[40−01] 抵当権について次のうち,正しいものはどれか。

(1) 不動産に対する抵当権者は,不動産の法定果実に対すると天然果実に対するとを問わず,物上代位権を行使できる。

(2) 地上権に抵当権を設定した者が地上権を放棄することは,担保物を滅失したことになる。

(3) 土地に抵当権を設定した者が,その土地に建物を建てた後,その建物を第三者に譲渡した場合でも,抵当権者は土地とともに建物をも競売することができる。

(4) 土地の抵当権者は,その土地を不法に占拠し土地の上に建物を建てた者に対しては,当然に抵当権に基づいてその建物の撤去を請求することができる。

(5) 不動産に抵当権が設定された後にその不動産を賃借した者は,抵当権に基づく競売の競落人に対して常に対抗できない。

[40−05] 甲所有の土地を乙が甲になりすまして善意無過失の丙に売却し引き渡した。この場合甲の土地返還請求につき正しいものはどれか。

(1) この場合,表見代理が成立するから甲は土地の返還を求めることができない。

(2) 他人のものの売買であり,乙丙間の売買は有効であるから甲は土地の返還を求めることはできない。

(3) 甲は丙の錯誤を主張して土地の返還を求めることができる。

(4) 甲は乙丙間の売買を詐欺により取り消し,土地の返還を求めることができる。

(5) 丙は善意無過失であるから甲は土地の返還を求めることができない。

[40−07] トラック運転手Aは,国鉄の無人踏切を横断しようとした時,警報機が鳴っているにも拘わらず無視して停止を怠ったために,甲下り電車と衝突し,甲下り電車は脱線した。その直後,乙上り電車が甲下り電車に衝突し転覆した。そのため多数の乗客が死傷し,それらの乗客および遺族から国鉄に対して損害賠償を請求した。次のうち正しいものはどれか。

(1) 国鉄は乗客に対し目的地まで安全に輸送する運送契約上の義務があるのに拘わらず,これに違反したのだから,国鉄は損害賠償責任を負わなければならない。

(2) 国鉄はすべての踏切に遮断機を置く等の相当な設備をしなければならないのに,この点に瑕疵があったのであるから,717条を類推適用して損害賠償責任を負う。

(3) 国鉄は甲列車がトラックと衝突した直後に乙列車を乗り入れるような過密ダイヤを組んだのであるから,損害賠償責任を負う。

(4) 国鉄は,危険な高速度交通機関の企業を営んでいるのであるから,無過失責任論によって,損害賠償を負う。

(5) トラック運転手Aの不注意で甲列車と衝突し,そのために乙列車が転覆して多数の死傷者を出したのだから,国鉄に過失はなく損害賠償責任を負わず,Aの会社に損害賠償を請求すべきである。

[40−10] 甲所有の土地を甲乙間で,丙に取得させる契約をし,乙が代金全額を支払った場合,正しいのはどれか。

(1) 丙は契約によって利益を得るだけだから契約成立と同時に当然所有権を取得する。

(2) 丙が設立準備中の法人であったときは,権利能力かなかったのだから,設立後でも権利を取得することはない。

(3) 乙の詐欺による場合でも,丙が所有権を取得したあとでは甲は取り消すことができない。

(4) 乙の詐欺による場合,甲は取り消すことができるが,その意思表示は丙に対してしなければならない。

(5) 乙の詐欺による場合,甲は取り消すことができるし,丙の善意悪意に拘わらず,丙から土地を取り戻すことができる。

[40−13] 胎児に関する次の記述のうち,誤りはどれか。

(1) 事実上の父は,胎児を認知することができる。

(2) 胎児は事実上の父に対して認知を請求することはできない。

(3) 他人の胎児を養子とすることはできない。

(4) 胎児の父母が協議離婚するときには,子の出生前であっても,いずれか一方を親権者と定めなければならない。

(5) 遺言者は他人の胎児に遺贈することができる。

[40−14] 次のうち,誤れるものはどれか。

(1) 天然果実とは物の用法に従い収取する産出物で,乳牛の乳,鉱区から採掘する鉱物等である。収取権は原則として元物の所有者にあるが,善意の占有者,留置権者,質権者,使用借主等も収取権を有する。

(2) 保存行為は管理権の内容で,財産の現状を維持するものであり,屋根の修繕のような事実行為とか,そのためにする請負人との契約等法律行為である場合もある。また,腐敗しやすい品物を売却することも保存行為である。

(3) 有益費用とは物の価値を増加せしめるための費用である。屋根の修繕とか,土盛りをする等がこれである。善意の占有者が有益費を出した時は,所有者に対し全額を回復請求できるが,裁判所は相当の期限を許与することができる。

(4) 従物は主物の常用に供せられ,継続して主物の効用を完うさせる働きをすると認められるものである。ナイフのさやのような動産であっても,物置のような不動産であってもよいが,いずれも別個の存在を有するから,従物のみを処分することも可能である。

