古伝降霊術 百物語(ハドソン)

タイトルから察することができると思いますがこのゲームは要するに「怪談」をテーマにしています
いわゆるサウンドノベルの形態をとっており、プレイヤーは100の物語を読み進んでいく事になります
怪談ゲームと言えば「トワイライトゾーン」などそこそこの評価を得たゲームが幾つか挙げられますが
それらのゲームとこのゲームの決定的な違いが一つあります
この「百物語」というゲームは選択肢と言うものが何ひとつとしてありません
プレイヤーができることはただ文章送りのボタンを押すだけです
中には3D空間を移動して所定の場所に行かなければ話が進まないという話もありますが
基本的にAボタンを連打するだけでゲームは進行します



想像してみてください

真っ暗な部屋の中でただひたすらAボタンを連打し怪談を読みつづける自分の姿を



「弟切草」のように選択肢が分かれに分かれて先の展開を楽しむこともなく
話が一本でもストーリーを進行させるための謎解きを楽しむわけでもなく
ただ延々と怪談を読み続けなければなりません



ちなみにこのゲーム、〜本当にあった怖い話〜というサブタイトルがつけられています
そう、コンビニの本棚に置いてあって誰にも買われずバイト君によって返本されてしまうアレです
(実際私はコンビニで2年半ほどバイトしていましたが一度もそういう本を買った客を見たことがありません)
でも全国のコンビニ・書店で売られてるぐらいだから本当にあった事が書かれているに違いありません
ついでに言うとこのゲーム
監修があの稲川淳二です
稲川淳二大先生が監修してらっしゃるぐらいだから
100に渡る怪談が全て事実なのは間違いないところであると思われます




ゲームの詳細に触れる前に一つ言っておきます
このゲーム、滅茶苦茶怖いです
話の内容は兎も角(←あっ)画面に突然現る青白い顔をした老婆や顔の半分崩れたポリゴンの少年や
それらと同時に鳴る音声や効果音の無駄に優れたサラウンド効果はかなりツボをついて怖がらせます
というよりかなりビビリます
スプラッター映画でよく使われる手法です



前置きが長くなりましたが、ゲームの内容です。

中々センスのいい音楽(これは本当)のオープニングを観てとりあえずゲームをはじめます
まずテレビ画面の砂嵐、そして中央に「警告」と大きく映し出されます
要するに「このゲームを遊び半分の気持ちでプレイすると祟ります」のような文章が表示されます
ゲームというものは遊ぶためのものじゃないのかという突っ込みや
本気で怪談を聞くやつってのはどんな人なんだろうと深く考え込むことはいけません
呪われますから


続いて呪われないために儀式を行ってくださいという案内が出ます
その内容は

「大気の精霊の力を得る為、窓を少しだけ開けてください」
寒くなるから嫌です

「お清めの為、小皿に塩を盛ってください」
塩がもったいないから嫌です 食べ物を粗末にしてはいけません

「精神統一をして下さい」
やかましい



………いい加減に内容に移りたいと思います









警告




あなたの周りには
未熟なプレイヤーによってエンディングを迎えられず
穴に落ちたり敵に殺されたりした主人公キャラの霊が漂ってます


決してこのレヴューを本気で見ないで下さい
そして次の儀式を必ず行ってください

まず「プラネットジョーカー」・「デスクリムゾン」・「たけしの挑戦状」・「To Heart」(←ああっ)を用意し、
自分の四方に並べて結界を作ってください
そして某ギャルゲーのオープニングに合わせて踊ってください 無論アレの事です
その現場を家族や友人に目撃されて遠い目をされたら完璧です(何がだ)






前述した通り無駄に高いクオリティの演出効果のため「怪談サウンドノベル」としては秀逸に仕上がっています
中には「お兄ちゃんの守護霊が守ってくれたんだ!」というオチの犬も喰わねェ話や
話の中に「妖怪」を登場させてしまったり(妖怪というものはファンタジー色が強い為怖さを削ぎ落とします)
怖くも何ともない話があることにはあります。
では、中から何話かピックアップしてみたいと思います(記憶を振り絞って)


『赤いセーター』

タイトルから9割方話が読めてしまうことと思いますが1回目のプレイではタイトルは表示されないのでまあ良しとしましょう
ええ そういう話です
で お決まりのように
「この話を読んでしまったあなた、決して赤いセーターを着ないで下さい。さもないと…」てな締めくくりで終わります
ということらしいですよユニ○ロの社長さん


『後ろの正面』

この話は夜道を歩いて云々と言う話なのですが
この話は画面が全て左右に反転して表示されます
つまりどういうことかというとこの話だけは画面に背を向けて鏡を見ながら読み進めます
そしてやたら文字の表示速度が速くボタンを押さなくてもどんどん文章がスキップされます
そして「後ろを振り向くと…」という文章で画面が突然真っ暗になり暫く何も映りません
するとプレイヤーは当然、「あれ?バグかな?」と思います
そしてAボタンを連打したりセガサターン本体をチェックしようと思うわけです
で 鏡を床に置きテレビ画面に向き直った瞬間
ドーンという効果音とともに顔の半分崩れた血まみれ顔のアップが!
まさに絶妙なタイミング
プレイヤーの心理を知り尽くした製作サイドの圧勝と言えましょう


『お沙代ちゃんの祠』

要するに「自ら呼び寄せてしまった悪霊のために最愛の娘のお沙代ちゃんを死なせてしまった親父が供養の為祠を建てた」
というそれだけの話なのですがここでこのゲーム唯一のイベントが発生します

そうです

お沙代ちゃんの祠参りイベントです
プレイヤーは3日連続でお沙代ちゃんの祠に参拝しなければいけません

で、突如現れた祠に行くとお沙代ちゃん本人が現れて『お沙代と遊んでくれる?』と聞いてきます

想像してみてください

ポリゴンで描かれた岸田劉生の麗子像を

イベント内容は皆様のご想像にお任せします
もしプレイした方はこのポリゴン岸田劉生と思い切り遊んでやってください








さて話は変わりますが
最近のRPGなどのゲームではいわゆる「ムービー」が一つのストーリー展開の節目になるようです
プレイヤーはその美しさやクオリティに心を動かされずにいられない事でしょう
またギャルゲーなどでは常にキャラクターがフルボイスで喋るのが定番のようです
キャラクターが喋らなければ普段から萌え萌え叫んでる人達はキャラクターを愛せないようです







話を戻して

このゲームは10話に1話の割合で

稲川淳二先生自ら出演したフルムービー・フルボイスの怪談が10分近くに渡り放映されます

今まで演出がどうのポリゴンがどうのと言ってきましたが
稲川淳二先生のツラが1番怖いこと請け合いです





他にも色々書きたいことはあるのですがいい加減長くなるのでこのへんにしておきます
実際にプレイしてみる事をお薦めします


by 阿久野宗徳














さて


このレヴューを読んでしまったあなた


あなたの後ろには昔名人と呼ばれた広報部長の亡霊がいます


今すぐ目の前のパソコンの電源を16連打してください


さもないと…








っつうか生きてる