[57−02] 次に掲げる権利の行使のうち,最も認められ難いものはどれか。

1.不動産の売主が買戻の特約に基づいて買戻の期間内に買主に対して代金及び契約の費用の合計額にわずかに不足する金銭を提供してした買戻権の行使

2.分割払の約定のある金銭債務について分割弁済を怠ったときは期限の利益を失う旨の特約がある場合において,債務者の責めに帰することのできない遅滞があったときに債権者がした残債務全額の請求

3.契約の解除権を有する者が長期間これを行使せず,相手方おいてもはやこれが行使されることはないと信頼するに至った後においてされた解除権の行使

4.履行期が到来したにもかかわらず債権者が抵当権を実行しないでいるうちに抵当不動産の価額が下落するとともに,債務の利息も累積し,その売得金で債権の満足を得られなくなった後に債権者が保証人に対してした残債務全額の請求

[57−05] Aは昭和40年中に善意無過失で甲所有の土地の占有を始め,現在までその占有を継続している。その間,甲は昭和45年中にその土地を乙に売り渡し,乙は昭和55年中にその土地を丙に売り渡したが,現在その登記上の所有名義人は乙である。また,その土地につき,昭和47年中に丁が乙から抵当権の設定を受け,昭和52年中に戊が乙から地上権の設定を受けたが,丁も戊も,まだその登記を受けていない。この場合において,Aが所有権取得の登記をしなければその土地の所有権の時効取得を対抗することができない第三者の範囲は,最高裁判所の判例の趣旨によれば,次のうちどれか。

1.乙・丙・丁・戊

2.丙・丁・戊

3.丁・戊

4.丙・戊

5・丙

[57−08] 金銭消費貸借上の利息の約定が利息制限法に違反している場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.借主は,貸主に対し,弁済期に元本と約定利息の全額を一括して任意に支払ったときでも,約定利息のうち制限超過部分の返還を請求することができる。

2.貸主が借主に対して弁済期に約定利息債権をもって借主の反対債権と対当額で相殺する旨の意思表示をしたとしても,約定利息のうちの制限超過部分と同額の反対債権は,消滅しない。

3.貸主と借主が弁済期に元本と約定利息の合計額を目的として準消費貸借契約を結んだとしても,借主は約定利息のうちの制限超過部分に相当する部分の支払義務を負わない。

4.貸主から請求を受けた保証人は,借主に通知をしないで弁済期に約定利息のみを全額支払ったとしても,借主に対してその全部の償還を請求することはできない。

5,保証人は,貸主に対して弁済期に元本及び約定利息の全額を借主の依頼により支払ったときは,借主に対してその全部の償還を請求することができる。

[57−11] 父親甲の親権に服し,私立小学校の六年生であるAは,担任教師乙の授業中に級友Bと共に抜け出して,校門の前に何者かが放置していたスクーターの荷台にBを乗せて走行中,運転を誤って転倒しBを負傷させた。このため,Bは,一ケ月の休学を余儀なくされたが,全治した。この場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.Bは,A・甲・乙のうち少なくともいずれか一人に対しては,損害賠償の請求をすることができる。

2.Bは,甲・乙の両者に対して共に損害賠償の請求をすることができるということはない。

3.Aが自己の行為の責任を弁識するに足る知能を備えているときは,甲又は乙が,Bに対して損害賠償責任を負うことはない。

4.Bの父母が,Bの一ケ月の休学のため受験を予定していた私立中学校の入学試験に合格しないかもしれないと心配していたとしても,Bの父母は,自己の慰謝料を賠償義務者に請求することはできない。

5.Bが自己の行為の責任を弁識するに足る知能を備えていないときは,Bが損害賠償の請求をすることができる額の算定にあたり,過失相殺されることはない。

[57−14] 下記の@からJまでの事実のうち,A欄に掲げた事実は存在する(その事実は番号の順に発生したものとする)が,その他の事実は存在しないものとした場合に,B欄に掲げる請求権の存在を肯定することができないものは,次のうちどれか。