(5) 埋蔵物とは,土地その他の物の中に埋蔵され,所有者の不明なものである。古代の化石等は無主物であって,埋蔵物ではない。埋蔵物は特別法(遺失物法)の定めるところに従い,公告をした後6ヵ月内にその所有者が知れないときは,発見者がその所有権を取得する。包蔵物が他人の所有に属する場合は,その者と発見者が折半する。

[40−17] 工場内の機械(特定物)を売買の目的とした契約が締結されたが,売主は,履行期を過ぎても債務を履行しなかった。ところが,履行期日の10日後,第三者の放火により工場と共にその機械が焼失した。次のうち,正しいものはどれか。

(1) 売主は債務を免れるが買主は代金支払義務を免れ得ない。

(2) 売主は債務を免れるが,買主も代金支払義務を免れる。

(3) 買主は,履行期後10日間の履行遅滞について遅延賠償を請求し得るだけで,填補賠償は請求できない。

(4) 買主は,契約を解除しなければ,履行に代わる損害賠償を請求できない。

(5) 売主が買主に損害賠償をした場合は,売主は買主の当該第三者に対する損害賠償請求権について当然代位しそのための対抗要件を必要としない。

[40−19] AのXに対する債権がAからB,BからCへと譲渡され,債務者Xはその両者について異議をとどめない承諾を与えた。ところがAからBへの譲渡はBの強迫によるものだったので,AはBへの譲渡を取り消した。この場合における法律関係に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1)  Aの取消はCに対抗することができるから,AがXに対する債権者の地位を回復する。

(2) Cが善意のときはAの取消はCに対抗することができないから,Cが依然としてXに対する債権者である。

(3) Cが善意無過失のときはAの取消があってもCの公信力によって債権を取得するから,Xに対する債権者はやはりCである。

(4) BはAの取消があってもXの異議をとどめない承諾によって債権を取得しCはそのBから債権を譲り受けたことになるから,Xに対する債権者はやはりCである。

(5) Xの異議をとどめない承諾はAの取消があったときはBについては債権取得の効果を生じさせないが,Cについては債権取得の効果を生じさせるから,Xに対する債権者はやはりCである。

[40−23] 次のうち,自主占有でないものはどれか。

(1) 他人から借りて保管していた動産を自己の物と称して質入れした者

(2) 賃貸借が終了したにも拘わらず,借主が返還を拒んだ物の所有者である貸主

(3) 他人の物を盗取した者

(4) 債権の坦保として所有権の移転を受けたが,その目的物を坦保提供者にそのまま使用させている譲渡坦保権者

(5) 被相続人が自主占有している物について別居していて相続が開始したことを知らない相続人

[40−28] 民法388条は,「土地及ヒ其上ニ存スル建物カ同一ノ所有者ニ属スル場合ニ於テ其土地又は建物ノミヲ抵当ト為シタルトキハ抵当権設定者ハ競売ノ場合ニ付地上権ヲ設定シタルモノト看做ス」と規定している。次のうち,法定地上権の成立しない場合はどれか。

(1) 抵当権設定当事者の特約で,あらかじめ法定地上権を成立せしめない特約を結んだ場合

(2) 土地に対する抵当権設定当時に存した建物が滅失したが,抵当権実行の時までに再築された場合

(3) 同一の所有者に属する土地建物に対する抵当権設定後,抵当権実行までに,土地建物が別々に譲渡され,所有者が異なるようになった場合

(4) 土地に対する抵当権設定当時,建物について保存登記かなされていない場合

(5) 土地と建物につき共同抵当が成立し,競売の結果,所有者を異にして競落された場合

[40−31] 売買に関する次の記述のうち,誤って,いるものはどれか。

(1) 売買の一方の予約は,予約権者の売買の完結の意思表示だけで売買の効力を生ずるものである。

(2) 買戻の特約は,売主が売買契約の解除権を留保する特約である。

(3) 割賦払売買契約においても,売買契約は契約の時に成立するものであって代金完済の時,あらためて売買契約をするものではなく,また代金完済を停止条件とする売買でもない。

(4) 見本売買は,見本どおりの目的物が交付されてはじめて成立する契約である。

(5) 試味売買(試験売買)は,買主の気に入ることを停止条件として成立する契約である。

[40−36] 甲は,乙からその所有する土地を賃借し,その土地の上に建物を建築して保存登記を備えたうえ,乙の承諾なしにその建物を,土地の賃借権とともに丙に譲渡し,建物について移転登記を経由したが,賃借権の設定および移転については,登記を備えなかった。この場合の法律関係について,正しいものはどれか。

