金魚の飼い方入門

金魚すくいでてにいれた、小さなかわいい金魚。
なんとか育ててあげたいけど、いつもすぐに死んでしまってかわいそう…。
そんな風に思っているあなたにおくる、金魚の飼い方入門です。
とりあえず、これだけわかっていたら、小さな金魚は死にません!
縁があって、おうちにきた金魚だもの、大事に育ててあげようね。



1.まず、うちにつれてかえってきたら…

金魚を、入れ物に入れなきゃいけませんね。プラスチックのケース(ざりがにやカメ用の)が
あるときは、大丈夫、それで飼えますので、水を入れて金魚を入れましょう。
あ! ザリガニやカメといっしょには飼えませんよ。金魚が食べられてしまいます!
だいじなのは、いれものを洗剤で洗っちゃだめってこと!
洗剤やせっけんは、ほんのちょっとの量でも、金魚には猛毒なのです。
きれいにすすいだつもりでも、ほんのちょっと残った洗剤で、金魚は死んでしまいます…。
いれものは、よごれていても、水で洗うだけにしてね。

ケースがないときは、そうめん鉢の大きいのや、せんめんき、バケツなんかでもだいじょうぶ。
サラダボールなんかでもいいのです。だめなのは、びん。口がせまい入れ物は、
金魚が息が苦しくなってしまうので、飼うことはできません。
よく、ペットやさんにベタという名前の、赤や青のきれいな魚が、びんに入って売っていますが、
あれは、ふつうの魚と違って、ああいう飼い方ができる種類の魚なのです。
(肺があって、空気を直接呼吸することのできる魚だからなのですが…)。
金魚はびんでは飼えません。注意してね。
なぜだめかというと、少しむずかしい話になりますが、水面がなるべく広い面積で空気に
ふれていないと水中の酸素が不足するからなのです。びんは、せんめんきなどにくらべると、
口が細くて、少ししか、水が空気にふれることができませんね。だからなのです。
もっとも、びんはびんでも、のりのびんなら、小さい金魚二匹くらいなら飼うことができます。
そのときは、ふたはしないでくださいね。そうして水はいっぱいに入れずに、
水がなるべく空気にふれる面積が大きくなるような深さで、水を入れるようにしてください。

そうそう。金魚はけっこうジャンプ力があるので、入れ物の外に飛び出さないように、
水は少なめに入れるとか、上を網でおおっておくとか、くふうしてくださいね。

水をうつわに入れるときは、なるべくくみおきの水や、カルキ抜きをした水がいいのですが、
そういうのは、ふつうの家では準備してはいないでしょうし、金魚すくいをしたあとというと、
家に帰ってくるのは、もうお店が閉まっている夜になっているでしょうから、
せめてその夜一晩くらいは、水道水でがまんしてもらいましょうね。
でも、いつも水道水じゃだめですよ! 水道水の中に入っているカルキという成分が、
金魚にはよくないからです。くんでから一晩たった水ならカルキは抜けるので、
一日目の夜のうちに、大きめのマグカップにでもいいですから、水をくんでおきましょう。
次の日に、その水を金魚の入れ物にたしてやればいいのです。
注意しなければいけないのは、お店で売っている「天然水」。これは少しならいいのですが、
たくさん入れると、金魚が弱ってしまいます。「天然水」は、金魚のすきな水じゃない
のです。ふしぎな話ですが、水道水のほうが金魚のこのみなのです。

それと。大事な話ですが、まだえさはやってはいけません。
金魚は金魚すくいでこわい思いをしたあと(だって、おいかけまわされたり、すくわれたり
したんですからねえ)、ビニール袋に入れられて、遠いあなたのおうちまできたのです。
とっても疲れています。おまけにたぶん今はもう夜のおそい時間です。
ごはんを食べなさいといわれても困ってしまいます。
だからたぶん、金魚はその夜にえさをやっても食べないはずですが、
なかにはりちぎな金魚もいて、「わーい、ごはんだ」と食べてしまいます。
するとどうなるかというと…ぐあいがわるくなってしまうのです。
運が悪いと、それで死んでしまうこともあります。

金魚は、2,3日なら、ごはんを食べなくても、死んだりしません。
むしろ、病気の時(たべすぎのとき)なんかは、絶食させて直すこともあるくらいです。
だから、もし、金魚のえさがあっても、つれてきた日はえさをやらないでくださいね。


2.次の日にすること

家族の人にたのむか、自分が学校から帰ってきてからすることです。
ペット屋さんか、ホームセンター、大きなスーパーかデパートに行って、
金魚を飼うためのものをそろえなくてはなりません。

