[55−01] 地方公共団体の意義に関する次の文中の[ ]の部分に後記(1)〜(5)までの語句のうちから適切なものを1個づつ選んで入れていった場合(同一語句を繰り返して便用することもできる)1個だけいずれの[ ]中にも入らないものがある。それは(1)から(5)までのうちどれか。

「憲法が特に一章を設けて地方自治を保障するに至った所以のものは新憲法の基調とする[ ]の一環として住民の日常生活に密接な関連をもつ公共的事務はその地方の住民の団体が主体となって処理する政治形態を保障せんとする趣旨に出たものである。その趣旨に徴するときは[ ]が規定する地方公共団体といえるためにはたんに[ ]で地方公共団体として取り扱われているというだけでは足らず,事実上住民が経済的・文化的に密接の共同生活を営み,共同体意識を持っているという社会的基盤が存在し,沿革的にみても又現実の行政の上においても,相当程度の自主立法権,自主行政権,自主財政権等[ ]を付与された地域団体であることを必要とするものというべきである。そして,かかる実体をそなえた団体である以上,その実体を無視して[ ]で保障した地方自治の権能を[ ]をもって奪うことは許されないものと解するのを相当とする。

(1) 条 例

(2) 法 律

(3) 憲 法

(4) 政治民主化

(5) 地方自治の基本的権能

[55−04] 次の国のうち,いわゆる憲法裁判所が設置されているものはどれか。

(1) イタリア共和国

(2) アメリカ合衆国

(3) ベルギー王国

(4) カナダ

(5) 連合王国(イギリス)

[55−07] 次の事項のうち,法の支配の原理と直接結びつかないものはどれか。

(1) 議院内閣制

(2) 違憲立法審査制

(3) 法定手続の保障

(4) 憲法の最高法規性

(5) 基本的人権の永久不可侵性

[55−10] 天皇に関する次の記述のうち日本国憲法のもとでは許されないものはどれか。

(1) 天皇の生前退位を認めること。

(2) 天皇に選挙権を与えないこと。

(3) 天皇に私有財産の保有を認めること。

(4) 皇族女子に皇位継承権を認めること。

(5) 天皇が参議院の緊急集会を召集すること。

[55−13] 次の事項のうち,議院の自律性と関係のないものはどれか。

(1) 議員の懲罰

(2) 議院規則の制定

(3) 議員不逮捕特権

(4) 議長その他の役員の選任

(5) 議員の当選の効力に関する争訟の裁判

[55−16] 請願に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 請願権はワイマール憲法によってはじめて国民の権利として規定された。

(2) 憲法改正手続に関する日本国憲法の規定の改正を求める請願をすることができる。

(3) 天皇は国政に関する権能を有しないから天皇に対する請願は許されない。

(4) 請願権は権利であるから,直接自己の利害に関係ない事項については請願をすることができない。

(5) 請願権は受益権であるから請願を受けた国の機関は請願の内容を実現するための具体的措置をとらなければならない。

[55−19] 日本国憲法上で明文で両議院の協議会を開くことが必要とされているものは次の(1)〜(5)までのうちどれか。

(1) 法律案について両議院の議決が異った場合。

(2) 条約の締結の承認について両議院の議決が異なった場合。

(3) 憲法の改正の発議について両議院の意見が異なった場合。

(4) 国会の会期の延長について両議院の議決が一致しなかった場合。

(5) 衆議院が内閣総理大臣の指名の議決をした後,国会休会中の期間を除いて10日以内に参議院が指名の議決をしない場合。

[55−22] 最高裁判所が違憲と判断した法令の効力に関しては次の2つの説があるがこの両説に関する後記(1)〜(5)までの記述のうち,誤っているものはどれか。

A説ー違憲と判断された法令は当該事件についてのみその効力が否定される。

B説ー違憲と判断された法令は客観的確定的に無効となる。

(1) A説は裁判所の法令審査権は裁判所がその本来の作用である具体的事件の解決のための前提として認められるものであるから,その効果も当該事件に限定されると主張する。

