[56−02] 組合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.組合員は,各自,その持分に応じて,自己の名で,組合財産に属する債権を行使することができる。

2.組合員は,組合財産をもって組合債務を弁済することができないときに限り,組合の債権者に対して弁済の責任を負う。

3.組合員は,組合の債権者に対して負う債務とこれに対して有する自己の債権とを相殺することができる。

4.組合を脱退した組合員は,その脱退後にその事実を知らずに組合に対して債権を取得した者に対しては,弁済の責任を負う。

5.新たに組合に加入した組合員は,その加入前に生じた組合の債務についても,個人財産をもって弁済する責任を負う。

[56−05] 甲は,軽井沢に所有する別荘を乙に売り渡す旨の契約を締結したところ,これと前後して別荘に火災が発生した。この場合に甲が乙に対して売買代金を請求することができるかどうかを判断するについて問題となる点を指摘した記述中の[ ]に当てはまる言葉の組合せとして,最も適当なものはどれか。

「別荘が売買契約締結前に落雷により全焼していた場合は,[(ア)]の問題であり,焼失部分が渡り廊下で接続する離れの1室のみであったときは,[(イ)]の問題である。全焼が売買契約締結後であり,それが落雷によるものであった場合は,危険負担の[(ウ)]の問題である。全焼が売買契約締結後の乙の過失によるものであった場合は,危険負担の[(エ)]の問題である。『甲が今年中に海外へ転勤を命じられたること』を売買契約の停止条件としていた場合において,転勤命令前に落雷により全焼したときは,危険負担の[(オ)]の問題である。」

   (ア)       (イ)    (ウ)   (エ)   (オ)

1.原始的不能    売主の担保責任 債権者主義 債権者主義 債務者主義

2.契約締結上の過失 売主の担保責任 債権者主義 債務者主義 債務者主義

3.原始的不能    売主の担保責任 債権者主義 債務者主義 債権者主義

4.契約締結上の過失 契約の一部無効 債務者主義 債権者主義 債権者主義

5.原始的不能    契約の一部無効 債権者主義 債務者主義 債権者主義

[56−08] 民法上の社団法人の定款の定めに関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.定款で,定款変更を許さない旨を定めても,その定めに拘束力はない。

2.定款で,理事会の決議で定款を変更することができると定めても,その定めに拘束力はない。

3.定款で,理事長のみが代表権を有すると定めても,善意の第三者に対抗することはできない。

4.定款で,社員総会の招集を請求するには,総社員の過半数をもってしなければならないと定めても,その定めに拘束力はない。

5.定款で,理事会の決議で解散することができると定めても,その定めに拘束力はない。

[56−11] 抵当権に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.根抵当権者は,極度額の範囲内において,確定した元本並びに満期となった最後の2年分の利息その他の定期金及び債務不履行によって生じた損害賠償の限度で優先弁済を受けることができる。

2.根抵当権者が根抵当権を譲渡した場合において,同時に現存する被担保債権の全部を根抵当権の譲受人に譲渡したとしても,その債権は,当然にその根抵当権によって担保されることにはならない。

3.第三者が債務者に代わって根抵当権者に対して現存する被担保債権の全部を弁済したときは,その第三者は根抵当権者に代位して根抵当権を取得する。

4.根抵当権者は,先順位の抵当権者からその順位の譲渡を受けることができない。

5.根抵当権者は,その根抵当権をもって他の債権の担保とすることができない。

[56−14] 甲に対する乙の債務につき,丙が保証人となり,丁がその所有する不動産の上に抵当権を設定した場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.丙は,任意に弁済する場合には,弁済と同時に甲の承諾を得なければ乙に代位しないが,甲の強制執行の結果として弁済する場合には,甲の承諾がなくても甲に代位する。

2.丙は,弁済により甲に代位したことを乙又は丁に対抗するためには,指名債権譲渡の場合と同様の対抗要件を備えることを要する。

3.丙は丁から不動産を戊に譲り渡して,その登記した後に,甲に対して弁済した場合には附記登記しなくても,戊に対する関係で甲に代位する。

4.丁は,乙の意思に反して弁済した場合には,甲に代位しない。

5.丁から不動産を譲り受けた戊は,弁済により乙に対する関係で,甲に代位する場合には,丙に対する関係でも甲に代位する。

[56−17] 意思表示の解釈に関する次の記述のうち,最も相当でないものはどれか。

1.不動産の売買契約が成立し,買主のために所有権移転の登記がされた後,同一の当事者間で同一の不動産につき売買代金額を増額したほかは前と同一の条件で売買契約を締結する旨の合意が成立したときは,後の合意は,前の売買契約を確認し,その約定を一部訂正したものと解すべきである。