@Aは,甲土地を所有している。

AAは,Bに対して甲土地を賃貸した。

BA・Bは,賃貸借の目的を建物の所有とする旨を定めた。

CBは,Aから甲土地の引渡を受けた。

DBは,甲土地の上に乙建物を新築した。

EBは,乙建物につき所有権保存の登記をした。

FBは,Cに対して乙建物を賃貸した。

GCは,Bから乙建物の引渡を受けた。

HBは,Dに対して乙建物を売り渡した。

IDは,Bから乙建物の所有権移転の登記を受けた。

JAは,Dに対して甲土地の賃借権の譲受についての承諾を拒絶した。

    A欄         B欄

1.AC      AのBに対する賃料請求権

2.@D      AのBに対する建物収去土地明渡請求権

3.DEFGHI  DのCに対する賃料請求権

4.@ADEHIJ DのAに対する建物買取請求権

[57−17] 甲及び乙が土地を共有している場合(持分各2分の1)に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.第三者が,その土地は自己の所有に属すると主張しているときは,甲は,単独で,丙に対して自己が2分の1の共有持分権を有することの確認を求めることができる。

2.甲及び乙がその土地を共同して使用していたところ,第三者丙がそれを不法に占拠したときは,甲及び乙は,それぞれの持分に応じて,丙に対して損害賠償を請求することができる。

3.第三者丙が偽造文書を行使してその土地につき丙への所有権移転の登記をしたときは,甲は,単独で,丙に対してその登記の抹消を請求することができる。

4.甲が乙に対してその土地の保存のための費用に関する債権を有している場合において,乙がその共有持分を第三者丙に譲渡したときは,甲は,丙に対してその債権を行使することができる。

5.甲及び乙が共同してその土地を第三者丙に賃貸している場合において,丙がその賃料の支払を怠ったときは,甲は,単独で,その賃貸借契約を解除することができる。

[57−20] 甲は,乙に対してビール1ダースを売る旨を約したが,たまたま丙にビール2ダースを預けてあったので,丙に対して「乙がビール1ダースを受け取りに来たら渡してもらいたい。」と電話したところ,丙が「了解した。」と答えた。以上の事実関係の下で,乙が丙に対して取得したと解するのが適当である権利は,次のうちどれか。

1.受益の意思表示をすることができる権利

2.占有権に基づく引渡請求権

3.寄託契約に基づく返還請求権

4.売買契約に基づく引渡請求権

5.所有権に基づく引渡請求権

[57−23] 意思表示に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.債権者甲が債務者乙に対して有する債権を丙に譲渡した事実がないのに,その債権を丙に譲渡した旨を乙に通知した場合において,乙がその債権譲渡の事実がなかったことを知らなかったときは,甲は,乙に対して自己が債権者であることを主張することができない。

2.甲がその有する債権を乙と通謀の上乙に仮装譲渡したところ,乙がその債権を取り立てて自己の営業資金に充てようと考え,丙に対して取立てのためその債権を譲渡した場合において,丙が甲乙間の譲渡が仮装のものであることを知らなかったときでも,甲は,丙に対して自己が債権者であることを主張することができる。

3.甲がその所有の不動産を乙と通謀の上乙に仮装譲渡してその所有権移転の登記をした後,丙がその不動産の所有権が乙に属することを信頼して乙に金銭を貸し付けたときは,甲は,その後その不動産を差し押えた丙に対してその不動産の所有権を主張することができない。

4.債権者甲に対して連帯債務を負担する乙,丙のうち乙が甲を欺罔して不当に安価な物件を給付してその債務を消滅させた場合において,丙が乙の欺罔の事実を知らなかったときは,甲がその代物弁済を取り消したとしても,丙は,乙の負担部分については,甲に対する債務を免れる。

5.消費貸借の借主甲と貸主乙の代理人丙とが共同して第三者丁を欺罔し,丁と乙代理人丙との間で丁を保証人とする保証契約を締結させた場合において,乙が甲及び丙の欺罔の事実を知らなかったときは,丁は,その保証契約を取り消すことができない。

