茨城県牛久市内の公園の池で採集した水生種。陸生種も存在する。

クマムシ(緩歩動物)

トップページに戻る

ウズムシの一種

茨城県牛久市内の水田用水路で採集

その他の微小水生生物

プラナリア(ナミウズムシ:扁形動物)

左の写真のヒドラの収縮したもの

茨城県牛久市内の公園の池で採集したヒドラ

ホームセンターで買った水草についていたヒドラ

淡水ヒドラと水生微小生物

淡水ヒドラの頭部と触手

茨城県牛久市内の公園の池で採集

ヒドラはヒドロ虫綱に属する
刺胞動物で、クラゲに近い生
物ですが、ポリプの形態のま
まで、マミズクラゲのようにク
ラゲになることはありません。
しかし、触手をうまく使って、さ
かんに移動するうえ、ミジンコ
などの微小な動物を捕食する
姿をルーペなどではっきり観
察できるし、出芽分裂の様子
もルーペで観察できます。一
度、ミジンコを餌にして飼育し、
1匹のヒドラを18匹まで増やし
たことがありましたが、時間の
都合がとれず、飼育を断念し
たことがあります。一般的には
市販のブラインシュリンプの卵
を孵化させて、その幼生を餌
として与えるようです。ブライン
シュリンプも飼っている(正確
には放置している)ので、時間
がとれれば飼育してみたいとこ
ろです。

街中の小公園の池でプランクトンの
一網打尽採集(アオミドロを掴み取っ
て中に潜んでいるプランクトンを採集
する方法)をしたときに偶然まぎれこ
んできたものです。デジカメを光学ズ
ーム3倍にして、5倍のルーペを装着
して接写しました。水質の良いところ
に生息する生物で、水質指標生物に
なっているようです。採れた池は小
さな池で、循環ろ過もされているので、
良好な水質が保たれているようです。
人工的に作られた池なので、どこか
らまぎれこんできたのでしょう。いず
れにしても、貴重な自然の生物なの
で大切にしたいものです。ですから、
採集地は記載しません。

顕微鏡レベルの微小ウズムシ(渦虫綱の扁形動物)

淡水域にはプラナリア以外にも様々なウズムシの仲間が生息していて、その多くは
顕微鏡観察レベルの微小なものです。

左の写真はタルヒメウズムシ
の一種ではないかと思うので
すが、よくわかりません。
右の写真はまさにタルヒメウ
ズムシです。どちらかというと
(というよりも確実に)不気味
系のウズムシのなかで不思議
と可愛いらしさのあるウズムシ
です。コロンとした体形で、目
がはっきりしているせいでしょ
うか。水田に多数生息するとい
うことですが、私の採集エリア
ではあまり数が多くありません。

アオミドロの中にひそんでいた
ヒラヒメウズムシウズムシです。
アオミドロの中には本当に様々
な生き物がかくれているもので
す。アオミドロはさながら小さな
生物たちの揺り籠のようです。
左の写真の個体の体の中には
なんとまだ未消化のナベカムリ
がはいっていました。ナベカム
リは殻を持つアメーバです。ナ
べカムリを捕食しているウズム
シをしばしば見かけます。動き
の遅いアメーバはウズムシ類に
とって格好の餌なのかもしれま
せん。

牛久市内の公園の池で採集

ハリヒメウズムシ

水中の小さな刺客
ハリヒメウズムシはその名の
とおり、お尻の部分に攻撃用
の針を隠し持っているそうです。
ふだんは全く出さないようです
が、攻撃態勢にはいったハリ
ヒメウズムシを是非見てみたい
ものです。「究極水田のプラン
クトン」の管理人の、いたちむし
様によると、アルコールに浸漬
すると針が出てくるそうです。そ
の画像も「究極水田のプランク
トン」に掲載されています。リン
クを貼ってありますので、興味
のある方は是非ご覧になって
下さい。
ハリヒメウズムシという名も、い
たちむし様から教えていただき
ました。

ヒドラの出芽

ヒドラは有性生殖も
行いますが、出芽に
より、無性生殖を行
います。左の写真の
ヒドラの根元にコブ
のようなものが出て、
やがて右の写真の
ようにヒドラの形とな
り、親ヒドラから離れ
て独立生活を営みま
す。ミジンコなどを十
分に捕食すると次々
と出芽して、あっとい
うまに増殖します。

ヒドラの採集

ヒドラはけっして珍し
い生き物ではなく、
生活排水や農薬で
汚染されていない
止水域にはたいが
い生息していると思
われます。その意味
では公園の池など
は採集適地でしょう。
採水瓶に水草をい
れてしばらく放置し
ておくと、何故かガ
ラス壁に移動してき
ます。それをピペット
で剥がすように吸う
と容易にヒドラを単
離できます。飼育に
ついては様々なサイ
トで紹介されていま
すし、私自身がごく
短期間の飼育経験
しかないので、ここ
では省略させてい
ただきます。

ヒドラの飼育を楽し
まれている方々が
多数おられる半面、
ヒドラは魚の稚魚を
捕食してしまうので、
メダカや観賞魚の繁
殖をされている方々
にとっては、迷惑極
まりない存在です。
私はヒドラが好きで
すが、ある意味とん
でもない「おまけ」で
すね。

