[56−01] 次の文章は,信教の自由と政教分離の原則との関係を述べたものであるが,これと同様の関係に立たないものは,後記1から5までのうちどれか。

「憲法は,明治維新から国家と神道とが密接に結びつき種々の弊害を生じたことにかんがみ,新たに信教の自由を無条件に保障することとし,更にその保障を一層確実なものとするため,政教分離規定を設けるに至ったのである。」

1.居住の自由と地方自治

2.表現の自由と検閲の禁止

3.法の下の平等と華族制度の廃止

4.プライバシーの権利と通信の秘密

5.教育を受ける権利と義務教育の無償

[56−04] 次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.内閣総理大臣の指名は,参議院で先に議決することができる。

2.両議院の議員の歳費の増額については,衆議院の議決が優越することはない。

3.憲法改正の発議については,衆議院の議決が優越することはない。

4.日本国憲法は,国会の会期の延長について衆議院の議決の優越を規定していない。

5.衆議院が解散されない限り,内閣が総辞職すべきこととなる内閣不信任の決議権は,衆議院に専属している。

[56−07] 次の記述はいわゆる立法事実論の概要であるが,[ ]の部分に後記1から5までの語句のうちから適切なものを一個ずつ選んで入れていった場合(同一語句を繰り返して使用することともできる。),一個だけいずれの[ ]の中にも入らないものがある。それはどれか。

「すべて法律の基礎には一定の[ ]を達成するために認識された[ ]あるはずである。裁判所は,まず,立法者が設定した[ ]と,立法者によって認識された[ ]との間に合理的な関連性がなければ,[ ]がないことになり,当該法律は,違憲と判断されなければならない。次に,すべての法律は,種々の[ ]のうちから,[ ]に適合した[ ]を選択したはずである。裁判所は,果たして立法が選択した特定の[ ]が,[ ]の達成のために適合的なものであるかを審査しなければならない。通常の場合は,立法者は,[ ]の選択に関し裁量権をもっといえるが,全く不合理な[ ]を選択することは許されない。とりわけ精神活動の自由の領域では,当該[ ]を達成するのは,最も制約的でない[ ]のみが選択されるべきである。」

1.規制手段

2.立法裁量

3.立法目的

4.社会的事実

5.立法を支える事実

[56−10] 日本国憲法の下における政党に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.憲法は,政党の存在を承認していないから,政党の設立の自由は,憲法上保障されているものではない。

2.憲法は,政党について何ら規定していないが,政党の存在を無視しているものではない。

3.憲法は,政党について何ら規定していないから,政党の組織及び活動を公認する政党法を制定することは違憲である。

4.憲法は,政党の存在を承認しているが,その規制をしていないから,法律による規制は一切許されない。

5.憲法は,政党の存在を承認していないから,法律で参議院議員選挙における政党の活動を禁止することは許される。

[56−13] 次のAからDまでに掲げる各二つの記述のうちそれぞれ一つを選んで順次並べると天皇の憲法上の行為の性質についてのある学説の概要となる。その正しい組合せは,後記1から5までのうちどれか。

A(ア)天皇の象徴としての地位は,憲法上天皇の存在そのものに一般的・恒常的に認められた公的地位である。

 (イ)天皇の象徴としての地位は,天皇が憲法の規定する国事行為を行う場合にのみ認められる公的地位である。

B(ウ)天皇の象徴としての行為は国事行為に限られ,それ以外の天皇の行為は,公的なもの私的なものすべて象徴としての行為でない。

 (ウ)天皇の行為としては,私的行為及び国事行為のほか「象徴としての公的行為」を認める事ができる。

C(オ)国会の開会式における天皇の「おことば」は,天皇の国事行為とも私的行為とも考えることはできない。

 (カ)国会の開会式における天皇の「おことば」は,儀式を行うものであって,天皇の国事行為である。

D(キ)国会の開会式における天皇の「おことば」は,天皇の「象徴としての公的行為」と解してはじめて憲法上許容されるものというべきである。

(ク)国会の開会式における天皇の「おことば」は,天皇の象徴としての行為である。しかしそれは天皇の私的行為で憲法上許容されるものでないというべきである。

1.(ア)−(ウ)−(オ)−(ク)