[57−26] 甲が乙に対して有する指名債権を丙に譲渡した場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.甲が乙に対して譲渡の通知をしたが,その通知以前に譲渡債権の消滅時効が完成していたときは,丙がその債権を自働債権とし,乙の丙に対する債権を受働債権として乙に対して相殺の意思表示をした後においても,乙は,消滅時効を援用することができる。

2.甲が譲渡の通知をすべき義務を履行しないときは,丙は,甲に代位して,乙に対して譲渡の通知をすることができる。

3.乙が甲から丙への譲渡をあらかじめ承諾していた場合であっても,甲が乙に対して譲渡の通知をしなければ,丙は,その譲受けを乙に対抗することができない。

4.甲の乙に対する譲渡の通知が確定日附のある証書によるものでなかったときは,丙がその債権を自働債権とし,乙の丙に対する債権を受働債権としてした相殺は,その後にその受働債権を差し押さえた乙の債権者丁に対抗することができない。

5.甲が乙の債務の連帯保証人戊に対して譲渡の通知をしたときは,丙は,その譲受けを乙及び戊に対抗することができる。

[57−29] 抵当権の効力に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.山林が抵当権の目的である場合において,抵当権設定者がその地上の立木を伐採しようとするときは,抵当権者は,抵当権設定者に対してその禁止を請求することができる。

2.第三者が抵当権の目的物を損傷しても,残部の価額がなお被担保債権を担保するのに十分である場合には,抵当権者は,その第三者に対して損害賠償を請求することができない。

3.抵当権が設定きれた土地の上に抵当権設定者が建物を建て始めたときは,抵当権者は,抵当権設定者に対してその建物の建築の禁止を請求することができる。

4.先順位の抵当権が消滅した場合には,後順位の抵当権者は,先順位の抵当権の登記の抹消を請求することができる。

5.抵当権が設定された不動産について,抵当権の設定後に民法第602条に定める期間を超える賃借権が設定され,その登記がされた場合であっても,抵当権者は,その登記の抹消を請求することができない。

[57−32] 次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.家屋を買い受けた者は,その引渡を受けた場合でも,買受前に退去した借家人が備え付けた畳の所有権を取得することはない。

2.賃貸中の家屋を買い受けた者は,別段の合意がない限り,賃借人に対する延滞家賃債権を取得するが,これを賃借人に対抗するには,その家屋につき所有権移転の登記を受ける必要がある。

3.農地を買い受けた者は,買受前に売主がまいた種が買受後地上に芽を出して生育した野菜の所有権を取得することはない。

4.山林をその地上の立木を含めて買い受けた者は,立木について明認方法を施さないかぎり,その後売主から立木を買い受けた第三者に対し,立木の所有権の取得を対抗することができない。

5.土地の賃借人が自己の材料を用いてその地上に造成した石垣は,賃貸人である土地所有者の承諾を得て造成した場合であっても,土地所有者の所有に属する。

[57−35] 甲・乙が丙に対して2,000万円の連帯債務を負っている場合(甲・乙の負担部分は,平等とする)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.甲・乙と丙との間で弁済期に履行しないときは年3割の割合による遅延損害金を支払う旨の約束のあった場合において,その後甲丙間で遅延損害金を年2割に変更する旨の合意がされたときは,乙は,丙に対して年2割の割合を越えて遅延損害金を支払う義務はない。

2.甲丙間で2,000万円の支払義務を消滅させるため甲が特定の不動産の所有権を丙に移転すべき債務を負担する旨の契約をした場合であっても,丙は,乙に対して,2,000万円の支払を求めることができる。

3.消滅時効の完成直前に甲がその債務の承認をしたため,乙についてのみ消滅時効が完成した場合においては,乙がその時効の利益を放棄したときでも,甲は,1,000万円の限度でその債務を免れることができる。

4.甲が丙に対して2,000万円の弁済をした場合において,乙が丙に対して1,000万円の反対債権を有していたとしても,乙があらかじめ甲に対してその旨を通知していなかったときは,乙は,甲からの1,000万円の求償の請求を拒むことはできない。

