[45−02] 甲は肥料商乙との間に,引渡の期限を定めずに,硫安10袋の買入方を申し込んだ。乙は承諾し,甲の引渡の請求をまたずに乙の使用人丙に命じて,硫安10袋をトラックに積んで甲方へ届けさせたが,途中丙の過失によって,そのうち8袋が雨に濡れて使いものにならなくなってしまった。丙は甲方において10袋の給付をしようとしたが,甲は2袋を受けとったのみで,水浸しになった残り8袋については受領を拒絶した。正しいのは,次のどれか。

(1) 甲は乙に対して,硫安8袋分について代金減額請求をすることができる。

(2) 甲は乙に対して,硫安8袋分について不履行による損害の賠償を請求することができる。

(3) 甲は丙に対して,硫安8袋分について毀損による損害の賠償を請求することができる。

(4) 甲は乙に対して,硫安10袋全部の契約を解除し,代金支払を免れることができる。

(5) 甲は乙に対して,あらためて完全な硫安8袋の引渡を請求することができる。

[45−06] 次のうち,誤っているものはどれか。

(1) 16歳の子が自己所有の不動産を第三者に譲渡した場合に,その子の親権者が異議をとどめないで代金を受領したときには,売買契約を追認したものとみなされる。

(2) 16歳の子が自己所有の不動産を第三者に贈与する遺言をした場合,1年後にその子の親権者が故意にその遺言書を破棄したときは,遺言を取り消したものとみなされる。

(3) 16歳の子が自己所有の不動産を第三者に譲渡した場合において,その子の親権者が異議をとどめないで代金債権を第三者に譲渡したときは,売買契約を追認したものとみなされる。

(4) 16歳の子が自己所有の不動産を第三者に贈与する旨の遺言書を作成し,1年後に自ら故意にその遺言書を破棄したときは,遺言を取り消したものとみなされる。

(5) 16歳の子が自己所有の不動産を第三者に贈与した場合に,20歳になってから,異議をとどめずにその不動産の所有権移転登記に協力したときは,贈与契約を追認したものとみなされる。

[45−08] 被相続人に,妻甲,嫡出子乙,非嫡出子丙という三人の相続人がいる。このうち乙が相続を放棄した場合,甲丙各々の相続分につき正しいものは,次のうちどれか。

(1) 甲の相続分は,三分の二,丙の相続分は三分の一である。

(2) 甲の相続分は,三分の一,丙の相続分は九分の二,乙の相続すべきであった九分の四は,乙の子が相続する。

(3) 甲の相続分は,三分の一,丙の相続分は九分の二,乙の相続すべきであった九分の四は,放棄前の相続分の割合により,甲に五分の三,丙に五分の二が各々帰属する。

(4) 甲の相続分は,三分の一,丙の相続分は三分の二である。

(5) 甲の相続分は,三分の一,丙の相続分は九分の二,乙の相続すべきであった九分の四は,乙の直系尊属が相続する。

[45−11] 民法上の法人に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 慈善事業を目的とする社団法人がその目的達成の資金を得るために,衣料品の展示即売会を行なう場合には公益社団法人とはいえない。

(2) 社団法人設立行為を甲,乙,丙,丁でなしたが,そのうちの1人甲が未成年者であり,その法定代理人の同意を得ないで設立行為に加わったとき,その法定代理人が未成年であることを理由に甲の行為を取り消せば法人設立行為は無効となる。

(3) ある法人の理事全員が共同してのみ行為ができると定款に定めてある場合に,そのうちの理事1人が他の理事の同意を得ずに文房具会社より必要な事務用品を購入したとき,相手方文房具会社が善意である場合にも,法人はその買入れ行為を取り消すことができる。

(4) ある法人の理事である者が自己の他に経営する事業のため,1週のうち,月,火,水はその法人に出社し事務をとり,木,金,土の残り3日間は自分の経営する事業の方の仕事をすることにし,その間,自分の息子にその理事権限を代行させ法人業務を担当させることにした場合,かかる行為は定款にそれを禁止する旨の記載があると否とを問わず無効である。

(5) 甲法人の理事の5分の3の多数による決議をもって甲法人と同種の事業を行なう他のライバル法人乙を非難するビラを多数人に配り,乙法人の名誉および信用を毀損した。この場合,甲法人と甲法人の理事全員は乙法人に対し連帯して損害賠償責任を負う。

[45−12] 乙は,甲から甲所有の不動産を移転登記および代金支払の時期について期限を定めずに買い受け,乙の代金支払債務について丙丁が連帯保証をした。甲が丙に対して代金支払の請求をしてきた。次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 丙はまず乙に請求せよと主張しうる。

