[38−04] 取得時効に関し,次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 取得時効による権利の取得は時効期間の満了により当然確定的に生ずる。

(2) 取得時効の期間進行中任意に占有をやめたときは,その後占有を回復継続しても,前の期間を時効期間に通算することはできない。

(3) 動産については即時取得により所有権を取得し得るほか時効により取得することはあり得ない。

(4) 不動産につき登記名義あるときは,取得時効により所有権を取得することはできない。

(5) 取得時効により所有権を取得したときは期間中に生じた果実は不当利得として返還しなければならない。

[38−08] 甲は乙から建物を買い受けた。代金は登記と引換えに支払う特約をした。正しいものはどれか。

(1) 甲,乙共に履行期に履行しなかったら,いずれも債務不履行の責任を負う。

(2) 甲は乙が履行しないので直ちに契約を解除できる。

(3) 甲は乙が登記に協力しないので代金を供託できる。

(4) 乙の不法行為より生じた甲の乙に対する損害賠償請求権をもって甲は代金債務と相殺できる。

(5) 甲は乙に対する反対債権で相殺した上,相当の期間を定めて催告した後,契約を解除できる。

[38−11] 甲が乙に対する債権を丙に譲渡した場合に関する記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 甲から債権譲渡の通知を受けたが,その譲渡が仮装譲渡行為であった場合に,乙は善意であることを理由に譲渡の有効なることを主張して甲に対する弁済の責を免れることはできない。

(2) 丙が乙に対して譲渡の通知をすれば丙は乙に対して債権者であることを主張することかできる。

(3) 丙は甲に代位して譲渡の通知をすれば乙に対して債権者であると主張することができる。

(4) 適法な譲渡通知かあった以上,乙はその以前に相殺適状にあった甲に対する反対債権を有しても自己の債務と相殺することはできない。

(5) 譲渡通知に確定日附があるときは乙はその通知を受けるまでに,甲に対して生じた事由を代って丙に対抗することができない。

[38−15] 動産質権に関する次のもののうち,正しいものはどれか。

(1) 動産質権は占有改定によっても成立する。

(2) 動産質権は指図による占有移転によっても成立する。

(3) 動産質権は占有の喪失によって消滅する。

(4) 動産質権者が買物を遺失したとき,拾得者に対して質権,占有権のいずれによっても,回収できる。

(5) 動産質権者は質物を当然にその用法に従い使用することができる。

[38−18] 父母の間に三人の子X,Y,Zがあり,Xには二人の子A,B,Yには養子C,Zには子Dがあったが,母,X,Yはすでに死亡していた。その後父が死亡し,Zは相続を放棄した。この場合の相続分に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) A・Bが各二分の一の相続分を相続する。

(2) A・B・Cが各三分の一の相続分を相続する。

(3) A・Bが各四分の一,Cが二分の一の相続分を相続する。

(4) A・B・C・Dが各四分の一の相続分を相続する。

(5) A・Bが各六分の一,C・Dが各三分の一の相続分を相続する。

[38−21] 抵当権に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 消費貸借は要物契約であるから,金銭の引渡をしない間は債権が成立していないから,抵当権を設定しても無効である。

(2) 抵当権は随伴性を有するから,債権譲渡により移転し,債権譲渡の通知または移転登記のいずれかをすれば第三者に対抗できる。

(3) 抵当権の消滅は,不動産物権の変動にあたるから,債務の弁済によって消滅した場合も,その登記をしなければ第三者に対抗できない。

(4) 抵当権は不可分性を有するから,共同抵当においては抵当権の実行は同時にする必要がある。

(5) 転抵当権は原抵当権の存続を必要とするから,転抵当権を設定した後は,原抵当権の被担保債権の弁済はすることはできない。

[38−25] 債務者甲は建物およびその敷地を所有していたが,債権者乙のため右土地および建物に抵当権を設定登記した後に右建物を丙に譲渡した。その後右土地所有権を競落により取得してその登記をした丁は,丙に対して建物の収去と土地め明渡を要求した。この場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 丙はその建物について丁が競落による土地所有権移転の登記をする以前に自己に対する所有権移転登記をしたときに限り,丁の請求を拒絶することができる。

