「共生社会に関する調査会」報告

 

 

 

DV防止法改正案が参議院を通過致しました。

昨年2月に、私ども共生社会に関する調査会の理事会の下に設置されました「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の見直しに関するプロジェクトチームが、このたび同法律の改正案をまとめ、本年3月25日の本調査会におきまして報告し、全会一致で法律案が決定されました。

当日の調査会には福田官房長官をはじめ、野沢法務大臣、坂口厚生労働大臣、小野国家公安委員長と、本法案に関係する所管省庁の4大臣が全員出席し、政府での関心の高さを表したものと実感いたしました。

翌26日の参議院本会議では、平成16年度の本予算採決という重要案件と並び、本法案の報告が行われ、調査会長として登壇報告し、採決のはこびとなりました。


「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律案」は、平成13年4月に本調査会が立法化を行った法律であります。その附則においては、法施行後3年を目途として検討する旨の規定が設けられておりますが、その3年を待たずに昨年2月に、調査会の理事会の下に配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の見直しに関するプロジェクトチームが設置され、学識経験者、有識者及び政府関係者等からのヒアリングやメンバー間での討議を重ねるなど、今日まで精力的に法改正に向けての検討を重ね、その結果を踏まえて各会派の総意をもちまして、本草案の起草、提案に至ったものであります。

平成13年10月の配偶者暴力防止法の施行以降、各相談機関において配偶者からの暴力に関する相談件数が増加するなど、配偶者からの暴力が重大な人権侵害であるとの認識が高まる一方、悲惨な暴力事件は後を絶ちません。

本草案は、これらの状況にかんがみ、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策を推進するため、「配偶者からの暴力」の定義を拡大するとともに、保護命令制度の拡充、国の基本方針及び都道府県の基本計画の策定、市町村による配偶者暴力相談支援センターの業務の実施等の措置を講ずるほか、被害者の自立支援等について定めることとしております。

 本草案の主な内容については次のとおりです。

 1、「配偶者からの暴力」の定義の拡大。

 「配偶者からの暴力」の定義を、保護命令に関する部分等を除き、身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいうものとすることとしております。なお、これに伴いまして、法律前文について所要の改正を行うこと。

 

 2、保護命令制度の拡充。
 
元配偶者に対する保護命令及び被害者の子への接近禁止命令を可能とするとともに、退去命令の期間を二週間から二 か月間に拡大し、退去命令の再度の申立てを認めるほか、保護命令の再度の申立手続の改善等を行うこととしております。


 3、市町村による配偶者暴力相談支援センターの業務の実施。
 市町村は、当該市町村が設置する適切な施設において、当該各施設が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにすることができること。


4、被害者の自立支援の明確化等であります。
 
国及び地方公共団体の責務を規定し、主務大臣は配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本方針を、都道府県は基本方針に即して基本計画を定めなければならないこととするとともに、配偶者暴力相談支援 センターの業務として被害者の自立支援及び関係機関との調整を明記するほか、配偶者暴力相談支援センターが業務を行うに当たっては、必要に応じ、民間団体との連携に努めるものとしております。

 

  このほか、警察本部長等の援助、苦情の適切かつ迅速な処理及び外国人・障害者等への対応について規定しております。
 なお、改正後の法律の規定につきましては、本法律の施行後三年を目途にその施行状況等を勘案し、検討する旨の規定を設けて
おります。 以上が本法律案の草案の趣旨及び主な内容であります。


○平成16年3月25日(木曜日)午後5時開会 参議院共生社会に関する調査会

≪本日の会議に付した案件≫
○共生社会に関する調査
 (「共生社会の構築に向けて」のうち配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の見直しに関する件)
 (配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律の一部を改正する法律案に関する件 )

≪ご出席の大臣≫

○ 内閣官房長官・男女共同参画担当大臣  福田 康夫君

○ 法務大臣               野沢 太三君

○ 厚生労働大臣             坂口  力君

○ 国家公安委員会委員長         小野 清子君