メイドとお嬢さま

第1話

 都心からそう遠くない場所に建つ女性用高級マンション。その三階の二号室の扉の前で小百合は足を止めた。表札に南条とあるのを確認し、インターホンを押す。

「どなた」

 どことなく横柄な感じのする声が返ってきた。

「あ、あの、若草小百合と申します。南条様に言われて参りました」

「ああ、聞いているわ。今、開けるから」

 すぐに扉が開いて、若い女性が姿を現した。歳は二十六と聞いている。輝くばかりの美貌の持ち主だった。容姿だけではない。豊かな胸。くびれた腰。すらりとした脚。同性である小百合が見ても見とれてしまいそうになるのだ。ましてや男性の目にはどう映るのだろか。自分の幼い体型と引きくらべ、小百合は気後れを感じてしまった。

 小百合にとって目の前の女性、南条美園は限りなくまぶしい存在だ。資産家の娘として何不自由なく育ち、現在は親元を離れて弁護士として法律事務所に勤めている。

「入って」

 小百合は居間に通された。広々としてこざっぱりとしている。美園はソファーに腰を下ろした。そのまま、小百合に椅子を勧めるでもなく、値踏みをするようにじろじろと小百合を見ている。小百合はただ居心地が悪そうに立ちつくしていなければならなかった。

「心配性の父が見張り役をよこしたというわけね。はっきり言って迷惑なの」

 すげなく美園は言い放った。

「私、この気楽な一人暮らしがけっこう気に入っているのよ。今までずうっと誰かが私の世話を焼いてくれていたから、うっとうしくってしょうがなかったの。一人になれてせいせいしているわ。それなのに何で今さら、見ず知らずのあなたと一緒に生活しなければならないの」

 いかにも我がままなお嬢様らしい物言いだ。ある程度は覚悟していたのだが、美園に仕えるのは相当に大変そうだ。正直なところ小百合は、この美しくも傲慢な女性の前から逃げ出してしまいたかった。しかし小百合の側にもそう簡単に引き下がれない訳がある。

「お嬢様が東京で一人暮らしをなさることを、旦那様は大変に心配なさっておいででした。旦那様を安心させるためにも、どうか私を置いてください」

「父には私から言っておくわ。もう帰ってちょうだい」

「そ…そんな。私、ここを追い返されるわけにはいかないんです。どうかここに置いてください。何でもいたしますから」

 小百合の父は南条家から金を借りていた。それも百万や二百万などではない。千万単位の金だ。おまけに信じられないような条件がついていた。小百合が美園にメイドとして仕えている間は返済を猶予するというのだ。そんな人身売買のような特約が法的に有効かどうかは小百合にはわからない。ただ、父が苦労する様子を幼い頃から見てきた小百合は、父からこの話を相談された時に、いやとは言えなかった。

「ふうん。本当に何でもするのね」

 美園はいかにも意地悪そうな笑いを浮かべた。

「は…はい」

「そう。じゃあ、まず手始めに……スカートをまくって、あなたの下着を見せてちょうだい」

 小百合は耳を疑った。

「え…あの…今、何とおっしゃいましたか」

「何度も言わせないで。スカートをまくって、あなたの下着を見せて、と言ったのよ」

 素直に従うにはあまりに理不尽で恥ずかしい要求だった。

「な…なぜ私がそんなことを……」

「なぜかって。そんなの決まっているじゃない。私の気まぐれ。き・ま・ぐ・れ。メイドとして主人に仕えるということは、そういうことなの。主人のどんな気まぐれや我がままにも従わなければならないのよ。それがわかったら、さっさとスカートを上げなさい」

「そんな…はい…わかりました」

 しかたがなく小百合は、おずおずとスカートを持ち上げていった。いかに同性とはいえ、会ったばかりの人間に自分の下着を見られるのは恥ずかしく屈辱的だ。しかも相手が一方的に見物している前でなど… 太腿の上の方までがあらわになり、あと少しで下着が覗けてしまう。が、そこで小百合の手は止まってしまった。許しを乞うように美園を見る。

