シークリーチャー
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![]() “シークリーチャー”ディスプレイ・ヘッド (ロバート・ロウディッシ原型・製作) |
![]() 触角とヒゲは別パーツらしい。 豪快かつ繊細な職人技が嬉しい逸品。 |
![]() 密談中(?)のメタルナとシークリ。 並べるとボリュームと迫力はかなりのもんです。 | |
1950年代から60年代にかけて、アメリカ映画はSFホラー映画花盛りの頃で、いかに珍奇な怪物を繰り出して映画館(こや)に客を呼び込むかを競っていたようなところがありました。そこでは半魚人やメタルナミュータントのようなデザイン的にも優れたキャラから、ビーチに集う水着のお姉ちゃんを襲うわけ分らんトホホなおやじモンスターまであって、まさにごった煮的活況を呈していたわけです。 そんなモンスター登場に一役買っていた人物の一人が、大頭人の項でも取上げたポール・ブレイズデルでした。 ブレイズデルは『金星人地球を征服』の金星ガニ、『暗闇の悪魔』の大頭人、『海獣の霊を呼ぶ女』に登場するシークリーチャー等で独特の造型センスを発揮し、ファンの間では未だに根強い人気があるようです。 中でもシークリーチャーは、ブレイズデルの他のキャラとはちょっと趣向の違う変わり種で、記憶に残るモンスターのひとつ。金星ガニや大頭人のようなエイリアンとは違って、催眠術によってヒロインの肉体に蘇らされた太古の魚族の霊と言う設定、しかも全身ウロコのヒゲ面で"女性"というのは、当時としてもけっこう新機軸だったのではないでしょうか。 ストーリー自体も怪しげな雰囲気濃厚。登場する催眠術師はなにやらヨーロッパにおけるメスメリズムの余波を未だに感じさせるようなカリスマで、スケスケのガウンをまとったヒロインの耳元にくっ付かんばかりに術をかける姿はいやらしくも妙にエロティック。そんな意味でもなかなかに興味深いものではありました。 モンスター造型そのものは、55年の『百万眼の目を持つ刺客』に出てくるエイリアンに似た感じで、頭部は触角とヒゲがちょうどXを描くように配置され、造形的にもバランス良くまとまっています。 ブレイズデルは造型ばかりでなく自らがモンスタースーツに入って演じてもおり、『エイリアン3 ![]() シークリーチャーは、我が国ではビリケンのフィギュアになったことで一部でお馴染みになったようなモンスターですが、60年代のSFTVシリーズ"アウター・リミッツ"に良く似たキャラ(写真左)が登場したりするなど、アメリカではほのかなノスタルジアとともに語られるような種類のキャラクターなのかもしれませんね。 ![]() 塗装は全体にグリーン、鼻の辺りはパープル、目は黒、瞳はオレンジと赤で描かれており、なんとなく往年のTV『まぼろし探偵』(←古いです^^;)を彷彿とさせるユニークな顔をしております。 リキャストのメタルナ・ヘッドとほぼ同サイズという、とにかく大きなマスクで、迫力も十分。大頭人ヘッドと並べるとまさに50年代B級SFの世界が広がってくる感じで、到着以来、管理人の大のお気に入りとなりました。 シークリーチャーのマスクには、これ以外にキャシー・サープ原型のものなどもあるようですが未見。いずれにしても50年代SF好きには発狂もんのアイテムと言えるでしょうね。^^ 2001.11.4
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