ロケットの作り方〜自作ロケットで宇宙に行こう!


第7話 完全冗長系と費用対効果

あなたのロケットは、あなたを乗せたまま、ぐんぐん上昇していきます。
あなたは、まだ見ぬ新天地に、思いをはせています。
しかし、その思いは少し早かったようです。
突然、警報機が鳴り出します。
製造上の問題か、それとも人為的ミスか、ロケットの姿勢制御用のコンピュータがうまく働いていないようです!★
これで、あなたの夢はついえ、そしてあなたは海に散ってしまうのでしょうか★

冗長系という考え方があります★

ジェット飛行機はエンジンが1つ壊れても、他のエンジンが生きていれば、なんとか飛ぶことが出来るそうです。電話局などでは、商用電源からの電源の供給が無くなっても、自家発電機やバッテリーで、安定した電源を確保することが出来るそうです★
何か1つ問題が起きても、直ちに代わりになるものを用意しておいて、トラブルに備える。
これが冗長系です。
もっと簡単に言えば、車にスペアタイヤを積んでおくようなものです★

ロケットは精密機械ですので、どこかに欠陥が生じると、宇宙まで飛んでいくことは出来ません。
この為、その部品の多くは、冗長系が取られています。
では、全て冗長化すればよいのか?
事はそれほど簡単ではありません★

まずは、設計上の問題。
いくら、全てのシステムを冗長系にしたからといっても、その冗長に切り替わるスイッチが故障してはどうしようもありません。また、スイッチが壊れて、主系、冗長系のいずれの装置にもつながらなくなってしまっては、装置が正常でも動作することが出来なくなってしまいします★

次に重量とコストの問題。
全てを冗長にしてしまうと、ロケットの重さは2倍、かかる費用も2倍になってしまいます。簡単な電気装置などは冗長系に出来ますが、エンジンなどは重量、バランスなどの問題もあり、なかなかスペアを持っておく、ということは難しい様です★


システムの信頼性と費用は、片一方をたてると、もう一方がたたなくなります。その辺りのバランスが重要です。特に、あなたのロケットは人間(あなた)が乗る事を想定して作られたものですから、信頼性を落とすことは避けたいものです。ちなみに、無人の宇宙ロケットでは、基本的に一カ所が故障しても大丈夫なように、スペースシャトルのように人間の乗るものは、二カ所同時に故障が起きても大丈夫なように(どんな組合せでも!)設計されているようです★

もちろん、姿勢制御用コンピュータは、ミッションに重要な機器ですので、あなたのロケットにも、ちゃんと予備が積んでありました★
あなたは決められた手順に従って、冗長システムに切り替え、アラームは解除されました。ロケットも姿勢を取り戻したようです★
さて、目的地はすぐそこです!!


(次号へつづく)

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