[42−04] 甲が立木の生立する土地を所有する場合につき,誤りはどれか。

(1) 乙が甲から,立木,土地ともに譲り受け,立木に明認方法を施した。その後,丙が甲から立木のみを譲り受け,明認方法を施した。この場合,乙は丙に対して立木の取得を対抗し得る。

(2) 乙が甲から立木を含めて土地を譲り受け,土地についてのみ移転登記して,立木について明認方法を施さないのに乗じ,甲は立木を善意の丙に譲渡した後,丙はこれに明認方法を施した。丙は乙に対して立木の取得を対抗し得る。

(3) 乙が甲かち,立木のみを譲り受け,乙はこれに明認方法を施したが,その後,第三者が明認方法を撤去した。乙はこれに気づきながら,放置していたが,一方甲は善意の丙に立木を譲渡し,丙は明認方法を施した。丙は乙に立木の取得を対抗し得る。

(4) 乙は甲から立木のみ譲り受け,明認方法を施したが,甲は乙が代金を完済しないので契約を解除して,明認方法を撤去した。その後乙は善意の丙に立木を売り渡し,丙は明認方法を施した。丙は甲に対抗し得ない。

[42−09] 詐害行為取消権に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 資力ある養親との協議離縁は詐害行為取消権の対象とはならない。

(2) 他の債権者がその債権と債務者に対し負担する債務につき相殺してもその相殺は詐害行為取消権の対象とはならない。

(3) 債権成立前の行為は原則として当該債権にもとづく詐害行為取消権の対象とはならない。

(4) 担保に供されている財産の価格が被担保債権の額より少ない場合には,これを他に処分した行為は原則として詐害行為とならない。

(5) 他に贈与した財産が贈与履行後に滅失したときは,その時以後その贈与は常に詐害行為取消権の対象とはならない。

[42−14] 甲は乙に20万円の債権を有している。甲はこの債権を丙に譲渡し,乙は異議を留めない承諾をした。その後乙は丙に10万円弁済したが,甲は丙との債権譲渡契約を解除し,その債権を丁に譲渡し,その旨乙へ内容証明郵便で通知した。以下のうち正しいものはどれか。

(1) 丁は甲の解除が有効であれば,乙に20万円請求することができる。

(2) 丁は甲の解除の有効・無効にかかわらず,乙に20万円請求することができる。

(3) 丁は法律関係が明らかになるまで,乙に対し10万円につき供託することを請求することができる。

(4) 乙の丙への弁済は有効であり,乙は丁に対して10万円弁済すればよい。

(5) 乙は異議を留めない承諾をしたのであるから,乙は丙に対して10万円弁済しなければならない。

[42−16] 内縁に関する次の記述のうち誤りはどれか。

(1) 内縁についても「夫婦は,その資産,収入その他一切の事情を考慮して,婚姻から生ずる費用を分担する」という民法第760条の規定は準用される。

(2) 内縁の妻は夫の生前の意思によらないで夫の遺産を取得することは絶対にありえない。

(3) 未成年者が婚姻したときは,これによって成年に達したとみなされるが,未成年者が内縁関係を結んでもこれによって成年に達したとはみなされない。

(4) 未成年者は父母の親権に服するが,父母が内縁関係にあるときは原則として母の親権に服する。

(5) 内縁の妻が内縁成立の日から200日後,または,解消の日から300日以内に分娩した子は内縁の子と推定すべきである。

[42−18] 債権者甲は,債務者乙に対する債権の取立を丙に委任し,報酬を支払うことを約束した。

 丙は初め1,2度は債権取立に出向いたが,その後何度催促しても取立に行かないので,甲は委任契約を解除してしまった。しかし,その後丙は契約を解除されたにかかわらず勝手に乙方へ行き債権を取り立てて来た。

 次のうち正しいものはどれか。

(1) 丙は報酬,損害賠償ともに請求できない。

(2) 丙は報酬を請求できる。

(3) 丙は委任が解除されたときまでの報酬を請求できる。

(4) 丙は甲の意思に反して勝手に債権を取り立てて来たのであるから,甲が現に利益を受ける限度で報酬を請求し得る。

(5) 甲が一方的に委任契約を解除したのは丙にとって不利であるから,丙は報酬額と同額の損害賠償を請求し得る。

[42−20] 次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 一定の物に対し,債権と物権が成立するとき,債権が物権に優先する場合はありえない。

(2) 債権が侵害されたとき,その侵害の排除を求めることができる場合はありえない。

(3) 物権の客体は,有体物以外にはありえない。

(4) 一筆の土地の一部に対しては,債権は成立しうるが,物権が成立することはありえない。

(5) 債権は時効により消滅しうるが,物権が時効により消滅することはありえない。

[42−22] 甲がAに対し有する債権につきBが連帯保証人となっていたところ,甲はこの債権を乙に譲渡し,甲からAのみに対して口頭で乙に譲渡した旨を告げた。この場合に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 甲はAおよびBに支払を求めることはできず,乙はAおよびBに支払を求めることができる。