(2) 丙は移転登記と引き換えでなければ支払わない旨主張しうる。

(3) 丙は甲が移転登記をしない場合,甲に期間を定めて催告し,移転登記がなされないときは契約を解除することができる。

(4) 丙は丁の甲に対する債権をもって,対当額で相殺し,代金の支払を免れ得る。

(5) 丙は甲に代金を支払い,乙に対する求償について,不動産先取特権をもって登記なくして乙の一般債権者に対抗しうる。

[45−15] 甲は乙に対して債権を有し,丙はその保証人である。甲は丁に債権を譲渡したが,その通知を主債務者乙に対してせずに保証人の丙になした。次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 甲の請求に対して,乙は履行を拒絶することができない。

(2) 甲の請求に対して,丙は履行を拒絶することができない。

(3) 丁の請求に対して,乙は履行を拒絶することができない。

(4) 丁の請求に対して,丙は履行を拒絶することができない。

(5) 甲または丁の請求に対して,乙は丙の甲に対する債権をもって相殺を主張することができる。

[45−17] 仕事の完成を目的とする請負契約において,完成した目的物に瑕疵のある場合,請負人の担保責任について,次のうち正しいものはどれか。

(1) 目的物に修理が可能な瑕疵があっても注文者は瑕疵の修補に代えて,直ちに損害賠償を請求できる。

(2) 目的物を第三者に譲渡した後は,注文者は瑕疵の修補も損害賠償も請求できない。

(3) 注文者の与えた指示によって瑕疵が生じた場合は,いかなる理由があっても,注文者は請負人に損害の賠償を請求できない。

(4) 目的物に契約をなした目的を達することができない重大な瑕疵があるときは,注文者は契約の解除をなし得るか瑕疵の修補または損害の賠償は請求できない。

(5) 目的物が建物その他土地の工作物であるとき,重大な瑕疵があって契約をなした目的を達することができない程度であれば,注文者は契約を解除し得る。

[45−18] 甲は乙から乙所有と称する土地,建物を1000万円で買う売買契約をし,解約手手付金兼内入金として300万円を支払い,残金については所有権移転登記と引き換えに登記所で支払うことにした。しかし甲が約定日に700万円を持って登記所に行ったが,乙はあらわれなかった。甲は不審に思い調査したところ,建物は乙所有であったが,土地は丙所有のものと判明した。丙は土地を手放す意思が全くなく,また甲も建物のみでは購入する意思はない。この場合,次のうち正しいものはどれか。

(1) 甲は土地に相当する代価の減額請求はできるが,解除はできない。

(2) 甲は契約を解除して300万円を乙に請求することができる。

(3) 甲は契約を解除して600万円を乙に請求することができる。

(4) 乙は300万円を甲に返還して契約を解除することができる。

(5) 乙は600万円を甲に渡して契約を解除することができる。

[45−23] 地役権に関する次の記述のうち,誤っているのはどれか。

(1) 要役地の上に地上権を取得した場合は,特別の定めがなければ地上権者は地役権を行使しうる。

(2) 要役地に抵当権が設定された場合,別段の定めがなければ抵当権の効力は地役権にも及ぶ。

(3) 土地の共有者の1人が時効で地役権を取得したときは他の共有者も地役権を取得する。

(4) 要役地の共有者の1人が地役権を行使しない場合でも,その者についてだけ時効によって地役権が消滅することはない。

(5) 地役権者が,権利の一部を行使しなくても,その部分が時効によって消滅することはない。

[45−25] 受任者の権利義務と他人のため委任を受けずに事務の管理を始めた者(以下「管理者」という)の権利義務の相違に関する次の記述のうち,正しいのはどれか。

(1) 受任者は委任者の請求にもとづいてその事務処理の状況を報告する義務があるが,管理者は遅滞なく本人に通知すれば足り,本人の請求があっても事務処理の状況を報告する義務を負わない。

(2) 受任者は常に委任事務の処理に対する報酬を委任者に請求することができるが,管理者は事務管理に対する報酬を請求することはできない。

(3) 受任者は委任事務の処理に関し費用を要するときは,委任者に対して前払を請求できるが,管理者は事務の管理により生じた費用でも前払を請求することはできない。

(4) 受任者は委任事務の処理に関し必要な債務を負担したときは,委任者に自己に代わって弁済させ,または担保を供させることができるが,管理者は本人のために有益な債務を負った場合でも,本人に弁済させ担保を供させることはできない。