2.(ア)−(エ)−(力)−(キ)

3.(ア)−(エ)−(オ)−(キ)

4.(イ)−(ウ)−(オ)−(ク)

5.(イ)−(ウ)−(力)−(キ)

[56−16] 日本国憲法の改正に関する国民投票の手続について,次の1から5までの事項を内容とする法律案を作成した場合,憲法の精神に照らして最も適切でないものはどれか。

1.国民投票は,憲法改正が発議された日から一定期間内の内閣が定める日に行うものとし,その期間内に衆議院議員の総選挙が行われる場合には,その選挙の期日に行うものとすること。

2.内閣は,国民投票の期日前20日までに,投票の期日及び憲法改正案を告示しなければならないものとする。

3.衆議院の投票権を有する者は,国民投票の投票権を有するものとすること。

4.国民投票に関する運動は,原則として自由とし,罰則は必要なものだけに限定するものとすること。

5.投票の方法は,賛成を〇印の記号を記載して表示させるものとし,かつ記名投票とするものとすること。

[56−19] 権力分立の原理に関する次の文章の中の[ ]に入る語句として,最も適切なものは,後記1から5までの組合せのうちどれか。

「アメリカ合衆国は,圧制的なイギリス議会の制定法及び個人権を侵害した多くの州法との抗争を通じて形成されたため,憲法を制定する過程において,[ア]不信の思想に基づく政治組織が構想され,その結果,三権は同格で憲法の下に平等の地位を占めると考えられ,権力分立はより[イ]に理解されたが,欧州大陸諸国特にフランスは,圧倒的な支配者であった君主及び君主に隷属して権力を振るった[ウ]に対する議会の抗争と勝利を通じて,近代立憲主義国家に生まれ変ったので,三権は同格ではなく[エ]が中心的地位にあると考えられ権力分立は[オ]の優越を中核とし,従ってより[カ]に理解された。」

   ア    イ    ウ   エ   オ    カ

1.立法権 自由主義的 裁判所 立法権 立法権 民主主義的

2.行政権 民主主義的 裁判所 行政権 行政権 権力主義的

3.立法権 民主主義的 行政府 立法権 立法権 自由主義的

4.行政権 自由主義的 貴 族 司法権 司法権 民主主義的

5.立法権 自由主義的 行政府 司法権 司法権 民主主義的

[56−22] 次の1から5までの各事項は,多数決の方式,一般にその方式が採用されている場合及びその表決数を順次組合せたものであるが,正しい組合せはどれか。

1.特別多数方式−議決−過半数

2.比較多数方式−選挙−最多数

3.絶対多数方式−議決−最多数

4.比較多数方式−議決−過半数

5.絶対多数方式−選挙−最多数

[56−25] 次の記述のうち,検閲禁止を根拠づける理由とならないものはどれか。

1.事後の制裁は裁判の過程を通じて実現されるものであり,従って,その審理は公開の法廷で行われその理由も判決のうちに明らかにされるのに反し,事前抑制の場合は,非公開の行政手続のうちで行われることが多く,その根拠も十分に明らかにされることが少ない。

2.事後の制裁の場合,訴追者の側で時間と労力をかけて訴訟を進行しなければならず,このことは,訴追を成功させるだけの十分な自信のないときに公権力の発動を躊躇せしめるのに反し,事前の抑制の場合は,行政官が簡単な手続で表現を抑えることができ,これを争うのに必要な負担は市民の側に課せられる。

3.事後の制裁の場合は,その表現が後に司法過程を通じて制裁を加えられるかどうか確かではなく,もし,自己の判断が誤っていたときには,刑罰その他の制裁が課せられるのに反し,事前の抑制の場合は,あらかじめその許否が明瞭であり,それに従いさえすれば,事後の重大な結果を被る危険を免れることができるので,法的安定性が保てる。

4.事後の制裁の場合は,表現行為はともかく行われ,思想の市場に持ち出され,その価値を主張することができるのに反し,事前の抑制の場合は,表現行為がかかる市場内に一定の地位を占めることができない。

