[H08−01]

 次の文章中の〔  〕内に,後記AからHまでの語句の中から適切な語句を挿入して文章を完成させた場合,〔  〕のうちの@からBに順次挿入する語句の組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

 「近代憲法の最も重要な特質は,内容的には自由の基礎法であること,法的性格としては国の最高法規であることに存する。自由は,〔  〕の根本的な目的であり価値である。そして,近代憲法は何よりもまず,この自由の法秩序である。ただ単に国の最高法規であるという点に本質が存するのではない。

 自由の本質は〔  〕であることに存するが,自由の基礎法をうたう憲法の本質は,権力の究極の権威ないし権力が国民に存し,したがって国民の国政に対する積極的な参加すなわち〔  〕が確立されている体制において初めて現実化する。国民が権力の支配から自由であり得るためには,統治の容体の地位にあった国民自らが能動的に統治に参加するからである。〔  〕は〔 @ 〕を伴わなければならないのである。このようにして〔  〕は〔  〕と結合する。この自由主義の不可分性は,まさに近代憲法の発展と進化を支配する原則となっている。

 〔  〕にいう自由は,20世紀になって,さらに,〔 A 〕をも含むように拡大された。人間に恐怖からの自由と〔  〕を制限し,人間としての十分な人格の発展を妨げる制約及び抑圧から人間を解放した新しい自由は,旧来の自由と全く異なるが,にもかかわらず,人間として万人のために当然要求される。このように考えると,〔 B 〕は,〔  〕のみならず,さらに〔  〕とも結びつく。」

A 民主主義  B 社会国家の原理  C 立憲主義  D 欠乏からの自由

  E 権力への自由  F 国家への自由  G 権力からの自由  H 権力による自由

1. G−E−C

2. E−H−A

3. H−E−A

4. G−H−B

5. E−H−C

[H08−02]

 次のAからEまでの記述のうち,明らかに憲法に違反するものの組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

A その者の意思によって外国籍を離脱することかできる場合において,その離脱を帰化の条件とすること

B 現行の裁判官弾劾法は,裁判官について弾劾による罷免の事由があると思料するときは,何人も訴追委員会に対して罷免の訴追をすべきことを求めることができると定めているが,これを日本国民のみに限定すること

C 一定期間日本に居住する外国人に対し,永住の意思にかかわらず,国民健康保険等の社会保険への加入を義務付け,保険料を徴収すること

D 日本国内の外国人の子女は,学校教育法に定める小中学校において義務教育を受けなければならないとすること

E 外国人の平穏に請願する権利の規定から外国人登録制度に関する事項を除外すること

1. AB

2. BC

3. CD

4. DE

5. EA

[H08−03]

 両院協議会に関する次のAからEまでの記述のうち,誤っているものを2個組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

A 両院協議会制度は,両議院の常任委員会が合同して開く合同審査会制度や議案の発議者又は委員長が他方の議院で提案理由を説明する制度と同様,両議院独立活動の原則の例外である。

B 両院協議会は,一般国民及び報道の任務に当たる者は傍聴することかできないか, 同協議会議長の許可を得た議員は傍聴することができる。

C 内閣総理大臣の指名について,両議院で異なった者を指名した場合,まず両院協議会を開き,協議が整わないときに,初めて衆議院の指名した者が国会の議決とされる。

D 予算の議決及び条約の締結の承認について,両議院で異なった議決をした場合,まず両院協議会を開き,協議が整わないときに,初めて衆議院の議決が国会の議決とされる。

E 法律案について,両議院で異なった議決をした場合,必ず両院協議会を開き,協議が整わないときに,衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは法律となる。

1. AC

2. AD

3. BD

4. BE

5. CE

[H08−04]

 最高裁判所に関する次のAからEまでの記述のうち,誤っているものはいくつあるか。

A 憲法第81条によれば,最高裁判所は,一切の法律,命令,規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所であるが,同条は裁判所以外の機関が憲法適合性の審査をすることを一切禁じている趣旨ではない。したがって,内閣の補助機関として,現行法の合憲性について内閣の諮問に応じて意見を述べたり内閣提出の法律案について閣議に付される前にその合憲性を審査したりすることを目的とする機関を設けても憲法には違反しない。

B 最高裁判所は,違憲審査をする終審の裁判所でありその長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成するものであって(憲法第79条第1項),憲法上は長官も含め各裁判官の権限に差異はないから,最高裁判所は,訴訟事件について法令等が憲法に適合するか否かを判断する場合には,全員の裁判官で構成される合議体でその事件の裁判をしなければならない。

