[62−01] 次のAからDまでの文章を「[ ]。ただ,[ ]。もし,[ ]。その点で,[ ]。」と並べると,検閲概念のとらえ方に関する論述となる。その順番として最も適切なものは,後記1から5までのうちどれか。

A 検閲概念のなかに,行政権による事前抑制,それと機能的に類似の働きをする司法権による事前抑制,及び事前抑制と同視し得る抑止的効果をもつ国家的規律を含めて考えるアメリカ法的なアプローチにも,私は十分の理由があるように思う

B 伝統的な行政権による検閲が憲法上禁止されていることには,誰しも異論はない

C そういうことになるとすれば,極めて大きな問題と言わざるを得ない

D 検閲概念を行政権による事前抑制という形でとらえ,これと機能的に同視し得る司法権による事前抑制である差止命令や,事前抑制と同視し得る抑止的効果をもつ言論規制を別のカテゴリーの問題として考えると,それらが合憲か違憲かを判定する場合の基準が緩められるおそれも生じよう

1.D B C A

2.B D C A

3.B A D C

4.A D C B

5.A C D B

[62−02] 憲法78条は,「裁判官は,裁判により,心身の故障のために

職務を執ることができないと決定された場合を除いては,公の弾劾によらなけれ

ば罷免されない。裁判官の懲戒処分は,行政機関がこれを行ふことはできない。」

と定め,また憲法64条は,「国会は,罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するた

め,両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。弾劾に関する事項は,法律で

これを定める。」と規定している。次のうち,裁判官の弾劾及び懲戒処分に関す

る憲法の解釈として誤っているものはどれか。

1.一定の事由があるときは両議院の議決により弾劾裁判所のした裁判を変更す

ることができる旨の法律を制定しても,憲法に違反しない。

2.弾劾裁判所の裁判に対し一般に最高裁判所に不服の申立をすることができる

旨の法律を制定することは,憲法に違反する。

3.国会議員でない国務大臣を弾劾裁判所の裁判官に選任することができる旨の

法律を制定することは,憲法に違反する。

4.両議院の議決によって裁判官の懲戒処分をすることができる旨の法律を制定

することは,憲法に違反する。

5.懲戒処分として裁判官を罷免することもできる旨の法律を制定することは,

憲法に違反する。

[62−03] 尊属殺人罪を定めた刑法第200条の規定の合憲性について,次の三つの説がある。

A 殺人の被害者が直系尊属であるとの理由で加重規定を設けたのは,封建的,旧家族制度的倫理観に立脚したものであって,現行憲法の根本理念に反するから,刑法第200条の規定は,不合理な差別を定めたものとして,憲法第14条第1項に違反する。

B 尊属に対する尊重報恩という普遍的倫理を維持するために尊属殺人について刑罰加重規定を設けること自体は不合理な差別とはいえないが,加重の程度が極端であって前記目的達成の手段として甚だしく均衡を失するときは,不合理な差別であり,憲法第14条第1項に違反する。

C 尊属と卑属との関係は,社会的身分その他の憲法第14条第1項列挙のいずれの差別事由にも該当しないから,刑法第200条は,元来憲法第14条第1項の問題とはなり得ない。

上記三つの説のいずれかをとる裁判官で構成されている最高裁判所大法廷で,刑法第2O5条第2項の尊属傷害致死罪の規定が憲法第14条第1項に違反するか否かを判決することになった場合,その判決の予測として正しいものは,下記1から5までのうちどれか。なお.大法廷では,15人の裁判官のうち9人が出席すれば審理及び裁判をすることができ,その裁判は過半数の意見によってなされるが,違憲の判決をするには8人以上の意見が一致しなければならないことになっている。

1.現行の尊属傷害致死罪の法定刑を前提にして,15人の裁判官で裁判をする場合,A説の裁判官が4人,B説の裁判官が4人いると,違憲判決になる。

2.尊属傷害致死罪の法定刑が仮に「無期又は7年以上の懲役」と現行の規定より重く定められていたとして,13人の裁判官で裁判する場合,C説の裁判官が6人いると,合憲違憲いずれの判決になるかは,わからない。