5.事後の制裁の場合は,一般に刑事手続で実現されるものであり,そこでは厳格な証拠法則と合理的な疑いを超える有罪の証明のごとき被告人としての権利の保障が存在するのに反し,事前の抑制の場合は,それが存在しない。

[56−28] 次に述べるような意味における法の理念の要素として適切でないものは,後記1から5までのうちどれか。

「およそ憲法の基礎にある法の理念は,法の正不正や合理性を判断する究極の規準となり,その形成・実現つまり法的実践の指導原理となるものをいう。それぞれの法制度に課されている特殊の諸目的は,あるべきものとしての高次の一般的な目的を指示し,究極的にはある目的原理(価値原理,それは単元的にではなく,諸要素の複合という形でとらえられる。)のもとに統括されるが,かような目的原理が法の理念なのである。」

1. 平和  2. 秩序  3. 正義  4. 利益衛量  5. 個人の尊厳

[56−31] 憲法改正限界説に関する次の文章の[ ]の中に,その[ ]の中に示された数字に対応する番号の後記の語句を番号順に入れた場合,記述に誤りを生ずることとなるものがある。それはどれか。

「[1]は,[2]によって設定された権限であって,[3]によって定められた憲法典を前提としている。従って,[4]は,[5]の所在の変更及び憲法制定権の基礎となっている憲法の基本原理の変更まで及ぶことができない。」

1.憲法制定権

2.憲法

3.憲法制定権力

4.憲法改正権

5.憲法制定権力

[56−34] 次の1ないし5の文章を,「[A]ただ,[B]ところで,[C]しかも,[D]そうしてみれば,[E]」と並べると,条例に対する罰則委任の合憲性に関する論述になる。[E]に入るべき文章はどれか。

1.地方自治法第2条第3項に規定された地方公共団体の事務のうち,第1号及び第7号に掲げられた事項は,相当に具体的なものであるし,罰則の委任を規定した同法第14条第5項による罰則の範囲も限定されている。

2.地方自治法第2条第3項第1号及び7号のように相当に具体的な内容の事項につき,同法第14条第5項のように規定された刑罰の範囲内において,条例をもって罰則を定めることができるとしたのは,日本国憲法第31条の意味において,法律の定める手続によって刑罰を科するものということができる。

3.法律の授権が一般的な白紙委任であってはならないということは,いうまでもない。

4.日本国憲法第31条は,法律の授権によってそれ以下の法令で刑罰を定めることを許容していると解すべきで,このことは,日本国憲法第73条第6号但書(政令への罰則委任)によっても明らかである。

5.条例は,地方公共団体の議会の議決を経て制定される自治法であって,国会の議決を経て制定される法律に類するものであるから,条例によって刑罰を定める場合には,法律の授権が相当な程度に具体的であり,限定されておれば足りると解するのが相当である。

(参照条文)

地方自治法第14条第5項 普通地方公共団体は,法令に特別の定があるものを除く外,その条例中に,条例に違反した者に対し,二年以下の懲役若しくは禁錮,十万円以下の罰金,拘留,科料又は没収の刑を科する旨の規定を設けることができる。

[56−37] 国家賠償法第6条は,「この法律は,外国人が被害者である場合には,相互の保証があるときに限り,これを適用する。」と規定しているが,この規定の合憲性について論ずる場合,論点として取り上げる必要性の最も少ないものは,次の1から4までのうちどれか。

1.日本国憲法前文の国際協調主義の精神との関係

2.日本国憲法第17条がプログラム規定であるかどうか

3.日本国憲法第17条にいう「何人」の範囲

4.日本国憲法第10条にいう「日本国民たる要件」の意味

(参照条文)