C 最高裁判所の裁判官の任命権は三権分立の見地から内閣に付与された重要な権限であるから,内閣の有する最高裁判所の裁判官の任命権に制約を加えることは憲法上許容されない。したがって法律を制定して最高裁判所の任命権につきその資格要件を法律で定めることは,国会が立法権の行使によって内閣の憲法上の権限に介入し,三権分立のバランスを変えることになるので,憲法に違反する。

D 最高裁判所は,一切の法律,命令,規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所であるから,最高裁判所は下級裁判所が訴訟事件についてした裁判に対しても終審裁判所として違憲審査権を有するものと解される。したがって,高等裁判所が上告審としてした裁判についても,憲法違反を理由とする場合には、更に最高裁判所へ上訴することが許されなければならない。

E 最高裁判所は規則制定権を有しているが最高裁判所規則の制定は,裁判所法にいう「司法行政事務」に属するものとして,法律上は司法行政事務を総括する最高裁判所長官の権限で行うことができる。しかし,規則の制定は実質的には立法作用であり. 国民の利害に大きな影響を与えるものもあるので,重要な規則の制定または改正に際しては,諮問機関として裁判官,弁護士,学識経験者等三者からなる規則制定諮問委員会が設置され,規則制定又は改正に関し必要な事項を調査,審議し,その事項について最高裁判所に建議することが規則で定められており,実際にはかなり慎重な手続によって規則の制定,改正が行われている。

1. 0個

2. 1個

3. 2個

4. 3個

5. 4個

[H08−05]

 経済活動の自由を規制する法律に基づく規制の合憲性が論点となった事件の上告審において,最高裁判所の15名の裁判官(AないしO裁判官)の意見が次のアからオに分かれたとする。裁判官の意見の分類として誤っているものは,後記1から5までのうちどれか。

 なお,裁判所法第11条は,最高裁判所においては,「裁判書には,各裁判官の意見を表示しなければならない。」と規定しており,この意見を次のとおりに分類するものとして考えよ。

 多数意見……論点の判例において多数(過半数)を占めた意見

 反対意見……多数意見の結論に反対する意見

 意  見……多数意見の結論には賛成するが,理由付けを異にする意見

 補足意見……多数意見に加わった裁判官が,更に月分だけの意見を付けたして述べる意見

ア A,B,C,D,E裁判官  「いわゆる二重の基準論等を踏まえても本件法律については,立法目的と手段との間に合理的関連性を認めることが困難であり,これに基づいた本件規制は違憲といわざるを得ない。」

イ F,G裁判官  「本件法律による規制は,個人の経済活動に関して,積極的・社会経済政策的な規制目的において一応の合理性が認められ,手段・態様において著しく不合理であることが明日である限り違憲であるが,この見地から検討すると本件規制は合憲である。」

ウ H裁判官  「本件法律の規制がいわゆる合理性の基準によって合憲であると解するという点では,F,G裁判官に同調するが,本件の具体的事情を検討すると,その適用が不合理な差別的取扱いであるというほかなく,違憲である。」

エ I裁判官  「本件法律の規制が積極的・社会経済政策的な目的に基づくものであるとはいえないので,その合理性はより厳格な基準によって判断されなければならない。その意見からすると本件基準の解釈によって違憲の疑いも生じ得るが,憲法と調和するような合理的な法解釈が可能であるから,この法律及びこれに基づく規制の効力は否定されない。」

オ J,K,L,M,N,O裁判官  「本件法律は,個人の経済活動に関して,積極的・社会経済政策的な規制目的に基づいて立法されたものであるから,本件法律による規制は合憲である。」

1. A裁判官は反対意見を述べた。

2. F裁判官は補足意見を述べた。

3. H裁判官は補足意見を述べた。

4. I裁判官は意見を述べた。

5. J裁判官は多数意見に加わった。

[H08−06]

 次のAからEまでの法律改正を行った場合,違憲の疑いが強いものを2個組み合わせたものは後記1から5までのうちどれか。

A 最高裁判所に係属する刑事上告事件の数を減らし,負担を軽減することによって重大事件の審理をより充実させるという目的で,簡易裁判所を第一審裁判所とする刑事事件については,高等裁判所に控訴し,更に最高裁判所に上告することができるとしている現行制度を改め,上告制度を廃止して二審制とし,最高裁判所には憲法違反を理由とする特別上告のみをすることができるものとする法律改正を行うこと