3.尊属傷害致死罪の法定刑が仮に「無期又は7年以上の慾役」と現行の規定より重く定められていたとして,13人の裁判官で裁判をする場合,A説の裁判官が4人,B説の裁判官が3人いると,違憲判決になる。

4.尊属傷害致死罪の法定刑が仮に「3年以上の有期懲役」と現行の規定より軽く定められていたとして,15人の裁判官で裁判をする場合,A説の裁判官が7人,B説の裁判官が1人いると,合憲違憲いずれの判決になるかは,わからない。

5.尊属傷害致死罪の法定刑が仮に「3年以上の有期懲役」と現行の規定より軽く定められていたとして,11人の裁判官で裁判をする場合,B説の裁判官が4人いると,違憲判決にはならない。

(参照条文)

刑法第205条 身体傷害ニ因リ人ヲ死ニ致シタル者ハ2年以上ノ有期懲役ニ処ス

自己又ハ配偶者ノ直系尊属ニ対シテ犯シタルトキハ無期又ハ3年以上ノ懲役ニ処ス

[62−04] 次のAからEまでの文章を,「[ ]。しかし.[ ]。[ ]。[ ]。そのため,[ ]。」と並べると,憲法の改正に関する論述となる。後記1から5までのうち,その順番として最も適切なものはどれか。

A 将来発生する一切の政治的・社会的変化を見通して,それに対応できるような憲法を作るということは,人力を超えたしわざである

B 多くの国の憲法では,時勢の変化に対応した変更を予想し,あらかじめ,改正についての規定を設けている

C いかに憲法でも,そのすべての条項にわたって,絶対・永久的な不変性を期待することはできない。現実の政治生活・社会生活は刻々と変化してやまない

D ひとつの時代に作られた憲法が,そのすべての条項の永久不変性を固執すると,時代の要求に応ずることができなくなり,極端な場合には革命によって憲法が根本から覆される

E 国の根本法又は基礎法としての性格をもち,最高法規といわれる憲法には,普通の法令よりも強度の固定性と長期にわたる通用性が要請される。これは,憲法の性質に照らして当然なことである

1.A E B C D

2.B A C E D

3.B E A C D

4.E C A D B

5.E D A C B

[62−05] 次のAからDまでの文章を,「[ ]もちろん,[ ],すなわち[ ]。しかし,[ ]。」と並べると,憲法の中核を構成する根本規範が個人の自由の保障にあることを強調した論述となる。その順番として最も適当なものは,後記1から5までのうちどれか。

A 憲法は,国家の機関を定め,それぞれの機関に国家作用を授権する

B 自由は,立憲主義の根本的な目的であり価値である。近代憲法は,何よりもまず,この自由の法秩序であり単に国の基本法であるという点に本質が存するのではない

C 国家権力についての組織規範・授権規範は,憲法の中核をなすものではなく,常により基本的な規範,すなわち自由の規範(人権規範)に奉仕するものとして存在する

D 憲法には,通常は立法権,司法権,行政権及び憲法改正手続等についての規律が設けられる。この国家権力についての組織規範・授権規範が,憲法に不可欠であることはいうまでもない。

1 A D B C

2 A D C B

3 B A D C

4 D C A B

5 D C B A

−−[62−06]から[62−07]まで−−

 次の文章を読んで後記の[62−06]と[62−07]の各問に答えよ。

[62−06] 裁判の在り方について,AとBが論争している。Aは,「裁判は,法規範を大前提とし,事実を小前提として引き出される三段論法の帰結である。」と主張し,Bは,「裁判は,裁判官の直観によって決まるものであり,三段論法は,その結論の正当性を検証するための一手段にすぎない。」と主張している。

 Aは,「裁判官像を述べたものとして,[ ]というのがある。ここでは,個人の権利自由を保障するためには,裁判官を法律で一義的に拘束して,裁判官の主観的・恣意的な判断の可能性を排除することが必要であるという発想が現れている。」と述べて,自説の正当性を強調している。[ ]に入る記述として最も不適当なものは次のうちどれか。

