新・銀幕に俺たちがいた176

「RAILWAYS」

2年ぶりの書き込みだ。映画館には相変わらず行ってなくて映画ファンとは恥ずかしくて書く気にも
なれなかった。仕事も56歳になって重労働の上に週替わりの夜勤日勤で体調を整えるので精一杯。
自分が年を取れば家族も年を取っている。死が近くなる家族も現実になってくる。不景気な現代
社会で会社も厳しくなり、人員削減からくるリストラ、までは行かないけど仕事量が激減している
部署からまだまだ仕事量がある部署に配置転換される人員。新入社員を入れないない現実では人を駒のように動かして凌いでいる今の組織からはみ出して、落っこちそうな私は不安の塊です。2年前に書き込んだ前ページの「樹の海」は正に自分がその「樹海」に入りこんで暗い閉塞感のなかに埋もれて、「死」を待っている腐り始めた「虫の息」の自分がいたのかも知れない。今もそれは変わってないかも知れないけど、「まあだだよ」の気概は残っている。頼れるのは己自身の「生気」しかない。あれから2、レンタルでいい映画を見つけた。題名は「RAILWAYS(49歳で電車の運転士になった男の物語)」という映画だ。

大手電気メーカーを50歳を目前に工場整理に向けてリストラを任された筒井(中井貴一)は同僚がいる
工場整理をする途中でその友が妻と子を残して交通事故で死んだことを知る。葬式帰り、帰宅した
筒井は娘(本仮屋ユイカ)に会社に電話をかけていることを言われてしまう。「そんなに会社が大事?」
実は、故郷、島根で一人暮らしをしている筒井の母(奈良岡朋子)が倒れたという電話が入ったのに、会社と電話を交わしている父の姿に不信感を抱いていたのだ。筒井の妻(高島礼子)はハーブショップ経営をしていて家族の会話が途絶えている、ことにも娘はいらいらしている。親子3人、そして離れて孤独な生活をしている祖母の家族の物語であるからすごく思入れ出来る映画に仕上がっている。
なかなか出来ない「夢の実現」を描いているけど、それが映画だ。
50目前にして就職した先には同期入社の若者、宮田青年(三浦貴大)がいい。甲子園で活躍して
プロ入りを目指していたが肩を壊して何となく一畑電鉄に入社した彼は夢を実現して張り切っている
筒井が語りかけても「構わないでくれ」とコミュニケーションを避ける。
家族、新しい職場、孤独な老人、夢が見つからない若者、夢を実現した主人公、老人介護に夢を見る娘、戻ってくれた息子をじっと見守る余命3か月の母、電車を運転する息子を病院から手を振る親と孫と介護士、夢を実現した夫を誇らしげに見る妻。いい映画です。


                            H22年、10月30日       のぼりごい