B 国家公務員法によれば,人事官に対する弾劾は国会の訴追に基づき最高裁判所において判決の形式で行うことになっているが,裁判所が行政官の弾劾手続を行うのは極めて異例なことであって,場合によっては裁判所が政治的紛争に巻き込まれるおそれもあるので,弾劾手続には裁判所が関与しないことにし,新たに学識経験者等の委員によって構成される行政委員会を内閣の下に設置し,その委員会が人事官の弾劾手続を行い,その処分に不服がある場合に限り裁判所に取消訴訟を提起できるとする法律改正を行うこと

C 租税は,今日では,国家の財政需要を充足するという本来の機能に加え,所得の再分配,資源の適正配分,景気の調整等の諸機能をも有しており,国民の租税負担を定めるについて,財政・経済・社会政策等の国政全般からの総合的な政策判断を必要とするばかりでなく,課税要件等を定めるについて高度の専門技術的な判断を必要とし,また,税法の解釈・事実認定をめぐる争訟には一般的にも専門的技術的知識が不可欠であるから,租税に関する処分につきなされた審査請求に対する裁決において認定された事実を立証する実質的な証拠があるときには,裁決の認定事実及び法的判断は明らかに不合理でない限り裁判所を拘束するものとする法律改正を行うこと

D 現行の民事調停手続は,原則として当事者の合意ができない限りは調停が成立せず,当事者の一方か明らかに不合理な主張に固執した場合でも紛争を解決することができないので,純然たる私法上の権利義務の存否をめぐる民事調停においても、予め当事者間に調停委員会の定める調停条項に服する旨の書面による合意がある場合で,当事者間に紛争解決の合意が成立する見込みがないときには,調停委員会は事件の解決のために独白に適当な調停条項を定める裁定をすることかでき,これに対しては上訴を許さず,その調停条項を調書に記載したときは裁判上の和解と同一の効力を認めるとする法律改正を行うこと

E 現行制度では条例に違反したことを理由に罰金を科する場合でも検察官が国の裁判所に起訴することになっているか,その裁判手続には必ずしも地域の実情が反映されず地方独自の条例の意義が理解されにくいので,条例違反者に対し罰金を科する審判手続だけを専門に取り扱う審判所を地方自治体が条例により設置することかできるものとし,その審判を取り扱う審判官は法曹資格を有する住民の中から地方自治体の長が議会の同意を得て任命するものとする法律改正を行うこと

1. AB

2. AD

3. BC

4. CE

5. DE

[H08−07]

 次の甲と乙の会話中の下線を引いた語句のうち誤ったものを正しい語句に置き換えると,内閣総理大臣の国務大臣に対する指揮監督権限に関する正しい会話となる。後記の正誤表の1から5までのうち,下線を引いた語句のうち誤った語句を正しい語句に置き換えたものを3組組み合わせたものはどれか(誤っているものかその3組だけに限られるわけではない。)。

甲 「憲法第72条を前提にした内閣法第6条は,『内閣総理大臣は,閣議にかけて決定した方針に基いて,行政各部を指揮監督する。』と規定している。この指揮監督に従わない場合,各大臣は,閣議決定に違反するものとして,(a)道義上の責任のみを負うという点に異論がないと思われる。権限の行使の前提となる『閣議にかけて決定した方針』との点はどう考えるべきだろうか。」

乙 「指揮監督権限の行使の対象となる事項に関し,閣議において(b)個別的,具体的な決定がされることが必要と解すべきではないか。」

甲 「その考え方は,(c)権限の行使について内閣総理大臣に広い裁量権を認めることになり,賛成できない。指揮監督権限を行使するのは,本来は合議体としての内閣のはずであり,この観点からすると,君の解釈には疑問がある。」

乙 「内閣総理大臣には,流動的で多様な行政需要に遅滞なく対応するためのリーダーシップを発揮すべき責務があり,できる限りその履行を可能にする解釈が妥当ではないか。」

甲 「その点については,内閣総理大臣は,(d)内閣の明示の意思に反しない限り,行政各部に対して,随時政府,この所管事務について一定の方向で処理するよう(e)指揮監督する権限を有すると解することができる。したがって,その権限を行使すれば足りるのではないか。

乙 「指揮監督の議論は別にして,さきほど述べた私の立場からすれば,そのような権限を認める方向の考え方には(f)反対である。」

(参照条文) 日本国憲法第72条 内閣総理大臣は,内閣を代表して議案を国会に提出し,一般国務及び外交関係について国会に報告し並びに行政各部を指揮監督する。

誤 → 正

誤 → 正

誤 → 正

1.

(a) →行政上の責任を負う

(b) →一般的,基本的な大枠の決定がされれば足りる

(d) →閣議で定められた細目

2.

(b) →一般的,基本的な大枠の決定がされれば足りる

(d) →閣議で定められた細目

(f) →賛成である

3.