1.「裁判官は,性能の良い法のコンピューターである。」

2.「裁判官は,英知と良心による法の創造者である。」

3.「裁判官は,法の文言を淡々と語る口である。」

4.「裁判官は,概念の操作にたけた数学者である。」

5.「裁判官は,法の世界における自然科学者である。」

[62−07] Bは,裁判における法の適用について,「事件によっては,法を杓子定規に適用すると血も涙もない判決となってしまう。そこで,そのような事件については,衛平の法理によって法の適用を修正しなければならないが,この衛平の法理は,もともと,一般化に親しまないものであり,その意味では,裁判官の主観的評価に基づく場当たり的な非合理的契機を内包しているものである。つまり.[ ]と述べている。[ ]に入る記述として最も適当なものはどれか。

1.裁判官は,既存の法原理や先例を前提として,事件の核心となる事実をそれに当てはめることにより,最も正当な結論を導き出すことになるのである。

2.裁判官は,法の文言を無視することなく,緻密な論理を積み重ねることによって,一定の結論に到達するのである。

3.裁判官は,こうした事件に直面した場合,その個別的・具体的事実関係のインパクトの下に,当該事業の妥当な解決策を一挙に読み取るのである。

4.裁判官は,自己の主観に頼ることなく,他者の考え方にも耳を傾けることによって,客観性のある結論を獲得するのである。

5.裁判官は,おのれの価値観を振り回すことなく,いわば演奏家が楽譜の符号を忠実に守って演奏するように,訴訟の手続を進めていくことになるのである。

[62−08] 違憲審査制の運用の在り方について,裁判所はこれを積極的に運用すべきであるとの見解(司法積極主義)と,できるだけ自制すべきであるとの見解(司法消極主義)がある。次のうち,司法消極主義を主張する者がその論拠としている考え方はどれか。

1.自然権の理論

2.民主制の原理

3.デュープロセス

4.司法の自律性

5.憲法の最高法規性

[62−09] 次の文章の[ ]の中にはいずれも接続詞が入るが,「しかし」のような逆接の接続詞を入れるとした場合に,下記1から5までのうち最も適切なものはどれか。

「違憲審査における憲法判断は,恣意的なものであってはならず,憲法原理からの帰結であり,合理的に根拠づけられたものでなければならないのである。[A],具体的事件における憲法判断は,抽象的な憲法原理からのみ導き出すことはできないのである。[B],具体的事件における憲法判断で無視することができないのは,事実の存在である。[C],ここでいう具体的事件における事実には,職業の自由を制限する立法の合憲性の問題を例にとると,そのような職業規制を要求する国民経済の円満な発展や社会公共の便宜の促進,経済的弱者の保護などの現在又は将来の社会事実というようなものも含まれることになるであろう。」

1.Aだけに入る。

2.Bだけに入る。

3.Cだけに入る。

4.AとCに入る。

5.BとCに入る。

[62−10] 外国人登録法第3条第1項は本邦に在留する外国人に登録申請を義務付けているが,以下の論述は,不法入国者にその義務を認めることが憲法第38条第1項に違反するかどうかに関するものである。〔 〕内のABの語句のうち適切なものを選んだ場合,後記1から5までのうちその組合せとして正しいものはどれか。

「本邦に入国した外国人は,上陸後一定の期間内に,外国人登録法及び同法施行規則の定めるところにより,居住地の市区町村長に対し外国人登録申請をしなければならないが,右の登録申請は,外国人の居住関係及び身分関係を明確にし,もって在留外国人の〔A:公正な管理 B:犯罪の捜査〕に資することを目的とする手続きであって,〔A:行政目的の達成のための B:刑事責任の追及を目的とする〕手続きで〔A:あるが B:ないことはもとより〕,そのための資料収集に直接結びつく作用を一般的に有するものでもない。また,この登録申請は,有効な旅券等を所持しない不法な入国者であると否とを問わず,すべての入国者に対し一般的に義務付けられているものであり,前記〔A:犯罪捜査の目的 B:行政目的〕を達成するために必要かつ合理的な制度〔A:というべきである B:とはいえない〕。このような登録申請の性質に照らすと,外国人登録法第3条第1項の規定が本邦に不法に入った外国人にも適用されると解し,これに違反した者に対し同法第18条第1項の罪の成立を認める〔A:ことは憲法第38条第1項にいう『自己に不利益な供述』を強要したことに当たる B:こととしても憲法第38条第1頃にいう『自己に不利益な供述』を強要したことにならない〕。」