(2) B説はA説によれば法令を違憲とした判決が国民の権利の保障に対して及ぼす効果に多くを期待できない結果になるとしてA説を批判する。

(3) A説は違憲判決によって法令を客観的確定的に無効にすることができるとすれば三権分立の原理に反し,司法権が消極的立法を行なう結果になるとしてB説を批判する。

(4) A説は最高裁判所が裁判所には具体的事件をはなれて抽象的に法令の合憲性を判断する機能がないとの見解を明示していることは同時にB説を否定する意図を推測せしめると主張する。

(5) B説は具体的事件をはなれて違憲判断を為し得ないとすれば,当事者が具体的事件において違憲の主張をしない限り,裁判所は違憲判断は為し得ない結果になるとしてA説を批判する。

[55−25] 報道の自由に関する次の記述のうち,最高裁判所の判例の趣旨に合致するものはどれか。

(1) 報道は民主主義社会において国民が国政に関与するにつき,重要な判断の資料を提供し,国民の「知る権利」に奉仕するものであるから,報道機関はその報道した事項について反論することを希望する者があれば,その反論をも報道する義務がある。

(2) 報道が国民の「知る権利」に奉仕するためには取材の自由も充分に尊重されなければならないが,他面,報道機関が街頭におけるデモ行進の状況を写真撮影することはデモ参加者の肖像権を侵害するおそれもあるから,被撮影者の推定的承諾がない限り許されない。

(3) 報道が正しい内容をもつためには,取材の自由も充分に尊重されなければならないから,報道機関の行なう取材のための手段,行動に社会観念上,行き過ぎがあったとしても,正当な業務行為として事実的違法性が阻却される。

(4) 取材の自由を充分に尊重するためには,取材活動によって得られた資料の取り扱いについて慎重な配慮が必要であり,たとえ裁判のための証拠としてその資料を必要とするからといって裁判所が報道の自由に及ぼす影響の度合いなどを考慮することなく直ちにその提出を命ずることは相当でない。

[55−28] 予算に関する次の記述のうち,日本国憲法を改正しなくてもできるものはどれか。

(1) 予算について二会計年度毎にこれを作成し,国会の審議を受けるものとすること。

(2) 予算においては,予備費を設けないものとすること。

(3) 皇室の費用のうち内廷費を予算に計上しないものとすること。

(4) 予算について参議院で衆議院と異なった議決をしたときは,直ちに衆議院の議決を国会の議決とすること。

(5) 国会にも予算の作成,提出権があるものとすること。

[55−31] 次に掲げる法律のうち日本国憲法第25条第2項に定める国の責務を遂行するために制定されたものでないものはどれか。

(1) 災害対策基本法

(2) 国民健康保険法

(3) 児童福祉法

(4) 公害対策基本法

(5) 生活保護法

(参照条文)

日本国憲法第25条第2項

国は,すべての生活部面について,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

[55−34] 次の文中の[ ]にはいる条項として最も適切なものは後記(1)〜(5)のうちどれか。

「何人もその承諾なしにみだりにその容ぼう,姿態を撮影されない自由を有し,警察官が正当な理由もないのに個人の容ぼう等を撮影することは日本国憲法[ ]の主旨に反し,許されない」

(1) 第11条(基本的人権の享有)

(2) 第13条(個人の尊重と公共の福祉)

(3) 第18条(奴隷的拘束及び苦役からの自由)

(4) 第31条(法定手続の保障)

(5) 第38条第1項(自己に不利益な供述)

[55−37] 公務員の選挙等に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 憲法は全ての公務員を国民が直接選出することまで要求しているわけではないから,たとえば,住民が選出した市町村議会議員によって参議院議員の選挙を行う制度(いわゆる複選制)を法律で採用することも許される。