(a) →行政上の責任を負う

(c) →内閣総理大臣の権限の行使に制約を加える

(e) →指導助言等の指示を与える

4.

(c) →内閣総理大臣の権限の行使に制約を加える

(d) →閣議で定められた細目

(e) →指導助言等の指示を与える

5.

(b) →一般的,基本的な大枠の決定がされれば足りる

(e) →指導助言等の指示を与える

(f) →賛成である

[H08−08]

 次の文章は,選挙制度一般に関する説明であるが,〔 A 〕から〔 F 〕までには後記第1群から,〔 ア 〕から〔 オ 〕までには後記第2群から,〔 @ 〕から〔 E 〕までには後記第3群からというように,それぞれ後記の対応する語群の中から適切な語句を選択して挿入した場合,正しい組合せとなっているものはどれか(ただし,同一の語句が異なる符合に使用されている場合もあり得る)。

 「選挙区の種類については,選挙区の選挙人がただ1人の代表を選出する〔 A 〕と,2人以上の代表を選出する〔 B 〕とがあるが,いずれの選挙区制を採用すべきかは代

表制と関連付けて理解されなければならない。

 この代表制には,選出される議員を選挙区内の多数派によって独占させる可能性を与える〔 ア 〕,選挙区内の少数派にも議員を出す可能性を与えようとする〔 イ 〕と,多数派と少数派が得票数に比例した議員を出す可能性を保障しようとする〔 ウ 〕の3種類があるとされる。

 また.投票方法としては.選挙人に複数の投票を認める連記制と単数の投票しか認めない単記制とがあり,前者はさらに,選挙区に割り当てられた議員定数いっぱいの投票を認める〔 @ 〕と,選挙人が議員の定数に満たない複数の投票を認める〔 A 〕とに区別される。なお,〔 C 〕については,選挙人が指定した順序に従って各候補者に順次移譲させる〔 B 〕と,政党の作成した候補者名簿に対して選挙人が投票する〔 C 〕などがある。

 〔 エ 〕については,死票が多くなるという欠点があるとされるが,〔 D 〕がこの典型であり,〔 E 〕の場合で〔 D 〕を採っても同じこととなる可能性が強い。他方,〔 オ 〕については,政党の得票数と当選者の比率が必ずしも一致しない場合があるとされるが,〔 F 〕で〔 E 〕を採った場合がこれに当たる。」

第1群 比例代表制 小選挙区制 大選挙区制

第2群 比例代表法 少数代表法 多数代表法

第3群 完全連記投票制 制限連記投票制 名簿式投票制 単記移譲式投票制

1. Dは比例代表制,オは多数代表法,Dは制限連記投票制

2. Dは小選挙区制,ウは比例代表法,Cは単記移譲式投票制

3. Eは大選挙区制,オは少数代表法,Eは完全連記投票制

4. Fは小選挙区制,エは少数代表法,Eは制限連記投票制

5. Fは大選挙区制,エは多数代表法,Dは完全連記投票制

[H08−09]

 次の甲と乙の会話中の( A )から( J )内に後記アからコまでの文章の中から適切なものを選んで文章を完成させると,内閣の法律案提出権に関する正しい会話となる。挿入すべき文章として正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

甲 法律案の提出は,法律制定作用に属する上,実際上の意味において,その作用の中で,最も有力な働きをするものだから,本来,法律制定の権限をもたない内閣が法律案を提出することは,問題があると思う。

乙 しかし,( A )。条文の解釈上でも,( B )。

甲 いや,( C )。

乙 ( D )。

甲 議院内閣制といっても,( E )。

乙 内閣の法律案提出権を否定しても,( F )。

甲 その場合でも,( G )。

乙 内閣の法律案提出権を認めることは,( H )。

甲 ( I )。

乙 しかし,( J )。

ア 憲法第72条の「議案」提出権の中には,法律案も含まれていると解することができるから,問題はないのではないか

イ 国会による慣行的受容によってすでに確立しているのではないか

ウ 憲法が採用する議院内閣制の建前からいっても,内閣に法律案提出権を認めるのが妥当と思う

エ 国会が法律により内閣に法律案提出権を与えることは,国会の自己拘束として,憲法の禁じるところではないのではないか

オ 内閣の構成員の多くは,議員の資格で発議できるから,実質的には内閣の法律案提出権を認めることと変わりはないのではないか

カ 内閣が提出する法律案は,国会が独自の判断で修正もできるし,国会の議決権を拘束するものではないから,法律案の提出自体は,法律制定の決定的要素ではないと思う

キ 国務大臣が議員の資格で提出する場合は,国会法の制限に服し,例えば,衆議院であれば議員20人以上,参議院であれば議員10人以上の賛成を要する(国会法第56条)から,大臣全員の署名をもってしても提出しえない場合があり,同じとはいえないことになる