1.A A A B A B

2.B A B A B A

3.A B B B B A

4.B B A A B A

5.A B B B A B

ーー[62−11]から[62−12]までーー

次の文章は,基本的人権と公共の福祉の関係についての4人の学者の見解である。これを読んで,後記の[62−11]と[62−12]の各問に答えよ。

学者A 基本的人権には前国家的な自然的人権と後国家的な社会的人権がある。前者については,公共の福祉による制限をする法律の制定は違憲を免れない。後者については,公共の福祉の理由がある限りは立法機関の裁量に任せられるから,あとは立法政策の問題はあっても法律的に違憲の問題は起こらない。

学者B 憲法は,国民の自由は法律をもってしても制限することはできないとする。もちろん,ここで保障される自由に全然限界がないわけではない。憲法第13条は自由について公共の福祉という限界があることを認めている。したがって.公共の福祉という限界を超える場合には法律による制限が許されるが,その限界内においては法律をもってしても国民の自由を制限することは許されない。

学者C 憲法の保障する基本的人権のすべてが法律をもってしても侵すことのできない絶対的なものとして保障されているとはいえないが,憲法を貫く根本原則である民主主義の実現に欠くことのできない基本的人権は少なくとも法律をもってしても奪うことができないと解しなければならない。例えば,勤労者の団結権・団体交渉権のごときも,民主政治の経済的条件を整えるための不可欠の前提条件として法律をもってしても奪うことのできない基本的人権に属すると考えるべきである。

学者D 憲法の保障する権利自由の多くは天賦のものと観念されているのである。したがってそれらの権利自由については,国民の自律によるほかは国家権力による侵害を認めない趣旨である。即ち憲法第13条を根拠としてすべての権利自由が公共の福祉の名の下に制限されるとは解されないのである。もっとも.諸々の権利自由中このような性質を有するのは,国家権力による侵害の排除に主眼を置くものに限られ,国家権力による保障を求めることに主眼を置くものについては,それらに対しいかなる程度の保障を与えるかは,国家がまさに公共の福祉のために決するところである。

[62−13] 日本国憲法を改正して,最高裁判所が法律を違憲とする判決をした場合において,両議院がいずれも出席議員の3分の2以上の多数で議決したときは,当該判決は廃棄されるとの規定を加えたと仮定する。この場合の説明として,誤っているものはどれか。