(2) 一般職国家公務員は全体の奉仕者としての立場から特定の政党に加入したり,公職の選挙において特定の候補者の当選を目的とする選挙運動を行なったりすることは許されない。

(3) 議員の当選の効力を定める手続において,選挙権のない者又はいわゆる代理投票したものの投票が何人に対してなされたかを調べることは許される。

(4) 労働組合が組合員に対し地方議会議員の選挙に立候補することを取りやめるよう要求し,これに従わなかった当該組合員を統制違反者として処分することは組合の統制権の限界を超えるものとして許されない。

(5) 憲法第15条第3項は成年者による普通選挙を保障しているので満20才に満たない者に選挙権を与えることは許されない。

[55−40] いわゆる憲法の変遷という言葉は法社会学的意味で使われる場合と法解釈学的な意味で使われる場合とがあるが法解釈学的な意味での憲法の変遷に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。

(1) 憲法の変遷とは憲法成文の規範内容と現実の憲法状態との間に「ズレ」が生じている客観的状態をいう。

(2) 憲法の変遷とは成文憲法の改正手続を経ることなく,法律・判決・内閣の行為,客観的事情の変更等によって憲法の条項の持つ意味が変化することをいう。

(3) 憲法規範の枠の範囲内における解釈の変遷は,憲法の変遷にあたらない。

(4) 成文憲法の規定の意味するところと異なる国家行為が行なわれ,それが民衆の法的確信によって支持されるに至ったとき,憲法の変遷を認めることができる。

[55−43] 法の下の平等に関する次の記述のうち最高裁判所の判例の主旨に合致しないものはどれか。

(1) 尊属の殺害は通常の殺人に比して一般に高度の社会的道義的非難を受けるべきであるが,これを理由として尊属殺人の法定刑を加重することは違憲である。

(2) 薬剤師による調剤については医師による調剤と差別して規制したとしても違憲とはいえない。

(3) 私企業が労働者の雇入れをその者が特定の思想・信条を有するだけを理由として拒んだとしても違憲ではない。

(4) 衆議院議員の選挙区割と議員定数の配分の下における選挙人の投票価値の不平等はそれが一般的に合理性があるとは到底認められない程度に達しているときは,それを正当化すべき特段の理由の存しない限り違憲である。

(5) 地方公共団体が売春行為の取締りについて格別に条例を制定する結果,地域によって刑の軽重が生ずることがあっても違憲とはいえない。

[55−46] アメリカ合衆国憲法の制定に関与したジェファーソンの次の言葉の主旨に最も適合するものは後記(1)〜(5)までの原理のうちどれか。

「我々の選良を信頼して我々の権利の安全に対する懸念を負わせるようなことがあれば,それは危険な考え違いである。信頼はいつも専制の親である。自由な政府は信頼ではなく猜疑に基づいて建設される。我々が権力を信託するを要する人々を制限政体によって拘束するのは信頼ではなく猜疑に由来するのである。我が連邦憲法は従って我々の信頼の限界を確定したものに過ぎない」

(1) 国民主権主義

(2) 権力分立主義

(3) 代表民主主義

(4) 民定憲法の原理

(5) 憲法の最高法規性の原理

[55−49] 次の文中の[ ]に入る文字として最も適当なものは後記(1)〜(5)までの組合せでどれか。

「表現の自由の保障の限界を具体的な対立利益の比較衡量によって判断しようとする利益衛量論はアメリカにおいて[(ア)]が司法権を過大に保護するとの判断の下に司法消極主義と結合して,登場してきたのであるが,わが国においては,これとは異り,旧前の紋切り形の[(イ)]の中身を具体化していくとともに比較衡量にあたっては表現の自由の価値に重きをおくことによりその保障を確保するものとして提唱されている。

          (ア)                (イ)

