[55−02] 次に掲げる相殺のうち,許されないものはどれか。

(1) 消滅時効の完成した債権を譲り受けこれを自働債権としてする相殺。

(2) 不法行為による損害賠償債権を自働債権とし,貸金債権を受働債権とする相殺。

(3) 第三者が債権者に代位して請求している債権を受働債権とし,その債権者に対する債権を自働債権とする相殺。

(4) 相殺適状を生じた後に時効消滅した債権を自働債権とする相殺。

(5) 弁済期到来後の債権を自働債権とし,弁済期到来前の債権を受働債権とする相殺。

[55−05] 離島にあるA小学校は,昭和54年10月25日,東京の教材会社B社に対し同年11月3日開催の文化祭で使用する理科用教材○○(不特定物)を購入したいので,遅くとも文化祭の前日には到着するように送ってほしい旨の手紙を出した。B社はこれを受け取ったが返信することなくただちに教材発送の準備を整え,同年10月30日,東京港出港の貨物船に積み込んだ。同船は同年11月1日に前記離島に到着する予定であったが,途中,不可抗力によ

って生じた事故により同年11月2日に同島に到着した。同日,教材がA校に届いたので,梱包をといたところ,教材は前記事故により損壊しており,とうてい使用できる状態ではなかった。この場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) B社の承諾があったとはいえないので,売買契約は成立していない。従って,A小学校は教材の代金を支払う義務を負わない。

(2) B社が東京港から発送した時点において,売買の目的物である教材は特定している。従って危険負担の債権者主義によりA小学校の代金債務は消滅しない。

(3) 売買の目的物である教材は,A小学校に到着したときに特定した。従って,教材は特定前に損壊したことになり,危険負担の債務者主義によりA小学校の代金債務は消滅した。

(4) かわりの教材を文化祭の前日までにA小学校に送付することは不可能なので教材引渡債務は消滅した。従って,危険負担の債務者主義により,A小学校の代金債務は消滅した。

(5) A小学校は催告なしに売買契約を解除することによって代金債務を免れることができる。

[55−08] 甲は乙に対し,l00万円を利息年2割,弁済期1年後の約定で遅延損害金については定めることなく,弁済期までの利息を天引きの上貸し渡した。この場合甲は乙に対し,満2年後に次のどの計算によって得られる額を請求することができるか。(単位は万円)

(1) 80+80×0.18×2

(2) 80+80×0.18+80×0.36

(3) 94.4+100×0.15

(4) 94.4+94.4×0.18

(5) 94.4+94.4×0.36

(参照条文)

 利息制限法第1条 金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は,その利息が左の利率により計算した金額をこえる時は,その超過部分につき無効とする。

元本が10万円未満の場合         年2割,

元本が10万円以上100万円未満の場合   年1割8分,

元本が100万円以上の場合        年1割5分。

(第二項,略)

利息制限法第2条 利息を天引した場合において,天引額が債務者の受領額を元本として前条第一項に規定する利率により計算した金額をこえるときは,その超過部分は,元本の支払に充てたものとみなす

[55−11] 甲と乙は昭和55年2月1日,商品の売買契約を締結し,甲は同年3月1日に商品を引渡し,乙は同年4月1日に代金を支払うことを約束した。この場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 甲が商品を引渡さないので,乙は3月15日甲に対して代金の支払の提供をしないで催告し,同月25日売買契約を解除する旨の意思表示をした。この意思表示は有効である。

(2) 甲も乙も自己の債務の履行の提供をしないまま4月15日になった。乙は同日甲に対して代金の支払の提供をしないで催告し,同月25日売買契約を解除する旨の意思表示をした。この意思表示は有効である。

(3) 甲は3月1日商品の引渡しの提供をしたが,乙はその受領を拒絶し代金を支払わないまま4月15日なった。甲は同日乙に対して改めて商品の引渡しの提供をしないで催告し,同月25日売買契約を解除する旨の意思表示をした。この意思表示は有効である。

(4) 甲は商品を乙に引渡したが,乙が代金を支払わないので,4月15日乙に対する代金債権と乙に対して負っている貸金債務とを相殺する旨の意思表示をした。この意思表示は有効である。

[55−14] 錯誤に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 公益法人の理事から代理権を与えられた被庸者が他人となした法律行為につき錯誤がある時は,法人は錯誤による法律行為の無効を主張する事ができる。