5.丙が甲に対して連帯の免除をしたときは,この丙に対する債務も1,000万円に縮減する。

[57−38] 甲が乙に対してA所有の不動産を売った場合において,甲の乙に対する所有権移転債務が履行不能となった時点として最も適切であるのは,次のうちどれか。

1.売買前からAが誰にも売らないといっており,そのことを甲が承知しながら売ったときは契約成立の時

2.売買後にAが乙に対して誰にも売らないと言明し,そのことを甲が知ったときは,その時

3.2の事実の後に甲がAに対して適正な価格をもって買受けの申込みをしたが断られたときは,その時

4.3の事実の後にAが第三者Bに対してその不動産を売ったときは,その時

5.4の事実の後にAがBに対してその不動産の所有権移転の登記をしたときは,その時

[57−41] 所有権の移転に関して次の甲・乙二つの法制があるとした場合における次の記述のうち,正しいものはとれか。

甲の法制ー所有権は,当事者の意思表示のみによって移転する。

乙の法制ー所有権は,当事者の意思表示に加えて,不動産については登記,動産については引渡がなされることによって移転する。

1.甲の法制の下では,売買契約が無効であれば所有権移転の効果は生じないが,乙の法制の下では,売買契約が無効であっても所有権移転の効果は影響を受けない。

2.乙の法制の下では,甲の法制の下におけるのと異なり,動産を買おうとする者は,目的物を所持する者が所有者であると考えてよいから,動産取引の安全が図られることになる。

3.甲の法制の下で,不動産登記を受けている者が無権利者であっても,その登記を信頼して不動産を買い受けた者は,有効にその所有権を取得するという制度を採るならば,乙の法制を採るよりも,不動産取引の安全が図られることになる。

4.売買の目的物の所有権が移転する時期は,乙の法制の下では登記又は引渡の時であるが,甲の法制の下では契約成立の時である。

[57−44] 血縁上の父は甲男であり,実母は乙女である子Aの身分に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.甲乙間の婚姻成立の日から200日後にAが生まれた場合には,その婚姻が甲の重婚を理由として取り消されたときでも,Aは,嫡出子たる身分を失わない。

2.甲・乙が内縁関係にある間に懐胎され,Aがその婚姻成立後に生まれたときは,その出生が婚姻成立後200日以内であっても,Aは,嫡出子たる身分を取得する。

3.甲乙間の婚姻成立後の日から200日後にAが生まれたが,その直後に丙丁夫婦がAを自己らの嫡出子として出生の届出をし,多年養育したときでも,Aは,丙丁間の嫡出子たる身分を取得しない。

4.甲と同棲中の乙が甲に無断で甲乙間の婚姻の届出をし,その日から200日後にAが生まれた場合において,引き続き同棲中の甲がその婚姻の届出を追認したときは,Aは,嫡出子たる身分を取得する。

5.Aの出生後に甲乙間の婚姻が成立したが,その離婚成立後に甲がAを認知しても,Aは,嫡出子たる身分を取得しない。

[57−47] 指名債権につき譲渡禁止の特約がある場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.その債権を譲り受けた者が特約の存在につき悪意であるときは,債務者が確定日附のある証書をもってその譲渡を承諾したとしても,その譲渡が有効となることはない。

2.その債権を譲り受けた者が特約の存在につき悪意であるときは,その者から更にその債権を譲り受けた者は,特約の存在につき善意無過失であっても,その債権の取得を債務者に主張することができない。

3.その債権の転付を受けた者は,転付命令を得た時に特約の存在につき善意でなければ,その債権の取得を債務者に主張することができない。

4.その債権を譲り受けた者は,特約の存在につき善意無過失である場合に限り,その債権の取得を債務者に主張することができる。

5.その債権の弁済につき正当な利益を有する者がその債権の弁済をしたときは,その弁済者は,特約の存在につき悪意であっても,弁済による代位を債務者に主張することができる。

[57−50] 甲が乙からその所有の建物を賃借して居住している場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.その建物が類焼により滅失したときは,賃貸借契約は終了する。