(1) より制限的でないほかにとり得る手段の原則  公共の福祉論

(2) 事前抑制の禁止の原則            二重の基準の理論

(3) 明白かつ現在の危険の原則          公共の福祉論

(4) より制限的でないほかにとり得る手段の原則  二重の基準の理論

(5) 明白かつ現在の危険の原則          合理性の基準の理論

[55−52] 多数決原理に関する次の文章と最も結びつかないものは後記(1)〜(4)までの理念のうちどれか。

「多数決はもともと集団における意思形成の方法の1つであって,そこでまず,問題なのはどの様な仕方で意思決定に到達するかであって,どの様な意思決定に到達したかではない。意思形成の過程であって,結果として生ずる意思決定の内容ではない。従って,多数決に於ける「理」は多数決の結果たる意思内容に於てよりもむしろ意思形成の方法そのものにおいて,まず,求められるのが自然であり,それが多数決固有の領域に於ける問題である様に思われる」

(1) 民 主

(2) 公 共

(3) 自 由

(4) 平 等

[55−55]日本国憲法の前文が,直接に裁判規範としての法的効力を持つかどうかについては,これを肯定する説と否定する説とが存在する。次の記述のうち両説いずれの立場の論拠ともなりにくいものはどれか。

(1) 前文の内容は国民主権・基本的人権の尊重・平和主義など抽象的な権利ないし理念であってその具体的内容は本文各条項に記載されている。

(2) 前文の内容は抽象的であり,本文各条項の内容は具体的であるといっても,その間の差異は相対的なものである。

(3) 前文は憲法の基本原理を定めるもので,本文各条項の解釈基準となるだけでなく,将来に於ける憲法改正の限界を画するものである。

(4) 前文に規定してある事項で本文各条項に欠缺がある場合には,前文の存在が重要な意味をもつことになる。

[55−58] 地方公共団体の住民の権限に関する事項を二つ並べた。次の(1)から(5)までの組合せのうち,2つの事項がいずれも日本同憲法明文で規定されているものはどれか。

(1) 議会の議員の選挙ーーーーーーー議会の議員の解職の請求

(2) 議会の議員の解職の請求ーーーー議会の解散の請求

(3) 議会の解散の請求ーーーーーーー条例の制定又は改廃の請求

(4) 条例の制定又は改廃の請求ーーー一の地方公共団体のみに適用される特別法の制定の同意

(5)一の地方公共団体のみに適ーーーー議会の議員の選挙

用される特別法の制定の同意

[55−61] 次の事項のうち,日本国憲法が明文で内閣総理大臣の権能又は職務として定めているものはどれか。

(1) 閣議を主宰すること。

(2) 官吏に関する事務を掌理すること。

(3) 内閣を代表して,行政各部を指揮,監督すること。

(4) 臨時に内閣総理大臣の職務を行うべき国務大臣を予め指定すること。

(5) 主任の大臣の間における権限についての疑義を閣議にかけて裁定すること。

[55−64] 日本国憲法と条約との関係についての憲法優位説と条約優位説に関する次の記述のうち,いずれの説の論拠ともなり得ないものはどれか。

(1) 憲法が徹底した国際協調主義をとっていること。

(2) 憲法改正手続の方が条約締結手続よりも厳格であること。

(3) 憲法は条約に国内法の法形式としての性格を認めていること。

(4) 憲法第99条は公務員に憲法尊重擁護の義務を負わせていること。

(5) 憲法第81条(法令審査権)及び第98条第1項(最高法規)のいずれにも条約がかかげられていないこと。

[55−67] 国会の召集・会期等に関する次の記述中,誤っているものはどれか。

(1) 常会は毎年1回召集される。

(2) 参議院の緊急集会の会期は,あらかじめ定められることはない。

(3) 特別会は衆議院の解散後に行なわれる総選挙の日から30日以内に召集される。

(4) 臨時会は衆議院議員の総数の4分の1以上の要求がある時は召集しなければならない。

(5) 緊急集会に於て取られた措置についての衆議院の同意が次の国会開会後10日を超えてきれても,やむを得ない事由があれば,その措置は効力を失なわない。

[55−70] 裁判所が採った次の措置のうち,日本国憲法第82条(裁判の公開)に違反するものはどれか。

(1) A地方裁判所は新聞報道担当者が公判廷の状況を一般に報道する取材活動の一環としてとして,公判廷に於ける写真撮影の許可を求めたのに対し,理由を示さずこれを許可しないで審理した。

