[41−01] 父甲所有の不動産につき,その息子乙は甲の印鑑その他登記に必要な書類を無断で持ち出し,甲の代理人であると称して善意・無過失の第三者丙に売却して登記を移転した。以下の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 売買の効力は直ちに甲に及ぶ。

(2) 売買の効力は所有権移転登記の時に甲に及ぶ。

(3) 甲が売買代金の支払を請求したときに売買の効力が甲に及ぶ。

(4) 丙の登記以前に,甲が他の第三者丁に抵当権を設定し登記をすませた後,甲が乙丙の売買契約を追認すれば丁は丙に対し抵当権を対抗しえない。

(5) 甲が死亡し乙が甲を相続した場合,乙は売買契約の追認を拒絶できる。

[41−05] 甲所有の時計を盗んだ乙は,自己の物と偽って,善意無過失の時計商丙へ修理に出した。丙が修理を終えて店内のケースに陳列しておいたところ,たまたま来店した甲がその時計を見つけた。甲から丙への返還請求に対し,次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 丙は乙との契約によりその物の修繕依頼を受けたのだから,乙からの返還請求には応じなければならないが,契約していない甲からの返還請求には応ずる必要はない。

(2) 丙は善意無過失で乙と契約し乙から引渡を受けたのであり,甲からの返還請求に心ずる必要はない。

(3) 丙は乙の盗取後2年以上経過していれば,甲からの返還請求に応ずる必要はない。

(4) 丙は修理の代金を受け取らない限り,出からの返還請求に応ずる必要はない。

(5) 丙は動産保存の先取特権を有するから,甲からの返還請求に応ずる必要はない。

[41−07] 次のうち,正しいものはどれか。

(1) 財産の全てを相続人以外の者に贈与する契約は無効である。

(2) 他人の所有する財産の売買契約は無効である。

(3) 個人の買主が架空の法人の代表者名義でなした売買契約は無効である。

(4) 父母が共同して親権を行なう場合において,父が母の同意を得ることなく父母の共同代理名義でなした契約は無効である。

(5) 不能の解除条件を付した契約は無効である。

[41−10] 債権者甲の住所に持参して支払うべき金銭債務につき,債務者乙の行為が現実の提供とならないのは次のうちどれか。

(1) 債務者乙が約束の日時に金銭を持参して債権者甲の住所へ行ったが,甲が外出していて会えなかったとき

(2) 債務者乙は債務額を超過する価値のある時計を債権者甲の家へ持って行ったとき

(3) 債務者乙が債務額と同額の郵便為替証書を債権者甲の家へ持って行ったとき

(4) 債務者乙が金銭を持参し債権者甲の住所へ行ったが受領証書の交付を要求し,それあるまでは支払わないと言ったとき

(5) 債務者乙はたまたま同額の債権を第三者丙に対して有していたので丙に頼んで債権者甲の住所へ弁済に行って貰ったとき

[41−13] 甲は,鑑定家丙が某画伯の直筆だと信じて書いた鑑定書を添えて,無価値のにせものと知りながら,善意の乙に100万円で画幅を売却した。この場合の記述に関する次のうち,誤りはどれか。

(1) 乙は暴利行為を理由に,甲との契約の無効を主張しうる。

(2) 乙は,要素の錯誤を理由に,甲との契約の無効を主張しうる。

(3) 乙は甲の詐欺を理由に,甲との契約の取消を主張しうる。

(4) 乙は甲に対し,不法行為による損害賠償を請求できる。

(5) 丙に過失のあるときでも,乙は丙に対して不法行為による損害賠償の請求をすることはできない。

[41−14] 借家人が有益費を支出した後,家屋の賃貸借が終了した場合における家屋に対する留置権に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 家主が家屋を売却すると,留置権について登記を経ていない以上,その譲受人にはこれを対抗することができない。

