淡水原生動物の画像集
       
             (ブルサリアらしき大型繊毛虫が水生線虫を捕食中)

 原生動物は、ひとつの細胞からなる単細胞生物で、大きくグループ分けをすると、繊毛虫、鞭毛虫、根足虫(アメーバの仲間)、太陽虫の4種類に分かれますが、繊毛虫はゾウリムシのように常時遊泳するタイプと、ツリガネムシのように、他の場所に移動するとき以外は通常、水草などに付着しているものがあります。またアメーバには殻を持つタイプと殻を持たないタイプがあります。このページでは写真掲載の便宜上、下のようにグループ分けします。画像をご覧になるときはハイパーリンクをクリックして下さい。
 なお、鞭毛虫については自由生活性の動物性鞭毛虫はなかなか採集できないことから独立したコーナーはもうけず繊毛虫のコーナーの一部で扱うこととします。

繊毛中の画像1(棘毛類およびユープロテス目)

繊毛虫の画像2(毒胞をもつもの)

繊毛虫の画像3(少毛亜綱:コドネラ、ハルテリアなど)

繊毛虫の画像4(ゾウリムシその他遊泳性のもの)

付着性繊毛虫・鞭毛虫の画像

ツリガネムシの画像百態

アメーバの画像

太陽虫の画像

最近の更新(10件):
小毛類の一種の画像を「繊毛虫の画像3」に追加(2012.7.29)
ホロフリア属の一種の画像を「繊毛虫の画像4」に追加(2012.7.14)
オキシトリカ属の一種の画像を「繊毛虫の画像1」で追加(2012.6.23)
キロドネラの画像を「繊毛虫の画像4」で更新(2012.6.9)
ディセマトストマ属の一種の画像を「繊毛虫の画像4」に追加(2012.5.26)
ウロコカムリの一種の画像を「アメーバの画像」に追加(2012.5.13)
チンチノプシス属の一種の画像を「繊毛虫の画像3」に追加(2012.4.28)
レンバディオン属の一種の画像を「繊毛虫の画像4」に追加(2012.4.14)
コドシガ属(鞭毛虫)の画像を「付着性繊毛虫・鞭毛虫の画像」に追加(2012.3.18)
ナガツボカムリの一種
の画像を「アメーバの画像」に追加(2012.3.11)

原生動物の雑記帳(徒然に書き足していきます)

単細胞動物
 人間をはじめとする多細胞動物はただ単にたくさんの細胞から成り立っているというだけではなく、周知のとおり、神経系の細胞をはじめとして、多種類の機能分化した細胞があり、各細胞の役割分担によって生命を維持しています(高等植物でも同じことが言えます)。ところが原生動物はたったひとつの細胞で生きる単細胞生物です。食物の摂取から消化、排泄まで全部ひとつの細胞の中で完結してしまいます。改めて考えると驚くべきことです。

繊毛虫
 ゾウリムシが一般によく知られています。細胞の表面に繊毛という毛状構造をもつ原生動物で、繊毛を動かすことで移動遊泳したり、食物を集めて食べたりします。繊毛虫の種類によって繊毛の生える密度、場所、長さが異なります。また、繊毛が束のように集まり棘毛という太い繊毛をもつものや、吸管虫のように繊毛虫に分類されながら繊毛を欠いているものもあります。

毒胞
 毒胞亜綱に属する肉食性の繊毛虫がもつ細胞内器官で、他の原生動物等微小生物を捕食する際に、獲物に毒を打ち込むはたらきをします。また吸管虫亜綱の繊毛虫も毒胞の一種をもつようです。

吸管虫
 繊毛を欠いた特殊な繊毛虫で、細胞表面から先端が丸まった触手を多数のばして、触手で他の原生動物などを捕え、触手内の管で相手の細胞質を吸収するといったパンパイアのような生物です。ただし、分裂以外に出芽という、親細胞の一部から娘細胞を出す増殖様式ももっていて、この娘細胞は成熟した吸管虫になるまで繊毛をもっています。

鞭毛虫
 池沼でよく見られる鞭毛を持つプランクトンはそのほとんどが、たとえ葉緑体を欠いていても藻類に分類され、動物性の鞭毛虫は極めて少ないと思えます。一方で、昆虫など他の生物に寄生する動物性鞭毛虫はかなり多いようで、どちらかというとプランクトンというよりも寄生虫(寄生生物)の範疇にはいるものが多数のようです。

原生動物の大きさ
 よく知られている比較的大型の原生動物のゾウリムシで300μm(0.3cm)程度で一般にμm単位。最小の部類はは5μm程度。ちなみに大型の細菌は数μm。しかし大型の原生動物のなかには1〜3mm(ラッパムシ目の一部)とmm単位のものもいます。

原生動物の群体
 ツリガネムシ目の繊毛虫には個々の細胞が柄を共有するというかたちの群体を形成するものが多いです。付着性の原生動物は単に密集して群体状に見えるものも多く、たとえば、ツリガネムシ科ツリガネムシ属のものは密集していても個体の共有部分はなく、基本的に単体です。一方でエダワカレツリガネムシは柄を共有しているので群体といえます。

収縮胞
 原生動物の細胞内器官。老廃物や細胞内の余分な水分を貯える器官で、内容物の排出の際には消失します。収縮胞はあらわれては消えるので、見えたりみえなかったりします。

細胞分裂
 原生動物は通常は細胞がふたつに分裂することによって増殖します。このときの分裂は生殖細胞の減数分裂と異なり、分裂後の個体はまったく同じ遺伝情報を持ったクローンです。遺伝情報に変化がないので無性生殖といえます。

接合
 細胞同士が接触してたがいの遺伝情報を交換することです。ゾウリムシがピッタリと張り付いている姿をよく見かけますが、これはたいがい接合中のものです。接合がすむと、たがいに接合する前とは遺伝情報の異なった個体となります。この時、個体数は増加しませんが、一種の有性生殖といえます。

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