ク 硬性憲法の下では,憲法に反する慣行と簡単には認めることができないよ

ケ 憲法第72条で認める内閣が提出する議案は,本来内閣の権限に属する作用についての議案を意味するから,この条文を根拠に内閣の法律案提出権を認めることはできないと思う

コ 議院内閣制を採るイギリスでは,政府の法律案は,議員たる大臣が議員の資格で提出するのが慣行であり,議院内閣制では内閣が法律案提出権を持つのが通例とはいえないと思う

1. Aにカ,Cにケ,Fにイ

2. Bにア,Dにエ,Gにオ

3. Cにケ,Eにコ,Hにア

4. Dにウ,Fにオ,Iにク

5. Eにコ,Gにキ,Jにウ

[H08−10]

 次のA群の憲法上の権利・自由とこれと最も密接に関連するB群の制度とをそれぞれ組み合わせると4つの組合せができるが,そのうち1つだけA群の語句とB群の語句との関係が他の組合せと異なるものがある。そのA群の語句は後記1から5までのうちどれか。

A群  a 生存権  b 平等権  c 教育を受ける権利  d 学問の白由 

e 請願権  f 表現の自由  g 信教の自由  h 労働基本権

B群  ア 大学の自治  イ 地方自治  ウ 私有財産制度  エ 検閲制度  オ 国教制度  カ 最高裁判所裁判官の国民審査  キ 貴族制度 ク 国家賠償制度

1. a

2. b

3. c

4. d

5. e

[H08−11]

 次の1から5までの記述のうち,各A・Bの文章においてその下線部分の語句が異なる意味で使用されているものはいくつあるか。

1. A 人の内面的な活動は多様であり,その内容は極めて広いが,世界観・人生観・思想体系,政治的意見などのように人格形成に役立つ活動が憲法第19条の良心に該当し,単なる事実の知・不知のような人格形成活動に関連のない内心の活動は同条が保障しているものでない。

  B 憲法第76条第3項の「良心」とは個人の良心ではなく,「裁判官としての良心」であるとする見解があるが,良心は2つはなく,裁判官はその「良心」に従って,すなわち自ら道徳的に正しいと信じるところに従って職権を行うのである。

2. A 明治憲法の下での権利の保障は,法律の範囲内という限定を伴ったものが多かったので,立法権の行為によってその権利を侵害することが可能であったが,このような法律の留保を伴っていない日本国憲法の下での権利の保障にとって,いわゆる制度的保障の理論はどれほど不可欠なものか,疑問がある。

 B 法律の留保の原則は,一定の行政活動が市民に対して行われる際に,議会による事前の正当化を要請するという形で,市民の権利,特に自由権を行政権の介入から保護する機能をもつ。

3. A 相互主義の留保の下に,フランスは,平和の組織及び防衛に必要な主権の制限に同意する。

 B 主権の保持者が「全国民」である限りにおいて,主権は権力の正当性の究極の根拠を示す原理であるが,同時にその原理には国民自身(有権者の総体)が主権の最終的な行使者であるという権力的契機が不可分の形で結合している。

4. A 憲法第93条は,地方公共団体の組織に関する憲法上の要件として,@住民による直接選挙によって選出された議員によって構成される議会を議事機関として設置すること,A執行機関としての地方公共団体の長及び法律で定めるその他の吏員を直接公選制により選出することを定めている。

 B 地方公共団体として法人格を認められている団体は,都道府県及び市町村の他,特別区,一部事務組合,財産区などであり,地方自治法はそれらの議会や議員の選挙に関する規定などを設けている。

5. A 裁判の形式には,判決,決定,命令の区別があるが,裁判を受ける権利は伝統的な公開対審の訴訟手続による裁判を保障するものであり,権利の存否の確定をする裁判は原則として判決の形式で行われる。

 B 最高裁判所は,一切の法律,命令,規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

1. 0個

2. 1個

3. 2個

4. 3個

5. 4個

[H08−12]

 次のAからFまでの記述は,司法権の範囲又はその限界に関するものである。これらを共通する論拠によって分類・整理した場合,最も適切な組合せになっているものは,後記1から5までのうちどれか。

A 直接国家統治の基本に関する高度に政治性のある国家行為に関わる紛争は裁判所の審査権限の外にあり,その判断は主権者たる国民に対して政治責任を負うところの政府,国会等の政治部門の判断にまかされ,最終的には国民の政治判断に委ねられているものと解すべきである。

