[39−02] 現行民法に対する次の批判のうちで,不当なものはどれか。

(1) 無能力者制度は,無能力者の保護に傾きすぎているから,経済取引の安全を図るために,その保護に適当な制限を加えるべきである。

(2) 占有の成立には,自己のためにする意思を必要とするが,この要件に重要な意味を持たせるように解釈すべきではない。

(3) 土地の賃貸借について,建物保護法,借地法等の制定によりその保護が図られているが,賃借権と地上権との間には依然として重要な差異があるのは検討の余地がある。

(4) 抵当権上昇の原則は,抵当物件所有者に不利な制度であるから,抵当権確定の原則を採用すべきである。

(5) 証券債権の譲渡に関する規定は不適当であり,特に証券債権の移転は当事者の合意のみによって成立するとしている点は,証券債権の本質に反する。

[39−04] 次の記述のうち,善良な管理者の注意義務の要求されない場合はどれか。

(1) 有償で他人の事務の処理を引受けた場合

(2) 無償で他人の事務の処理を引き受けた場合

(3) 無償で他人の物を借りて使用する場合

(4) 有償で他人の物の保管を引き受けた場合

(5) 無償で他人の物の保管を引き受けた場合

[39−08] Aは50万円の借金について保証人となることをBに依頼し,Bはこれに応じて白紙委任状をAに交付したが,その後,間もなく保証することを撤回する旨をAに申し入れた。Aはそれにも拘わらず,Cから100万円と記入し,Bの代理人としてこの借受債務を保証する旨を約した。Cはこの間の事情を知らず,また,これを知らないことにつき責むべき事情もなかった。この場合におけるBの責任に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) AはBを代理して自己契約をしたのだから,当然にはBの保証の責任は生じない。

(2) Bは保証することを撤回していたのだから,Bに保証の責任はない。

(3) Aの行為は犯罪行為に該当し,それに基づくBの保証は公序良俗に反し無効だから,Bに保証の責任はない。

(4) Bは50万円につき保証責任がある。

(5) Bは100万円につき保証責任がある。

[39−12] 甲電鉄会社の電車の乗客乙は,運伝上の原因により追突事故のため死亡した。乙の遺族の甲電鉄会社に対する損害賠償の請求に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 乙の遺族は,甲電鉄会社の運転手に対する選任監督上の過失を証明しない限り,損害賠償の請求をすることができない。

(2) 乙の父母は,乙に妻子あるときは,慰謝料を請求できない。

(3) 乙の妻が懐胎していたとき,事故後に出産した子供は白己の損害の賠償を請求できる。

(4) 甲電鉄会社は,土地の工作物の所有者の責任に準じ,乙の遺族に対し一種の無過失責任を負う。

(5) 乙の死後,乙の嫡出でない子丙の認知請求が認容されても,丙は甲に損害賠償を請求できない。

[39−17] 18歳の者が法定代理人の同意を得ずに,宝石を100万円で売却する契約を結び,I9歳で婚姻した。取消に関する記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 宝石を引き渡した時期が婚姻前後のいずれであるかを問わず売買は取り消すことができない。

(2) 婚姻の前後を問わないが,20歳前に引き渡したら取り消すことができるが,20歳後に引き渡したら取り消すことはできない。

(3) 婚姻前に引き渡した場合には,20歳後でも取り消すことができるが,婚姻後に引き渡した場合には20歳前でも原則として取り消すことはできない。

(4) 20歳前なら婚姻後に引き渡しても取り消すことができるが,20歳後は婚姻前に引き渡しても原則として取り消すことはできない。

(5) 婚姻の前後,20歳の前後は問わないが追認の意思表示がない限り,いつでも取り消すことができる。

[39−18] 定款に「理事の互選による理事長が法人を代表す」と定めがあり,甲が理事長に互選された場合,理事乙がほしいままに,法人の代表者として丙から金を借り入れ自己の用途に費消した。この場合,法人の責任に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 法人はいかなる場合でも,乙に代表権がないことを理由に免責される。

(2) 法人はいかなる場合でも理事過半数の議決によらない借入であることを理由に責を免れる。

(3) 法人は丙が乙に代表権がないことを知っていても,乙個人の使用目的のためになした借入であることを知らない時は責を免れ得ぬ。

(4) 法人は丙が乙に代表権がないことを知らなくても,乙個人の使用目的のためになした借入であることを知っていれば,免責される。

(5) 法人はいかなる場合も責を免れない。

[39−21] 次のうち,相続権の全くない者はどれか。

(1) 甥または姪の子

(2) 養子の子で養子縁組前に生まれた子

(3) 被相続人の死亡後,認知された子

(4) 被相続人に対し重大な侮辱を加えた者

(5) 相続財産の一部をひそかに費消した者

[39−24] 卸売商甲は,小売商乙に対して綿布1万匹を代金引換に乙の店頭で引き渡す旨の売買契約を締結し,その数量の綿布を荷造りして自分の倉庫に入れておいたところ,類焼によりこれを焼失した。この場合の権利関係に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 甲は乙に対し,代金引換に同種同量の綿布を引渡す義務がある。