(2) 丙はその建物を譲り受ける際,その敷地について地上権または賃借権の設定登記を受けたときに限り,丁の請求を拒絶することができる。

(3) 丙はその建物を譲り受けた際,その敷地について5年を超えない期間の賃借権の設定登記を受けたときに限り,丁の請求を拒絶することができる。

(4) 丙は丁の請求を拒絶することができる。

(5) 丙は丁の請求を拒絶することができない。

[38−28] 復代理人が代理人死亡後,本人のためにした契約について,相手方が本人に対しその契約の有効であることを主張し得るものとして,正しいのはどれか。

(1) 相手方の善意悪意を問わず,主張できない。

(2) 相手方の善意悪意を問わず,本人の追認がなければ主張できない。

(3) 相手方が善意無過失であれば,主張できる。

(4) 相手方が善意であれば過失があっても,主張できる。

(5) 相手方の善意悪意を問わず,主張できろ。

[38−30] 賃借建物が賃借人甲の不在中,甲の使用人乙の過失で焼失した。賃貸人に対する損害賠償責任に関する次の記述で正しいものはどれか。

(1) 乙の過失の軽重を問わず,甲も乙も責任を負わない。

(2) 乙の過失の軽重を問わず,乙のみ責任を負い,甲は責任を負わない。

(3) 乙に重過失があれば甲乙責任を負い,乙に重過失がないときは甲乙とも責任を負わない。

(4) 乙に重過失がれば乙のみ責任を負い,甲は責任を負わない。

(5) 乙に重過失があれば甲のみ責任を負い,乙は責任を負わない。

[38−34] 甲は乙からその所有のリンゴ畑を買い受けその引渡を受けてリンゴの栽培に従事していたが,所有権の移転登記をしないうちに丙が乙からそのリンゴ畑を買い受けて所有権の移転登記をした。この場合の甲丙間の権利関係に関する次の記述中,正しいものはどれか。

(1) 甲はその収穫の時期を問わず,収穫したりンゴを全部丙に引き渡さねばならない。

(2) 甲はその収穫時期を問わず収穫したりンゴを全部丙に引き渡さねばならないが,栽培に要した費用の償還を受けるまで引渡を拒み得る。

(3) 甲は,丙が登記する前に収穫したりンゴだけを取得できる。

(4) 甲は,丙の登記をした事実を知った時から以後,収穫したりンゴを取得できない。

(5) 甲は,丙が登記をした事実を知った後でも,丙から請求される時まで収穫したりンゴを取得できる。

[38−38] 共同相続人のうち,行方不明の者がある場合における遺産分割の方法について,正しいものはどれか。

(1) 行方不明者を除外してなすことができる。

(2) 行方不明者の相続分に相当する部分を残しておけば分割できる。

(3) 家庭裁判所の許可を得てすることができる。

(4) 行方不明者のため家庭裁判所が財産管理人を選任し,その財産管理人が家庭裁判所の許可を得て,その分割をすることができる。

(5) 行方不明者のため家庭裁判所が相続財産管理人を選任し,その相続財産管理人が家庭裁判所の許可を得て,その分割をすることができる。

[38−40] 次の行為のうち,無効なものはどれか。

(1) 未成年者が法定代理人の同意を得ないでした取消

(2) 禁治産者が意思能力のあるとき,後見人の同意を得てした追認

(3) 準禁治産者が取消し得る行為につき保佐人の同意を得ないでした追認

(4) 無権代理人がした契約

(5) 配偶者あるものが重ねてする婚姻

[38−44] 甲所有の山林を乙が自己の所有に属するものと過失なく誤信して占有中,その一部を伐採して自宅に運び込んだ場合に関する記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 乙は善意無過失に伐採木材の占有を始めた者であるから直ちにその木材の所有権を収得する。

(2) その伐採木材はたとえ山林の果実と認められることがあっても乙はその所有権を取得しない。

(3) 乙がその木材を使って家具を製作すると,その家具は常に乙の所有になる。

(4) 乙はその木材をいくら永く手もとに保有しても所有権を取得することはあり得ない。

(5) 乙がその木材を更に丙に売却した時,たとえ丙が善意無過失であっても売主の乙が無権利者だから,丙がその所有権を取得することはあり得ない。

[38−46] 甲より借りている(預っている?)甲所有の茶道具を,乙は自分のものだと偽って丙に売却し,丙は過失なく乙のものだと信じてその引渡を受けた。次の記述のうち,正しいのはどれか。

(1) 甲は乙に売却権限がないとして,所有権に基づいて丙に茶道具の返還請求かできる。

(2) 甲は乙の売買を追認して,丙に代金の請求ができる。

(3) 甲は売買の無効を理由にして乙に代位して丙に茶道具の返還を請求できる。

(4) 甲はこの詐欺を理由として売買を取り消し丙に茶道具の返還を求めることができる。

(5) 甲は丙に茶道具の返還を請求することはできないが,乙に対して損害賠償を請求することができる。

[38−51] 甲・乙・丙がAに対して連帯債務を負担し丁が3名の連帯保証人である境合,甲がAに対して債務全額につき反対債権をもって相殺した。その後Aは乙に対する債権をBに譲渡し乙はBに対して意義を留めない承諾をした。この場合に対する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) Aは丙および丁に対して全額を請求することができる。

(2) Aは丙および丁に対し丙の負担部分について請求することができる。

(3) Bは乙および丁に対し全額を請求することができる。

(4) Bは乙および丁に対して乙の負担部分について請求することができる。

(5) Bは乙に対しては全額を請求することができるが丁に対しては請求することはできない。

[38−54] 未成年者乙は親権者甲の古書を甲の代理人と偽り丙に売却した。次のうち正しいのはどれか。

(1) 乙は詐術を用いたのであるから売買を取り消すことができない。

(2) 丙は古書を即時取得する。

(3) 丙は乙の詐欺を理由に取り消すことができる。

(4) 甲は乙の行為を取り消すことができる。

(5) 乙は丙への売買を取り消すことができる。

[38−56] 甲は,乙の強迫により自己所有の土地を譲渡して所有権移転登記をし,乙がその土地を丙に譲渡して所有権移転登記をした後に,甲乙間の譲渡を取り消した。ところが,丙はその後丁のためその土地に抵当権を設定してその登記を済ませた。

