それでは、今回の内容について軽く触れておこう。
今回は第一回目という事もあり、銃の構え方、射撃姿勢である。射撃姿勢は基本となる5種類の姿勢(伏せ撃ち、膝撃ち、座り撃ち、立ち撃ち、腰撃ち)を紹介している。各姿勢毎に要点を述べているので、面倒くさがらずそこも読むこと。
尚、AK47を使用しているのが私であり、M16を使用しているのがADD氏である。ADD氏は左利きなので、左利きの者はこちらを参考にして欲しい。
注:こちら↑がADD氏(左利き) こちら↑がA・T(右利き)。
以後、極力左利きの写真は左に、右利きの写真は右に掲載。
射手の右頬を、ストックの一定の位置に密着させる。この定着性が高まると言うことは、その分銃の安定性に繋がる。安定性が高いほど、照準もしやすくなるのである。
バットを右肩のくぼみに正確に当てることにより、よりしっかりと銃を構える事が出来る。実銃の場合、反動軽減にも繋がる。
右肘の位置は射手のバランス調整、バットの当て具合に影響を与えるので、軽視してはならない。
人差し指を引き金に、残る指はグリップ(銃把)をしっかりと握る。同時に、銃を引きつけてバットをしっかり肩のくぼみに固定する。
ハンドガードを支える位置は、射手の体格、目標の位置によって異なるが、基本的には指が自然にハンドガードに巻き付く感じで手首共々楽にし、左肘はその時の構えに応じて、出来るだけ銃の機関部の下に持ってくるようにする。
以上がライフルの構え方の基本だが、左利きの場合、写真を参考にして、上記の文面の右と左を逆にしてくれれば問題はない。
次は射撃姿勢だ。まずは伏せ撃ちから行ってみよう。
伏せ撃ちは他の姿勢に比べて安定しており、従って射撃精度も高い。かつ、姿勢が低く敵に対する防御にも優れているので、戦闘で最もよく取られる射撃姿勢の基本である。但し、遠距離での撃ち合い、と言う事に限定されるだろうが。
つまりこの姿勢の欠点は、近付かれた場合一方的にやられてしまう可能性が高くなる、次の動作に移る時、他の姿勢に比べて最も時間が掛かる、等である。
幾ら射撃姿勢が安定しているとはいえ、状況を考えずにこの姿勢ばかり取るのは考え物である。
まず、両膝を地面に落とし、銃のバットストックを地面に付け、右手、左肘の順で地面を突き、状態を前方に倒す。訳注:急な時は銃床を地面に叩き付けるようにしつつ、倒れ込むように。自衛隊の89式ではできないが……
次に、右手でストックを持ち、バットをしっかり右肩に当て、両肩の線と銃を直角にする。そして右の頬を自然にバットストックに当てる。この時、両肩は水平に。
両足は軽く開き、楽にする。両肘は肩幅よりやや広く、上体の重みを均等に掛ける。
これは英国陸軍式の射撃姿勢である。右足を曲げることにより、呼吸がしやすくなり、左足がストッパーの役目を果たしている。この姿勢であれば、次の動作に移るのも簡単であるので、より実戦的であると言えよう。
次は膝撃ちだ。この姿勢は戦闘間における運動と、射撃のとの連動が容易で、目標の高さの変化にも対応しやすい。よって、戦場では伏せ撃ちに次いで多用される姿勢である。主に中距離戦闘に用いられる。
敢えて欠点らしい欠点をあげるなら、長時間この姿勢で居ると、折り曲げた右足が痛くなってくると言うことぐらいか。
そのまま右膝を付き、左足のつま先は目標へ向ける。
バットストックを右肩に当てる。
右腿は銃に対し約80〜90度開き、左肘は左膝の前方に出す。そして腿と左足のふくらはぎは出来るだけ密着させる事。体重は出来るだけ左足に多く掛け、左足は地面に平らにおき、前方から見て垂直になるようにし、足先は目標に向ける。
さて、お次は座り撃ちである。恐らく、最も有名でない射撃姿勢だろう。その証拠に、映画などでは余り見かけない。事実、私の知り合いにも知らない者が多数居た。しかしながら、座り撃ちは接地面が比較的広く、重心位置も低いので、伏せ撃ちに次いで安定した姿勢である。
欠点としては、膝撃ちよりも移動に直ぐ移れない、と言ったところか。
座る時、このように両足を交差させると座りやすい。
右手で銃をしっかりと持ち上げ、右肩に当てる。
写真では足を開いているが、これは別に足を交差させても良い。因みに一発必中の狙撃兵がこの射撃姿勢を取ることが多いようだ。