2.期間の定めのある建物の賃貸借における賃貸人が貸借人に対して賃料の不払を理由として催告の上賃貸借を解除する旨の意思表示をした場合において,賃料の不払の事実が認められなかったときは,更新拒絶の意思表示をしたものと解すべきである。

3.買主が売主に対して目的物に瑕疵あることを具体的に指摘した上,代金額の半額で清算させてもらう旨を記載した書面を送付したときは,その瑕疵による損害賠償請求権を自働債権とし,売買代金債権を受働債権とする相殺の意思表示をしたものと解すべきである。

4.建物の賃貸人が解約申入による賃貸借の終了を理由とする建物明渡請求訴訟を継続維持しているときは,解約申入の意思表示が黙示的かつ継続的にきれているものと解すべきである。

[56−20] 次に掲げる組合せのうち,A欄に掲げる者の意思に反してされたB欄に掲げる行為が効力を有しないものはどれか。

AB

1.占有代理人  指図による占有の移転

2.債務者    抵当権の順位の変更

3.債務者    保証

4.債務者    免責的債務引受

5.受遺者    遺贈

[56−23] 甲が乙に対して有する貸金債権を丙に譲渡した場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.甲から確定日付のある譲渡の通知を受けていないのに乙が丙に対して弁済をした後に,甲の債権者丁が甲の貸金債権を差し押さえたときは,丁の取立てに応じて債務の支払をしなければならない。

2.この債務について戊が保証をした場合において,甲が債権譲渡の通知を乙に対してはしたが,戊に対してはしていないときは,丙は,戊に対して保証債務の履行を請求することができない。

3.甲乙間で譲渡禁止の特約がされていた場合において,丙が債権の譲受当時にはそのことを知らなかったが,乙に対して債権譲渡の通知がきれるまでの間にそのことを知ったときは,乙は丙に対して債権譲渡の無効を主張することができる。

4.乙が債権譲渡の通知を受ける前から,甲に対して雇傭による報酬債権を有していたときは,乙は,その通知があった後であっても,丙に対してこの債権を自働債権とする相殺の意思表示をすることにより,債務を免れることができる。

[56−26] 甲所有の建物に居住している乙が甲に対して債権を有し,甲の建物明渡の請求に対し,留置権を行使することができる場合と,同時履行の抗弁権を行使することができる場合の異同に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.乙は,いったん甲が提供した弁済の受領を拒んだときは,その後に甲が提起した建物明渡請求の訴訟において,いずれの権利を行使することもできない。

2.乙は,甲に対し,同時履行の抗弁権を有していても,居住によって得た利益を不当利得として返還する義務を負うが,留置権を有するときは,その義務を負わない。

3.乙の債権の消滅時効は,乙が留置権を行使している間でも進行するが,乙が同時履行の抗弁権を行使している間は進行しない。

4.乙は,その債権を第三者に譲渡した後でも,甲に対して同時履行の抗弁権を行使することができるが,留置権は行使することができない。

[56−29] 債権の消滅時効の進行に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.法定代理人を有しない未成年者が有する債権の消滅時効は,その未成年者が成年に達した時から進行する。

2.準禁治産者が弁済期の到来した債権の弁済を請求する訴えを提起するにつき保佐人の同意を得られなくても,その債権の消滅時効は進行する。

3.不確定期限の定めのある消費貸借契約に基づく返還請求権の消滅時効は,貸主が期限の到来を知った時から進行する。

4.非債弁済による不当利得返還請求の消滅時効は,弁済者が債務の不存在を覚知した時から進行する。

5.不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は,被害者又はその法定代理人が加害者又は損害を知った時から進行する。

[56−32] 甲は,昭和56年2月1日,その所有の動産を乙に売り渡し,かつ,その引渡をした。乙は,同年4月1日,その動産を丙に売り渡し,かつ,その引渡をした。以上の事実のほか,次の(A欄)に掲げる事実があった場合に,甲が丙に対してその動産の引渡を請求することができるかどうかが(B欄)に掲げる事項によって決せられるのはどれか。

