吸血鬼ブラキュラ
“吸血鬼ブラキュラ” ディスプレイ マスク
“吸血鬼ブラキュラ”マスク
(フィル・ニコルズ原型・製作)
もみあげだす。
尾崎紀世彦まっ青なモミアゲ。
これぞ男の世界だ!
生え際だす。
アデランスのCMではありません。
  マルコムXがニューヨークで演説中に射殺されたのが1965年、キング牧師の暗殺が1968年。“ブラック・イズ・ビューティフル”という言葉と共に猛烈なブラック・パワーが台頭するようになったのは、ちょうどこの60年代あたりからだったでしょーか。

 この60年代から70年代にかけては、シドニー・ポワチエが黒人で初めてアカデミー主演男優賞を受賞したり、『黒いジャガー』(1971)だの『黒帯ドラゴン』(1974)だのと言ったマッチョな黒人映画が出て来たりで、銀幕の世界でも何かとブラックな方々の活躍が目立った面白い時代でした。

 この動きはホラー映画の分野まで波及し、とうとう製作されちゃったのが『吸血鬼ブラキュラ』(1972)でした。シェイクスピア俳優のウィリアム・マーシャルがドラキュラより凶悪なブラキュラ(ベタベタなシャレ。後に『ブラッケンシュタイン』ってな亜流もありました)を演じた珍品で、マーシャルさんは元祖パパイヤ鈴木風モミアゲの魅力を十二分に発揮して大活躍。続編の『吸血鬼ブラキュラの復活』(あのパム・グリアーも出演!)まで作られたのを見ると、興行的にも結構ヒットしたよーです。

 ドラキュラの呪いを受けて吸血鬼に変身したブラキュラが現代のロサンゼルスに突如として復活、ロスを恐怖のどん底につき落す・・・というお話そのものは、ハマー・プロあたりでお馴染みのものですが、『ドラキュラ’72』なんかより、はるかに70年代っぽい雰囲気が濃厚に漂っているのが見所。最近の日本のバラエティなんかを観ている人には、アフロの吸血鬼はさぞや大ウケするんではないでしょーか。
 このブラキュラ、その毛むくじゃらの容姿に似合わず、元々は19世紀、奴隷制度反対のためヨーロッパに渡ったアフリカのマムワルド王子という高貴なお方。これ以上、下賎の者の血を吸い続けるのを潔しとしなかったのかどうか、ラストでは愛を捧げたティナの死を確認すると、朝日の中に身を投じてしまいます。

 おちゃらけたタイトルからはパロディものを連想し勝ちですが、これが結構シリアスに展開するんで意外に思われた方も多いかも。当時は黒人を主役にしただけの映画(いわゆるブラック・プロイテーション映画)が量産されていたので、細かなことはどーでもいいんでしょうな。

 さて、写真のマスクはテキサスの特殊メイク・アーティスト、フィル・ニコルズ原型・製作による特注限定品。肌と瞳をこげ茶、目と口の周囲に血糊の赤を配し、黒人特有のちりちりヘア、ごっついモミアゲまで完璧に再現した見事なマスクに仕上がっています。
 外人さんは顔の小さい人が多いせいか、マスクでも意外に小ぶりのものが多いのですが、これは自分の顔と比べてもかなりな大きさがあるため、迫力も十分。強暴な顔つきはいまにも噛みつきそうで、家族からはすっかり忌み嫌われてしまいました・・・。(^^A
 
 原型製作者のフィル・ニコルズは、FACADES FX LABを率いて活躍しているプロの特殊メイク・アーティスト。コレクター向けマスクの製作は80年代頃からやっており、丁寧な仕事でファンに人気があります。最近はトマス・ハリス『ハンニバル』"We can only learn so much and live."という言葉を座右の銘にしているらしい(?)ので、そのうちレクター博士のマスクも製作するかもしれませんね。

 なお、上記ブラキュラは現在も発注可。ブラック・プロイテーション映画に興味を持つ方など、インテリアにおひとついかがでしょうか。^^


2001.8.16

MASKS
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