日本国憲法第10条 日本国民たる要件は,法律でこれを定める。

日本国憲法第17条 何人も,公務員の不法行為により損害を受けたときは,法律の定めるところにより,国又は公共団体に,その賠償を求めることができる。

[56−40] 次の1から5までの事項のうち,日本国憲法を改正しなければ法律で定めることのできないものはどれか。

1.国を被告とする国家賠償請求事件の第一審は,東京地方裁判所の専属管轄とすること。

2.前審として行政機関の審判を受けた場合には,行政訴訟の第一審は,高等裁判所の専属管轄とすること。

3.訴額10万円以下の少額事件の第一審判決に対しては,事実認定の誤りを理由として上訴できないものとすること。

4.全国にある簡易裁判所をすべて廃止し,簡易裁判所が裁判権を有している事件は,当該簡易裁判所の所在地を管轄する地方裁判所が処理するものとすること。

5.罰金以下の刑にあたる罪について,本人の承諾があるときは,検察官が刑を科することができ,これに対する不服の申立がある場合には,法令適用の当否についてのみ,簡易裁判所が審理できるものとすること。

[56−43] 次の事項のうち,内閣の一体性に反するという理由で違憲となるものはどれか。

1.衆議院が国務大臣に対する不信任決議案を可決した場合に,内閣総理大臣がその国務大臣を罷免しないこと。

2.内閣総理大臣以外の国務大臣の過半数を国会議員以外の者が占めることとなった場合に,内閣が総辞職しないこと。

3.内閣総理大臣が議員の資格争訟の裁判により国会議員としての地位を失った場合に,内閣が総辞職しないこと。

4.国務大臣の一部に文民でない者を充てること。

5.内閣総理大臣が国務大臣の逮捕につき同意を求められた場合に,これに同意すること。

[56−46] 次の記述のうち,憲法の人権規定が私人間に直接適用されるとする立場から論じていることが,最も明らかなものはどれか。

1.公務員にも労働基本権が保障される。

2.女子労働者の若年定年制は無効である。

3.選挙区間の議員定数の著しい不均衡は違憲である。

4.公益上の理由がないのに私有財産を収用することは違憲である。

5.労働組合が,その組合員に特定の政党の支持を強制することは違憲である。

[56−49] 次の文章の[ ]いずれにも入る語句として最も適切なものは後記1から5までのうちどれか。

「議会主義デモクラシーにおいては,多数の決定の上に影響を獲得する手段が少数に対して与えられている。というのは,議会の議事手続のすべては,その弁証法的・矛盾背反的な弁論と答弁・議論と反ばくとに分けられた技術をもって,1つの[ ]を得ることを目的としているからである。ここに多数決原理の固有の意義があり,この原理が,多数者と少数者の全体を[ ]へと強制することによって全体的意志を形成させていくのである。」

1.表決  2.討論  3.受忍  4.協力  5.妥協

[56−52] 日本国憲法第13条を根拠としてプライバシーの権利を認め,同法第21条を根拠として知る権利を認めるというように,「新しい人権」を認める見解が現われているが,このような人権に対する憲法的保障の増幅が主張されるようになった要因として,最も適切でないと考えられるものは,次の1から5までの記述のうちのどれか。

1.国民の憲法意識が高まり,憲法が国民の日常生活のうちに浸透したこと。

2.憲法制定後,今日までの社会的変動が激しく,また国民の要求が多様化したこと。

3.新しい社会的欲求に対して,政治的部門の対応の遅れることがあること。

4.国民主権の下においては,主権者である国民が,法廷ではなく投票場において決着をつけなければならない憲法問題も少なくないこと。

5.社会的変動に応じなければならないという現代の法秩序の基本課題からみて,憲法の諸規定を,人権の実質的保障のために,時代の要求に適応するよう生かさなければならないこと。

[56−55] 次に掲げる文章は,議会制の本質的原理としての「代表」についてのある学説の概要であるが,後記1から5までの記述のうち,この学説と矛盾するのはどれか。

「議会が「代表」的性格を有するとは,国民全体のうち現に存する各種の政治的意見ないし傾向の少なくとも支配的なものが,議会での議員の行動において具体的に主張される最大限の公算が存することをいう。議会制の「代表」的性格は,主として,その議員が選挙されることによって担保される。今日の議会制では,議員が具体的・個別的な指令に法的に拘束されることは否定される。しかし,議員がいわば抽象的・一般的な指令に事実上拘束されることは当然のこととして予想されていると見なくてはならない。」