(2) 乙は甲に対し,綿布の引渡を請求することはできないが,甲に対し代金を支払わなければならない。

(3) 甲は乙に対し綿布引渡義務を免れるとともに乙は甲に対し代金支払債務を免れる。

(4) 乙は甲の綿布引渡債務の履行不能を理由として売買契約を解除することができる。

(5) 綿布の一部焼失の場合には,乙は追奪担保の規定により,代金減額の請求または売買契約の解除をすることができる。

[39−27] 甲は乙丙を共同賃借人として,自己所有の一軒の家屋を賃貸した。ところが乙丙は賃借料の支払を怠っている。賃料債権に関する次の記述のうち,誤っているのはどれか。

(1) 甲は乙丙に対して同時に賃料全額を請求することができる。

(2) 甲は乙に賃料の請求をしても,丙に対して時効中断の効力を生じない。

(3) 甲は乙との間に賃料債権について更改契約を締結しても丙は賃料の支払を免れない。

(4) 甲は乙より支払を受ければ,丙に対して賃料の請求をすることはできない。

(5) 甲は乙に対して賃料債権を免除すれば丙に対して賃料の請求をすることはできない。

[39−29] 甲は麻薬を密輸入するため,その事情を明らかにして,乙に資金の借入を依頼し,乙はこれを承諾して資金を貸与した。この場合に関する以下の記述中正しいものはどれか。

(1) 甲乙間の消費貸借契約は動機が不法であるにすぎず無効ではないから,乙は甲に対し,資金の返還を求めることができる。

(2) 甲乙間の消費貸借契約は公序良俗に反し無効であるが,乙は甲に対し不当利得の返還請求ができる。

(3) 甲乙間の消費貸借契約は無効であるが,甲は金銭の所有権を取得したのであるから,乙は甲に対し,不当利得の返還の請求をすることができない。

(4) 乙は不法の原因により甲に資金を給付したのであるから,乙は甲に対し,不当利得の返還の請求をすることはできない。

(5) 乙は甲に対し不当利得の返還請求をすることはできないが,不法行為に基づく損害賠償の請求をすることができる。

[39−33] 甲に対して乙は金銭債務を負担している。Aは乙の連帯保証人であり,Bは乙のため自己所有の不動産に抵当権を設定し物上保証していた。乙は甲に債務の弁法をしたが,Bの設定した抵当権の登記は抹消されないでいた。その後,乙は甲の債権譲渡の通知に対し異議のない承諾を与えた。次のうちいずれが正しいか。

(1) 乙は支払を拒絶し得ないし,Aも拒絶し得ないがBは拒絶し得る。

(2) 乙は支払を拒絶し得ないが,Aは拒絶し得,Bは拒絶し得ず。

(3) 乙は支払を拒絶し得ないし,Aも拒絶し得ないが,Bも拒絶し得ない。

(4) 乙は支払を拒絶し得ないが,Aは拒絶し得,Bも拒絶し得る。

(5) 乙は支払を拒絶し得るし,Aも拒絶し得,Bも拒絶し得る。

[39−37] Aはその所有の土地をBに売り渡し代金を受け取ったが,登記していないことを奇貨として,Cに二重に売り渡しCへの移転登記をしてしまった。この場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) BはAに対し,契約を解除して代金の返還を請求することができる。

(2) BはCに対し,登記の抹消を請求し得る場合もある。

(3) BはACに対し,損害賠償の請求をなし得る場合もある。

(4) Aは,すでにBの所有となった土地について移転登記をしたということを理由にして,Cに対し,登記の抹消を請求することができる。

(5) Cは,Bに売却されていることを知る知らぬに拘わらず,所有権を主張し得るのが原則である。

[39−39] 期間を2年,一時使用のための建物の賃貸借契約において,期間が終了したにも拘わらず賃借人がひき続きその建物の使用をなし,賃貸人は,これを知っているにも拘わらず異議を述べなかった場合,賃貸人の建物返還請求につき正しいものはどれか。

(1) 賃貸人は期間満了を理由に,直ちに返還請求できる。

(2) 賃貸人はなお2年を経過しなければ,建物の返還請求はできない。

(3) 賃貸人は正当な事由のある場合に限り,解約し直ちに建物の返還を請求できる。

(4) 賃貸人は正当な事由がある場合に限り,解約をして3カ月の法定期間経過後建物の返還を請求できる。

(5) 賃貸人は正当な事由がなくとも解約して3ヵ月の法定期間経過後返還請求できる。

[39−43] 甲はその所有の建物につき乙の丙に対する100万円の債権を担保するため抵当権を設定し,かつその登記をした。丁はその抵当権のあることを知らずに甲からその建物を買い受けた。この場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 丁は抵当権のあることを知らなかったという理由で売買契約を解除することができる。