(2) 家主が家屋を売却したときには,その代金に対して留置権を行使することができる。ただし,その支払い前に差押えをしなければならない。

(3) 留置権を行なう場合には,その家屋に居住していてもその利得を不当利得として返還する必要はない。

(4) 留置権者が家屋を他人に賃貸して引渡したときには留置権は消滅する。

(5) 裁判所が家主の請求により,有益費償還につき期限を許与したときは,留置権は消滅する。

[41−17] 被相続人には実父,養父,妻,子甲と甲の子乙がいた。今甲が相続の放棄をした場合,相続人となる者についての次の記述のうち,正しいのはどれか。

(1) 乙は代襲相続によって相続人となり,妻と共同相続する。

(2) 乙は固有の相続権にもとづいて,妻と共同相続する。

(3) 妻は相続できず妻のみが相続する。

(4) 乙は相続できず,妻と養父のみが共同相続する。

(5) 乙は相続できず,妻と養父および実父が共同相続する。

[41−19] 抵当権に関する次の記述のうち,誤りはどれか。

(1) 法定地上権とは土地と建物とが同一所有に属する場合にその一方のみが競売された場合に生ずる権利である。

(2) 短期賃借権の保護は抵当不動産の用益を安全にする制度である。

(3) 滌除は抵当不動産の第三取得者が抵当不動産の価格を自ら評価し評価額を弁済して抵当権の消滅を請求する制度である。

(4) 共同抵当は数個の不動産の上に抵当権を有する場合,後順位者との間を公平に処理する制度である。

(5) 代価弁済は抵当不動産を買受けた者が抵当権者の請求に応じ,その代価を弁済することにより抵当権を消滅させる制度である。

[41−23] 民法上の組合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 組合員は自己の意思に反して組合から脱退させられることはない。

(2) 期間の定めのない組合においては,組合員は原則として自由に脱退することができる。

(3) 組合員はその持分を自由に処分することができ,組合およびこれと取引をなした第三者はその効力を承認せざるを得ない。

(4) 組合財産は総組合員の共有に属するから,組合員はいつでもその分割を求めることができる。

(5) 組合は法人ではないから,その業務執行は特に委任のない限り全組合員の一致によって行なわなければならない。

[41−25] 未成年者の能力に関する記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 未成年者は貸金の領収については法定代理人の同意を要する。

(2) 未成年者は負担付であっても贈与を受けるには法定代理人の同意を要しない。

(3) 未成年者は意思能力があっても認知の訴を提起するには法定代理人の同意を要する。

(4) 未成年者であっても労働の能力がある者は雇用契約につき法定代理人の同意は不要である。

(5) 未成作者であっても婚姻能力がある者は婚姻につき父母の同意を要しない。

[41−28] 連帯債務につき,次のうち正しいものはどれか。

(1) 連帯債務の債権者がその特定の債務者に対する債権を譲渡することはできない。

(2) 債務者の1人に対する連帯の免除はその債務者の負担部分につき他の債務者の利益のためにも,その効力を生ずる。

(3) 連帯債務の原因となった契約を解除する場合,債務者の1人のみに対し解除の意思表示をすることはできない。

(4) 債権者がその債権を第三者に譲渡した場合,債務者の1人に対する譲渡の通知は他の債務者に対してもその効力を生ずる。

(5) 連帯債務者の1人が遅滞に陥れば他の債務者も全員遅滞となる。

[41−31] 同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 同時履行の抗弁権は,双務契約から生ずる債務につき認められるものであって契約の解除による原状回復義務には認められない。

(2) 同時履行の抗弁権は,借地法に規定する建物買取請求権のような形成権の行使によって建物が買取られる場合には認められない。

(3) 同時履行の抗弁権のある債権が他に譲渡されて債権者と反対債務の債務者とが異なることになった場合には,同時履行の抗弁権は消滅する。

(4) 同時履行の抗弁権は,一方の債務につき更改がなされても,それによっては消滅しない。

(5) 債権が弁済期にある以上,相手方債務者に同時履行の抗弁権があっても消滅時効は進行する。

[41−35] 未成年者の婚姻に関する父母の同意について,次の記述中正しいものはどれか。

(1) 未成年者の婚姻にはつねに父母双方の同意が必要である。

(2) 未成年者に父母がいないぱあいは,後見人の同意または家庭裁判所の許可がなくとも婚姻できる。

(3) 未成年者の婚姻に父母の同意がなくとも婚姻届は受理できる。

(4) 未成年首の婚姻に父母の同意がないのに婚姻届が受理されたとしても,家庭裁判所にその取消を請求することができる。

(5) 未成年者が父母の同意なく婚姻した場合は成年に達したとみなされることはない。

[41−38] 乙は手附として20万円を交付して,甲からその所有する特定の土地を買受ける契約を結び,更にその土地を丙に転売する契約を結んだ。この場合,次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 乙は丙の権利を害することができないから,甲との契約を解除することはできない。

(2) 乙は甲から移転登記を受けないでも,土地を丙に引渡した後は,甲との契約を解除できない。

(3) 甲は乙に移転登記をしたときは,甲は乙の代金未払いを理由に契約の解除をすることはできない。

(4) 乙は,土地の引渡しを受けた後でも,移転登記前なら,20万円放棄して,甲との契約を解除できる。

(5) 甲は乙に移転登記した後では,40万円返還しても乙との契約を解除できない。

[41−40] 甲は乙から自動車を買い受けようとしたが,自分で甲本人だといわないで,交渉するのが有利だと感じ,甲の代理人丙だと称し,甲から丙への委任状を作って乙に示し,丙になりすまして乙との間で売買契約をなした。後で乙は丙という者は別にいて,交渉したのは実は甲本人であり,丙は全く関知しないことを知った。この場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 甲は自分のためにした契約だから,この売買契約は,甲と乙との間に効力を生じる。