2.その建物が地震により半壊したため,建物の残りの部分しか使用することができなくなったときでも,甲は,建物が修繕されるまで賃料の支払を全部拒むということはできない。

3.乙がその建物の保存に必要な土台の補強工事をするため甲に対して建物から一時退去することを求めたときは,甲は,その意に反してもこれに応じなければならないが,このため賃借をした目的を達することができないときは,賃貸借契約を解除することができる。

4.甲の賃借前にその建物の上に設定されていた抵当権が実行され,このため甲がその家屋を使用することができなくなった場合において,甲がその抵当権の存在を知って賃借したものであるときは,甲は,賃貸借契約を解除することができるが,これにより受けた損害の賠償を請求することはできない。

5.その建物の柱が白ありに侵食されて崩壊の危険があるときは,甲は,乙に対し,修繕を求め,かつ乙が修繕をしなかったことにより受けた損害の賠償を請求することもできる。

[57−53] 時効に関する次の記述のうち,解釈論として最も成り立ち難いものはどれか。

1.抵当不動産の第三取得者は,被担保債権の消滅時効を援用することができない。

2.債務者は,消滅時効の完成後にその完成を知らないで債務を承認したときは,改めて時効を援用することができる。

3.連帯保証人が債務を承認したことにより保証債務の時効が中断したときは,その効力は,主たる債務者に及ぶ。

4.時効を援用する者は,時効期間の起算点を任意に選択することができる。

5.抵当権は,被担保債権とは別に,単独で消滅時効にかかることはあり得ない。

[57−56] 甲は,乙に対し,ある物品を甲のために購入することを依頼し,そのために代理権を与えたところ,乙は,丙の経営する商店でその物品を購入したが,その際,甲の代理人である旨を丙に告げなかった。この売買契約に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.乙が甲のために物品を購入する意思でその契約を締結したときは,その契約の効果は甲丙間に生ずるが,乙が自己のために物品を購入する意思でその契約を締結したときは,その契約の効果は乙丙間に生ずる。

2.乙が自己のために物品を購入する意思でその契約を締結したときは,その契約の効果は乙丙間に生ずるが,乙が甲のために物品を購入する意思でその契約を締結した場合において,丙がそのことを知り,又は知ることができたときは,その契約の効果は甲丙間に生ずる。

3.甲が乙に代理権を与えた事実を丙が知り,又は知ることができたときは,その契約の効果は,甲丙間に生ずる。

4.甲が乙に代理権を与えた旨を丙に表示していたときは,その契約の効果は,甲丙間に生ずる。

[57−59] 法人に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.法人の代表者が選任した代理人が,その職務を行なうにつき他人に損害を加えた場合には,法人は,民法第44条に基づいて損害賠償の責任を負う。

2.法人の代表者が職務権限外の行為によって他人に損害を加えた場合において,その他人が職務権限外の行為であることを知っていても,その行為が外形からみて職務権限内の行為であると認められるときは,法人は,その他人に対して損害賠償の責任を負う。

3.法人の被用者がした職務権限外の取引行為によって法人に不当な利益が生じた場合において,その被用者が職務権限外の行為であることにつき悪意であるときは,その法人は,悪意の受益者として不当利得返還の義務を負う。

4.法人について即時取得の成否が問題となる場合において,その善意無過失の有無は,法人の代表者について決すべきであるが,その代表者が代理人により取引をしたときは,その代理人について決すべきである。

5.法人の代表者は,現実に被用者の選任・監督を担当していなかった場合であっても,被用者が法人の行なう事業の執行につき第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

[57−62] 債権者代位権に関する次の記述のうち,判例の趣旨に合致するものはどれか。

1.家屋が甲から乙,乙から丙へと順次売買されたが,移転登記をする前に甲乙間の売買契約が合意によって遡及的に解除されたときは,丙は,乙に代位しても甲に対し,乙への移転登記を請求することができない。