(2) 錯誤により他人の債務を弁済し善意の債権者から債権証書の引渡しを受けたものは,その証書の返還と引き替えでなければ弁済したものの返還を請求する事ができない。

(3) 無資力の債務者が錯誤によりその所有の不動産を他に売却した場合において債務者が錯誤のあった事を認めている時は,債権者は錯誤による法律行為の無効を主張して債務者の返還請求権を代位行使する事ができる。

(4) 他人の所有の動産を錯誤により自己の所有と思って第三者に売却した時は,この売買は無効である。

[55−17] 地上権,使用借権(使用貸借に基づく借主の権利)及び賃借権に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 抵当権の実行により土地が第三者に競落され,その登記がされた場合,使用借権は競落人に対抗することができないが,地上権及び賃借権は競落人に対抗することができる場合がある。

(2) 貸借人が賃料を支払わない場合には,賃貸人は相当の期間を定めて催告をしたうえでなければ賃貸借契約を解除することができないが,地上権者が,定期の地代を支払わない場合にも,土地の所有者は同様に催告をした上でなければ地上権を消滅させることができない。

(3) 使用借権者が死亡した場合にはその相続人は使用借権を承継しないが地上権者又は賃借権者が死亡した場合にはその相続人はこれらの権利を承継する。

(4) 使用借権者は貸主の承諾がない限り第三者に借用物を使用収益させることはできないが,地上権者は土地の所有者の承諾がなくても地上権を譲渡することができ,建物の所有を目的とする土地の賃借権者は貸主の承諾がなくても賃借権を第三者に譲渡することができる場合がある。

(5) 使用借権者は借用物の通常の必要費を負担しなければならないが賃借人はこれを負担する義務を負わない。

[55−20] 甲所有の土地及びその上の建物を目的として乙が3,000万円の債権を担保するため,第一順位の抵当権を有しその土地を目的として丙が2,000万円の債権を担保するため第二順位の抵当権を有している。この場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 乙が抵当権を取得した時に土地及び建物が共に甲の所有であった場合において,丙の抵当権の実行により土地が競売された時はその土地につき建物の所有を目的とする地上権を取得する。

(2) 丙が抵当権を取得した後に甲がその土地の上に新たに建物を築造したときは,丙は土地とともにその建物の競売をすることができる。

(3) 土地について乙の抵当権の実行により,乙がその債権の全額の配当を受け,丙が1,000万円の配当を受けたときは,丙は建物に対する乙の抵当権について乙に対し,その抵当権により残りの1,000万円全額の優先弁済を受けることができる。

(4) 丙は乙の債権が弁済によって消滅したときは乙に対してその土地についての乙の抵当権の登記の抹消請求をすることができる。

(5) 土地と建物が同時に競売され,その代価が土地につき4,000万円建物につき1,000万円であったときは,乙は土地の代価から2,400万円,建物の代価から600万円の配当を受けることになる。

[55−23] 遺産分割に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 被相続人に対する強制認知の判決が確定したときは,その確定前にその判決により認知されたものを除外してされた遺産分割は効力を失う。

(2) 共同相続人の1人が相続債務の全額を相続する旨の共同相続人間の協議が調った時でも,債権者は各相続人に対して債務の支払を請求することができる。

(3) 遺産分割をした後,新たに遺産が発見されたときは,その遺産分割は効力を失う。

(4) 相続の放棄又は承認をすることができる期間内は,相続人は遺産の分割をすることができない。

[55−26] A所有の不動産を買い受けたBがCの承諾を得てC名義で仮装の所有権移転の登記を受けた場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) Bからその不動産を買い受けたDは登記なくして所有権の取得をCに対抗することができる

(2) Cがその不動産の所有者であると過失なく信じてCからこれを買い受けたEは,登記なくして所有権の取得をBに対抗することができる。

(3) Bからその不動産を買い受けたDは,C名義の登記が仮装であることを知りながら,Cからこれを買い受けたEに対し,登記なくして所有権の取得を対抗することができる。

(4) Cがその不動産の所有者であると過失なく信じてCからこれを買い受けたEは,その後Bからこれを買い受けたDに対し,登記なくして所有権の取得を対抗することができる。

[55−29] 抵当権の効力に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 抵当不動産についての地上権を買い受けた第三者が抵当権者の請求に応じてその代価を弁済したときは,その第三者は抵当権者に代位する。