 この場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 丙は悪意であっても所有権を失わず,丁は悪意であっても抵当権を取得する。

(2) 丙は善意であっても所有権を失うが,丁は悪意であっても抵当権を取得する。

(3) 丙は悪意のときに限り所有権を失うが,その場合丁は悪意であっても抵当権を取得する。

(4) 丙は悪意のときに限り所有権を失うが,その場合丁は善意であれば抵当権を取得する。

(5) 丙は悪意のときに限り所有権を失うが,その場合丁は善意であっても抵当権を取得しない。

[38−58] 甲会社の従業員である自動車運転手乙は他の従業員である助手丙と同乗して,社用で運行中,乙丙の遺失で丁会社の自動車に追突し,その結果,両車大破し,丙は重傷を負った。その場合,次の記述のうち正しいのはどれか。

(1) 民法第715条の使用者責任は対外的関係で,第三者に対する使用者の責任を規定したものであるから,甲会社は丙の重傷について賠償責任を負うことはあり得ない。

(2) 甲会社の従業員乙による損害についての責任は無過失賠償責任であるから,甲会社は丙に対する損害賠償義務につき,過失相殺を主張することはできない。

(3) 甲会社は丙に対して損害賠償する責任があるが,その場合,甲会社が丙に対して有する債権をもって相殺することができる。

(4) 負傷を受けた社員丙が甲会社に対して,損害賠償責任を免除した場合には,運転手乙の損害賠償責任も当然免除になる。

(5) 乙と丙とが丁会社に対して全部の損害を賠償した時は,乙丙は甲会社に求償することができる。

[38−62] 代理権の存否に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 動産売却の代理権を有する者は本人の同意なくして自ら買主となることはできない。

(2) 賃貸人の代理人が当事者双方本人の同意を得て貸借人の代理人となることはできる。

(3) 親権者が自己の債務を担保するため子に代理して子の財産に抵当権を設定することができない。

(4) 後見人がその兄の債務のために,被後見人を代理して連帯保証することはできない。

(5) 後見人が被後見人甲の財産を被後見人乙に贈与することはできない。

[38−70] 友人の留守をあずかっている間に友人の債権者からその支払を求められた場合において,友人からあらかじめ頼まれていないときの支払に関し,次の記述のうち誤っているものはどれか。

(1) 立替払をしたときは,事務管理による有益費として友人にその償還を請求することができる。

(2) 立替払をしたときは債権者の同意を得て,友人に対する債権者の権利を取得できる。

(3) 自分の債務と思いちがいして支払ったときでも,債権者が立替払と思って受領した以上,常にこれを取り戻すことはできない。

(4) 友人も債務を負っていないのに債権者と称する者の詐欺により債務があると誤信して立替払をした時は弁済を取り消さないでも取り戻すことができる。

(5) 立替払をした債務が弁済期前であった場合にもこれを取り戻すことができない。

[38−73] 甲は,未知の乙書店から書籍を送付されたが,それには「もし入用ならば代金を郵送し,不用の場合には,書籍を返送して下さい」という書類が添えてあった。次のうち正しいものはどれか。

(1) 甲は,その書籍が不用な場合に,乙に返送する義務がある。

(2) 甲は,その書籍が不用な場合に,乙に対して「返送するから,先ず郵送料を送れ」ということができる。

(3) 甲は,勝手にその書籍を破棄しても,乙に対し損害賠償の責任を負わない。

(4) 甲は,その書籍を質入しても,乙に承諾の返事をしないうちは,代金を郵送する義務はない。

(5) 甲は,その書籍を乙に返送する義務はないが,乙が受け取りにくるまでは,善良な管理者の注意をもって保管する義務がある。

[38−75] 甲に対する乙の債務につき,丙が免責的引受をした後,乙の委任による保証人であった丁は引受の事実を知らないで甲の請求を受けて弁済した。この場合における次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 丁の保証債務は,丙の引受によって消滅するから,丁は甲に対し不当利得返還請求権を有する。

(2) 丁の保証債務は,丙の引受によって消滅するか,丁の弁済は第三者の弁済として有効であるから,丁は丙に対して求償権を有する。

(3) 丁の保証債務は,丙の引受によって消滅しないから,丁の弁済は有効であり,丁は乙に対して求償権を有する。

(4) 丁の保証債務は,丙の引受によって消滅しないから,丁の弁済は有効であり,丁は丙に対して求償権を有する。

(5) 丙の引受は,丁に通知がない限り丁に対抗できないから,丁の弁済は有効であり,丁は乙に対して求償権を有する。

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