(2) B地方裁判所は刑事確定判決に対する再審を開始するか否かを定める手続きを公開しないで審理した。

(3) C家庭裁判所は少年の保護事件について審判を公開しないで,少年院送致の処分をした。

(4) D地方裁判所は強姦罪の事件について,公開しない法廷で判決を言い渡した。

[55−73] 次の事例に関し,後記(1)から(5)までの事項のうち最も関連性の少ないものはどれか。

「身柄拘束中の被告人に対する窃盗事件の審理を担当していた裁判所が,その事実だけであれば執行猶予を相当と考えていたところ,被告人が公判廷で多数の窃盗余罪を自白した。そこで裁判所はこれらの起訴されていない事実を実質上,処罰する趣旨で同被告人を実刑に処し,同時にその余罪中の窃盗で得た腕時計一箇を没収する旨の判決を言い渡した」

(1) 財産権の保障

(2) 二重処罰の禁止

(3) 法定手続の保障

(4) 自白のみによる有罪の認定

(5) 自己に不利益な供述の強要

[55−76] 次の日本国憲法のうち,1つだけ他の4つと立法趣旨を異にするものがある。それはどれか。

(1) 「内閣は行政権の行使について国会に対して連帯して責任を負う」(第66条第V項)

(2) 「内閣総理大臣は,国会譲員の中から国会の譲決でこれを指名する」(第67条第T項前段)

(3) 「内閣総理大臣は国務大臣を任命する。但し,その過半数は国会議員の中から選ばなければならなしい」(第68条第T項)

(4) 「内閣は衆議院で不信任の決議案を可決し又は信任の決議案を否決した時は10日以内に衆議院が解散されない限り総辞職しなければならない」(第69条)

(5) 「法律及び政令には全て主任の国務大臣が署名し,内閣総理大臣が連署することを必要とする」(第74条)

[55−79] 次の述のうち,いわゆる津市神式地鎮祭事件に関する昭和52年7月13日の最高裁判所大法廷判決(多数意見)の趣旨に最も合致するものはどれか。

(1) 憲法は政教分離規定を設けるにあたり国家と宗教との完全な分離を理想とし,国家の非宗教性,ないし宗教的中立を確保をしようとしたものであるから,国家は信教の自由を保障しつつ自らは宗教に対し無関心・無感覚である必要がある。

(2) 政教分離原則は,国家と宗教との分離を図り,それによって信教の自由の保障をより一層確実にしようとするところに,その本質的な意味があり,この原則を国家制度として具体化した政教分離規定は,信教の自由を異なった角度から直接に保障しようとする趣旨である。

(3) 国家と宗教との完全な分離は理想に過ぎず,その実現は実際上不可能であり,政教分離原理を完全に貫こうとすれば,かえって社会生活の各方面に不合理な事態を生ずることを免れないから,政教分離規定による国家と宗教との分離にもおのずから一定の限度がある。

(4) 政教分離原則が現実の国家制度として具現される場合には,各々の国の社会的・文化的諸条件に照らし,国家は実際上,宗教とある程度係わり合いをもたざるを得ず,宗教との係わり合いをもたらす行為の許否については,もっぱら客観的・外形的側面に着目してその係わり合いが前記の諸条件に照らし相当と認められる限度を越えるものと認めるか否かを判断すべきである。

(5) 憲法第20条第3項にいう「宗教的活動」とは特定の宗教の布教・強化・宣伝等を目的とする積極的行為であることを原則とし,宗教上の祝典・儀式等の様な習俗的行為はこれに当らないと解すべきである。

