ビッグチャップ エイリアン マスク
![]() ビッグチャップ エイリアン マスク ((ディストーションズ アンリミテッド社 1983) |
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リドリー・スコットの出世作 『エイリアン』 も今年で公開から24年、四半世紀もすぐそこというのだから時の経つのは早いものだ。スターウォーズなどの影に隠れながらも(?)間を空けて4作まで製作され、今やSFホラー映画の古典としてそのキャラもすっかり定着した感がある。5作目も作られそうな勢いの人気シリーズなだけに関連アイテムも数多いが、特に昨年から今年にかけてはマクファーレンやパリセード社を筆頭になぜかエイリアングッズのリリース・ラッシュで、ファンのフトコロもさぞかし悲鳴を上げているのではなかろうか?
そういった最近のアイテムももちろん重要ではあるけれど、コレクターたるものヴィンティージにも気を配りたいもの。そこでひとたび過去を見渡し、かつて世に出たエイリアン関連アイテムで最も魅力に溢れ、有名かつ入手の難しいものは何だろうかとつらつら考えてみると、やはりケナーの18インチドール、ドン・ポスト スタジオのアクリルケース入りフェイスハガー、そしてここにご紹介するディストーションズ・アンリミテッド社のエイリアン マスクということになりそうだ。 このマスクは1979年の 『エイリアン』 第1作目で使用されたスタント用ヘッドのオリジナル・ムービーモールドからダイレクトに抜かれ、1983年頃よりディストーションズ・アンリミテッド社からごく少量リリースされた唯一のプルであり、今や伝説的な幻のプロップ・レプリカと言われているものである。
注)後にここに紹介されているマスクはオリジナルではないことが分かった。左記参照。 さて、上に掲げたマスクがそれで、今年になって入手した3体目である。 ご覧のように全長33インチにも及ぶ巨大なハンマー・ヘッドはまさに迫力十分。頭蓋骨が剥き出しになった頭部、側面を這う無機質なチューブ類、流線型のクリアドーム等々、その後のクリーチャー・デザインの流れに決定的な影響を与えた独創的なフォルムやディテールを間近で"体験"できるのが何より嬉しい。ラテックス製のため、写真のような高いスタンドに掛けてディスプレイすると弓のような美しい弧を描き、その見事さはまさに映画そのままのイメージだ。 また良く見ると側面には日本製の給油ポンプが使用されており、「出」、「止」という漢字がそのまま読めるのが日本人としては感慨深い。 最近の高額なプロップ・レプリカとは違って、一発型抜き・簡易塗装後、バキュームフォームによるクリアドームを被せただけのごくごく簡素なもの。ドームの後部も Mask とは十分にフィットしていないような造りだが、未だに撮影時の雰囲気を色濃く漂わせているのが何より得がたいところで、エイリアン・コレクター&ギーガーファンにとっては、今でも究極のアイテムのひとつではないかと思う。
一番左が90年代中期に入手した記念すべき1体目のマスク。頭部透明ドームに大きなクラックがあるのと、本体にやや型くずれしたところがあるのが惜しいが、今でも大切にしている。
中央は1体目入手からほどなく、アメリカの大物マスクコレクター、デヴィッド・レディ氏の手放したものが、ひょんなことから手に入った2体目。氏の著書である " DR. LADY'S COLLECTOR'S GUIDE TO MOVIE AND TV MONSTER MASKS " をお持ちの方は、旧版なら5ページ、新版なら6ページを開いて頂くと、これが部屋の右端辺りに小さく写っているのが確認できるはず。 歯は全面別パーツ仕様、側面にはチューブが新たに付け加えられる等、前オーナーの手によってスクリーンでのイメージにより近づけられている。ただし、入手時、頭部ドームやヘッドの上部にまで何故かブラックが吹かれていたのにはビックリ。やはり初代エイリアンの頭部カウルは透明でなくては、ということで、しっかり落として元に戻した。はからずも黒でウォッシングしたような効果が出て、ボブ・バーンズ氏所有のオリジナルヘッドに酷似してきたのがちょっと嬉しかったりしている。カスタム化されてはいるが、かなり気に入りの逸品だ。
さて、この3体目の入手を契機として、今回ディストーションズのエド・エドマンズ社長と間接的ではあるが初めてコンタクトを取り、このマスクについて2,3質問を投げかけてみた。以下はそれをリライトしたものである(以下E.E=エド・エドマンズ)。
以上がエド・エドマンズとの一問一答である。インタビューとしてあらかじめ周到に準備したものではないのでごく簡単なものだが、コレクター諸氏の何かの参考になれば幸いである。 このマスクは現在国内で9体現存が確認されており、うちミントは4体(当方所有のものを加えれば5体)だが、今回明らかになった信頼できる製造数からすれば入手のチャンスはまだまだありそうだ。エイリアンコレクターの方々はいまからでもじっくり時間を掛けてチャレンジしてみる値打ちがあるのではなかろうか。意外に道は近いかも、、、。^^ |
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情報提供:マイケル・ラングロア エド・エドマンズ ジョー・バナスキーヴィッチ 清原祐一 (敬称略) 2003.6.8 全面改稿 |