金星人地球を征服

金星人地球を征服(1956)

 高度な科学文明を地球に分け与えてもらおうと、科学者トム・アンダーソン(リー・ヴァン・クリーフ)は金星人を地球に呼び寄せてしまう。しかし、金星人は、ロボットこうもりを使って人間を奴隷化、地球征服を開始した。妻を奴隷化されたポール・ネルソン(ピーター・グレイヴス)は、回復の望みのない妻を射殺、洞窟の奥深くに隠れた金星人と対決すべく、アンダーソンと共に出発する。

 B級映画の帝王、ロジャー・コーマン大先生の超脱力SF映画として、そして、あの金星ガニが登場するおバカSF映画として、あまりにも有名。まぁ、この映画の人気の秘密は一にも二にもポール・ブレイズデルの作り上げた金星ガニ(命名は故大伴昌二氏)のためであることはいうまでもありません。どー見てもばかデカいハリボテなんですが、見ているだけで何やらほがらかな気分になってくるという摩訶不思議な効能があって(ほんまかいな)、私なんか今でも年に1回はこのテープをビデオにセットして鑑賞するくらい。
 しかし、内容の方は何回見ても情けなさ爆発。なにしろ、兵隊のバズーカ砲でも死なない金星人が、目をバーナーで焼かれたとたん、ぼてっ、と死んでしまうんですから、ショボさでは超一流でしょう。ぶはははは。
 数年前、イベントで劇場公開されたことがあったのですが、そのとき面白かったのは、家でビデオを観ているときには気づかなかったシーンでバカ受けしていること。
 ひとつは、ラスト直前、ピーター・グレイヴスが金星人に洗脳された将軍とその部下の科学者連中をあっさり(2、3秒で)射殺してしまうところ。会場大爆笑。もうひとつは、最後のセリフで「人間は感情があるから尊い云々」と悲愴な音楽をバックに真面目に説教を垂れるところ。会場またまた大受け。
 やはり、映画は映画館で観るものですね。(^^)

 写真はにっかつ版ビデオ。その後、マイカルハミングバード/パック・イン・ビデオから再発(94年頃)されましたが、現在はそれすらも廃盤。中古でもほとんど出てこないので、入手はかなり困難です。

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