(5) 受任者は委任契約の存する限り委任事務処理の義務を有するが,管理者はいつでも事務管理を中止することができる。

[45−27] 契約の解除に関する次の記述のうち,誤りはどれか。,

(1) 買主が売主に解約手附を交付したときは,当事者が契約の履行に着手するまでは,売主は手附金の倍額を返還して解除できる。

(2) 不動産の売主は,売買契約と同時にした買戻の特約によって,買主が払った代金および契約の費用を返還してその売買契約を解除することができる。

(3) 全部他人のものの売主は,その権利が自己に属しないことを知らない場合にその権利を取得して買主に移転することができないときは,損害を賠償して契約を解除することができる。

(4) 請負契約において請負人が未だ仕事を完成しない間は,請負人は損害を賠償して契約を解除することができる。

(5) 請負契約において請負人が仕事を完成しない間は,注文者は損害を賠償して契約を解除することができる。

[45−37] 次のうち誤りはどれか。

(1) 使用貸借で返還の時期および使用の目的が定められてないときは,貸主は何時でもその返還を請求できる。

(2) 使用貸借で返還時期の定めがあっても,契約に定めた使用の目的に相当な期間を経過した後には,貸主はその物の返還を請求できる。

(3) 消費費貸借の借主かその担保を毀滅すれば,貸主は直ちに弁済を請求できる。

(4) 消費貸借につき期限の定めのないときは,貸主は直ちに返済を請求できる。

(5) 寄託者は,期間の定めがあるときでも,いつでも寄託物の返還を請求できる。

[45−39] 甲は土地と建物(土地建物ともに登記済)とを所有していたが,乙に対する債務の担保のため建物に抵当権を設定した。その後乙がその建物の競落人となった(抵当権についても登記済)。次のうち,正しくないものはどれか。

(1) 抵当権設定後,甲は丙に土地を譲渡した。乙は地上権をもって丙に対抗できる。

(2) 抵当権設定後,甲は丙に建物を譲渡した。丙は地上権を取得しない。

(3) 抵当権設定前,甲は丙に20年の期間で建物を賃貸した。丙は建物の引渡を受けていれば,乙に対抗できる。

(4) 抵当権設定後,丙は3年の期間で建物を賃借した。抵当権実行前に建物の引渡を受けていれば,乙に対抗できる。

(5) 乙が丙に建物を譲渡した場合,丙が建物所有権の移転登記を受けていても,地上権取得の登記がなければ,法定地上権を甲に対抗できない。

[45−40] 甲所有の土地を,乙は100万円で購入する契約を締結し,解約手附20万円を甲に交付した。乙はその土地を200万円で丙に転売する契約をした。一方,丙は甲とその土地を150万円で直接購入する契約をした。乙も丙も移転登記をうけていないとして,次のうち正しいものはどれか。

(1) 甲は,乙が丙に転売したのであるから,40万円を支払っても乙との契約を解除することはできない。

(2) 甲は,丙に売却したのであるから,40万円を支払って乙との契約を解除できない。

(3) 乙は,甲に対して損害賠償を請求できる。

(4) 乙は,甲丙間の契約を詐害行為として,その取消を請求することができる。

(5) 乙は,甲に対する債権者であるから,甲の丙に対する代金債権を代位行使することができる。

[45−42] 甲は内縁の妻乙と認知された子丙とがある。甲はある電鉄会社の踏切事故で死亡した。電鉄会社に過失があることについては争いがない。次のうち誤りはどれか。

(1) 乙は甲の収入によって生活していたとしても損害賠償の請求はできない。

(2) 乙は慰謝料の請求はできる。

(3) 丙は甲が死亡しなければ得たであろう財産的損害を請求できる。

(4) 丙は少なくとも中学校を卒業するまでの扶養を受けるべき利益の損害賠償を請求できる。

(5) 丙は慰謝料の請求はできる。

[45−48] 時効に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 所有権の取得時効の要件たる占有は自己占有に限り,代理占有を含まない。

(2) 主たる債務者甲が時効の利益を放棄した場合,甲の連帯保証人乙はその時効を援用することはできない。

(3) 甲が時効により乙の建物を取得したとき,時効完成前の丙による不法な建物の損壊に対しては,乙が損害賠償請求権を有する。

(4) 甲が乙の土地を所有の意思をもって平穏・公然に占有を継続しているときに,丙によって占有が奪われた場合,直ちに占有回収の訴によって1年以内に占有を回復したときでも,これによって時効は中断し,占有回復後新たに時効が進行する。

