[44−03] 次の最高裁判所の裁判のうち,大法廷の多数意見が,いわゆる統治行為の理論を判示した判例として,通常引用されているものはどれか。

(1) 昭和28年1月16日決定 県議会議員除名処分執行停止決定に対する特別抗告事件(米内山事件)

(2) 昭和28年12月23日判決 農地買収に対する不服申立事件(農地改革事件)

(3) 昭和35年6月8日判決 衆議院議員資格確認並びに歳費請求事件(苫米地事件)

(4) 昭和39年2月26日判決 義務教育費負担請求事件(教科書費国庫負担請求事件)

(5) 昭和42年5月24日判決 生活保護法による保護に関する不服申立に対する裁決取消請求事件(朝日訴訟事件)

[44−11] 憲法の解釈をめぐる最高裁判所の判決に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 最高裁判所は,夫婦の共同生活における両性平等の原則に照らし,所得税の賦課に当たっては,夫婦の所得を合算折半して税額を計算することにしなければ,日本国憲法第24条に違反することになるという趣旨の判決を下した。

(2) 最高裁判所は,かって公衆浴場の設置場所が配置の適正を欠くと認められる場合に,公衆浴場の経営の許可をしないこととしても,日本国憲法第22条1項に違反しないという趣旨の判決をしたが,その後の判決でこの見解を改めた。

(3) 最高裁判所は,いわゆる砂川事件の上告審判決で現在の自衛隊は,日本国憲法第9条に違反しない趣旨の見解を示した。

(4) 最高裁判所は,法の下における平等の原則を定めた日本国憲法第14条1項は,「すべて国民は,……」と規定されているが,特段の事情の認められない限り,外国人に対しても類推さるべきものであるという趣旨の判決を下した。

(5) 最高裁判所は,民事事件の判決において,被告人に新聞紙上に謝罪広告を掲載すべき旨を命ずることは,その広告の内容が単に事態の真相を告白し,陳謝の意を表明する程度のものであっても,良心の自由を保障する日本国憲法第19条に違反するという趣旨の判決を下した。

[44−16] 財政に関する次の事項のうち,旧憲法にその旨の規定がなく,日本国憲法において新たに規定されたものはどれか。

(1) 内閣は,国民に対して,定期に,国の財政状況について報告すること。

(2) 新たに租税を課すには,法律に基づいて行なうことを必要とすること。

(3) 予算は先に衆議院に提出すること。

(4) 予見し難い支出のために予備費を設けること。

(5) 収入支出の決算は,会計検査院がこれを検査する。

[44−19] 旧憲法施行前に制定された法令について,次のうち正しいものはどれか。

(1) 上記の法令はすべて廃止されたので,その効力について議論する必要がない。

(2) 上記の法令は,旧憲法施行と同時に効力を失った。

(3) 旧憲法には,上記の法令の効力について経過規定がなかったので,旧憲法当時においてもそ効力について争いがあった。

(4) 上記の法令には,現在でも効力を有するものもある。

(5) 上記の法令は,日本国憲法施行と同時に効力を失った。

[44−20] 次の人権規定のうち,年代の古い順で4番目のものはどれか。

(1) ヴァージニア権利首言

(2) イギリスの権利章典

(3) イギリスの権利請願

(4) ワイマール憲法

(5) フランス人権宣言

[44−23] 国会の会議に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 両議院の会議は原則として公開されなければならないから両院協議会も原則として公開としなければならない。

(2) 出席議員の3分の2以上の多数で決議したときは秘密会とすることが出来るが,だからといって会議録のすべてを公開しなくてもよいという訳ではない。

(3) 衆議院規則によれば,会議録は官報に掲載し,かつ一般に頒布することが要求されているが,この頒布は憲法上の要請ではない。

(4) 出席議員の5分の1以上の要求があれば,これを要求した議員の表決は会議録に記載しなければならないが,議員の表決は記載しなくてもよい。

(5) 旧憲法には,このまま議院の公開の原則は定めていなかった。

[44−30] 次の事項について両議院の議決が異なった場合,憲法上両院協議会を開く必要のあるものはどれか。

(1) 憲法改正の発議

(2) 国会の会期の延長

(3) 皇室財産の授受

(4) 皇室費用の予算

(5) 一の地方公共団体のみに適用される特別法の制定

[44−32] 国家賠償に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 旧憲法下では,公務員の不法行為について,国または公共団体は賠償の責に任ずることはなかった。