(2) 丁は抵当権を排除することができ,その手続が終るまでは代金の支払を拒むことができる。

(3) 乙は甲の代金債権を差し押えこれを自己の債権の優先弁済にあてることができる。

(4) 丁は抵当権の実行を免れるため乙の丙に対する100万円の債権を弁済した時は,丙に対して100万円の支払を請求できるだけでなく,甲に対しても同様の請求ができる。

(5) 建物が天災により滅失した場合でも丁は代金支払の義務を免れない。

[39−46] AはBと通謀して,A所有の時価100万円の不動産をBに仮装譲渡し,移転登記を完了した。その後Bはこれをほしいままに善意のCに150万円で売ってしまい代金は受領したが登記はそのままにしておいた。そのうちBは代金の全額を盗まれてしまった。この場合AのBに対する不当利得返還請求権について次のうちで正しいものはどれか。(但し,利息と損害賠償については孝えなくてよい)

(1) AはBに対して150万円の不当利得返還請求ができる。

(2) AはBに対して100万円の不当利得返還請求ができる。

(3) Bには利得が現存しないから,AのBに対する不当利得返還請求権はない。

(4) Cが売買という法律上の原因に基づいて不動産を取得したのであるから,AのBに対する不当利得返還請求権はない。

(5) AはCより先に登記をすれば不動産の所有権を確保することができるのであるから,Bに対する不当利得返還請求権はない。

[39−48] 甲は相続人のない乙と結婚した。婚姻届をしないまま10年間同せい生活をしていたが乙が急死した。遺言はない。この場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 甲には,配偶者に準ずる相続権がある。

(2) 家庭裁判所は,甲を相続人とすることができる。

(3) 家庭裁判所は甲を相続人とすることはできないが,甲に乙の遺産を与えることができる。

(4) 甲は乙の遺産を取得することは絶対にない。

(5) 甲は乙の相続財産法人に対して扶養請求権を有する。

[39−51] 甲は乙に対して有する売買代金債権を丙に譲渡し,その旨を乙に通知した。乙は甲の債務不履行を理由に,売買契約を解除した。次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 乙は丙に対する代金支払義務を免れる。

(2) 乙は債権譲渡の通知を受けるまでに,甲が債務不履行になった場合に限り,丙に対する代金支払義務を免れる。

(3) 乙は債権譲渡の通知を受けるまでに契約を解除した場合に限り,丙に対する代金支払義務を免れる。

(4) 乙は債権譲渡通知の確定日附までに,甲の債務不履行が生じた場合に限り,丙に対する代金支払義務を免れる。

(5) 乙は債権譲渡通知の確定日附までに契約を解除した場合に限り,丙に対する代金支払義務を免れる。

[39−54] 甲は乙と共有している(持分は均等)建物を期間10年で丙に賃貸したいが乙が家出をして行方不明になっている。以下の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 甲は乙の選任した権限の定めのない代理人がいればその同意を得て賃貸できる。

(2) 甲は家庭裁判所の選任した乙の財産管理人がいればその同意を得て丙に対して建物を賃貸できる。

(3) 甲は乙に親権を行使する父母がある時はその一方の同意を得れば丙に対して建物を賃貸できる。

(4) 乙に後見人と後見監督人がいる時は,両者の同意を得れば,丙に賃貸できる。

(5) 甲は乙の同意を得なくても丙に建物を賃貸できる。

[39−58] 甲タクシー会社に雇われている運転手乙が仕事を終えて,甲会社所有のタクシーを運転して業務交替のため車庫に帰る途中,丙の所有し運転する貨物自動車と双方の過失で衝突した結果,両自動車共破損し,丙の自動車に積載してあった丁所有の貨物を損傷した。この場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 甲は丙に対し,損害賠償義務を負わない。

(2) 甲は丁に対し,損害賠償義務を負わない。

(3) 乙は丙に対し,損害賠償義務を負わない。

(4) 乙は丁に対し,損害賠償義務を負わない。

(5) 丙は甲に対し,損害賠償義務を負わない。

[39−59] 甲はその所有建物を乙に賃貸していたが,乙は甲の承諾を得て,その建物を同一賃料で丙に転貸した。この場合に関する次の記述中正しいものはどれか。

(1) 甲に対して直接賃料支払義務を負うのは丙であって乙ではない。

(2) 乙に賃料不払があっても,甲は乙に対して相当の期間を定めて履行を催告し期間経過後も丙が賃料を支払わない時でなければ,甲乙間の賃貸借契約を解除することはできない。

(3) 丙は支払期日に甲乙のうち,いずれか一方に支払えば賃料支払義務を免れる。

(4) 丙の過失により建物が損傷した時は,乙は甲に対し損害賠償責任を負うことはない。

(5) 丙が甲から建物の所有権を取得した時は,乙の賃借権も丙の転借権も当然消滅する。

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