(2) 抵当不動産の所有権を買い受けた第三者が抵当権者の請求に応じてその代価を弁済したときは,その代価が抵当権の被担保債権の額に満たなくても,その債権は消滅する。

(3) 抵当建物について存続期間を3年とする賃貸借契約が締結され,賃借人にその引渡しがされたときは,抵当権者はいつでも裁判所にその契約の解除を請求することができる。

(4) 物上保証人から抵当不動産の死因贈与を受け,その旨の仮登記を受けた者は贈与者の死亡前であっても滌除することができる。

(5) 抵当建物について期間の定めがない賃貸借契約が締結され,貸借人にその引渡しがされたときは,貸借人は競落人に対し,賃借権をもって対抗することができる。

[55−32] 登記請求権に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 甲所有の不動産につき,これを買い受けた事実がないにもかかわらず,乙が文書を偽造して甲から乙への所有権移転の登記をした場合でも,乙が丙にその不動産を売り渡し,丙に所有権移転の登記をした後は,甲は乙及び丙に対し,それぞれの所有権移転の登記の抹消を請求することができない。

(2) 甲から不動産を買い受けた乙は,これを丙に売り渡した後は,甲に対して所有権移転の登記を請求することができない。

(3) 甲所有の未登記不動産を買い受けた乙はその不動産について無権利者丙がほしいままにした丙名義の所有権保存の登記の抹消を請求することができない。

(4) 甲から不動産を買い受けた乙が,これを丙に売り渡した場合において登記が依然として甲名義であるときは丙は乙に対し所有権移転の登記を請求することができない。

(5) 甲がその所有する不動産を乙に売り渡した後,同一不動産を丙に売り渡し,かつ所有権移転の登記をしたときは,乙は甲に対し,特段の事情のない限り所有権移転の登記を請求することができない。

[55−35] 乙は甲からその所有の店舗用家屋を貸借して飲食店営業してきたが甲から家屋を買い受けた丙との間で賃貸借契約を合意解除した。乙は丙に対し,この店舗に関して支出した費用その他の金銭の支払を求めたところ,丙は次のように主張してその支払を拒絶した。丙の主張のうち法律的理由のないものはどれか。

(1) 壁紙の張替費についてはその後の日時の経過で著しく汚損し,さらに張替をしなければならない現状なので支払義務はない。

(2) 屋根の雨漏り修理費については,支出した時から11年以上も経過しているので支払義務はない。

(3) 敷金については,差し入れがあったことを甲から聞いていないし,家屋の売買代金も敷金の差し入れがないものと思って全額を支払済であるので返還義務はない。

(4) 乙がした買取請求に基づき,支払を求める業務用の大型冷房機とその付帯設備の代金については,設置当時の貸主である丙の同意を得ないで設置したものであるからその支払義務はない。

(5) 立退き料については,解除の際に取り決めをしなかったからその支払義務はない。

[55−38] 質権に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 動産質権者が質物を遺失した場合において,質権設定者がこれを拾得した時は質権は消滅する。

(2) 動産質権者が質権設定者の承諾を得て第三者に質物を賃貸しているときは,質権により担保されている債権の消滅時効は進行しない。

(3) 動産質権者が質権設定者の承諾を得て質物を転質した場合において,地震により質物が滅失したときは,動産質権者は損害賠償責任を負わない。

(4) 譲渡禁止の特約のある債権についてされた質権設定契約は効力を有しない。

(5) 指名債権の質権者は転質をする権利を有しない。

[55−41] 甲が乙所有の不動産を取得するについて必要な事務を,報酬を受ける約束の下に甲から受任した丙は,その委任事務の処理のため,その不動産につき乙との間で買主を丙とする売買契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 売買代金の弁済期が到来したときは,丙は甲に対し,乙に売買代金を支払うよう請求することができる。

(2) 乙から丙に所有権移転の登記がきれたとき,甲は丙に対し,所有権移転の登記を請求することができる。

(3) 甲は登記を得るまでの間に丙がその不動産の借主から受領した賃料については,その引渡しを丙に請求することはできない。

(4) 丙は甲のために所有権移転の登記をされた後でなければ甲に対し報酬の支払いを請求することはできない。

[55−44] 消費貸借に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 元本の弁済期の延期は貸主の一方的意思表示によってすることができる。