(5) 甲が乙の上地を乙のものと知りながら,所有の意思をもって平穏・公然に7年間占有したのち,善意・無過失の丙に譲渡した場合,その後丙が3年間引き続き占有したとしても丙はその土地を時効取得しない。

[45−52] 父甲,甲乙の間に未成年の子丙がある。丙所有の土地の処分に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 丙がその土地を丁に売却するに際し,甲は乙の意に反して甲乙名義の同意書を作成して,これを善意の丁に交付した。丙は,この売買契約を取り消すことができる。

(2) 丙がその土地を丁に売却するに際し,丙は,甲乙の意に反して甲乙名義の同意書を偽造して,これを善意の丁に交付した。丙は,この売買契約を取り消すことができる。

(3) 丙がその土地を丁に売却するに際し,甲乙ともにこれに同意していたが,甲は,乙の知らない間に甲乙名義の同意書を作成してこれを丁に交付した。丙はこの売買契約を取り消すことができる。

(4) 甲乙が丁から金銭を借り入れるに際し,その債務を担保するため,甲乙は丙を代理してその土地に抵当権を設定した。丙は,抵当権設定登記の抹消を請求することができる。

(5) 甲乙が丙を代理して丁から金銭を借り入れるに際し,その債務を担保するため,甲乙は丙を代理して,その土地に抵当権を設定した。丙は,抵当権設定登記の抹消を請求することができる。

[45−55] 次の記述のうち,誤りはどれか。

(1) 甲は乙より絵画を譲り受けた。この絵画は,乙が丙をだまして安く買い入れたものであった。甲がそれに関して,善意無過失で,かつ平穏・公然に引渡を受けたときは,甲に対し丙はその絵画の引渡を請求することはできない。

(2) 甲は乙より地上権の譲渡を受けた。それより以前に,この地上権は,乙と土地所有者丙との合意により既に消滅していたものであるが,甲が善意無過失で,しかもすでに移転登記を終えていた場合,丙は甲に対して地上権抹消登記の請求はできない。

(3) 甲は乙より,乙の丙に対する債権を譲り受けた。丙は甲に対して異議なき承諾をした。乙がさらに甲以外の者へ債権を譲渡していたとしても,丙は常に甲に対して弁済を拒絶することはできない。

(4) 甲は乙の代理人丙と契約を締結した。甲は丙が乙より他の目的のため交付を受けていた白紙委任状により丙に代理権かあると信じ,かつそう信ずるにつき過失かなかった場合,乙は丙にその契約につき代理権がなかったことを理由に甲に対して契約上の義務を否認することはできない。

(5) 甲は債権証書を持参した乙に対し弁済した。その債権証書は乙が丙より盗んだものであったが甲が弁済するにつき,善意無過失であった場合,丙は甲に対してその債権の弁済を請求することはできない。

[45−58] 次のうち,供託について正しいものはどれか。

(1) 債権者が債務者に無断でその住所を変更した場合,債務者は常に供託することができる。

(2) 債権者が債務者の供託物の受領を拒絶した場合には,債務者はさらに現実の提供をする必要かある。

(3) 供託をした以上,その供託物につき,債権者は当然受領の権利を有するから,その供託に関する判決が確定するまでは供託物を取り戻すことはできない。

(4) 買主が代金を供託したときは,売主は目的物を現実に提供しなくとも,供託物を受けとることができる。

(5) 債務者に保証人がいる場合には,債務者かその供託物を取り戻すに際して保証人の同意を要する。

[45−59] 次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 甲電鉄会社が新しく路線を敷設したところ,その付近の乙所有の地価が著しく値上りした場合,甲は乙に不当利得の返還請求ができる。

(2) 女優甲の事実無根のスキャンダルを雑誌に載せた雑誌社乙はその記事によって著しく販売部数を増加させ利益を得た。甲はそれによる乙の営業利益の増加額につき,不当利得の返還請求ができる。

(3) 乙は甲の預金通帳と印鑑を盗み出して,銀行にこれを呈示して支払を求めたところ,銀行は過失なく預金を乙に支払った。甲は乙に不当利得の返還請求ができる。

(4) 甲は賭けマージャンに負けた友人乙の借金であることを知りながら,乙が金を持っていなかったので,それを立て替えてやった。甲はその立替金について乙に不当利得の返還請求ができる。

(5) 大工甲は乙所有の家屋の賃借人丙から,その家屋の修繕を頼まれた。甲は修理してその代金を丙に請求したころ,甲は「乙丙間に修理の費用の分担に関する特約がないので乙に請求してくれ」といわれた。甲は乙に不当利得の返還請求ができる。

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