磁器碍子(ガイシ)用無色透明保護処理 ボルトシールド・システムについて

 約10年前、室蘭にある新日鉄製鉄所で、磁器碍子(磁器の表面はガラス質である)の電気抵抗値向上とその維持のためにクリアシールドが応用できないかの開発研究が行われ、非常に良い(驚異的とも云える)結果が得られました。

 この時に使用されたクリアシールドはクリアシールド・プラスというタイプで、碍子及び磁器表面に特化されたボルトシールドよりかなり弱いものでした。

 

 その後、日本からの情報に基づき、英国ライテック社は碍子(がいし)専用の強力タイプを開発し、ボルトシールドと名づけました。

 ボルトシールドはポリマー量が従来のクリアシールドより多く、クリアシールド・シリーズの中で最も耐久性に優れています。英国では、有名なタムワース高電圧研究所で各種碍子についての放電電圧試験が行われ、ボルトシールド処理碍子の、無処理あるいは競合製品処理碍子に対する優位性が確認されました。

 碍子の表面に塩分など汚染物質が付着して電気抵抗(絶縁性)が低下すると、周囲に有害なノイズが生じたり、送電量が低下したり、時には過電圧による停電に到ります。
 停電の際には膨大な復旧コストがかかることになります。

 これを比較的簡単な処理で長期にわたり防止するボルトシールド・システムは画期的な新技術です。

 約1 年前より、九州電力グループが強い関心を持たれ、電力中央研究所での放電試験などを繰り返し、本格採用に向けて積極的に取り組んで頂いています。塩害抑制のための碍子用保護コーティングとして、従来のシリコングリス(通常、緑色)や米国で開発されたシリコンコーティンが(白色)がありますが、施工性、塗り替え手間、耐久性(2〜3年未満)に問題があり、代替品の開発が待たれていました。

 ボルトシールドは無色透明で厚みがなく、塗りやすく、メンテしやすく、5年以上の耐久性が期待できると大きく注目されています。



 磁器表面を撥水性に変えることで、碍子(ガイシ)の絶縁性を維持します。

 


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