(2) 金銭を目的とする消費貸借では約定がなくても常に弁済期に至るまで法定利率による利息金債務を生ずる。

(3) 目的物を借主に交付した後においては貸主が借主に対して負う義務はない。

(4) 金銭以外のものの消費貸借において交付した目的物が貸主の所有に属しないときは,消費貸借は無効である。

(5) 利息につき消費貸借の借主は弁済期到来前でも弁済することができるが,元本及び弁済期までの利息の支払義務を免れない。

[55−47] 隔地者間における契約の性質及び効力の発生に関し,@契約は,承諾の通知を発したときに成立するが,その効力は承諾の通知の到達のときに生ずるとする考え方と,A契的は承諾の通知を発したときに成立し,かつ効力を生ずるとする考え方とがあるとして次に掲げる事項のうちいずれの考え方によるかにより,結論を異にする可能性のあるものはどれか。

(1) 承諾の発信後,その到達別にする申込の撤回の効力の有無。

(2) 承諾の発信後,その到達前にする承諾の撤回の効力の有無。

(3) 承諾の発信後,その到達前に承諾者が死亡した場合における承諾の効力の消滅の有無。

(4) 承諾の発信後,その到達前に申込者が死亡した場合における申込の効力の消滅の有無。

[55−50] 甲運転の自動車と乙運転の自動車とが双方のスピードの出しすぎのため衝突しそのため,甲の車が歩道に乗りあげて歩行中のAを負傷させた。乙運転の自動車は丙株式会社の所有であり,乙は丙社の運転手である。この事案においてAの損害が賠償された場合の求償関係に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 甲がAに対して損害の賠償したときは,乙及び丙に対して,求償することができる。

(2) 乙がAに対して,損害の賠償をしたときは甲及び内に対して求償することができる。

(3) 丙がAに対し損害の賠償をしたときは甲のみに対して求償することができる。

(4) 甲がAに対して損害の賠償をしたときは乙のみに対して求償することができる。

(5) 丙がAに対して損害の賠償をしたときは乙のみに対して求償することができる。

[55−53] 次に掲げる請求のうち許されないものはどれか。

(1) 賭博による債務を担保するための抵当権設定の登記の抹消の請求。

(2) 取得時効の完成により不動産の所有権を失った者のこれを得た者に対するその価格相当額の利得返還の請求。

(3) 債務者以外の第三者が所有する動産について,質権がないのに質権の実行としてされた競売で善意無過失の競落人が競落した場合に競売代金の交付を受けた債権者に対してその第三者がするその金銭の返還の請求。

(4) 誘拐犯人から被誘拐者を解放する条件として金銭の支払いを請求された資産家が,やむをえず支払った金銭の支払いの請求。

(5) 抵当権がないのに抵当権の実行としてされた競売で,不動産を競落した者に対する所有者からの競落を原因とする所有権取得の登記の抹消の請求。

[55−56] 代理に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 代理人が本人の為に本人と称して法律行為をした為,相手方が代理人を本人と誤信した場合は,その法律行為の効果が本人に対して生ずることはない。

(2) 代理人がもっぱら自己の利益を図るためであるにもかかわらず,本人の為にすることを示して代理権を行使した場合に於て,相手方がそのことを知らなかった時でも,これにつき重大な過失があったときは本人に対してその効力を生じない。

(3) 法人の理事がその職務に属しない行為により相手方に損害を加えた場合に於て,相手方がその行為がその職務に属すると信じた時は,相手力はその法人に対して損害の賠償を請求することができる。

(4) 無権代理人と契約を締結した相手方は,代理権がないことを知っていたとしても契約を取り消すことができる。

(5) 無権代理人の相手方が過失なくしてその者に権限があるとしたときは表見代理が成立する。

[55−59] 合意に基づかないで発生する債務に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 養鶏業者の一家が交通事故により全員入院した為,隣人が自己の名に於てその業者の鶏の売却を報酬を与える約束の下に第三者に委託した場合,養鶏業者はその第三者に対して報酬を支払う義務を負う。

(2) 道路上に大金を遺失した者が拾得者から拾得後直ちにその返還を受けた時,遺失者はその拾得者に対して報労金を支払う義務を負う。

(3) 異なった慣習がない限り,甲地上の建物の所有者が隣地である乙地上の建物の所有者との協議が整わないまま,境界線上に高さ2mの板べいを設置した場合には,乙地上の建物の所有者は甲地上の所有者に対して,その設置費用の半額を支払う義務を負う。