1.この規定により,国会の最高機関たる地位がより明確になる。

2.この規定により,裁判所が裁判をするに際し統治行為論を用いる必要がなくなる。

3.この規定により,最高裁判所は憲法の公権的最終解釈権を失うことになる。

4.この規定は,民主主義をより徹底しようとする立場に基づくものである。

5.この規定の下においても,違憲判決についての個別的効力説をとることは可能である。

[62−14] 次の論述中の[ ]に下記のAからEまでの文章を入れると,

完結した論述となる。その順番として最も適切なものは,後記1から5までのう

ちどれか。

「立法の機能は法規範を定立することであり,司法の機能は法規範を適用するこ

とである。そのため,[ ]。すなわち,[ ]。もともと,[ ]。そのうえ,[ ]。

もっとも,こうした場合でも,[ ]。」

A 司法の判断は,立法を代行する政策決定の判断ではあり得ず,あくまでも法

規範が明示又は黙示に定めた法価値に従い,これを最もよく実現する途を探る判

断にとどまるが,その実質において準立法的,創造的な色彩を帯びることは否定

すべくもない

B 司法の機能には,法規範の単なる適用を超える準立法的・創造的な機能が多

分に含まれている

C 法規範の中には,借家法にいう正当事由や罰則の法定刑の定めのように,意

識的に抽象性・裁量性の高い要件を定立し,司法に対し,これを具体化する準則

の定立と具体的事案に応じた適切な適用とを期待する形式のものがある

D 両者は,交錯するところがないと解されがちであるが,実は深く交錯し相互

に補完し合う関係にある

E 法規範は,類型的な命題であるから,多かれ少なかれ抽象的性質を帯びてお

り,罪刑法定主義の見地から明確性が強く要請されている罰則の規定でさえ,一

義的な解釈でこれを適用することの困難なものが多いため,司法にも下位法規範

の定立に準ずべき創造的な判断が必要となるのである

1.A B C D E

2.B D C E A

3.D B E C A

4.A D C E B

5.D E B A C

[62−15] 次の文章中の[ ]ないし[ ]の部分に,下記(ア)から(オ)までの語句を1回ずつ入れると完結した論述となる。後記1から5までのうち正しいものはどれか。

「権力分立論は,立法,司法,行政の国家権力の種別を前提としてはいるが,単に[A]ではない。また,国家権力の組織・技術上の分離を提唱するにとどまるものでもない。分立論の重点は,もっぱら,自由主義的な政治的要請として,その実現を求めるところにあり,その真価も主としてそこにみられる。すなわち,権力分立論は,[B]であって,それには,国家の権力が誰かの一手に集中し,あまりに強大になるのを防ぎ,各権力を分離・独立せしめて,それを抑制し,緩和する必要があるとなすものである。

そして,自由主義的ということと密接な関連をもつことであるが,権力分立論は,もともと.[C]ではなくて,[D]である。その目的は,摩擦を避けることではなくて,政府の権力を三つの部門に配分することに伴う,不可避的な摩擦によって,国民を専主制から救うことにある。このように,消極的な目的をもつということは,権力分立論の一つの特徴である。

権力分立論の次の特徴は,[E]であることである。すなわち,権力分立論は,国家の権力に対する不信任,したがって,権力を行使する人間に対する不信任から出発している。」

(ア) 国家権力の行使を効率的にするための原理

(イ) 国家権力に対する懐疑的又は悲観的な態度を前提とする原理

(ウ) 国家権力をその性質に応じて理論的に分類するための原理

(エ) 国家権力の乱用又は恣意的な行使を防止するための原理

(オ) 国家権力から国民の自由を守るための原理

1.Aに(ア)が入る。

2.Bに(イ)が入る。

3.Cに(ウ)が入る。

4.Dに(エ)が入る。

5.Eに(オ)が入る。

[62−16] 下記1から5までのうち,次の[ ]に入る語句の順序として最も適当なものはどれか。

「憲法が[ ]の自由を保障しているのは,国家が[ ]の分野に立ち入って,ある[ ]を奉じたり,主張したり,また,ある種類の事項を研究したりすることを禁止又は制限できないこと,つまり,国家が[ ]上の事項に干渉し,これに関して指揮命令することができないことを意味する。ところで,個人的な性質をもつ[ ]の研究に対する保障は,あたかも個人の[ ]の自由の保障の場合のように制度化される場合において,その保障が一層完壁となる。」

1.信仰 宗教 宗派 宗教 宗教 思想

2.学問 思想 主義 思想 主義 職業

3.良心 良心 倫理 思想 良心 思想

4.信仰 良心 教義 信仰 信仰 職業

5.学問 学問 学説 学問 学者 信仰

−−[62−17]から[62−18]まで−−

 次の文章は某氏が現に控訴審に係属中の刑事事件に対し,被告人の無実を主張して,一審判決の事実認定を批判する文章を発表したことを非難したものである。これを読んで,後記の[62−17]と[62−18]の各問に答えよ。

「氏が世間一般のこの事件に関する判断に与えた影響力は甚大であった。また,ジャーナリズムは,こぞって氏が最も純真な人道主義的動機から長年にわたり無罪の立証に精根をつくしたことをたたえた。私は,ここで氏の事案に対する認識と主張されてきたところの内容の当否に立ち入ることができない。ただ,私が言いたく思い,また言い得ることは,氏が如何に立派で信用のおける人柄で,また,この裁判に没頭されるに至った動機の純真性について何人も疑わないとしても,[  ]的観点から見て,これを認めるわけにはいかないということである。何故ならば,」