(2) 甲は自分で自己の代理人となることはできないから,この売買契約は無効である。

(3) 甲の行為は無権代理に準ずるものだから,丙の追認がない限り,売買契約は甲について効力を生じない。

(4) 乙は人に関する錯誤を理由に契約の無効を主張することができる。

(5) 甲は委任状を乙に示しているのだから,表見代理の規定によって,甲乙間の売買契約は有効に成立したことになる。

[41−47] 生後1年余の幼児が,父母のすきをみて,道路をよちよち歩いていたところ自動車運転手の過失によりその運転する自動車に接触され,失明にいたる重傷を負った。不法行為にもとづく損害賠償を請求するにつき,妥当でないものはどれか。

(1) 1歳余の幼児では,精神的苦痛を感じないから,精神的損害による慰謝料を請求することはできない。

(2) 幼児のこうむった負傷によって,両親は自分自身のうけた精神的損害につき慰謝料請求権を有する。

(3) 治療費は,父母が支払ったときでも,幼児の名でその費用の請求ができる。

(4) 1歳余の幼児といえども,失明しなかったら将来得られたであろう利益を請求できる。

(5) 幼児の損害賠償を請求することについて,父母の過失はともかく,幼児には責任能力がないから,その過失は問題にならない。

[41−50] 甲は所有の家屋を売却する代理権を乙に与え,白紙委任状を交付した。ところが乙は,その家屋につき自ら買主となり,自己名義に登記を済ませたうえで,更に,自己の債務の担保として,債権者丙のために,その家屋に抵当権を設定し登記も済ませた。次のうち正しいものはどれか。

(1) 甲が追認をしなくても,甲乙間の売買契約,乙丙間の抵当権設定契約はともに有効である。

(2) 甲が追認をしても,甲乙間の売買契約は有効にならないが,乙丙間の抵当権設定契約は有効である。

(3) 甲が追認をすれば,甲乙間の売買契約は有効となるが,乙丙間の抵当権設定契約は有効とならない。

(4) 甲が追認をすれば,甲乙間の売買契約も乙丙間の抵当権設定契約も有効となる。

(5) 甲が追認をしても,甲乙間の売買契約と乙丙間の抵当権設定契約が有効となることはない。

[41−54] 甲は出かせぎ中,生死不明となり,失踪宣告を受け,甲の子乙と妻丙とが甲所有不動産を相続した。乙と丙とは共同してその不動産を丁に売却し,売却金を分割収得した。乙は取得売却金を銀行に預金におもむく途中すられたが,丙は取得売却金を生活費に充てた。その後,甲が帰来し失踪宣告は取消された。乙,丙および丁は甲が帰来するまで,甲の生存していることを知らなかった。甲,乙,丙,丁の法律関係について正しいものはどれか。

(1) 乙と丙とはそれぞれ自己の取得した売却金を甲に返還する義務があるが,丁は不動産を甲に返還する義務がない。

(2) 乙は自己の取得した売却金を甲に返還する義務があるが,丙は自己の取得した売却金を甲に返還する義務がなく,丁も不動産を甲に返還する義務がない。

(3) 丙は自己の取得した売却金を甲に返還する義務があるが,乙は自己の取得した売却金を甲に返還する義務はなく,丁も不動産を甲に返還する義務かない。

(4) 乙も丙も売却金を甲に返還する義務がないが,丁は不動産を甲に返還する義務がある。

(5) 乙も丙も売却金を甲に返還する義務がなく,丁も不動産を甲に返還する義務がない。

[41−56] 甲が住んでいる借家は,家主(所有者)乙が以前に丙建設会社に請け負わせ建てたものであるが,2階の窓のひさしに瑕疵があり,それがくずれ落ちて通行人を傷つけた。この場合の被害者に対する損害賠償責任に関し,次の記述のうち正しいのはどれか。

(1) 甲,乙は当然に共同して責任を負う。丙会社は瑕疵が建築工事上の過失に起因するものであれば責任を負う。

(2) 瑕疵が建築工事上の過失に起因するものであれば,丙会社が責任を負い,甲,乙は責任を負わない。

(3) 損害発生の防止に甲の過失のない場合は,瑕疵が建築工事上の過失に起因するものであっても,乙は当然に責任を負う。

(4) 乙は建築の際,丙会社に対する注文または指図につき過矢のある場合のほかは責任を負わない。

(5) 家屋が木造なら建築後5年以上,コンクリート造りなら同様に10年以上経過した後の事故であれば,瑕疵が建築工事上の過失に起因するものであっても,丙会社は責任を負わない。

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