(4) 甲地の所有者が隣地である乙地の境界の近くで建物を建築するに当り,乙地の所有者に請求して必要な範囲内で大工をして乙地に資材を置かした場合に於て,乙地の所有者が損害を受けた時は甲地の所有者は乙地の所有者に対して,その償金を支払う義務を負う。

(5) 他人の農地を悪意で占有している者が農作物の収取を怠り,これを腐敗させた時は,その占有者は真の権利者に対して,その農作物の代価を支払う義務を負う。

[55−62] 「債務者が任意に債務を履行しない時は,債権者はその強制履行を裁判所に請求することができる。強制履行の方法は債務の性質によって異なるが,[A]債務については[B]しか許されない。[C]をすることができる債務については[B]及び[D]は許されず,又[D]をすることができる債務については[B]は許されないと解するのが一般である」

 上の文中の[ ]にあてはまる(1)〜(5)の組合せとして最も適切なものは次のうちどれか。

(1) A 代替的作為  B 代替執行  C 間接強制  D 直接強制

(2) A 不代替的作為 B 直接強制  C 代替執行  D 間接強制

(3) A 不作為    B 直接強制  C 代替執行  D 間接強制

(4) A 不代替的作為 B 間接強制  C 直接強制  D 代替執行

(5) A 代替的作為  B 間接強制  C 代替執行  D直接強制

[55−65] 債務の免除等に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 甲に対して乙が100万円の債務を負い,丙及び丁がその債務について保証した場合において甲が丙の保証債務を免除したときは,甲は丁に対して100万円の支払を請求することができる。

(2) 甲に対して乙及び丙が100万円の連帯債務を負っている場合において(負担部分平等)甲が乙に対して債務の免除をしたときは,甲は丙に対して50万円の支払のみを請求することができる。

(3) 甲に対して乙が100万円の債務を負い,丙がその債務について連帯保証をした場合において甲が乙に対して債務の全額の免除をしたときは,甲は丙に対して保証債務の履行を請求することができない。

(4) 甲に対して乙及び丙が100万円の連帯債務を負っている場合において(負担部分平等)甲が乙に対して連帯の免除をしたときでも,甲は丙に対して100万円の支払を請求することができる。

[55−68] 消滅時効の中断に関する次の記述のうち,最高裁判所の判例の趣旨にそわないものはどれか。

(1) 債権者が債務者について破産宣告の申立をしたときは,その債権の消滅時効は中断する。

(2) 手形の呈示を伴なわない催告によっても,手形債権の消滅時効は中断する。

(3) 債権者が受益者を被告として詐害行為取消の訴を提起したときは,これによって保全されるその債権者の債権の消滅時効は中断する。

(4) 債務者兼抵当権設定者が債務の不存在を理由として提起した抵当権設定の登記の抹消請求訴訟に於て,抵当権者である債権者が被担保債権の存在を主張して請求棄却の判決を求めた時はその債権の消滅時効は中断する。

(5) 単一の債権の一部についてのみ判決を求める旨を明示して訴を提起した時は,その債権の消滅時効はその一部についてのみ中断する。

[55−71] 民法第255条は「共有者ノ1人ガソノ持分ヲ放棄シタルトキ又ハ相続人ナクシテ死亡シタルトキハ其持分ハ他ノ共有者ニ帰属ス」と規定しているが,この規定がないと仮定した場合の法律関係についての推論に関する次の記述のうち,現行法の他規定に照らし成り立ち得ないものはどれか。

(1) 動産の共有者の一人がその持分を放棄した時は,その持分はその動産を所有する意思を持って先占した者が取得する。

(2) 不動産の共有者の一人がその持分を放棄した時は,その持分は国庫に帰属する。

(3) 動産の共有者の一人が相続人なくして死亡した時は,その持分は特別縁故者の請求によりこれに分与することができる。

(4) 不動産の共有者の一人が相続人なくして死亡した時は,その持分は特別縁故者の請求によりこれに分与することができる。

(5) 動産および不動産の共有者の一人が相続人なくして死亡した場合においては,特別縁故者の分与の請求がないときはその持分は他の共有者に帰属する。

[55−74] 甲に対して乙が負担すべき900万円の債務について,丙が保証し丁が連帯保証し,戊がその所有する建物(時価1,000万円)の上に抵当権を設定した場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 甲は弁済期が到来すれば,直ちに丁に対して900万円の支払いを請求することができる。