ペット屋さんで道具を買うと、お店の人が金魚の飼い方を教えてくれます。
ホームセンターで買うと、お店の人はたぶんあんまり、金魚のことを教えてくれません。
でも、ホームセンターで買うと、安いこともあります。品物も多いです。
どちらで買うか、よく考えてくださいね。おうちの人にも相談してね。

ここで、おこづかいがあんまりない人や、家族の人が金魚にお金を出してくれない人は、
とりあえず、自分が買えるものだけ買うようにしましょう。
金魚を飼うときは、お金をいくらでもかけることができますが、思い切りお金をかけずに、
かんたんに飼うこともできます(ただ、お金をかけない飼い方は、ちょっとばかり、
てまと時間がかかるかもしれません…。でも、愛情があれば、大丈夫!)。

買うものリスト

えさ(テトラフィン、あるいは、口の小さい金魚用のつぶの小さいえさ)。200円くらいから。
金魚飼育セット」とかいてある、水槽にいろいろはいったセット。1800円くらい。
水槽のそこにしくための砂利。小さい袋が、300円くらいからある。

リスト、といいつつ、実は金魚は、上の三つがあれば飼えるんです。
でも、子どもにはちょっと大金なので、できるなら、お父さんやお母さんにお願いしてみましょうね。
きょうだいとお金を出しあうというやりかたもありますね。
いまはどっちもむりだなあ、という人は、とりあえず、えさと砂利を買いましょう。
それでもお金が苦しいときは、えさだけを買いましょう。

ぎゃくに、おこづかいが今たまたまあってリッチだという人や、家族の人が魚が好きで、
「このさい、大きい水槽を買ってあげようか?」といってくれたなんてばあい、
熱帯魚用の高い巨大な水槽セットをかったって、それはもちろん、いいのです。
いいっていうか、金魚は大喜びでしょう。ただ、大きな水槽は、最初にセッティングを
するのがけっこうめんどうで、時間がかかるので、それなりのかくごをして買ってくださいね。
金魚をはじめてちゃんと買う人の場合は、まず小さな金魚飼育セットからはじめた方が
らくかもしれないです。大きい水槽には、なれてから挑戦すればいいんですから!

えさは、「テトラフィン」というものがおすすめです。これは、紙のような感じのえさが、
水に沈まずに上に浮くタイプのえさで、二百円以下くらいで小さなサイズのが買えます。
このえさがいいのは、水をよごさないということと、小さな金魚でも、えさが口にはいるということ
です。金魚すくいの金魚たちは、ふつう「当歳魚」といって、その年の春に生まれた金魚である
ことが多いので、まだ赤ちゃんで、小さいことが多いのです。ですから、よく売られているえさを
やろうとしても、つぶが大きすぎて、かわいそうに口にはいりません…。
その点テトラフィンは、水を吸って柔らかくふくらむので、赤ちゃん金魚でも大丈夫。
あと、テトラフィンは、食べ残しを、わりばしでひっかけたりして、かんたんにそうじすることが
できます。金魚を飼っていてよくやる失敗はえさのやりすぎなのですが、そんなとき、
テトラフィンならば、残ったえさをかんたんにそとにだせるので、失敗が少ないと思います。
金魚すくいやさんやスーパーで安くで売っているえさは、あまりいいえさではないと思います。

ちなみに、分量ですが、金魚一匹にテトラフィン一枚をやってみて、それをあっというまに
食べてしまうなら、もう少し増やしてみる…というふうにして、量をみるようにしてください。
ほかのメーカーの、小さいつぶのえさを使うときは、つぶの数を数えて、メモしておくといいかも。
やりすぎるくらいなら、たりないくらいの方が、金魚は元気ですよ。
えさをやる回数は、一日に、一回か二回でじゅうぶんです。
夜はなるべくやらないようにしてください。温度が冷えると、消化できなくなります。
それから、えさをやっても金魚が食べないときは、一日絶食にしてください。
食べ過ぎやつかれでしょくよくがおちていたときは、それで復活しますよ。

さて、金魚の飼育セットをかったばあい、おうちにかえってきたら、説明書に書いてあるとおり
やってみましょう。たぶん、水槽を軽く洗って、砂利も軽く洗って(お米をとぐ感じで洗います)水槽の
底にしいて、エアポンプにつないだぶくぶく(投げ込み式の濾過器がはいっていると思います)を
砂利の上に置いて、水を上からそっとそそいでカルキを抜く…というふうに書いてあると思います。
そこに金魚をはなしてあげれば…はい。金魚のおうちの完成です!

なお、水槽は、直射日光があたるところ(窓から強い日差しがじかにあたる場所)には
おかないでください。水の温度が上がりすぎて、金魚が弱ってしまいます。
金魚が好きなのは、明るい部屋の、「ほどよく」窓に近い場所なのです。
(ライト付きの水槽の場合は、暗い部屋におくこともできます)。
もう一つ。水槽はけっこう重くなるので、おく場所には注意してくださいね。
あと、電気製品のそばには置かないでください。テレビの上とかステレオの上に、
おいてはいけません。電気製品に水がかかると、機械が壊れたり火事になったりするからです!