水生種は水草や藻の中に
生息しています。遊泳せず、
鉤爪のついた足でゆっくり
と歩きまわっています。陸
生種で休眠状態のものは
異常高低温、放射線照射
にも耐えるといわれていま
すが、すべての種がそうで
はないようです。左の写真
は横から、右の写真は上か
ら撮影したものです。水生種
はたいがいの池沼に生息し
ていて、水中の藻や枯れ草
をとると、かなりの頻度で採
集できます。

一見すると、水生のミミズのよう
ですが、ミミズ、ヒルのような環
形動物が伸縮運動によって移動
するのに対して、この生物は滑
るように滑らかに移動します。画
像では繊毛は確認できませんが、
繊毛運動によって滑らかに運動
するのがウズムシの特徴です。
また、水生ミミズに顕著な剛毛も
ありません。
「究極水田のプランクトン」の管理
人の、いたちむし様からイトヒメウ
ズムシ科に属するウズムシである
と教えていただきました。

茨城県牛久市内の水田の用水路で採集

イトヒメウズムシ科のウズムシ

茨城県牛久市内の公園の池で採集

水生ウズムシの抱卵個体

ヒラヒメウズムシの
体内に球形の物体
がたくさん見られます。
捕食した餌とも思え
ません。同じ扁形動
物のプラナリアの卵
殻に似ているような
気がします。
「究極水田のプランク
トン」の管理人の「イタ
チムシ」様によると他
の水生ウズムシの抱
卵に似ているとのこと
です。

写真のウズムシはクサリヒメ
ウズムシと思われます。体の
中には、なんと、たくさんのナ
ベカムリと思われる有殻アメ
ーバが入っています。おそら
くこの個体が捕食したものと
思われます。コウガイビルや
プラナリアなどの扁形動物は
概して肉食性ですが、水生
の微小なウズムシ類も肉食
の性質を持つことが写真から
うかがわれ、非常に興味深く
感じました。

腹毛動物門に属する微小な生物
で、400〜600倍でないと明確に
観察できませんが、それでも多細
胞生物です。形態がどことなくイタ
チに似ていて、スルスルと滑らか
に這いまわる姿もイタチを思わせ
るものがあります。小さいため目立
ちませんが、池沼、水田などに普
通に生息しています。
右の写真はイタチムシの顔を正面
から写したものです。やはり、どこ
となくイタチに似ているような気がし
ます。また、このイタチムシには棘
がないので、左のものとは別種と
思われます。

左の写真は体長1cm以下の小さなウ
ムシで、その名のとおり、体色は濃い
褐色をしています。目立つ特徴は、頭
部に白抜きになったような円形の白色
部分があることです。この部分の外縁
一対の目があります。写真の個体は収
縮状態で、通常、やや細い楕円形をし
ています。また尾部は突起状に突き出
しています。
右のエビヤドリツノムシは淡水のエビ
類に寄生するウズムシで、体表の繊毛
を欠き、キチン質の膜に覆われ、頭部に
一対の触手があるのが特徴です。水草
と一緒に採れたのですが、たまたま宿
主から離れたものかもしれません。

クサリヒメウズムシの一種

茨城県牛久市内の水田で採集

クサリヒメウズムシは、水田や
池沼でごく普通にみられます。
体の中央付近に切れ目のよう
なくびれが見られますが、ウズ
ムシの仲間には自切して分裂
増殖する性質があるようです。
これは横分裂中の個体だそう
です。(「究極水田のプランクト
ン」の管理人のいたちむし様よ
りのご指摘です)

茨城県牛久市内の水田用水路で採集

タルヒメウズムシ

茨城県牛久市内の水田用水路で採集

ベニアブラミミズ

体長が5mm以下の微小な
水生のミミズで、陸上でごく
普通に見られるミミズ同様、
貧毛類に属します。見慣れ
ないとウズムシとまちがえそ
うですが、ミミズ特有の伸縮
運動をするので区別は容易
です。表皮中に赤色の油滴
が散在しているのが特徴で
す。また、アブラミミズの仲間
は無性的な横分裂でも増殖
する性質をもっています。

ヒラヒメウズムシ

茨城県牛久市内の公園の池で採集

茨城県牛久市内の湿地で採集

有殻アメーバを食べるウズムシ

茨城県つくば市内の大学公園の池で採集

エビヤドリツノムシ

茨城県牛久市内の水田で採集

コイチャヒメウズムシ

茨城県牛久市内の公園の池で採集

イタチムシの一種

このイタチムシは体表に棘
が目立たず、そのかわりに
体表にウロコが見えます。
形態からヤリイタチムシでは
と思われるのですが確信は
ありません。体表にウロコの
あるイタチムシは他に数種あ
るようですが、私はまだ見た
ことがありません。

イタチムシの一種

茨城県牛久市内の水田用水路で採集

ゴスジイタチムシ

茨城県牛久市内の公園の池で採集

線虫(線形動物)

線形動物の線虫は回虫や
ぎょう虫などの寄生性のも
のがよく知られていますが、
土壌中や水中で自由生活
を送るものの方がはるかに
多く、写真は水生の線虫で
す。寄生性ではなく無害な
ものです。右の写真は孵化
間近な卵です。池沼でも多
くの小型線虫が生息してお
り、40倍程度の倍率で観察
できます。