惑星Xから来た男
惑星Xから来た男 マスク

『惑星Xから来た男』プロップ・マスク
宇宙人がこんなデザインで良いのだろうか・・・。
オリジナル・ポスター

公開当時のオリジナル・ポスター
高額なんで写真だけ。

 50年代はSF映画花盛りの時代で、玉石混交、いろんなタイプの作品が作られた。が、紹介される機会を失したために、どちらかと言えば“石”に近いような作品は見捨てられ、我が国ではソフトすらリリースされていない場合が多い。ここにご紹介する『惑星Xから来た男』(“THE MAN FROM PLANET X”1950)もそんな中の1本。
 ストーリーは、惑星Xが地球に大接近するという歴史的事件のさ中、イギリスの片田舎に謎の宇宙船と宇宙人が密かに降り立つ。天文学者とその娘、そこへ取材に訪れた新聞記者がこれに絡んで物語は型通りに進んで行く・・・。

 僅か5日間で製作されたというだけあって、ストーリーもSFXもいささかお手軽という印象は否めない。いわば惑星接近物と侵略物という二つのエッセンスをミックスしたのがミソのような映画なのだが、二兎を追うものは何とやら、結果的にどちらの面白味にも欠けてしまったと言ったところだろうか。天文学者に協力するマッドサイエンティストみたいなのが登場し、これが宇宙人から秘密を聞き出そうと画策したりするのもお定まりで、国内未紹介なのも納得してしまうところではある。

 それはともかく、この映画に登場する宇宙人が、どう見てもアジア系のルックスなのが気になって仕方がない。のっぺりした平面的な顔、どこを見つめているか分らないつぶらな一重のその目元から、中国人や我々日本人の顔を連想することはさほど難しいことではないだろう。この宇宙人は比較的友好的な方で、同時代の『地球の静止する日』などとは、むしろ逆パターンなのだが、後に『猿の惑星』『グレムリン』において、一方の主役である猿やグレムリンが“日本人”のメタファーとして捉えられたように、あるいはそんな含みがあったのかもしれない。登場する女優の台詞に「あのゆがんだような恐ろしい顔ったら!」という台詞が聞かれるところに、黄禍論的東洋人蔑視感情を見てしまうのは僻みだろうか。まだ戦後間もない時期の映画だけに、もしそうだとしても仕方のないことではあるけれども。
 
 さて上はその『惑星Xから来た男』のオリジナル・ムービー・モールドを使用したプロップ・マスク。かつてディストーションズからリリースの広告だけ出たことがあったが、これはどうやら撮影用マスクをそのまま型取りしたもののようで、後頭部のファスナーや縫い目までしっかりと確認できるのがご愛嬌。塗装はチープな黄緑一色に、味付海苔を2枚貼り付けたみたいな眉毛が黒で描いてあるだけという、実にいい加減なもので、前谷惟光『ロボット三等兵』(古っ!)を彷彿とさせる情けなさである。もとの映画を知らない人が見たら、適当に作ったパーティー用の安物マスクと思われてしまうかもしれない。一応、これでもれっきとした映画プロップなのだが。一応、これでもれっきとした映画プロップなのだが。(←何で2回言うねん)
 
 とは言え、やはり善かれ悪しかれ50年代のテイストがそこはかとなく滲み出ており、見れば見るほど実に味わい深い顔という他ない。やっぱり50年代SFが好きな人達の、これはマスト・アイテムのひとつではあるまいか。
 この宇宙人、映画では“バブルガム・スタイル”の透明宇宙帽を被っているので、ハンズ辺りのアクリル素材で自作してライトアップしたら、かなり魅力的なディスプレイになるだろう。かつてTVC15からガレージキットが出ていたが、ぜひ一緒にコレクションしたいと思う今日このごろではある。

2001.6.24

MASKS
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