"Topic of the Day"

 〔行政との対話K〕
7月22日(月曜日)、千葉市の行政の方達とお会いし、ALS患者長期受入療養施設の拡充並びに、介護負担軽減の為の行政サービスのあり方の、二点について話し合ったことについては、すでにご報告致しました。
さて、それについて市より回答を戴きましたので、その概要を実情に合せてお伝えする為に、市とのお仲立ち及びおとりまとめを頂いております、市民ネットワーク代理人の、山口市会議員と私舩後とのメールのやり取りでご報告させて頂きます。[記:舩後]


2002/08/06
ふなご様

1.
@本日、高齢障害課より先日の話し合いの回答をいただきました。
運用基準などをいくつか見直すことで、現行制度を利用して在宅ですごせる可能性を見出す
ことができたそうです。
また保健所が音頭をとり、ふなごさんについての「サービス調整チーム」を立ち上げる用意も
あるとのこと。

Aつまり
9時〜5時   「自薦式ホームヘルパー派遣制度」利用で自分で選んだホームヘルパーの
ケアを受ける。
この際の痰の吸引については自らの責任範囲とする。

5時以降〜午前9時
「介護保険」をフルに使い、事業者よりホームヘルパーを派遣してもらう。
ただし、夜間に事業者がホームヘルパーの手当てがつくか、痰の吸引のできるヘルパーが
いるかが課題。


月に1週間  病院でのショートステイ 「難病患者等短期入所事業」利用
(千葉東病院での受け入れが難しい時は市営病院か民間)
*療護施設でのショートステイは看護士の増員が必要なため、経費の関係上
なかなか対応ができないのが実情のようです。

Bつまり、3週間強の在宅生活に1週間のショートステイの組み合わせということになります。
問題は、夜間のケア。昼と夜の制度利用が反対になればもっと利用しやすいと思うのですが。

2.また、保健所を中心に「サービス調整チーム」を開催し、介護保険、医療、保健、福祉関係者が
集まり、ふなごさんの在宅の生活支援について協議していく用意も考えているそうです。
そこに療護施設や、病院関係者、ケアマネージャーなどが関われば、医療、施設、行政の3者が平場で
話し合えるのではないかということです。

3.平成15年4月に開設の身体障害者療護施設は「ハピネス浜野」といって中央区浜野町に建設されます。
千葉アフターケア協会というところが経営主体で、現在の松ヶ丘ホーム(身体障害者授産施設)を解消して、
こちらに移行するそうです。
ALSの方の枠は2人。お気持ちがあれば、入所希望を出されておかれたらいかがでしょうか。

私にメールをいただければ、先方の施設に電話で問い合わせを代行いたします。

4.とにかく、在宅生活を2ヶ月なり3ヶ月なり実践してみるのも一つの方法ではないでしょうか。
そして、どうしてもギブアップした時には、東病院でお願いできるというような約束をしておかれれば、
少しは気が軽く在宅に入ることができるでしょう。
そのためには、まずサービス調整チームを結成しなければなりませんので、今井先生にもサービス
調整チームに加わっていただくことがベストだと思います。

ふなごさんのご意向をお知らせください。
市民ネットワーク  山口 晴美



2002/08/07
山口様いつも、お世話になります。
ご連絡頂戴しました。お手数をおかけしました。

1.さて、今回の回答についてですが、私個人について特化されてのご配慮を頂いてるように感じます。
勿論話の起点は当家の介護破綻にあり、深謝申し上げる次第ですが、事は私個人に限らず患者全員の
抱える問題です。
従いまして、欲していました回答は、今井先生ご教唆の次年度予算獲得の為の、実験あるいは研究として
のトライアル的行政案であり、今回のご回答がそれに該当するか否やは、現時点では判りかねます。
仮にそうであった場合は、被験者の選択は、今井先生にご一任頂きたく存じます。
ただ、現行一日3時間しか確保出来ないヘルパーさんを、運用基準を見直すだけで24時間、おおまかに
言って月3週間も確保出来るとは大変な驚きです。
何にしろ、回答書も手元にないうちに、先回りしてお話するのもいかがなものかと存じますゆえ、後日今井先生に
ご相談した後、山口様に今後のお願いをさせて頂きたく存じます。