(2) 甲はAおよびBに支払を求めることはできるが,乙はAおよびBに支払を求めることができない。

(3) 甲はBに,乙はAに支払を求めることができるが,甲はAに,乙はBに支払を求めることはできない。

(4) 甲はAおよびBに支払を求めることができず,乙はAに支払を求めることができるがBに支払を求めることはできない。

(5) 甲も乙もAおよびBに支払を求めることはできないが,AまたはBが甲,乙いずれかに支払えぱその支払は有効である。

[42−25] 甲は乙に時計を買うことを依頼して代理権を与えた。乙は時計商丙のところへ行き,甲のために買う意思なのに,うかつにも,ただ「その時計を代金3万円,月末払で買う」とだけいったところ,買主は当然乙だと思われる状況にあったので,丙は乙が買ってくれるものと思い「よし売った」といった。この場合,民法上正しいものはどれか。

(1) 売買契約は甲丙間に有効に成立する。

(2) 売買契約は甲丙間に成立するが,丙は錯誤による無効を主張しうる。

(3) 売買契約は乙丙間に有効に成立する。

(4) 売買契約は乙丙間に成立するが,乙は錯誤による無効を主張しうる。

(5) 乙丙間に意思の完全な合致がないから,売買契約は誰との間にも成立しない。

[42−28] 売主Aが甲馬または乙馬のいずれかを選択して買主Bに給付する旨の売買契約がなされた後,買主Bの過失で甲馬が死亡した場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) Aの給付は当然乙馬に特定する。

(2) Aの給付は,Bが甲馬の死亡による損害賠償を提供した場合,乙馬に特定する。

(3) Aは甲馬を選択してBに代金の請求をすることができる。

(4) Aは,甲馬を選択することができるが,これを選択した場合には代金の請求をすることができなくなる。

(5) Aは,乙馬を選択することができるが,これを選択した場合には,甲馬の死亡による損害の賠償を請求することができない。

[42−31] 夫Aは妻Bに無断でBとの協議離婚届を出し,さらにCとの婚姻届を出した。これらの届出が受理された場合の法律関係に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) AC間の婚姻は無効である。

(2) 届出が受理された以上AB間の婚姻は解消しAC間の婚姻によって復活しえなくなる。

(3) BはCが悪意である場合に限りAC間の婚姻の取消を請求することができる。

(4) AC間の婚姻が取り消されるとその婚姻中に生まれた子は嫡出子たる身分を失う。

(5) Aが死亡するとBCはともに相続人となる。

[42−34] 時効の中断に関する次の記述のうち誤っているのはどれか。

(1) 利息の支払は,元本の承認となる。

(2) 連帯保証人のした債務の承認は,主たる債務者に対して,債務の承認の効力を生ずる。

(3) 債権者甲のために第1順位の抵当権を設定してその登記をした債務者が,同一物件に,さらに他の債権者乙のために第2順位の抵当権を設定してその登記をしても,これによって直ちに甲に対する債務を承認したことにはならない。

(4) 準禁治産者は,保佐人の同意を得ないで債務の承認をすることができる。

(5) 抵当権の実行による競売の申立をなし,競売開始の決定があったときは,被担保債権につき消滅時効中断の効力が生ずる。

[42−36] 次は多数当事者間の債権関係についての記述である。誤りはどれか。

(1) 甲乙が分割債務を負うとき,甲に対する履行の請求は,乙に対して何らの効力を生じない。

(2) 甲乙が不可分債務を負うとき,甲に対する履行の請求は,乙に対しても効力を生ずる。

(3) 甲乙が連帯債務を負うとき,甲に対する履行の請求は,乙に対しても効力を生ずる。

(4) 主たる債務者甲,保証人乙のとき,乙に対する履行の請求は,甲に対して何らの効力を生じない。

(5) 主たる債務者甲,連帯保証人乙のとき,乙に対する履行の請求は,甲に対しても効力を生ずる。

[42−38] 抵当権の効力の及ぶ目的物の範囲に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 抵当権の目的となっている土地の上に設定者が建物を新築したとき,抵当権の効力はこの建物の上に及ばないが,抵当権者は土地と建物を一括して競売することができる。

(2) 抵当権の目的となっている建物の所有者が,その建物の敷地に地上権を有するとき,抵当権の効力は,その地上権にも及ぶ。

(3) 抵当権の目的となっている建物が増築されたとき,増築部分が区分所有権として独立の建物と認められないかぎり,抵当権の効力は増築部分にも及ぶ。

(4) 抵当権の目的となっている建物(母屋)とは別棟の物置について,それが抵当権設定当時から存在していたとしても,抵当権の効力はその物置には及ばない。

(5) 抵当権の目的となっている建物の家賃については,支払われる前に差し押えれば抵当権者は家賃の支払を請求できる。

[42−42] 動産と不動産とを比較した次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 動産は従物となることがあるが,不動産は従物となることはありえない。