B 国家試験における合格・不合格の判定は,学問又は技術上の知識,能力,意見等の優劣,当否の判断を内容とする行為であるから裁判の対象とならない。

C 具体的な権利義務ないし法律関係に関する紛争の形式をとる場合でも,その請求の当否の決定の前提問題として,宗教上の教義の判断が必要不可欠であるような場合,その紛争は実質的において法令の適用による終局的な解決の不可能なものであるから,司法審査の対象とすべきではない。

D 法律が両議院の議決を経たものとされ適法な手続によって公布されている以上,裁判所は,両議院の自主性を尊重すべく,法律制定の議事手続に関する事実を審理してその有効無効を判断することはできない。

E 我が現行の制度の下においては,特定の者の具体的な法律関係につき紛争の存する場合においてのみ裁判所にその判断を求めることができるのであり,裁判所は,このような具体的事件を離れて抽象的に法律命令等の合憲性を判断する権限を有しない。

F 政党が党員に対して行った処分が一般市民としての権利利益を侵害する場合であっても,当該処分の当否は,その政党の自律的に定めた規範が公序良俗に反するなどの特段の事情のない限り,右規範に基づき,右規範を有しないときは条理に基づいて適正な手続にのっとってなされたか否かを判断すべきであり,裁判所の審理もその点に限られる。

1. ABDとCEF

2. ACDとBEF

3. ACEとBDF

4. ADFとBCE

5. AEFとBCD

[H08−13]

  次の文章の〔 〕内に4種類の適当な語句を挿入して文章を完成させると,公務員の労働基本権の制限に関する1つの見解となる。この場合に,その4つの語句の使用回数に関し,最も使用回数が多いものと最も使用回数が少ないものの使用回数の差として正しいものは後記1から5までのうちどれか。

「公務員の〔 〕の決定については,私企業における勤労者と異なるものがあることを見逃すことはできない。すなわち,公務員については憲法自体がその第73条4号で『〔 〕の定める基準に従ひ,官吏に関する事務を掌理すること』は内閣の事務であると定め,その給与は〔 〕により定められる給与準則に基づいてなされることを要し,これに基づかずにはいかなる金銭又は有価物も支給することはできないときれており,このように公務員の給与をはじめ,その他の〔 〕は私企業の場合のように労使間の自由な交渉に基づく合意によって定められるものではなく,原則として国民の代表者により構成される国会の制定した〔 〕及び予算によって定められることになっているのである。その場合に,使用者としての〔 〕にいかなる範囲の決定権を委任するかは,まさに国会自らが立法をもって定めるべき労働政策の問題である。したがって,これら公務員の〔 〕の決定に関し,〔 〕が国会から適法な委任を受けていない事項について,公務員が〔 〕に対し〔 〕を行うことは,適切なものとは言い難いのであり,もしこのような制度上の制約にもかかわらず,公務員による〔 〕が行われるのであれば,使用者としての〔 〕によっては解決できない立法問題に逢着せざるをえないこととなるのである。」

1. 2回

2. 3回

3. 4回

4. 5回

5. 6回

[H08−14]

 次のAからEまでの記述のうち,正しいものはいくつあるか。

A 憲法第21条第1項は,基本的人権として結社の自由を保障しているが,政党を結成したり,政党が政治活動をする自由は,通常の結社の自由とは性格を異にするものであるから,政党は同項にいう「結社」として憲法上の保障を与えられているわけではなく,その自由は,むしろ,憲法が代表民主制を採用しているという憲法全体の原理ないし精神にその根拠が求められる。

B 国家の政党に対する態度の変遷については,@政党を敵視する段階,Aこれを無視する段階,B承認し合法化する段階,C憲法的編入の段階,に分けて説明されることがあるが,この見解に即して考えると,我が国の憲法は政党に関する特別の規定を置いていないので,Aの段階にあるといえる。

C 外国人が政党に政治資金を寄付することを現行法上禁止しているのは,外国人には参政権が一切認められないことの当然の帰結である。

D 政治資金を規制する法律において,その法律が適用される対象を政治団体のうち一定数の国会議員が所属するものに限定することは,必ずしも違憲ではない。

E 日本国憲法の下における議院内閣制は,政党の存在を当然の前提にしていると考えられ.また,国会議員の免責特権も,政党政治の下で初めて重要な意義を持つものである。

1. 0個

2. 1個

3. 2個

4. 3個

5. 4個

[H08−15]