2.ところで、私個人の動向ですが、目下のところ新しい患者さんにお会いすることに、喜びを見出している
ところでございます。
それと安定しているとはいえ、患者であるがゆえ主治医の判断が最優先でございます。
これについても、また「ハピネス浜野」申込みについても、どの程度の症状の患者まで受け入れ可能なのかの
情報がありませんゆえ、今井先生にご相談し、ご判断を仰ぎたく存知ます。

ご高配に深謝申し上げます。ありがとうございました。
【舩後】



2002/08/08
ふなご様

【山口議員】
私の考えを少し書かせていただきます。

>【舩後:8/7メールより。】
さて、今回の回答についてですが、私個人について特化されてのご配慮を頂いてるように
> 感じます。勿論話の起点は当家の介護破綻にあり、深謝申し上げる次第ですが、事は私個
> 人に限らず患者全員の抱える問題です。

【山口議員】
運用の基準を見直すということは、何もふなごさんに特化した問題ではありません。
すべての人に適用される問題です。ふなごさんのケースが突破口になり、今後のすべてのケースに
適用されるわけです。
ですから、今回ふなごさんが行政の提案を受けなかったとしても同じようなサポートをALSの人たちが
うけられることになるのです。
行政の場合実績主義ですので、まず実績を一つ作っておけば、それを下回ることはないと考えます。


【舩後:8/7メールより。】
従いまして、欲していました回答は、今井先生ご
> 教唆の次年度予算獲得の為の、実験あるいは研究としてのトライアル的行政案であり、今
> 回のご回答がそれに該当するか否やは、現時点では判りかねます。仮にそうであった場合
> は、被験者の選択は、今井先生にご一任頂きたく存じます。

【山口議員】
@今井先生が提案されたのは千葉市に全身性障害者への介護人派遣制度がないので、まず来年度
予算獲得のためにモデル的に3ヶ月在宅をやってみてくれという趣旨だったと解釈しています。

実は千葉市は名前こそ違いますが同じような制度を「自薦式ヘルパー派遣制度」という名前で持って
いました。
どちらも同じ位置づけの国の補助事業です。しかしそれの運用基準の中に15疾病は除くという一文が
書かれていたため、ALS患者等が利用できなかったわけです。
しかし、一方、障害者へのヘルパー派遣制度の運用基準にはそのような区分けがないことから、
同じヘルパー派遣制度に障害の種別の差別があるのはおかしいということが分かり、
今回の運用基準の見直しとなったわけです。

Aまた、難病患者の短期入所制度(これは県の補助事業)のなかにも障害者手帳を持たないものと
いう一文がありましたが、これも実態にそぐわないということで、利用できるようにしたわけです。

ですから、特にトライアル的な実験をやらなくても、今井先生のおっしゃっていたことがある程度実現できる
ことが分かったのです。

B介護保険になって今一番求められているのは、実はケアマネージャーの質の向上です。

入院前のふなごさんの在宅の状況を見ていて、これではサービスが不足しているとケアマネージャーが判断し、
もう一歩踏み込んで福祉事務所や保健センターと掛け合っていれば、今回のような結果が得られたかも知れません。
しかし、介護保険だけのサービスしか受けられないと判断してしまったところに、そのケアマネージャさんの
限界があったのだと思います。
ケアマネージャーも一人で何人ものケアプランを作っているので、一つのケースに多くの時間を費やすことも難しいでしょう。

Cまた、たとえケアマネージャーさんが行政に訴えたとしても、今回のような対応ができたかどうかは疑問です。
なぜなら、福祉事務所や保健センターにもそうした声を受け入れる能力や想像力のある人、また千葉市の条例や
要綱やその運用基準をきちんと理解している人がどれくらいいるのかということに突きあたるからです。
福祉事務所なり保健センターから福祉の担当部局に話があがってこない限り、ムリということであきらめさせられて
しまうでしょう。

Dですから、今回のふなごさんのケースを実践することで、ふなごさんのケアに関わるすべての関係者が一同に
関わる「サービス調整チーム」を作ることは、千葉市の福祉の質をアップさせる非常に良い機会なのだと思います。
困難ケースに対しては、ケアマネ任せにせず、市が協力するべきだという考え方を当たり前にしていきたいと思うのです。

山口 晴美


注:文中の番号及び括弧書き人名と日付は、後日付記したものです。[記:舩後]


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