では、この姿勢での構えの要点。
右肘は右膝の内側に固定。左腕は成る可く銃の下に置き、左肘は左膝前方のくぼみに乗せる。体重は両足に均等に掛け、上体はやや前方に倒す。
そして次に、立ち撃ち姿勢である。
この姿勢は、伏せ撃ちや膝撃ちが出来ない時、或いは近距離で交戦する時などに用いられる。
はっきり言ってこの姿勢が一番安定しない。しかし、最も機動性に富んでいる姿勢でもある。
約85度右を向きながら、左足を約半歩前へ踏み出す。
バットストックをしっかりと肩に当て、左手は出来るだけ銃の真下近くに持っていく。
このように、両足の開き具合が大切で、各自の体格にあった楽な姿勢を取ること。目安としては、肩幅よりもやや広い程度。そして、両足に体重が均等に掛かるようにする。
最後は腰撃ちである。
銃口はやや下向きに構え、発射したら弾道を見て調節する。
バットは脇の下で抱える。
左手はハンドガードの先の方をしっかりと握る。
左足を半歩出し、膝を心持ち折る。両足の間隔は肩幅よりも少し広いくらい。
この姿勢を取る時は、接近戦や目標が広く散会している時に役立つ。但し、命中率は下がる。その辺の所に注意するように。
以上が基本となる5種類の射撃姿勢である。
これからはこれらの応用になるのだが、その前に、射撃時の呼吸法と、引き金を引く時のコツをここに掲載しておく。
一般的には息を吸い込んだら、2割程吐き出し、数秒間停止させている間に照準を済ませて引き金を引く方法が、最も普及している。
しかし、これはあくまで教本に載っているやり方であり、これを遵守する必要性などは皆無である。私見ではあるが、経験上撃つ瞬間だけ息を止めるのが最も効果的だと思われる。
つまり、最も自分に見合ったやり方でよい、と言うわけである。
但し、息を止める時間は5秒以内にする事。それ以上息を止めていた場合、体内に酸素が供給されず、脳が酸欠状態となり、余計に疲労するからである。実戦では、無駄な体力消費は極力避けなければならない。
次に引き金を引く時のコツであるが、これは引くと言うよりは絞ると言った方が、より適切である。
原則として、引き金は「絞る」ものであると思っておいて欲しい。
そしてその絞る方向は、銃身と同一方向に真っ直ぐ引き絞らなければならない。そうしないと、銃口が僅かに目標をそれてしまうからだ。至近距離ならばそれでも問題ないだろうが、遠距離ともなるとその影響が如実に現れるからだ。
これらの事は、実銃とトイガン両方に言えることである。
これらの写真は、右足の姿勢をより詳しく解説するものである。
上から順に低膝撃ち、中間膝撃ち、オリンピック国際的姿勢、となっている。このうち低膝撃ちは、右膝から足先までの下足全体を地面に付ける。
さて、それでは話を戻そう。
やや高めに立ち撃ちの姿勢を取り、サイトから約5cm程上を銃身に対して平行にする。サイトではなく、目線で目標を捉えること。
目標発見と同時に照準を付けずに射撃することを急射(クイック・ファイヤー)と言う。写真ではテープを貼っていないが、本来はサイトにテープを貼って行う。
これは、照準を付けずに目標を捉えるための訓練であるからだ。
慣れてきたら、テープを外して行う。訳注:引き金を引く方の指を、狙った相手の方に向けると、大体、その辺に当たるようにできています。中指で引き金を引き、人差し指を銃に引っ付けておき、人差し指で相手をポイントするように撃つやり方もあります。どっちかと言うと、拳銃向きですが。
このように、身体を立木に密着させ、体重を預ける。こうすると姿勢が安定する。但し、何れの場合も銃身を依託すべき物(この場合は立木だが、他には土嚢や弾薬箱、壁などがある)に触れさせてはならない……としている教本もあるが、これは無視して構わない。状況や銃によっては、そうした方が有利な場合もあるからだ。
以上が、ライフルの基本的な構え方である。各自練習は怠らないように。
尚、繰り返すようだが、余り人目に付くところではやらないように。
それではまた次回。
次回は(銃の構え方と射撃姿勢〜ピストル〜)です。皆様、次回更新までに拳銃を用意しておいて下さい(笑い)。