  次の文章の中の下線を引いた語句には誤りが4つある。これを正しい語句に置き換えると,議院内閣制に関するまとまった論述となる。下線を引いた語句のうち誤った語句を正しい語句に置き換えたものを2個組み合わせたものとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか(なお.下線部分には,後記1から5までに示した語句以外の語句が入ることはない)。

 「議院内閣制とは,国会と内閣との関係において,国会に内閣の存立を左右するほどの優位が認められ,内閣の成立と存続とが国会の意志に依存せしめられている制度をいう。これによって,行政部は,かなり強く立法部のコントロールを受け,したがって,権力分立制はゆがめられることになるが,その代わり,そこには政党→国会→内閣という直線的連結が民主主義の実現に適するばかりでなく,行政部が立法部と密接に結びつき,これと協働することによって,その行動に柔軟性と弾力性が与えられ,国政のより円滑かつ能率的遂行が期待されるという利点が考えられている。この制度の場合,イタリアで見られるように,二大政党の対立の下に内閣を支持する政党が強力な多数党のときは,内閣も強力で安定したものになるが,小党分立の下にいわゆる連立内閣がつくられるときは,内閣の統一と安定を得ることが難しく,強力な政治が望み得なくなるおそれがある。そして日本国憲法も議院内閣制を採用しており,@内閣総理大臣を国会が任命すること,A内閣総理大臣及び他の国務大臣の過半数は衆議院議員であること,B内閣は国会に対して連帯して責任を負うこと,C内閣は衆議院の信任を必要とすることなどはそのあらわれである。」

1. 両立する,指名

2. 国会議員,三権分立制

3. イギリス,牽制しあう

4. 国民,国会議員

5. 指名,牽制しあう

[H08−16]

 次の会話は,憲法の改正に一定の限界があるという制限説の学生3人と限界はないという無制限説の学生2人との議論の一部を記述したものである。無制限説の学生2人を組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

A:「Bさんの説は,日本国憲法のように憲法改正の方法として国会の議決以外に国民投票を要求している場合,憲法制定権力と憲法改正権がどれほど異質なものかという点で疑問があり,賛成できません。この2つは必ずしも峻別できないというCさんの意見に賛成します。」

B:「確かに,結局は限界を超えて形式的には改正規定に従って憲法の改正がなされることがあり得ることは否定できません。ただしそれは事実のレベルの現象であって,法的に有効な改正がなされたとみるべきではなく,理論的には新憲法の制定がなされたと考えることができるはずです。」

E:「現在の規範・価値が絶対正しいという保障はないのであって,社会の進歩に応じて法も進化すべきであり,現在の規範・価値によって将来の世代を拘束するのは不当であると思います。」

D:「憲法制定権力は万能であるというCさんの意見には賛成できません。近代立憲主義憲法は,人間が人間であるということに基づいて当然に有する前国家的な人権の保障を最も大きな目的とし,それを国民の憲法制定権力の思想に基づいて成文化された法であり,人権尊重の根本規範たる部分は憲法制定権力といえども拘束されるはずです。」

A:「憲法典に上位する高次の規範の存在を肯定するDさんの意見に賛成です。」

1. AC

2. BD

3. CE

4. BE

5. AD

[H08−17]

 国の決算について,「国会の決算審査は,従来の慣行によると,内閣から,単なる報告案件として,決算を両議院に同時に提出し,これに対して,各議院で,独立・別個に意見を決定するにとどまっているが,両議院交渉の議案として,国会の議決によって承認・不承認を決し,内閣の責任を明らかにする方が,憲法の趣旨に適合する。」とする見解がある。

 次のAからEまでの記述のうち,この見解に関する説明として,適切でない記述はいくつあるか。

A この見解は,財政民主主義の原則を徹底しようとしたものであり,決算について予算と同等の法的効力を付与することを意図するものである。

B この見解は,従来の慣行の立場では,各議院において決算不承認の議決がされた場合に内閣がいかなる責任をも負わないと解されている点を批判し,内閣の法的責任の追及を肯定するものである。

C この見解は,予算執行に対する民主的なコントロールを一層強化することにより,会計検査院の負担の軽減をねらうものである。

D この見解を採った場合でも,憲法第91条に定める国の財政状況についての内閣の報告は,その性質上国会の議決を必要としないという解釈を採ることが可能である。

E この見解に基づいて決算の審査が行われるとすると,両議院の一致が得られない場合には,衆議院の優越が認められることになるから,衆議院の議決が国会の議決とされることになる。

1. 1個

2. 2個

3. 3個

4. 4個

5. 5個

[H08−18]

