ロケットの作り方〜自作ロケットで宇宙に行こう!


第5話 ロケットの原理〜大学生編

ロケットを地球の周回軌道にまで持っていく時に、障害となる事項を挙げてみましょう★

衝撃、振動、応力。
 今までの設計で、ロケットは結構大きな物となってしまいました。これを打ち上げるためには、大きな推力が必要で、その分、打ち上げ時の機体にかかる応力はかなりの物になってしまいます。
 また応力とは別に、打ち上げ時には大きな振動が起きます。ロケットの機体は、この応力と振動に耐えることの出来る物でなければなりません。そして、機体だけでなく、積み荷(あなた)はもちろん、機体に搭載してあるコンピュータやセンサ類も、この振動で壊れてしまってはいけません。搭載するセンサと同じ物を地上で作って、様々な応力をかけたり、衝撃を与えて、壊れないことを確かめておきましょう★

真空、無重力。
 もちろん、宇宙は真空(でもないのですが)で無重力(正確には微少重力ですが)です。
 推進剤を燃焼させるために酸素を持っていかなければならない事は前述しましたが、当然の事ながら、あなたが呼吸するための酸素も必要です。酸素ばっかりでは酔っぱらってしまいますから、窒素などの混ぜ物も、ちゃんと入れておきましょう。また、ロケットの外部は気圧が0です。もちろんロケットに隙間があってはいけませんし、密封された構造体は、まわりからの押しつける力には比較的強いのですが、外向きに引っ張る力には比較的弱かったりします。地上は1気圧ですが、スキューバダイビングで50m(5気圧)潜れる人でも、宇宙空間の0気圧に出ると、体がはじけ飛んでしまいます。その昔、宇宙空間を息を止めて泳いでいるSF小説がありましたが、現実にはあり得ません。ロケットがはじけ飛んでしまっては困りますから、構造体はしっかりしておき、地上で充分な試験を繰り返しておきましょう★


 そして、微少重力。
 結構、地上の装置は、重力を当てにしている装置が多いものです。一例として、ギアなどをスムーズに動かすための潤滑油などは、無重力では球状になってどこかに漂っていってしまいます。しっかり密封しておかなければならないでしょう。あと、地球を見ながらカウチポテト族をしてはいけません。ポテトチップスのカスが、機械の隙間に入って、とんでもないことになってしまいます★

 このほかの問題としては、空力加熱、音速を越えるときの衝撃、推進剤の液面挙動、太陽からの放射線対策、スペースデブリ(宇宙のゴミ)との衝突、宇宙人の妨害などなど・・・★


 さて、本当にこれだけで良いのでしょうか?
 もう一つ、とても重要なことがありました★

(次号へつづく)

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