1.議会の特色は,その組織については,公選される議員をその本質的構成要素とし,その権能については,国家作用の根本的なものを支配することにある。

2.議員を選挙されるものとしながら,その議員が,およそいかなる場合にも選挙民ないし選挙区の支配を受けないものと見ることは背理である。

3.議員が事実上.選挙民ないし選挙区の利益代弁者となることも,議会制の本質と相容れないものである。

4.「公的」なものだけが世論であり,私的な「共通の意見」は世論でないという議論は,今日の議会の存する大衆民主的性格を否定することになりやすいので,賛成できない。

5.議会制が正常な機能を果たすためには,その前提として,政党の発達と選挙民の自覚が必要である。

[56−58] 国会の承認を欠く条約の国際法上の効力に関する次の文中の[ ]に入る語句として最も適切なものは,後記1から4までの組合せのうちどれか。

「[ア]は,当事国が相互に相手国の憲法をその責任において判断する義務はないことを論拠とし,[イ]は,現在,多くの国が条約を締結する場合に国会の承認を必要とする制度を採用していることを論拠とする。一定の場合に限り無効とする説は,国により条約締結手続に関する憲法上の規定が,必ずしも明確でないことを論拠とし,国際社会の現実から遊離する結果となる[ウ]と,国民の民主主義的な統制を無視する結果となる[エ]とを調整することを意図するものである。」

1.ア.有効説 イ.無効説 ウ.無効説 エ.有効説

2.ア.無効説 イ.有効説 ウ.有効説 エ.無効説

3.ア.有効説 イ.無効説 ウ.有効説 エ.無効説

4.ア.無効説 イ.有効説 ウ.無効説 エ.有効説

[56−61] 尊属・卑属の関係を日本国憲法第14条第1項後段にいう「社会的身分」にあたらないと仮定した場合,尊属に対する殺人について,普通殺人と著しく均衡を失し全く合理性を欠くような重い刑を定める刑法の規定が,なお同条第1項に違反しないこととなり得るのは,次の1から5までのいずれの説をとったときか。

1.第14条第1項前段は,定立された法を前提とするから,法を適用する場合にのみ働く規定である。後段は法を定立する者を含むすべての者に対して,差別の禁止される重要な場合を具体的に列挙した例示的な規定である。

2.第14条第1項前段は,不平等な取扱いを内容とする法の定立を禁ずる趣旨である。後段は前段で差別の禁止される場合のうち特に重要なものを例示的に列挙したもので,前段と後段は同一内容の規定である。

3.第14条第1項前段は,法の内容についても,これを制約するものである。後段は,前段で一般的に禁止された不合理な差別のうち絶対的に禁止される場合を列挙したものである。

4.第14条第1項前段は,法の適用における平等を規定し,法の定立における平等を規定していない。後段は,そこで列挙されている事由についてのみ,これによる差別を許さないとする趣旨である。

5.第14条第1項前段は,立法者を拘束するものである。後段は,いかなる事由による不合理な差別も許さないことを前提として,一定の事由を例にあげたものである。

(参照条文)

日本国憲法第14条第1項 すべて国民は,法の下に平等であって,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。

[56−64] 裁判官の弾劾制度に関する次のうち,日本国憲法の改正によらなければならないものはどれか。

1.裁判官の罷免の訴追を行う機関は,衆議院議員のみで組織するものとすること。

2.弾劾裁判所は,国会閉会中も職務を行うことができるものとすること。

3.罷免の訴追を受けた裁判官は,弾劾裁判所に対し,再審の申立をすることができるものとすること。

4.弾劾裁判所が罷免の裁判をするには,審理に関与した裁判員の4分の3以上の多数によらなければならないものとすること。

5.罷免の訴追を受けた裁判官は,弾劾裁判所において審理を受けている期間中,報酬の支払を停止されるものとすること。

[56−67] 次の文章の論旨と最も関係が薄いものは,後記1から5までの語句のうちどれか。

「討議を実りあるものとするには,これを秩序づけるための合理的な規範が必要である。この規範がないと言論の自由はその価値を失う。この場合,討議を秩序づける規範と言論の内容を制約する規範とを区別することが肝要である。討議を秩序づける規範は,その下では何時でも好きなときに口を開くことが許されないので,自由を制約するものであるが,言論の自由を享受するために必要なものである。」

