ルーミス博士 (映画 『ハロウイン』 より)
ドクター
“ドクター・ルーミス”ディスプレイ・マスク
(リー・ロメアー原型・製作)
血管も浮いてます
まるで油絵のような細かな点描で
赤味を帯びた白人中年の肌を再現

お見事!
口はカットされてます。
見事なアゴ髭。手堅い職人技が光ります。
 ホラー映画の歴史を見渡した場合、ジョン・カーペンターの 『ハロウイン』(1978)は、やはり外せない名作映画のひとつだろうと思います。後に陸続と作られた亜流映画の原点となったこの作品は、何と言っても全編に得も言われぬ怪奇なムードが横溢しているのが特徴で、のっけからのスリリングな緊迫感に満ちたストーリー展開が秀逸でした。

 静かな夜の住宅地、嬉々としてハロウィンの準備に勤しむ子供達、木々の梢を揺らす風・・・・そんな何の変哲もないアメリカンな風景がジワジワと得体の知れない恐怖にとらわれて行く。

 無表情なマスクにその顔と心を隠し、一言も喋らず迫って来るブギーマンはまさに超現実的な
"恐怖" そのものを体現しており、残酷描写のみが売りの最近のスラッシャームービーなどとは明らかに一線を画していたと思います。

 カーペンターの恐怖演出もなかなかに冴えており、例の垣根の横にひょいとブギーマンが現れるシーンは実に印象的な名場面でした。この映画に限って言えば、当時カーペンターがヒッチコックの後継者と目されたのもあながち的外れではなかったように思えます。たった30万ドル程度の制作費、わずか一ヶ月で撮影したものながら、カーペンターの代表作に恥じない1本。現在
『ハロウィンH20』 がビデオレンタル中なのでこの際、改めて1作目を観直して見るのも良さそうですね。^^

 さてさて、コレクターの間では、このハロウインの主役キャラ、マイケル・マイヤースのあの白い
"スケキヨ" マスクは大変な人気で、これまでにかなりの数のバリエーションが出回っています。これ専門のコレクターもおり、素人にはどれをみて同じに見えるマスクを自慢気にズラリと並べていたりするので、この世界も実に奥が深い! なんぞと思ったりすることもしばしば。(^^A

 で、今回ご紹介するのは 『ハロウイン』 『ハロウイン』 でもマイケル・マイヤースではなくて、映画ではマイケルの担当主治医であり、マイケルの行方を追うルーミス(ドナルド・プレザンス)の珍しいマスク。原型・製作は狼男アメリカンのリー・ロメアーで、これが狼男に次ぐ第2作目。限定25個の特注品で、すでに完売。アメリカでも買い逃したコレクターで探している方もチラホラ見掛けるのですが、この出来映えを見ればコレクターなら触手が動くのも納得といったところ。

 モンスターでもなんでもない、ごく普通の人物マスクですが、造型・仕上げ共に完璧で、かつてのデュアン・ハンソン (Duane Hanson) などのハイパーリアリズムなども彷彿とさせるようなリアルな出来映え。言って見れば、ロンドンのマダム・タッソーの蝋人形館に迷い込んだかと言った風情であり、一般に市販された人物マスクの中でも疑いなく最高レベルの逸品だろうと思います。とりわけ肌のペイントは見事なもので、中年の白人の肌の質感を細密な点描で表現しており、なかなかに手間のかかったマスクと言えるでしょう。

 このマスク、通常のマスクのレベルをはるかに超えているにも関わらず、価格はきわめて低価格という実に嬉しい逸品。今後、コレクターマスクを語る際、このマスクや狼男アメリカン、ラス・ルキチの
バド はひとつの転回点になるのでは、という予感がしています。まぁ、マイナーで狭い世界ですが、なかなか面白くなってきたと思う今日この頃ではあります。^^

 なお、リー・ロメアー氏は巨匠ディック・スミスのコースを終了後、リック・ベーカー、スティーヴ・ジョンソンに認められ、最近ではあのジム・ヘンソンのヘンソン・アソシエイツで活躍中とのこと。今後映画の方でも氏の仕事振りを見る機会も増えてくることと思います。1ファンとしてこちらの方も応援して行きたいと思っています。

2002.7.27

〔 追 補 〕

 狼男の時と同じくリーさんより写真を送って頂いたので追加しておきます。塗装時と同じ照明を使ったOKショットだそうです。
クリックすると実寸になります。thanks Lee!!!


2002.8.11
MASKS
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