(2) 現行法の下では,日本に在住する外国人も,日本国民同様,公務員の不法行為に対して賠償の請求ができる。

(3) 公務員が,国の自動車で国の事務用品を運搬中交通事故を起こした場合,国家賠償法の適用がある場合がある。

(4) 公務員の不法行為につき,国または公共団体が賠償の責任を負い,個人が直接責任を負うことはない。

(5) 旧憲法下では,公務員の不法行為について,公務員個人が賠償の責に任じた。

[44−33] 日本国憲法において,衆議院のみについて規定されているのは,次の記述のうちどれか。

(1) 閉 会

(2) 議員の資格争訟の裁判

(3) 国政調査権に基づいて証人に証言を求めること

(4) 国会の臨時会の召集の要求

(5) 内閣総理大臣の指名

[44−35] 次の組合せのうち,法律で規定できるものはどれか。

(1) 女子を皇位継承者と定めることー天皇の認証を要する外交文書の種類を定めること。

(2) 内閣総理大臣を国民が直接選任できることー内閣が閣議を開くいとまのないときは,内閣総理大臣が単独で政令を定めうる,とすること。

(3) 国会議員を会期中逮捕するには,すべて国会の承認を必要とすることー国会の常会を,6月および12月に開会するのを常例とすること。

(4) 下級裁判所の種類を定めることー下級裁判所の裁判官の任期を15年に延長すること。

(5) 地方公共団体の組織および権限を定めることー市町村長を市町村議会より選任することと定めること。

[44−36] 請願に関する次の記述のうち,誤りはどれか。

(1) 自然人以外の請願を,すべて禁止することは違憲である。

(2) 請願の相手方に対し請願を採用するかどうか,一定期間内に決議すべきであるとしても,違憲ではない。

(3) 自己の利害に関係しない事項について,請願を認めないということは,違憲である。

(4) 天皇対する請願は,実際上意味がないからといって認めないのは違憲である。

(5) 行政機関に対し,特定の法律が違憲であるとしてその法律を執行しないよう請願することを禁止しても違憲ではない。

[44−39] 決算に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 決算の承認は,予算の議決とともに国会のコントロールに服するものであるから,決算は先に衆議院に提出しなければならない。

(2) 予備費は国会の議決によって設けられるので,その決算の報告について国会の承認を得る必要はない。

(3) 参議院が,衆議院の承認した決算を受け取ったあと,国会休会中の期間を除いて30日以内に承認しないときは,衆議院の承認が国会の承認となる。

(4) 決算は,原則として,国会に提出する前に会計検査院の検査を受けなければならないが,特別の事情あるときは,先に国会へ提出し,承認を得ることができる。

(5) 憲法第90条第1項「国の収入支出の決算」の中には,公社,公団等政府の全額出資にかかる特殊法人の収入支出の決算も含まれる。

[44−43] 予算に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 予算も法規範であるから,政府および国民を拘束し,これに反する国の支出は無効である。

(2) 予算または予備費に基づかない国の支出は,原則として無効であるが,国庫に剰余金が生じた場合にその限度内で行なう国の支出は,有効である。

(3) 予備費の使途については,あらかじめ国会の承諾を経ていないから,国の支出は,国会の事後承諾を求めなければならないが,国会が不承諾の議決をしても,既になされた国の支出の効力には,なんら影響がない。

(4) 国が債務を負担するには,必ず予算をもって国会の議決を経なければならない。

(5) 国会は,予算の減額修正をすることはできるが,増額修正をすることはできない。

[44−45] 国会議員の選挙に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 選挙人名簿に記載されていない者は,選挙権を有しない。

(2) 選挙人名簿は,選挙権を公的に確定するものであるから,選挙人名簿に記載されているものは,すべて選挙権を有する。

(3) 選挙権は,国民の基本権であるから,法律の定めのない場合でも,選挙の無効に関する訴訟を提起することができる。

(4) 衆議院議員の選挙において,法定得票数に達しなかった議員が,当選者とされている場合は,衆議院は,資格争訟の裁判により,その者の衆議院議員としての資格を失わせることができる。

(5) 参議院議員の選挙において,当選訴訟の出訴期間経過後でも,当選者が,30歳未満であることが判明したときは,参議院は,資格争訟の裁判により,その者の参議院議員としての資格を失わせることができる。

[44−49] 日本国民の外国旅行および外国人の入国の自由について,最高裁判所の判例の趣旨と合致するものはどれか。

(1) 日本国民の外国への一時的旅行の自由は,憲法22条1項の居住の白田に含まれるが,公共の福祉の合理的制限を受ける。

(2) 日本国民の外国への一時的旅行の自由は,憲法22条1項の移転の自由に含まれるが,公共の福祉の合理的制限を受ける。

(3) 日本国民の外国への一時的旅行の自由は,憲法22条2項の外国移住の自由に含まれるが,公共の福祉の合理的制限を受ける。

(4) 憲法22条1項は,居住・移転の自由を何人に対しても保障するから,外国人の入国の自由も保障されるが,公共の福祉の合理的制限を受ける。

(5) 憲法22条2項は,外国移住の自由を何人に対しても保障するから,外国人の入国の自由も保障されるが,公共の福祉の合理的制限を受ける。

[44−53] 条約に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 憲法73条3号によって国会の承認を要する条約は,批准条項のある条約に限られ,全権委員の調印のみで成立する条約は,国会の承認を要しない。

(2) 憲法7条1号によって公布を要する条約は,国民の権利義務に関係ある条約のみに限られている。

(3) 憲法98条2項は,確立された国際法規は,これを誠実に遵守することを要する旨規定しているので,すでに確立されている国際慣習を条約の内容としたに過ぎない条約は,公布を要しない。

(4) 国会における条約の承認について,衆議院と参議院とで異なった議決をした場合に両院協議会を開いても意見が一致しないときは,衆議院の議決を国会の議決とする。

(5) 条約は国家間の契約であるから,たとえその内容が国民の権利義務に関係のあるものであっても,国民はこれに拘束されない。

[44−54] ある下級裁判所の裁判官が交通事故で人を死亡させた。この場合,その裁判官に対する処遇として,次のうち正しいものはどれか。

(1) 裁判官が法律に従うべき義務のあることは憲法上明文があるから,国会は法律を制定してその裁判官を免職させることができる。

(2) 内閣は,下級裁判所の裁判官の任命権を有しているので,任命権者としてその裁判官を停職にすることができる。

(3) 最高裁判所は,司法行政事務に関する権限により,その裁判官に停職を命ずることができる。

(4) 弾劾裁判所は,訴追があった場合においても,民事または刑事上の責任が,民事または刑事の裁判により確定するまでは,罷免の裁判をすることができない。

(5) その裁判官を含む合議体の裁判長が,その裁判官に対して辞表を提出するように説得することは,違憲とはいえない。

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