 次の文章は,ニュー・ディール期を中心とするアメリ力の憲法状況について述べたものであるが,〔 A 〕から〔 D 〕までに入れる語句の組合せとして最も適切なものは,後記1から5までのうちどれか。

 「アメリカの〔 A 〕は,〔 B 〕に主眼があり,しかも,人種的,宗教的少数者が迫害されている状況を念頭に置いたものであった。この〔 A 〕は,当時のアメリカ社会のリベラリズムの流れに乗ったものであったが,このほか,ニュー・ディール期の途中から,社会立法に対して好意的な態度に転じ,〔 C 〕についての司法審査権の行使につき極めて謙抑的となった裁判所が,そこに〔 D 〕としての残された存在意義を認めさせるための活路を見いだした等の事情が加わり,この〔 A 〕が脚光を浴び,その後,紆余曲折を経て,今日のようにアメリカの憲法理論の重要な一構成要素として定着するに至ったものである。」

1. A 精神的自由の優越的地位の理論  B 経済的自由の制約についての国家の裁量権の確保  C 経済的自由

2. B 経済的自由の制約についての国家の裁量権の確保  C 精神的自由  D 人権の砦

3. A 精神的自由の優越的地位の理論  C 経済的自由  D 福祉国家理念の推進者

4. A 二重の基準の法理  B 表現の自由の保障  D 人権の砦

5. A 合理性の基準  B 経済的自由  D 福祉国家理念の推進者

[H08−19]

 次の文章中の( A )から( M )に,後記アからチまでの語句(適切でない語句や複数回使用する語句もある。)の中から適切なものを選んで挿入した場合,挿入すべき語句として正しいものの組合せとなっているものは後記1から5までのうちどれか。

 「個人の( A )に対する法的規制は,個人の自由な( B )からもたらされる諾々の弊害が社会公共の安全と秩序の維持の見地から看過することができないような場合に,( C )に,このような弊害を除去ないし緩和するために( D )かつ( E )な規制である限りにおいて許されるべきことはいうまでもない。のみならず,憲法の他の条項を併せ考察すると,憲法は,全体として,( F )理想の下に,社会経済の均衡のとれた調和的発展を企図しており,その見地から,すべての国民にいわゆる( G )を保障し,その一環として,国民の( H )を保障する等,( I )に立つ者に対する適切な保護政策を要請していることは明らかである。このような点を総合的に考察すると,憲法は,国の責務として( J )な社会経済政策の実施を予定しているものということができ,個人の( K )の自由に関する限り,個人の( L )の自由等に関する場合と異なって,右社会経済政策の実施の一手段として,これに一定の( M )規制措置を講ずることは,もともと,憲法が予定し,かつ,許容するところと解される。」

ア 表現活動  イ 経済活動  ウ 精神活動  エ 厳格  オ 必要  カ合理的  キ 最小限  ク 幸福追求権  ケ 勤労権  コ 生存権  サ 消極的  シ 積極的  ス 福祉国家的  セ 資本主義的  ソ 自由国家的  タ 経済的劣位  チ 地域的劣位

1. Aにア,Fにス,Kにイ

2. Bにイ,Gにコ,Lにウ

3. Cにシ,Hにク,Mにカ

4. Aにイ,Dにキ,Iにチ

5. Cにク,Eにソ,Jにシ

[H08−20]

 次のAからEまでの記述は,いずれも公衆衛生上の措置に関するものであるが,このうち違憲の疑いの最も強いものはどれか。

A 胎児の安全を目的として,妊娠をした女性に対し,罰則等の強制的措置は伴わないものの,妊婦の年齢,職業等を問わず,すべて医師による無料の性病検査を受けるよう法律で義務づけること

B 感染力の強いある地域の風土病が日本国内にまん延するのを防止するため,海外でその風土病に感染して既に発病した日本人については,その者が海外に安定した住所を有するときに限り,我が国への入国を拒否すること

C ペスト汚染地域から日本の空港に到着した外国人に対してペスト菌の検査を義務付け,その検査の結果ペストに感染したことが判明した外国人に対しては,予めビザを取得していた場合であっても,我が国への入国を拒否すること

D コレラに感染したとは直ちに断定できないが,その感染の疑いのある者を,一定の短期間適当な隔離施設に収容することができるとすること

E 麻薬を施用したとして逮捕されたが不起訴になって釈放された者について,都道府県知事が,専門医の診察結果に基づきその者が自傷他害のおそれのある麻薬の中毒者に当たると認定したときは,裁判官の予め発付する令状なくして,その者を一定期間強制的に医療施設に入院させること

1. A

2. B

3. C

4. D

5. E

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