1.議事手続

2.表現の自由

3.自由と秩序

4.人権相互の調整

5.法定手続の保障

[56−70] 次の1から5までの記述は,衆議院の解散を実質的に決定する権限の根拠に関する主張と反論とを掲げたものであるが,これらのうち,一つの主張とこれに対応する反論との二つを一組として組み合わせた場合,一つだけ残るものがある。それはどれか。

1.一般に組織体の解散は,反対の趣旨の明文のない限り,組織体の組織者全員による決議によって行われるのが原則である。

2.憲法上,衆議院の解散は天皇の権能とされるが,それは内閣の助言と承認によって行われるものであるから,それを実質的に決定するのは内閣である。

3.衆議院の解散は,衆議院議員全体について,その任期を終了させる効果を有するから,衆議院がこのような重要な意義を有する事項について議決できるとするためには,憲法上明文が必要である。

4.衆議院の解散は,性質上,三権のうち行政に属する行為であるから,解散を実質的に決定する権限は,日本国憲法第65条に基づいて内閣に属する。

5.日本国憲法第7条第3号に規定する衆議院の解散は,天皇が国事行為として行うものであるから,これについての内閣の助言と承認も天皇の国事行為としての衆議院の解散即ち解散の詔書の発布についてのものに限られると解すべきである。

(参照条文)

日本国憲法第7条 天皇は,内閣の助言と承認により,国民のために,左の国事に関する行為を行ふ。

三 衆議院を解散すること。

日本国憲法第65条 行政権は,内閣に属する。

[56−73] いわゆる行政委員会が,日本国憲法第65条に違反しないとする合憲論は,内閣は必ずしもすべての行政に対し指揮監督権をもつ必要はないとする立場から主張する場合と,内閣はすべての行政をその統制の下に置かなければならないとする立場から主張する場合とに大別できるが,次の1から4の記述のうち後者の立場から述べられているものはどれか。

1.内閣は行政委員会を委員任命権及び予算作成権を通じて統制することができる。

2.行政委員会の行う行政は,非政治的作用たる性質を有するものであり,内閣がそれに対する統制権をもつ必要はない。

3.行政委員会の行う行政は,内閣責任制度を通じて国会が行政に対するコントロールを確保しようとする国会の行政統制の例外であり,行政委員会は国会に対し責任を負える地位であれば足りる。

4.日本国憲法第41条に国会は「唯一」の立法機関であるとし,同法第76条では司法権は「すべて」最高裁判所及び下級裁判所に属するとされているが,同法第65条にはそのような限定はない。

(参照条文)

日本国憲法第65条 行政権は,内閣に属する。

[56−76] 日本国憲法第3章(国民の権利義務)に関する次の文中の[ ]の部分に,後記1から4までの語句のうちから適切なものを一個ずつ選んで入れていった場合(同一語句を繰り返して使用することもできる。),一個だけいずれの[ ]にも入らないものがあるが,それは1から4までのうちどれか。

「明治憲法の権利宣言で保障された権利は,多くいわゆる[ ]を伴った。即ち,それらを[ ]の行為で侵すことは禁じられたが,[ ]の行為で侵すことは,必ずしも禁じられていなかった。日本国憲法第3章は,原則として,かような[ ]を認めず,[ ]のみならず,[ ]をも,さらには,憲法改正権をも制限しようとしている。」

1. 立法権  2. 行政権  3. 司法権  4. 法律の留保

[56−79] 次の文中の[ ]に入る語句として最も適切なものは,後記1から5までの組合せのうちどれか。

「憲法第3章に定める基本的人権の保障は,権利の性質上[ア]のみをその対象としていると解されるものを除き,[イ]に対しても等しく及ぶものと解すべきであり[ウ]についても,わが国の[エ]に影響を及ぼす活動等その地位にかんがみこれを認めることが相当でないと解されるものを除き,その保障が及ぶと解するのが相当である。」