[62−17] 次の1から5までのうち四つは上記文章に続く記述を抜き出したものであるが,一つは他人の文章から抜き出した記述で論者の考え方と趣旨を異にする。それはどれか。

1.問題は,その行為の道徳的価値にあるのではなく,それがもつ社会的影響にあるのであって,そのような裁判批判を自由に許すことは,大局的に見て裁判の適正に良い影響を与えるとは思われないからである。

2.裁判は結論が正当であればそれでよいというものではなく,訴訟手続外の「私的知識」を裁判に持ち込むことは「予断」または「偏見」を招くおそれがあることを考慮すれば,そのような裁判批判は憲法が予定する刑事裁判手続の枠内に入っていないからである。

3.判決文には記載されていないものの,職業裁判官は,当然のことながら,いわゆる裁判批判を十分考慮した上で,裁判をするものなのであり,これを,あたかもおよそ裁判官は裁判批判を無視するものであるかのごとく非難することは不当だからである。

4.氏の意図は,無実の者を救う熱意に出ている以上,裁判に影響を及ぼすため裁判官に働きかける点にあると認められるから,氏は弁護人と同じ立場にあることになるが,氏の裁判批判は法廷で検察官から反ばくを受けることもない一方的発言だからである。

5.現在の諸文明国の裁判手続が,公開主義,法廷中心主義,口頭主義,そして,極めて技術的な証拠法の諸原理に立っているのは,裁判の適正を確保するためであって,人類社会の長年の経験の所産にほかならないからである。

[62−18] 上記論述の空欄に入れる語句として最も適当なものはどれか。

1.倫理

2.歴史

3.個人

4.訴訟経済

5.制度

[62−19] 次の論述の下線部分の根拠となる日本国憲法の規定として,最も不適当なものは,後記1から5までのうちどれか。

「第二次大戦直後の西ヨーロッパ諸国の統治機構には,ひとつのはっきりとした共通の特徴があった。すなわち.君主または大統領は実質的権限を否定されて名目的元首となり,行政権は内閣の手に移り,その内閣の中で首相は単なる「同輩中の首席」以上の指導的地位を保障され,内閣は議会のみに責任を負い,議会の内部では下院の優越が明瞭になるという下院優越の一元主義型議院内閣制である。イギリスでは,君主と上院が名目的存在となり,内閣が下院のみに責任を負うというかたちが19世紀以来定着していた。フランスの第四共和制憲法では,大統領は名目的元首となって内閣が行政権の担い手であることが明確化され,内閣をひきいる首相の任命は,大統領によって提案されるが,下院での「叙任投票」による。この憲法のいわゆる四月草案では端的な一院制が定められていたほどで,確定した憲法でも,下院優越のいちじるしい構造であった。ドイツでも,ワイマール憲法のような公選の強力な大統領は否定され,大統領はやはり名目的元首の地位におかれ,首相にひきいられる内閣が連邦議会のみに責任を負う。こうして見ると,日本国憲法も,明らかにこれらと共通の性格をもっていることがわかる。」

1.国民固有の公務員の選定・罷免権に関する規定

2.内閣総理大臣の任命に関する規定

3.内閣不信任決議に関する規定

4.天皇の国事行為に関する規定

5.予算の議決に関する規定

[62−20] 後記1から5までは,次の論述の根拠を,順不同で抜き出したものであるが,根拠とならないものが一つ含まれている。それはどれか。

「議会の意思が多数決で決せられるということは,必ずしもその意思の成立のために総議員の過半数の意思の一致が必要だという意味ではないから,多数決による議会の意思の内容は,必ずしも常に議員の多数の意思の内容ではなく,むしろその少数の意思の内容である場合も少なくない。」

1.議員は,会議に欠席することが許容されている。

2.議会は,出席議員が表決に際して棄権することについては,何らの制限もしていない。

3.棄権をする議員は,投票において多数を占める者と同一の意思を有することを棄権という形で表明しているものと考えられる。

4.多くの議会においては,表決に際して投ぜられた有効投票の過半数によってその意思が決せられるとされている。

5.定足数の制度は,一定数の議員の出席がなければ議会の議決は成立しないとすることによって,有効投票があまりに少なくなることを防止するのに一応役立つにすぎない。


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