(2) 甲は弁済期が到来すれば,直ちに戊の建物の上の抵当権を実行することができる。

(3) 甲が丙に対して支払いを請求することができるのは450万円である。

(4) 甲が故意に抵当権の目的である戊の建物を焼失させた時は,丁は甲に対する保証債務の全部を免れる。

(5) 甲が戊の建物の上の抵当権を実行して900万円の債権全額の満足を得た時は,戊は丙に対して300万円の支払いを請求することができる。

[55−77] 弁済供託に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 弁済の提供をしても債権者がこれを受領しないことが明らかである場合に,債務者が弁済の提供をしないでした弁済供託は有効である。

(2) 適法な弁済の提供をした日から1か月を経過した後に債務者がその提供をした金額のみについてした弁済供託は有効である。

(3) 債務者が適法な弁済の提供をしたにもかかわらず,債権者が受領を拒んだ時は,弁済につき正当な利益を有する第三者は弁済供託をすることができる。

(4) 弁済の提供を欠くために,弁済供託が無効であっても債権者が何の留保もしないで供託金の還付を受けた時は,その限度で有効な弁済があったことになる。

(5) 債務者が有効な弁済供託をしても,債権者が供託を受諾し,又は供託を有効とする判決が確定した後でなければ債権者の為に抵当権を設定した第三者は,その登記を抹消することはできない。

[55−80] 無能力者に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。

(1) 法定代理人の許可を得て営業をしていた未成年者がその許可の取り消し後にその営業に係わる法律行為をした時は,相手方が取り消しの事実を知らなかったとしても未成年者は法律行為を取り消す事ができる。

(2) 未成年者がその所有する建物を法定代理人の同意を得る事なく売り渡した場合に於て,法定代理人が未成年者を代理して所有権移転の登記をした時には,未成年者はもはや売買契約を取り消す事ができない。

(3) 夫が禁治産宣告を受けた時はその妻は満20年に達しない時でも当然に後見人になる。

(4) 隔地者甲・乙間に於て甲が乙の契約の申込みに対して承諾の通知を発した後,その到達前に乙が禁治産宣告を受けた時は,乙は契約の申込の意思表示を取り消す事ができる。

[55−83] 甲は乙所有の山林を自己所有の土地と誤信して植林し,数年間手入れをしてきた。この場合に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 乙は甲に対し樹木を伐採し土地から撤去することを求める事ができない。

(2) 甲が植栽時から明認方法をほどこしていれば甲はその樹木を自己の所有物として第三者に売り渡す事ができる。

(3) 甲が樹木の植栽後乙から樹木の所有を目的とする地上権の設定を受けた時は,樹木は植栽時に遡って甲の所有になる。

(4) 甲が樹木を植栽した当時,土地が自己所有の土地であると信ずるにつき過失がなかった場合に於て,植栽後10年間経過した時は甲は時効によって土地の所有権を取得するが樹木の所有権を当然には取得しない。

[55−86] 次にかかげる債権のうち債権者がその債権に基づき債務者の行為を詐害行為として取り消すことができないものはどれか。

(1) 債務者の行為後に他から譲り受けた債権。

(2) 弁済期未到来の債権。

(3) 債務者所有の不動産上の抵当権により担保されている債権。

(4) 十分な資力を有する第三者が連帯保証している債権。

(5) 差押えを受けている債権。

[55−89] 次に掲げる組み合わせのうちA欄に掲げる行為がB欄に掲げる契約の申込みの意思表示と解することができないものはどれか。

AB

(1) 空車の表示をして通りかかったタクシーの向こうーーー旅客運送契約。

  側にいる友人に向かって右手をあげた。

(2) タバコ屋の店先で買ったばかりのタバコ一本を口ーーーマッチの贈与契約にくわえ店員に対して「マッチ」といった。        又は売買契約。

(3) 甲が乙と一諸に映画を見る事を約束し支払う意思ーーー違約金支払契約。

がないのに「約束を破ったら10万円支払う」といった。

(4) 甲男が乙女を丙女と見誤り丙女に結婚の申し込みーーー乙女との婚約。

をするつもりで乙女に対して「私と結婚して下さい」

といった。

(5) 駅の売店で店員に対し新聞を買うつもりでだまっーーー新聞の売買契約。

て100円玉をさし出した。

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