1.(A) 甲は,何年3月1日,乙に対し,甲の無能力を理由として乙に対する売買の意思表示を取り消す旨の意思表示をした。

  (B)丙が乙丙間の売買契約当時(A)の事実を知っていたかどうか。

2.(A)Cは,同年5月1日,甲に対し,甲の詐欺を理由として甲に対する売買の意思表示を取り消す旨の意思表示をした。

  (B)乙及び丙がそれぞれ乙丙間の売買契約当時甲の詐欺の事実を知っていたかどうか。

3.(A)甲は,何年5月1日,乙に対し,乙の債務不履行を理由として甲乙間の売買契約を解除する旨の意思表示をした。

  (B)丙が乙丙間の売買契約当時この債務不履行の事実を知っていたかどうか。

4(A)乙は,同年5月1日,甲に対し,その動産に隠れた瑕疵があったことを理由として甲乙間の売買契約を解除する旨の意思表示をした。

  (B)乙及び丙がそれぞれ乙丙間の売買契約当時その瑕疵の存在を知っていたかどうか。

[56−35] 不動産に関する次の物権変動のうち,登記が第三者に対する対抗要件ではないものはどれか。

1.不動産保存の先取特権の取得

2.法定地上権の取得

3.未登記不動産の売買による所有権の移転

4.共有者の一人の持分の放棄による他の共有者の持分の変更

5.被担保債権の弁済による抵当権の消滅

[56−38] 意思能力のある未成年者甲がした行為の効力に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.甲が相続した賃金債権の弁済を受領することにつき,法定代理人の同意がないときは,甲は,無能力を理由として,これを取り消すことができる。

2.甲が口頭でした贈与をする旨の契約を書面によらないものであることを理由として取り消す場合は法定代理人の同意を要するが,無能力を理由として取り消す場合はその同意を要しない。

3.甲が自己の婚礼の準備と偽って家具類を購入し,これを直ちに転売し,売却代金を費消した場合でも,甲は,無能力を理由として,その購入した行為を取り消すことができる。

4.甲が法定代理人から毎月送金される学費及び生活費の残りを貯蓄したものをもって預金の支払に充てて,自動車の割賦購入契約を締結する場合でも,法定代理人の同意を要する。

5.甲は,小売商の営業の許可を受けていたが,営業に堪えない事跡があるため法定代理人がその許可を取り消した場合でも,その営業に関して既にしていた商品仕入れの申込は,無能力を理由として取り消すことはできない。

[56−41] 「法律の規律を受ける生活関係を法律関係というが,そこでは一定の[A]が存在すると権利の発生,消滅等の[B]が生ずる。私法的自治の原則の行なわれる現行法において最も重要な[A]である[C]は,意思表示という[D]」を要素としている。」

上の文章中の[ ]に当てはまる語の組合せとして正しいものは,次のうちどれか。

   A     B     C     D

1.法律事実  法律効果  法律行為  法律要件

2.法律事実  法律要件  法律行為  法律効果

3.法律要件  法律効果  法律行為  法律事実

4.法律要件  法律事実  法律効果  法律行為

5.法律行為  法律効果  法律事実  法律要件

[56−44] 甲は,金銭借用証用紙を丙に差し出し,「自分が乙から100万円を借用するについて保証をお願いしたい。」と申し入れた。丙は,これに応じて,その保証人欄に自署し実印を押して,これを甲に渡した。ところが,甲は,この用紙の借上欄に,勝手に弟丁の氏名を記入し,丁の印鑑を盗用し,元金欄に200万円と記入して,借用証として完成させた上で,丙,丁の使いと称して,これを乙に差し出した。乙は丙,丁には資産もあり,甲が丁の兄であることも知っていたので,安心して,200万円を甲に渡した。この事案に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.乙は,丁に対して200万円の返還を請求することができる。

  丙は,同額の保証債務を負う。

2.乙は,丁対して200万円の返還を請求することができる。

  丙は,100万円の限度で保証債務を負う。

3.乙は,丁に対して200万円の返還を請求することができる。

  丙は,なんら保証債務を負わない。

4.乙は,甲に対して200万円の返還を請求することができる。

  丙は,100万円の限度で保証債務を負う。

5.乙は,甲に対して200万円の返還を請求することができる。

  丙は,なんら保証債務を負わない。

[56−47] Aはある動産を友人から借りて占有中,昭和35年3月31日に死亡した。Aの相続人Bは,その動産が相続財産に属しないことを知らずに,同年9月30日にこれをCに売却して引き渡したが,Cはその当時以上の事実を知っていた。Cは昭和54年9月30日にこれをDに売却したが,Dの依頼によりそのまま占有を継続し,現在に至った。この動産の時効取得に関する次の記述のうち,成り立つ可能性のないものはどれか。