「どうしたの。はやく」

 美園の声には容赦がない。美園に仕えるようになったら、毎日このような仕打ちを受けるのだろうか。

小百合はスカートの裾を一気に腰の上まで持ち上げ、股間を直につつんでいる布を他人の視線にさらす。美園の視線が、遠慮なく小百合の股間に注がれる。特に女の性器が当たっている部分に。湧き上がってくる恥ずかしさに彼女はじっと耐えた。

「色気のない下着ね。でもあなたみたいな体型にはその方が似合うかもね」

 美園の批評がチクリと小百合の心を刺す。 小百合は、おしっこを我慢する幼い娘のように太腿と太腿とをよじり合わせ、居心地の悪さに耐えた。いったいいつまでスカートをまくっていればいいのだろうか。

「いいわ。次は何をしてもらおうかしら」

 獲物を前にした美園の目はぬめるような淫らな光に満ちていた。

「そうね…下着を脱ぎなさい」

 何でもないことのように美園は命じた。まともな女性には従い難い、きわめて屈辱的な命令を。

「できません」

 反射的に小百合は叫んだ。

「あら、そんなこと言っていいの。あなたのお父さんが困ったことになってしまうんじゃないのかしら?」

「え…知っていた…のですか」

無力感に打ちひしがれる小百合を見ながら美園はニヤニヤ笑っている。

「もちろん。例の返済猶予の特約のこともね。ふふふ…だって私が提案したんですもの。あなたみたいな小娘に二千万も出したんだから感謝してよね」

 何と答えてよいかわからなかった。つまり自分は…美園に買われたペットということか。
「私はどっちでもいいのよ。でも、あのお金がなくってあなたのお父様の会社は大丈夫なのかしら。このご時世に、満足な担保もないまま融資をしてくれるとこなんかどこも似たようなものよ」

 小百合の頭の中では様々な思惑が入り乱れていた。どうしよう。このままここで働くか、それとも…それとも?

「さあ、どうするの?」

「わ…わかりました。脱ぎます」

 父のためにも小百合は恥辱にまみれる道を選んだ。

「で…ですからどうかメイドとして働かせてください」

「勘違いしないで。これは面接試験の一段階にしか過ぎないの。それがわかったらさっさと脱ぎなさい。こんなこともできないで私のメイドが務まるとでも思っているの?」

「す…すみません」

 小百合は急いでスカートの中に手を入れた。スカートの陰でショーツを脱ごうとする。

「それじゃあダメよ。スカートをまくり上げたまま、片手で下着を脱ぎなさい」

 ただ陰部をさらさせるだけではなく、恥辱に満ちた脱ぎ方を要求された。

「は…はい」

 スカートを左手でまくり、右手を下着にかける。股間をあらわにしつつ、右手だけを使って小百合は下着を脱いでいった。考えてみれば、片手だけで下着を脱いだことなどない。それは思ったよりも難しい作業だった。まず尻の方を剥き下ろし、次に右側、左側、と徐々に下ろしてゆく。腰がぎこちなく揺れる。もどかしさと羞恥心がこみ上げてくる。

「腰をふったりして色っぽいわね。もしかして挑発しているの?」

 美園のからかいに小百合はうつむいた。

 小百合の下腹のなだらかな白い肌が現れる。そこには黒い下草がまばらに生えていた。もともと体毛がうすいのか、それともまだ成長の途上であるからか、小百合の下草は淡くはかない感じがする。小百合自身に似ていなくもない。

 さらに布がすべり下りると、ついに小百合の性器が他人の目にさらされた。股間をおおうべき薄布はその役目を放棄させられ、太腿の中ほどにたたずんでいる。秘唇を視線から守る最後の砦たる陰毛も、うっすらとしか生えていないのでその下の恥ずかしい器官はほぼ丸見えだ。

 いまだ開かれたことのない少女の門に、舐めずるような美園の視線を感じる。

「よく見えないわ。もっと近くに来て」

 はい、と小さな声で返事をすると、小百合は指示に従った。下着が太腿に絡まっているために、よちよち歩きしかできない。性器と秘毛とをあらわにしながらの小股歩き。その不様で淫らな光景を美園は楽しんでいるようだ。手を伸ばせば触れられてしまうくらいまで近寄らされた。小百合は恥ずかしさを紛らわすために、両手でスカートの裾を強く握った。