[55−82] 次の記述のうち衆議院の解散の効力が争われたいわゆる,苫米地事件に関する昭和35年6月8日の最高裁判所大法廷判決(多数意見)の趣旨に合致しないものはどれか。

(1) 三権分立の制度を認めている日本国憲法の下に於ても,あらゆる国家行為が無制限に司法審査の対象となると即断すべきでない。

(2) いわゆる統治行為の司法権に対する制約は,三権分立の権利に由来し司法権の憲法上の本質に内在する制約と理解すべきである。

(3) 衆議院の解散は多くは内閣がその重要な政策ひいては自己の存続に関して国民の総意を問わんとする場合に於て行なわれるものであって,その政治上の意義は重大である。

(4) 衆議院の解散の有効無効の判断が裁判所の審査の対象外にあるとされるのは,それが重大な政治上の問題であって法律的の有効・無効の判断をすることが不可能な為である。

(5) 直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為の有効・無効は最終的には国民の政治判断に委ねられている。

[55−85] 次の(ア)から(オ)の各文章を「およそ[A]そして[B]したがって[C]ところが[D]その結果[E]と並べると衆議院の解散権に関するある学説の概要になる。その正しい順序は後記(1)から(5)までの組合わせのうちどれか。

(ア) 衆譲院の解散の根拠を定める規定は日本国憲法第69条以外には存在しない。

(イ) 内閣の助言と承認はこの形式的儀礼的行為に対して行なわれるのであるから,天皇の国事行為の実質的決定権が内閣に属するということはできない。

(ウ) 内閣が衆議院を解散できるのは国会で内閣不信任決議が成立した場合に限られることに帰着する。

(エ) 天皇の国事行為は日本国憲法第4条第1項との関連に於て解釈する限り,もとより国政に関する実質的な決定権を含まない形式的・儀礼的行為にすぎない。

(オ) 内閣に助言承認権があることを根拠として,内閣に衆議院の解散を実際に決定する機能が存在すると解することはできない。

ABCDE

(1) (ア)  (イ)  (エ)  (オ)  (ウ)

(2) (ア)  (エ)  (イ)  (オ)  (ウ)

(3) (エ)  (ア)  (イ)  (オ)  (ウ)

(4) (エ)  (イ)  (オ)  (ア)  (ウ)

(5) (オ)  (イ)  (エ)  (イ)  (ウ)

(参照条文)

日本国憲法第4条第1項

  天皇はこの憲法の定める国事に関する行為のみを行ない国政に関する権能を有しない。

日本国憲法第69条

  内閣は衆議院で不信任の決議案を可決し,又は信任の決議案を否決した時は10日以内に衆議院が解散されない限り総辞職をしなければならない。

[55−88] いわゆる合憲性推定の原則に関する次の文章の中の[ ]に入る文言として最も適当なものは,後記(1)から(5)までの組み合わせのうちどれか。

「合憲性の推定はアメリカに於て[ア]が成立した時から存在する憲法上の原則であり広い意味での[イ]の重要なひとつの内容である。それは主として法律に表明された国民の意思には憲法との矛盾が極めて明白でない限り反対すべきではなく[ウ]事実上新らしい立法になる様な余りにも新規な憲法解釈を行って国会の権能を侵害すべきではないという[エ]思想に基づいている」

     ア       イ       ウ       エ

(1) 違憲立法審査制 司法積極主義  法の支配の原則 権力分立の原則

(2) 連邦最高裁判所 司法の自己制限 民主制の理論  司法権独立の原則

(3) 違憲立法審査制 司法の自己制限 民主制の理論  権力分立の原則

(4) 連邦最高裁判所 司法積極主義  法の支配の原則 司法権独立の原則

(5) 違憲立法審査制 司法の自己制限 法の支配の原則 司法権独立の原則

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