(2) 動産も不動産も先占によりその所有権を取得することができる。

(3) 動産質権の対抗要件は占有の継続であるが,不動産質権の対抗要件は登記のみである。

(4) 抵当権の目的となしうるものは不動産に限られ,動産はいかなる場合にも抵当権の目的とすることはできない。

(5) 留置権は動産についてのみ成立し,不動産については成立する余地がない。

[42−44] 不動産の賃貸借について次のうち正しいものはどれか。

(1) 家屋の賃貸借において特約のないかぎり畳の入替は貸借人がなすべきである。

(2) 家屋の貸借人の妻の失火で賃借家屋が全焼しても賃借人に損害賠償の責任はない。

(3) 家屋の賃借人が便所を洋式にかえた場合賃貸人に対し直ちに費用償還の請求ができる。

(4) 貸借土地の上に建物を所有する者が,その建物を第三者に賃貸したときは土地の転貸となる。

(5) 土地の貸借人が借地上に所有する建物を第三者に譲渡し第三者が所有権移転の登記を得ても,土地所有者の承諾なき限り,借地権を土地所有者に対抗できない。

[42−47] 甲は自己所有の時計を乙に貸与した。この場合,次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 乙は甲に無断でその時計を丙に貸与した。この貸与契約は無効である。

(2) 乙がその時計を自己のものだと称して丙に入質したときは,丙が質権を取得することはない。

(3) 乙がその時計を丙に盗まれた場合,甲は丙にその返還を請求できるが,乙は返還請求をなしえない。

(4) 甲が丙にその時計を譲渡した場合,丙が所有権取得の対抗要件を具備するためには,乙の承諾を要しない。

(5) 甲がその時計を丙に入質するには,乙より一旦その返還を受けなければならない。

[42−50] 次のうち正しいものはどれか。

(1) 責任能力ある未成年者が,他人に損害を与えた場合,まずその未成年者が,損害賠償責任を負うが,この者に支払能力がないときに監督義務者が損害賠償責任を負う。

(2) 被用者が業務を行なうにつき他人に損害を与えた場合,まずその被用者が損害賠償責任を負うが,この者に支払能力がないときに使用者が損害賠償責任を負う。

(3) 請負人がその仕事を行なうにつき他人に損害を与えた場合,その請負人がその損害賠償責任を負うが,この者に支払能力がないときに,注文主が損害賠償責任を負う。

(4) 土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることにより他人に損害を与えた場合,占有者が損害賠償責任を負うが,この者に支払能力がないときに,所有者が損害賠償責任を負う。

(5) 他人の不法行為に対し,白己または第三者の権利を防衛するため止むを得ず他人に損害を与えた場合は,まず,その不法行為者が損害賠償責任を負うが,この者に支払能力がないときに,防衛行為たる加害行為をなした者が損害賠償責任を負う。

[42−52] 甲は,乙にだまされて,その所有地を乙に譲渡し,乙は,これをさらに善意の丙に譲渡した。その後,甲は,乙との間の譲渡の意思表示を取り消して,その土地を丁に譲渡した。乙丙丁は,いずれも,登記も引渡しも受けていない。この場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 甲は,乙に対して,自分が所有者であることを主張することができる。

(2) 乙は,丙に対して,自分が所有者であることを主張することができない。

(3) 丙は,丁に対して,自分が所有者であることを主張することができる。

(4) 丁は,甲に対して,自分が所有者であることを主張することができる。

(5) 丁は,乙に対して,自分が所有者であることを主張することができる。

[42−56] Aには妻B,弟Cがあり,AB間には子D,Eがあった。Eはすでに死亡しており,Eにはその妻Fとの問に子G・Hがあった。Aが死亡した場合の相続分で次のうち正しいものはどれか。

(1) 相続人は,B・D・G・Hで,Bが1/3,Dが1/3,G・Hがそれぞれ1/6の割合で相続する。

(2) 相続人はB・D・G・Hで,Bが1/3,D・G・Hがそれぞれ2/9の割合で相続する。

(3) 相続人はB・D・F・G・Hで,B・Dがそれぞれ1/3,F・G・Hがそれぞれ1/9の割合で相続する。

(4) 相続人は,B・C・D・F・G・Hで,Bが1/3,C・Dがそれぞれ1/6,F・G・Hが,それぞれ1/9の割合で相続する。

(5) 相続人は,B・C・D・F・G・Hで,Bが1/3,Dが2/9,C・F・G・Hがそれぞれ1/9の割合で相続する。

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