「可愛いわ」

 美園は身を乗り出して、小百合の秘唇に顔を近づけて覗き込んできた。肌の色合い。ぽわぽわとそよいでいる恥毛。そしてひっそりと閉じた陰唇。そのどれもが美園によって隅々まで観察されてしまった。

「そ…そんなに見ないでください。恥ずかしいです…」

 美園の息で小百合の柔毛がそよぐ。臭いを嗅がれはしまいかと、小百合は気が気ではない。

「恥ずかしがることないでしょ。女同士なんだから。いいこと。私の元で働きたかったら、どんなことがあっても両手でスカートの裾を持ち上げていなさいよ」

「はい…」

 素直に返事をしたものの、これから何をされるかとても不安だ。

 美園の指が、すぐ目の前にある小百合の恥毛を引っぱった。それほど強くではない。ペットの毛を戯れに引っぱるかのようだ。性器に生えている毛をいいように弄ばれても、冴理には黙って耐え忍ぶしかない。

「まだ生えそろってないわね。いつ頃から生え始めたの」

「わ…忘れました」

「うまく逃げたわね。まあいいわ。次はここを…」

 美園の細く白い人差し指が、小百合の秘めやかな縦割れを下から上へとなぞりあげた。

「ん…」

 出かかった叫びを小百合は喉で押し殺す。危うく、つんざくような悲鳴をあげてしまうところだった。女として最も隠しておきたい所を他人の手で触られる屈辱、恥ずかしさ、おぞましさ。小百合は太腿をぎゅっと閉じた。

「もっとリラックスしていいのよ。脚を少し開いて」

 それはお願いの形をした残酷な命令である。小百合はうつむいたまま、脚を肩幅まで開いた。これでもう秘唇はおろか会陰部まで悪戯されていまいかねない。

 再び美園の指が小百合の恥ずかしい場所に触れてきた。今度はもっと強くこすり上げられる。下から上に。そして下に。しつこく、ねっとりと撫でられた。指はいつしか割れ目の浅い所までもぐり込んでいて、小百合の粘膜を刺激している。おぞましさの中にくすぐったさが混じったような感覚に小百合は身を堅くした。

「固さがほぐれないわね。なら、ここはどうかしら?」

「んっ…」

 美園の指に花びらの上の方をこすられた時、思わず小百合は身体を反応させてしまった。自分の意志に反して身体がピクッと跳ねる。

「あら、やっぱりここをさわられると感じちゃうのね」

 美園が、小百合の身体の反応を目敏く指摘する。小百合はろくに返事もできなかった。悪寒、痛み、そして性的快感。それらが小百合の下半身に広がる。

 弱点を見つけたとばかりに美園はそこを集中的に責めてきた。優しく繊細な指使いで、美園は少女の蕾を愛でる。女の身体を知りつくした女による愛撫。まして美園は女同士の性戯の経験も少なくない。男にありがちな挿入の前のおざなりの愛撫ではなく、じっくり、ねっとりと肉芽を可愛がる。美園は性技のかぎりをつくして少女の性感を引きずり出す。

「ん…んっ…ん…あ…」

 好きでもなく男ですらない美園の指に弄ばれているにもかかわらず、小百合の蕾はほころび始めてきた。はあ、はあ、と息が荒くなる。おぞましさを感じつつも、あるいはこんな異常な状況だからか、小百合は得体の知れない快楽に犯されつつある。