1.昭和45年4月1日にCが時効取得した。

2.昭和55年4月1日にDが時効取得した。

3.昭和55年10月1日にCが時効取得した。

4.昭和55年10月1日にDが時効取得した。

[56−50] 不動産甲の所有者が死亡し,A及びBが共同相続した場合に関する次の記述のうち,最高裁判所の判例の趣旨によれば,誤っているものはどれか。

1.甲について共同相続の登記がされた後に,甲をAが単独で取得する旨の遺産分割の協議が成立したが,その登記をする前に,Bが甲について持分をCに譲渡し,その旨の登記をしたときは,Aは,Cに対して法定相続分を超える持分の取得を対抗することはできない。

2.Bの債権者Dの代位による共同相続の登記及びBの甲についての持分に対するDの仮差押の登記がされた後に,Bが相続の放棄をしたとしても,AはDに対して甲についての所有権の全部の取得を対抗することはできない。

3.Bがほしいままに甲について単独相続の登記をした後に,Cに対して甲を譲渡し,所有権移転の登記をした場合でも,Aは,Cに対して甲についての持分の取得を対抗することができる。

4.被相続人から甲の遺贈を受けたEが所有権移転の登記を得ない間に,Bが共同相続の登記をした上,甲について持分をCに譲渡し,所有権移転の登記をした場合には,Cは,Eに対して甲についての持分の取得を対抗することができる。

[56−53] 債権者甲所有の不動産上に,抵当権を有する乙がその債権者丙のために転抵当権を設定する旨の契約を結んだ場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.丙の乙に対する債権の額が,乙の甲に対する債権の額を超えるときは,丙は,転抵当権を取得しない。

2.丙の乙に対する債権の弁済期が,乙の甲に対する債権の弁済期より後に到来するときは,転抵当権を取得しない。

3.甲が丙に対して確定日付のある証書をもって転抵当権の設定を承諾したときは,丙は,転抵当権をもって第三者に対抗することができる。

4.乙が甲に対して転抵当権の設立を通知したときは,丙は,転抵当権設定の登記をしなくても,転抵当権をもって甲に対抗することができる。

5.丙は,転抵当権設定の登記をしたときは,転抵当権をもって甲に対抗することができる。

[56−56] 甲は,その所有の土地を乙に賃貸し,乙は,その土地の上に建物を所有している。ところで,次の記述は,

(1) 乙が賃借権の登記又は建物の登記をしている場合と,

(2) 乙が賃借権の登記も建物の登記もしていない場合

において,甲が丙に対してその土地の所有権を譲渡し,その旨の登記をしたときに,甲乙間の賃貸借関係が丙に承継され,以後乙丙間の賃貸借関係となるために,

(A) 賃貸人の地位を甲から丙に移転する旨の甲丙間の合意と,

(B) (A)に関する乙の承諾

が必要であるかどうかに関するものであるが,これらのうち,判例の立場に合致するものはどれか。

1.(1)の場合も,(2)の場合も,(A)及び(B)が必要である。

2.(1)の場合も,(2)の場合も,(A)は必要であるが,特段の事情がない限り,(B)は必要でない。

3.(1)の場合は,(A)は必要であるが,特段の事情がない限り,(B)は必要でない。(2)の場合は,(A)及び(B)が必要である。

4.(1)の場合は,(A)も,(B)も必要でない。(2)の場合は,(A)は必要であるが,特段の事情がない限り,(B)は必要でない。

5.(1)の場合は,(A)も,(B)も必要でない。(2)の場合は,(A)及び(B)が必要である。

[56−59] 売買契約で解約手附が授受された場合において,次に掲げるどの段階に達したときに買主が「契約ノ履行ニ著手」したと解することができるか。契約締結日は4月1日,履行期は5月1日とする。