(1) 丙は乙に対して賃借権を対抗することができ,乙は甲丙間の契約を解除することができない。

(2) 丙は乙に対して賃借権を対抗することができるが,乙は甲丙間の契約を解除することができる。

(3) 丙は乙に対して賃借権を対抗することができるが,乙は甲乙間の契約を解除することができ,この場合には丙の賃借権は消滅する。

(4) 丙は乙に対して賃借権を対抗することができず,乙は甲乙間の契約を解除することができない。

(5) 丙は乙に対して賃借権を対抗することができず,乙は甲乙間の契約を解除することができる。

[40−40] 次の行為のうち,意思表示となるものはどれか。

(1) 取消し得べき行為の追認

(2) 履行の催告

(3) 債務の承認

(4) 債権譲渡の通知

(5) 弁  済

[40−41] 債権者代位権に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 債権者代位権によって保全される権利に物権的請求権は含まれない。

(2) 債権の譲受人は譲渡人に代位して債権譲渡の通知をなし得ない。

(3) 債務者の権利行使の結果が債権者にとって不利な場合,債権者はあらためてその権利を代位行使できる。

(4) 保全される権利の履行期が到来していない場合には,債権者は代位行使できない。

(5) 債権者代位権は裁判上行使しなければならない。

[40−45] 債権の消滅時効の中断事由とならないものは,次のうちどれか。

(1) 債務者の提起した債務不存在確認訴訟において,被告たる債権者のなしたる請求棄却の答弁

(2) 債務者と連帯して債務を分担する他の債務者に対する催告

(3) 債務者が同時履行の抗弁権を有する場合,債権者が自己の債務履行の提供をしないでする催告

(4) その債権を担保する質権による目的物の留置

(5) その債権を担保する抵当権の実行としてする競売の申立

[40−47] 友人甲より写真機1台を預り保管中の乙(18歳)は,甲に無断で甲の代理人と称して,事情を知らない丙にその写真機を売り渡した。次の記述で正しいのはどれか。

(1) 甲が乙に対して追認したときは,丙は取り消すことができない。

(2) 甲が丙に対して追認しても,乙は自己の無能力を理由に取り消すことができる。

(3) 甲が追認を拒絶しても,丙は民法第192条により即時取得できる。

(4) 丙が甲に対して相当期間内に追認するかどうか催告をし,期間内に甲から返答がないときは,甲は追認したものとみなされる。

(5) 甲が追認しない場合に,乙は丙に対してその選択に従い履行または損害賠償の責に任ずる。

[40−50] 連帯保証に関する次の記述中,誤りはどれか。

(1) 債権者と連帯保証人との間で更改がなされた場合には,主たる債務者の債務は消滅する。

(2) 債権者が連帯保証人に対して債務の免除をすれば,主たる債務者の債務は消滅する。

(3) 主たる債務につき時効が完成した場合,主たる債務者が時効の利益を放棄しても,なお,連帯保証人はこの時効を援用して自己の債務(保証債務)を免れることができる。

(4) 連帯保証人が債権者に対して反対債権を有する場合主たる債務者は債権者に対してその反対債権をもって相殺できない。

(5) 数人の連帯保証人がある場合に,債権者は,その中の1人に対し,債権全額の請求ができるが債権者に対して債権の全額を弁済した連帯保証人は,自己の負担部分を超える部分について他の連帯保証人に求償できない。

[40−54] AB2人が平等の持分で共有する土地をBが無断でCに賃貸し,Cはその土地の上に建物を建てた。Aはこれを知ってCに対して,建物の収去および土地明渡の請求をした。この場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) Aは共有者Bがなした行為であるから,Cに対し建物収去および土地明渡を請求することはできない。

(2) その土地はBと共有であるから,AはBと共同しなければCに対して建物収去および土地明渡を請求することはできない。

(3) Cが建物の保存登記をしている場合,Cの権利は対抗力があるのでAはCに対して建物の収去および土地明渡の請求はできず,Bに対して損害賠償の請求をなし得るのみである。

(4) Aに無断にて土地を貸借しているCに対し,Aは権利濫用にならない限り建物の収去および土地明渡の請求ができる。

(5) CはAの請求に応じ土地を明渡さねばならぬが,借地法の規定を類推適用して建物の買取請求権を有する。

[40−56] 夫甲と妻乙との間には子丙があり,甲には妹Aが,乙には兄Bがいるだけでその他に親族はいない。あるとき大洪水にあい甲乙丙一家三人が流され,同時に死亡したものと推定された。その当時甲は宅地,乙は株券,丙は貯金を有していた。特別縁故者からの請求がなかった場合,甲乙丙の遺産の帰属について次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 宅地,株券,貯金ともにABが共同相続する。

(2) 宅地,株券はABが共同相続し,貯金は国庫に帰属する。

(3) 宅地はAが,株券はBが相続し,貯金は国庫に帰属する。

(4) 宅地はBが,株券はAが相続し,貯金は国庫に帰属する。

(5) 宅地はAが,株券はBが相続し,貯金はA,Bが共同相続する。

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