「いやらしい豆が固くなっているわよ。感じているの?」

 小百合は口をつぐんだまま首を左右にふった。声を発すれば、それがどんな声になってしまうか自信がないからだ。

「これだけ身体が反応しているのに、よくも見え透いた嘘がつけるものね」

 美園は、しこりきった雌しべをいきなり摘みあげた。

「ああっぁぁ」

 それはどう言い訳をしようとも、艶めかしい嬌声にしか聞こえない。

「嘘をついてはダメよ。今度嘘を言ったら容赦しないからね」

 くすくすと笑いながら美園は言う。

「面接の続きをするわよ。あなた、処女?」
 小百合の膣口あたりを指先で突きながら美園は尋ねた。小百合の秘唇は怯えるようにヒクヒクと蠢く。

「…はい」

「ふうん。思った通りね。キスはした?」

「あ…ありません」

「痴漢に遭ったことはある?」

「ありません。自転車通学でしたから」

「オナニーしたことはある?」

「……」

 小百合は沈黙した。したことはある。いや、している。それも常習的に。しかしそれを告げることは…

「どっちなの?」

 厳しい声で問いつめられる。なおも黙っていると陰毛を強く引っぱられた。

「痛っ… し…したことありません」

「嘘ね。さっきの態度でバレバレよ。本来なら面接を中止して追い返すところだけど、かわいそうだからお仕置きをするだけで許してあげるわ」

 五、六本の陰毛を指に絡め、美園は上目づかいに小百合を見た。獲物をいたぶる猫のように。

「や…やめて…あうっ!」

 股間の中心部に鮮烈な痛みが走った。瞳に涙が滲む。美園の手は数本の恥毛をつかんでいる。

「ただでさえ薄いのに、よけいに薄くなっちゃったわね」

 悪びれた様子もなく美園は言った。引き抜いた陰毛をふっと吹くと、それらは空中を漂ってから惨めに床に散る。

「後で掃除をしておくのよ。で、週に何回くらいするの」

「…一回です」

「そんなに少ないの。本当かしら。中身を見て確かめるわよ」

 美園の人差し指と中指とが、小百合の肉門を押し広げた。自分でもよく見たことがないような場所が、同性の目にさらされている。焼けつくような羞恥が小百合を貫く。それでも小百合は両手でスカートを持ち上げていなければならない。

「鮮やかなピンク色で、とっても綺麗だわ。いつもオナニーしている割りには」

「そ…そんな…いつもじゃありません」

「どうかしら」

 くすりと笑って美園は秘唇いじりを再開する。少しほぐれてきたとは言え、まだ堅さの残る少女の秘唇をくつろげたまま、空いた手で愛撫を施す。外気にさらされて怯えるようにヒクつく粘膜にやさしく指先を這わせる。

「ん…は…んく…」

 繊細な指使いで敏感な花びらを弄ばれると、小百合の意に反して身体は気持ちがよくなってしまう。信じられないことに下半身の奥が疼き、蜜が溶け出してくる。

「小百合ったらうれし涙が出ているわよ」

 美園が揶揄する。事実、小百合は感じていた。途切れることなく微弱な快楽を注ぎ込まれ、小さな身体が小刻みにふるえる。足がふらついて、立っているのもひと苦労だ。目元は潤み、口からはひっきりなしに荒い息吐がもれる。

「あの…もう許してください。これ以上…されたら…もう…」

「もう、何なの?」

 妖しい微笑みをたたえながら美園は聞き返してくる。もちろん、その間も小百合の花を愛でる手は休めない。花びらをくすぐり、雌しべを摘み転がす。

「んうっ…それは…」

 恥ずかしい絶頂に達してしまいそうです、とは言えなかった。

「まだ我慢しなさい。面接の最中なんだから。それにしても大切な面接だというのに、こんなに涎を垂らして。小百合ってば本当にはしたない娘ね。私の指、あなたのせいでベトベトよ」

 美園の美しい指は白い粘液に汚れていた。

「す…すみません」

「ねえ、自分でするのと私の指と、どっちがいい?」

「わ…わかりません」

「はっきりしないわね。まあいいわ。これが最後の試験よ」

 小百合を責めていた細い指がすっと引かれた。股間に一抹の寂しさを覚え、小百合は慌ててその思いを振り払う。

「自分で慰めてみて。スカートをまくったままでね。イケたら合格よ」

「そ…そんなこと…できません」

 小百合の声はふるえていた。

「まったく聞き分けのない娘ね」

 やれやれ、といった表情で美園は言う

「これだけ恥ずかしいことをされたんだから、もう何をしても同じよ。あなたは金で買われたも同然なんだし、それを認めたからこそ下着を脱いで、おまけにアソコまでいじくられても黙っていたんでしょ。越えてはいけない一線は、もう越えてしまったの」