1.買主が4月1日に銀行に代金の支払に充てるための資金の融資を申し込んだとき。

2.買主が4月15日に銀行から1の融資に応ずる旨の通知を受け取ったとき。

3.買主が4月18日に銀行から融資の実行として現金の交付を受けたとき。

4.買主が4月30日に3の現金を売主に提出したとき。

5.買主が5月1日に3の現金を売主に提出したとき。

[56−62] 契約の当事者が破産の宣告を受けた場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.消費貸借契約において,借主が破産の宣告を受けたときは,貸主は,直ちに返還を請求することができる。

2.賃貸借契約において,賃借人が破産の宣告を受けたときは,期間の定めがあっても,その定めのない賃貸借となる。

3.雇傭契約において,使用者が破産の宣告を受けたときは,期間の定めがあっても,雇傭契約は,当然に終了する。

4.請負契約において,請負人が破産の宣告を受けたときは,注文者又は破産管財人は,請負契約を解除できる。

5.委任契約において,当事者の一方が破産の宣告を受けたときは,他方の当事者は,損害を賠償することなく,委任契約を解除できる。

[56−65] 建物の賃借人が支出した費用に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。

1.賃借人は,有益費を支出したときは未払の賃料のうち対当額の支払を拒絶することができる。

2.賃借人は,建物の効用を増すために自己の費用で造作を建物に附加したとしても,その費用又は増加利益の償還を請求することはできない。

3.賃借人は,必要費又は有益費の償還を受けるには,建物を賃貸人に返還した時から1年内に請求しなければならない。

4.賃借人は,賃料の不払により賃貸借契約が解除された場合でも,費用償還請求権を有するときは,建物を留置することができる。

5.賃借人は,雨もりを生じた屋根の修理に要した費用の全額の償還を請求することができる。

[56−68] 甲が乙からその所有の建物を買い受けたところ,その建物の上に丙のために抵当権が設定され,その登記がされていた場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.甲は,乙に対して約定代金額のうち丙の抵当権の被担保債権の額に相当する部分の支払の義務を負わない。

2.甲が乙から建物の所有権移転の登記を受けた後,乙から遅滞なく滌除をすべき旨の請求を受けながらこれに応じない場合でも,甲は,抵当権の登記が抹消されない限り,乙に対する売買代金の支払を拒むことができる。

3.甲乙間に乙が一定の期日までに抵当権の登記を抹消するという特約があった場合でも,甲は,丙の抵当権の実行により建物の所有権を失わない間は,乙の特約違反を理由として売買契約を解除することができない。

4.丙が抵当権を実行した場合でも,甲が買受人となって建物の所有権を確保したときは,甲は,売買契約を解除することができない。

5.甲は,丙の抵当権の実行により建物の所有権を喪失し,損害を受けた場合には,売買契約の当時丙の抵当権の存在を知っていたときでも,乙に対してその損害の賠償を請求することができる。

[56−71] 甲の子乙が無断で甲の代理人と称して甲所有の不動産につき丙と売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.甲は,丙に対して追認を拒絶した後でも,追認をすることができる。

2.甲が乙に対して追認をした後に,丙がこれを知らずに甲に対してした取消は,無効である。

3.甲が死亡し乙が相続したときは,乙は,追認を拒絶することができる。

4.丙が甲に対して相当の期間を定めて追認をするかどうかを催告したのに,甲が催告期間を徒過したときは,甲は,追認したものとみなされる。

5.丙が甲に対してした追認をするかどうかの催告は,催告期間の経過前で,甲の追認又は追認拒絶があるまでの間は,徹回することができる。

[56−74] 請負に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

1.請負人が下請負禁止の特約があるのに下請負人に請け負わせた場合でも下請負人に故意又は過失がなかったときは,請負人は,注文者に対して債務不履行の責任を負わない。

2.建築請負契約においては,請負人は,材料が注文者から出されたものであるか請負人から出されたものであるかを問わず完成した目的物の所有権を取得する。

3.請負人は建築中の建物が不可抗力によって,損壊したために予定外の費用を支出したときは,注文者に対してその費用を請求することができる。

4.完成した目的物に瑕疵があるときは,注文者は,その選択により,瑕疵の修補の請求,損害賠償の請求又は契約の解除のいずれかをすることができる。

5.請負契約は,仕事の完成義務と報酬の支払義務とが対価関係にある双務契約であるが,両債務は,同時履行の関係にあるものではない。

[56−77] 費用償還請求権に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.買主は,売主以外の真の所有者から目的物の返還の請求を受けたときは,その所有者に対し,必要費及び有益費の全額を請求することができる。

