤い火が冷たい風を忘れさせてくれる・・・そんな温もりにも似て、赤を基調とした岡村敦子さんの絵は、見る人の心を和ませ、やさしく包んでくれるようです。『りぶる』の表紙でもおなじみの岡村さんの絵ですが、新年号の「岡村敦子アートコレクション」には、たくさんの反響がありました。元女性局長でもある狩野安参議院議員も、とても気に入った1枚がありました。「あの頃は」という、もの想う乙女の絵でした。

 

私にもこういうときが・・・

狩野  『りぶる』の表紙の先生の絵は、とてもあったかい雰囲気があって、素敵だなあと思っていました。そしてお目にかかって、ほんとにあったかい雰囲気の先生でいらっしゃるので、大変うれしく思っています。

岡村 敦子 ありがとうございます。そんなふうに言っていただくとうれしいです。
狩野 新年号で「あの頃は」を拝見しまして、「ああ、私もこういうときがあったんだなあ」という思いと、こういう純な気持ちっていうものをずっと失わないでいきたいなと思ったんです。それとね、私の亡くなった妹が小さいとき、こういう顔してたんです。その妹のことを思い出しながら、あれはいつごろだったかなと思って
岡村 お2人が育った時代ですね。
狩野 先生の絵と対面していると、つらいことも忘れ、ほのぼのと幸せな気持ちになれる不思議なパワーをもっているとそんなことを思いながら、この絵を通して、孫もこういう気持ちになってもらえればいいなと思ったんです。それで、私なんかでも手に入るのかしらと思って、問い合わせをし、購入させていただきました。こういうあった

かい絵というのは、どういうお気持ちで描かれるんでしょうか。

岡村 この赤い色というのが、私のカラーなんです。自分で赤い洋服を着でみて、着こなせるようになったら、絵のほうにも、その赤が採り入れられるようになった気がするんです。「赤はあなたの色だから、これでずっといきなさい」と絵の先生に言われたことがあったので、それを私の持ち色にしたんです。
狩野 よく洋服なんかでも、赤い色の洋服を着ると、気持ちも明るくなるし・・・。
岡村 そうそう、元気が出ますよね。
狩野 ですから表紙の絵を見ただけで、『りぶる』を読んでらっしゃる方は、とっても明るい気持ちになるんじゃないかと思うんです。
岡村 そうだとうれしいですね。私自身はけっこうのんびりした性格ですから、それが絵に出てるのかもわからないですね。私は「早く早く」とか「急いで」とか言われるのが、いちばん苦手なんです()
狩野 絵にそれが表れてるんだと思うんですね、きっと。「あの頃は」をお描きになったときは、どういうお気持ちで……
岡村 ゆったりと頬杖ついてね、のんびりするというのが好きだし、こういうほんとに純粋なかわいい女の子に会いたいなというような気持ちでしたかしらね。でも、このごろ街には少なくなっていますよね。たまにそんな子どもや女の子がいたりすると、なんとなく、ああ、よかった、今の時代でもそういう子どもがいるんだと思って、ほっとする。そういう気持ちもあったのかも知れないですね。
狩野 最近、若い方たちっていうのは、ほんわかとした人たちが少なくなってきていますね。
岡村 少ないですね。みんなダイエット、ダイエットでね。なんかふっくらした方を見ると、ああ、よかった、まだこういう方がいらっしゃるんだなあと。
狩野 そうですよね。私なんかも、そういう若い方に会うと、ほっとするというか、あったかい気持ちになれますものね。でも、絵のなかの人物はみんなふっくらとしていますね。
岡村 どうしてこんな似た人物ばかり描くの?と、よく聞かれますけど、もしご主人が私の絵を買って帰られても、奥さんに怒られないそうです。あんまり美人ではないし、奥様は機嫌を損ねないらしいんですよ()
狩野 ああ、喜ぶんですね。
岡村 いつでしたか、伊勢へ旅行してるときでしたけど、学生さんがお参りに来ていて、出店でお餅を買ったんですね。そこで食べるのかと思ったら、お家へ持って帰るとおっしゃった。ああ、まだこういう方が、そういう躾をされておられるんだなあと思って、うれしかったことがありました。
狩野 ちゃんと躾けられてる方がまだまだいらっしゃるんですね。これから世の中を背負っていく若い人たちが、もっとほんわかとした気持ちになってもらえるのにはどうしたらいいかしらと思うんですけど、先生の絵を見て、みんな「ああ、いいなあ」と思ってくれればと思います。
岡村 頬杖ついてるのは、あまりお行儀よくないかも知れないけど。
狩野 でも、先生は絵を通して、皆さんにいろんなあったかい気持ちを与えてくださっている、素晴らしいことですね。

岡村 いろんな能力はないんです。言葉とか、文章にするのはへたなものですから、絵で表現していくしかしょうがないなあとは思っていますけども、これからも丁寧に生きていきたいなと……
狩野 そうですね。『りぶる』の愛読者には先生がもっていらっしゃるあったかい雰囲気を感じていただく。それがまた家庭のなかで影響を与えてくれる。とても素晴らしいと思います。
岡村 そうなってほしいですけど……。難しいことはわかりませんけど、やっぱり描き続けていけば、自分の生き方も変えていけば、絵に自然に出るんじゃないかなと。絵を急に変えようとしても無理だから、自然体で、と思っています。
狩野 自然体、いいですよねえ。私も自然体で生きていきたいなと思ってるんですけど……。きょうは素晴らしい絵を見せていただいて、素敵なお話をうかがうことができて、ほんとうにありがとうございました。
岡村 ありがとうございます。