3.お金をかけない金魚の飼い方

いろいろ金魚のための道具を買うお金がないときってありますよね?
でも、金魚をなんとか、育ててみましょう!

金魚を道具(器具)なしで飼う場合は、それでも、最低、えさと砂利はほしいです。
砂利は買えないときは、はぶいてもかまいませんが、できれば…。
なぜって、うつわのそこに砂利がしいてあれば、金魚はおちつくし、
砂利にはバクテリアがすむので、水の中の悪いものを分解してきれいにしてくれるからです。
(ちょっとこのへんはむずかしいけど、とにかく砂利は金魚の味方なのです)。

さて。お金をかけずに飼うためには、道具も自分で作りましょう!
材料は割り箸と、ヨーグルトなんかについてくる透明のスプーン。輪ゴム。
割り箸の先に、スプーンを輪ゴムでくくりつけて、えの長いスプーンを作ります。
これで、金魚が食べ残したえさをすくったり、できればふんもすくってすてます。
ぶくぶく(濾過器)を入れないで飼うわけですから、なるべく水が汚れないように
気をつけなければいけません。ですから、汚れのもとになるものは、
発見するたびに、すくってすてるしかないのです。
「うわあ。めんどくさい」と思うかもしれないけど、やりだしたらけっこう楽しいですよ。
上の方に、ベタのことをかきましたが、あのベタも、こういうやり方で飼うと、
長生きします。ベタだって本当は、小さなびんのなかはいやなんですよね。

あと、道具なしで飼う場合、水は毎日少しずつ変えなくてはなりません。
洗面器サイズのいれものなら、大きめのマグカップ一杯くらいの水でいいです。
いつも入れ物のそばに金魚用のマグカップを、からのと水入りのとふたつ置いておいて、
まず、からのマグカップで、水を一杯すくって捨て、汲み置きの水を入れたマグカップから、
うつわに水を入れてください。でまた、水をくんで、うつわのそばにおく。
ちょっと、めんどうだけど、まいにち、そのくりかえしです。
でも毎日それをやっていると、金魚がものすごくなついて、人が近づいてくるだけで、
うつわのなかをぐるぐる泳いで喜んだりするようになるので、がんばってくださいね。

そのうち、おこづかいによゆうができたら、ぶくぶく(濾過器・ろかき)を買ってあげましょう。
ペット屋さんや、ホームセンターに、「水作」(すいさく)という、小さな濾過器があります。
大きさと値段はいろいろあるので、よく考えて選びましょう。
それと、モーターを一つ買って、説明書を読みながらつなげて、うつわにいれると、
びっくりするくらい水がきれいになるのがわかると思います。
(濾過器とモーターについては、お店の人に説明を聞いて選んでくださいね)。
濾過器を入れたら、毎日水を換える必要はなくなりますので、ずいぶん楽になりますよ。
投げ込み式の濾過器は、水作以外にもいろいろ種類があります。どれでも使えますが、
お店によく売ってるのは、水作で、あとあと、なかみをとりかえたりするときに楽なので、
(くわしくは水作のはこにかいてある説明を読んでね)、水作をおすすめします。
ノリのガラスびんに、水作を入れてぶくぶくさせると、ちょっと水族館みたいで、
なかなかかっこいいと思いますよ!



4.だいじなこと

できれば、「金魚の飼い方」の本を一冊買って、勉強をしてみてね。
本屋さんに800円くらいであると思うけど、もし高いなあと思うなら、古本屋さんで買うと安いです。
本を読むと、いろんなことがわかるので、金魚を幸せにしてあげることができます。
インターネットでしらべてみるのもいいかもしれませんね。

それから、金魚が病気になったときは、ペット屋さんで相談してみてください。
きっと、優しく教えてくれますよ。
金魚用の薬はよくきくものがあるのですが、少し高いし、分量の計算が難しいので、
もし薬を使うときは、必ず、おとなの人にてつだってもらうようにしてください。

それから、塩水浴(えんすいよく)といって、金魚を薄い塩水に入れて治療する方法が
あるのですが、これは危ない方法なので、こどもはやらないほうがいいです。
分量をまちがえると、金魚はかんたんに死んでしまうからです。
やるときは、おとなのひとにそうだんしてくださいね。

 とても参考になるサイトがありました! 「金魚と川魚を飼おう」というサイトです。
わかりやすくて、暖かみがあるサイトで、質問のための掲示板もあります。
おすすめしますので、ぜひ、いってみてくださいね!
(00.11.4追記)

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