2.1の事例において,買主は,真の所有者に対し,必要費の償還を請求することはできるが,有益費の償還を請求することはできない。

3.売主は,買主に対し,売買契約成立後目的物の引渡までの間に支出した通常の必要費の償還を請求することができる。

4.買戻特約に基づき買戻権が行使されたときは,買主は,買戻権を行使した売主に対し,それまでに支出した必要費及び有益費の全額の償還を請求することができる。

5.使用貸借上の借主は,特別の必要費を支出したときは,特約がなくても,その償還を請求することができる。

[56−80] 多数当事者の債権債務関係における債権の消滅時効の中断に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.不可分債権者の一人が履行を請求すれば,他の債権者のためにも,消滅時効の中断の効力を生ずる。

2.不可分債務者の一人に対して履行を請求しても,他の債務者に対しては,消滅時効の中断の効力を生じない。

3.消滅時効の完成前に主たる債務者が債務を承認すれば,保証人に対しても,消滅時効の中断の効力を生ずる。

4.保証人に対して履行を請求しても,その保証人と連帯して債務を負担していない主たる債務者に対しては,消滅時効の中断の効力を生じない。

5.消滅時効の完成前に連帯保証人が債務を承認すれば,主たる債務者に対しても,消滅時効の中断の効力を生ずる。

[56−83] 母がその未成年者の子の法定代理人としてした次に掲げる行為のうち,有効なものはどれか。

1.母の婚姻中その子が母の夫から認知を受けた後に,母が子の財産を売却する行為。

2.父母の離婚の際に父が親権者と定められたが,父母が協議で親権者を母に変更する旨を定めた後に,母が子の財産を同価値の他人の財産と交換する行為。

3.内縁の妻が勝手にした婚姻の届出の日から200日後に子に出生し,その夫が婚姻の届出を追認した後に,母が子の財産を他人に賃貸する行為。

4.父母の離婚の際に父が親権者と定められたが,父が死亡した後に,母が子の債務の支払を担保するために,子の財産上に抵当権を設定する行為。

5.父から胎児認知を受けた子が出生した後に,母が子の債務の支払に代えて子の財産を債権者に給付する行為。

[56−86] 甲の乙に対する催告に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.準禁治産者乙が保佐人の同意を得ることを要するのに,その同意を得ないで甲との間でした行為につき,甲が乙に対して2ヶ月以内に保佐人の同意を得てその行為を追認すべき旨の催告をした場合において,その期間の経過後にした乙の追認は,効力を生じない。

2.甲が乙に対して債務の履行の催告をした後6ヶ月内に再度催告をしても,その再度の催告は,甲の債権の消滅時効の中断には,何の影響も及ぼさない。

3.甲乙間の契約について解除権を有する乙に対し,甲が相当の期間を定めてその期間内に解除するかどうかを確答すべき旨の催告をしたところ,乙の解除の意思表示がその期間の経過後に甲に到達した場合には,その意思表示がその期間内に発せられたときでも,契約の解除の効果を生じない。

4.甲が乙との契約に基づき,乙に対して期限の定めがなく,かつ同時履行の抗弁権が附着していない債権を有する場合において,甲が乙に対して相当の期間を定めて履行の催告をしたが,その期間内に乙の履行がないときは,甲は,直ちに契約を解除することができる。

[56−89] 取消に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.契約の相手方の代理人と称する者と契約を締結した者は,契約の当時その代理人と称する者が代理権を有しないことを知っていたときでも,相手方が追認をするまでの間は,契約を取り消すことができる。

2.債権者は,債務者を被告として,債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消を求める訴えを提起することによって,債務者の財産を保全することができる。

3.保証人は,保証契約の当時主たる債務者が債権者の詐欺によって債務を負担したものであることを知っていたとしても,詐欺による取消の場合につき同一の目的を有する独立の債務を負担したとの推定を受けることはない。

4.不動産を贈与した者は,その贈与が書面によらないものであったとしても,相手方に対する所有権移転の登記手続に着手した後は,これを取り消すことができない。

5.遺言後に,これと抵触する遺言がされたが,遺言者が故意にその遺言書を破棄したときは,後の遺言によって取り消したものとみなきれた前の遺言は,その効力を回復する。

ホームページに戻る。   年度別一覧<民法>に戻る。