 瞳に涙を溜ながら小百合はうつむいた。

「ここを逃げ出しても、高校中退の娘を雇ってくれるところなんてないわよ。もちろん、行くところに行けば歓迎されるでしょうけど」

 美園は意味ありげに笑う。

「そんなの嫌でしょ。見ず知らずの何人ものおじさんの玩具になるなんて。それよりも、優しいこの私のメイドとして仕える方がずっといいと思わない?」

 小百合は、また一歩、羞恥地獄に足を踏み入れる決心をした。

「わ…わかりました。します…」

「させて頂きます、でしょ。言葉づかいに気をつけなさい。『オナニーをさせて頂きます。どうかご覧下さい』と言うの」

 小百合はたじろぐ。が、涙目になりながらも自らを辱める言葉を言った。

「お…オナニーをさせて頂きます。どうか…ご覧ください…」

 左手でスカートをたくし上げたまま、剥き出しになった下腹部に自らの右手をやる。太腿と太腿とが形づくる三角恥帯。その最下部に萌えている柔らかな下草を、小百合の指はかき分ける。そこには十六歳の少女の秘めやかな唇が息づいていた。おまけにそこは、既に蜜を含んでいた。それもたっぷりと。

 小百合は、肉の花びらにそっと指をふれさせた。

「んはぁ…」

 ほんの少しさわっただけなのに、甘美な細波が身体中に伝わる。思わぬ心地よさに、小百合ははしたない声を上げてしまった。かっと顔が熱くなる。

「うふふふ…恥ずかしがることないのよ。思いっきり感じてご覧なさい。私が見物していてあげるから」

 消え入ってしまいたくなるような恥ずかしさに苛まれながら小百合は己の身体を慰める。まず、下半身の唇にそって指の腹を上下させる。そうして指を湿し、身体を高まらせながら、徐々に指を秘唇に沈めてゆく。

 ちゅぷっ…ちゅく…にちゅ…

 かすかな濡れ音が小百合の耳に届く。それは、小百合の指と潤んだ陰唇とが奏でる淫らな秘め音。破廉恥な格好をしながら他人の面前で自らの性器をいじり、あまつさえ快感を感じてしまっている動かぬ証拠である。

「んっ…あぁ…んぅ…はぁ…」

 口の端からもれる小百合のごく小さな喘ぎ声と相まって、女性用高級マンションの一室は淫靡な音につつまれる。

 高揚につつまれた小百合は、さらなる快楽を求めて、淫ら蜜にまみれた指を、そっと女蕾へと這わせた。

「はうんぅ…」

 ひときわ鮮烈で痺れるような性的快楽が、十六歳の少女の小柄な身体を駆けめぐる。自身の性器から滲み出た淫液を、堅くしこった蕾にぬりつけた。女の体の中で最も敏感な肉芯は天然のローションにまみれてヌメ光る。小百合は、徐々に指の動きを大胆にしていった。

「はう…んあぁ…いい…あっ…あんっ…」

 赤く輝く蕾を二本の指で摘み、しごき上げる。かと思えばくりくりと転がす。その度に小百合の身体はピクッピクッと反応する。鮮烈な性の快感が股間から湧き上がり、もう身体を抑えることができない。  

そんな……私、立ったままオナニーして、それもこんな明るい中で女の人に見られながら、なのにこんなに感じて……今までで一番気持ちよくなって……

 もはや小百合は、内なる快楽の命ずるままに指を動かしていた。剥き出しの股間をかすかに突き出し気味にして、まるで女主人に見せつけるようにしながら自慰に耽った。

「は、あ、あん……あ……いい……もう……」

「イク時はちゃんと言うのよ」

 兆し始めた小百合に美園は釘を刺す。

「は……あ……イキます。イキます……あ……ああああ……」

 高く美しいソプラノを小百合は放った。これまで経験したことのない圧倒的な快楽が身体中を駆けめぐり、小百合の理性を押し流す。全身がビクビクと痙攣し、糸が切れた操り人形のようにその場にへたり込んでしまった。小百合の股間からにじみ出た淫ら汁が床に水たまりをつくっていた。

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