1.ア 生来の日本国民  イ わが国に帰化した外国人  ウ 選挙運動の自由  エ 政治の動向

2.ア 自然人たる国民  イ 内国の法人  ウ 政治資金の寄附の自由 エ 特定の政党活動

3.ア 日本国民  イ わが国に在留する外国人  ウ 政治活動の自由 エ 政治的意思決定又はその実施

4.ア 公権力の親制  イ 私人  ウ 政治的信条の自由  エ 議会政治の動向

5.ア わが国の法人  イ 認許された外国法人  ウ 政治資金の寄附の自由  エ経済の動向

[56−82] A県は,最近.県下の高校生がオートバイに乗って死傷する事故が多いことにかんがみ,県下に居住する年齢17歳以下の者には自動二輪車の免許を与えないこととする条例を制定したいと考えた。A県がその憲法上の問題点を検討するについて最も関連性の少ないものは次の1から5までの日本国憲法の条項のうちどれか。なお道路交通法によれば,16歳に満たないものには自動二輪車の免許を与えないこととなっている。

1.第13条(すべて国民は,個人として尊重される。生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利については,公共の福祉に反しない限り,立法その他の国政の上で,最大の尊重を必要とする。)

2.第14条1項(すべて国民は,法の下に平等であって,人権,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。)

3.第22条1項(何人も,公共の福祉に反しない限り,居住,移転及び職業選択の自由を有する。)

4.第26条1項(すべて国民は,法律の定めるところにより,その能力に応じて,ひとしく教育を受ける権利を有する。)

5.第94条(地方公共団体は,その財産を管理し,事務を処理し,及び行政を執行する権能を有し,法律の範囲内で条例を制定することができる。)

[56−85] 次の(ア)ないし(エ)の文章を,「なるほど.[A]しかし,[B]のみならず,[C]まさに[D]」と並べると,会社の政党に対する政治資金の寄附の自由に関する論述になる。その正しい順序は,後記1から5までの組合せのうちどれか。

(ア)政治資金の寄附もその自由の一環であり,会社によってそれがなされた場合,政治の動向に影響を与えることがあったとしても,自然人たる国民による寄附と別異に扱うべき憲法上の要請があるものではないから,これを憲法に反するものと解すべきではない。

(イ)憲法上の選挙権その他のいわゆる参政権が自然人たる国民にのみ認められたものであることは,所論のとおりである。

(ウ)憲法第3章に定める国民の権利及び義務の各条項は,性質上可能な限り,内国の法人にも適用されるものと解すべきであるから,会社は,自然人たる国民と同様,国や政党の特定の政策を支持・推進又は反対するなどの政治的行為をなす自由を有するのである。

(エ)会社が納税の義務を有し,自然人たる国民と等しく国税等の負担に任ずるものである以上,納税者たる立場において,国や地方公共団体の施策に対し,意見の表明その他の行動に出たとしても,これを禁止すべき理由はない。

   A  B  C  D

1.(イ)(エ)(ウ)(ア)

2.(エ)(ウ)(イ)(ア)

3.(ウ)(ア)(イ)(エ)

4.(イ)(ウ)(ア)(エ)

5.(ア)(ウ)(イ)(エ)

[56−88] アメリカ合衆国最高裁判所の判決の一部を要約した文中の[ ]の部分に,後記1から5までの語句のうちから適切なものを一個ずつ選んで入れた場合(同一語句を繰り返して使用することができる。),一個だけいずれの[ ]の中にも入らないものがあるが,それは1から5までのうちどれか。

「[ ]の大部分の規定が[ ]に関するものであることには,重大な意味がある。[ ]による支配と[ ]による支配との間の大きな相違をもたらすものは,[ ]である。厳格な[ ]的保障を確保することこそ,[ ]の下における平等の正義の実現を可能にするものである。」

1. 法

2. 恣意

3. 手続

4. 自由権

5. 権利章典

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