2.相殺は,相互の債権を対当額において消滅させる処分行為に属するから,債権者は,債務者が第三者に対して有する相殺権を,代位して行使することはできない。

3.債権者が債務者に100万円の金銭債権を有し,債務者が第三者に対して200万円の金銭債権を有するとき,債権者は,債務者に代位して200万円全額の債権を行使することができる。

4.無資力者が乙に動産を贈与した場合,その贈与契約につき甲に要素の錯誤があったことを理由に,甲の債権者丙は,贈与契約の無効を主張して当該動産の返還を請求することができる。

[57−65] 次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.指名債権を質権の目的とする場合において,その債権の証書があるときは,質権者は,その証書の引渡を受けることによって,質権の取得を第三債務者その他の第三者に対抗することができる。

2.宅地を目的とする抵当権の効力は,その設定当時その地上に存在した石どうろうにも及ぶが,抵当権者がその石どうろうに対する抵当権の効力を第三者に対抗するには,その引渡を受けることを要する。

3.物上保証人が弁済期の到来した債務者の債務を弁済したときは,債権者の承諾なくして債権者に代位することができるが,この代位をもって債務者その他の第三者に対抗するには,債権者がこれを債務者に通知し,又は債務者がこれを承諾することを要する。

4.建物の賃貸人は,賃借人がした転貸借を承諾した後においても,賃借人のその後の賃料債務の不履行による賃貸借契約の解除をもって転借人に対抗することができる。

[57−68] 消滅時効の起算点に関する次の記述のうち,判例の趣旨に合致しないものはどれか。

1.普通預金債権の消滅時効は,預入れの時から進行する。

2.割賦販売契約において,割賦払の約定に違反したときは債権者の請求により直ちに残債務全額を弁済すべき旨の約定がされた場合においては,その約定に違反する一回の不履行のあった時から,残債務全額について消滅時効が進行する。

3.債務不履行に基づく損害賠償債権の消滅時効は,本来の債務の履行を請求することができる時から進行する。

4.契約解除による原状回復請求権の消滅時効は,解除権を行使した時から進行する。

5.弁済供託における供託物の取戻請求権の消滅時効は,供託の基礎となった債務についての紛争の解決等によって,供託による免責の効果を受ける必要がなくなった時から進行する。

[57−71] 甲は,乙からその所有の建設機械を賃借したが,故障していたため,丙にその修理を依頼し,丙は,自己の工場でその修理をした。この場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.甲は,丙に修理代金を支払ったときは,乙に対して修理代金相当額の支払を求めることができる。

2.丙は,機械の修理後これを保管中,機械の機能を保持するために必要な費用を支出したときは,その費用の支払を受けるまでは,甲からの機械の返還の請求を拒絶することができる。

3.丙は,甲から修理代金の支払を受けていない場合であっても,機械の修理後これを保管中甲に無断で使用したときは,甲からの機械の返還の請求を拒絶することができない。

4.甲の丙に対する機械の返還請求訴訟において,丙が留置権の存在を主張してその権利主張の意思を明らかにしたときは,その債権について消滅時効の中断の効力を生ずる。

5.乙の丙に対する機械の引渡請求に対し,丙が修理代金債権をもって留置権を行使する場合においては,乙が丙に対して相当の担保を供する旨の申込をするとともに留置権の消滅を請求する旨の意思表示をしたとしても,丙は,乙からの引渡の請求を拒絶することができる。

[57−74]いわゆる取引の安全に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.失踪宣告により相続人となった者が失踪者の生存を知りながら相続財産を第三者に売り渡す契約をした場合において,その後失踪宣告が取り消されたときは,その売買契約は無効となる。

2.原始的に不能な給付を目的とする契約が締結された場合において,その契約の当事者の一方が「契約締結上の過失」の法理によって保護を受けるには,その者は,善意であることを要する。

3.売主と買主との通謀による仮装の不動産売買がなされた場合において,売主は,買主から善意無過失でその不動産を買い受けた者に対しては,虚偽表示による無効をもって対抗することができない。

4.動産の先取特権は,その動産が第三者に譲渡され,かつ,引き渡されたときは,その第三者が悪意であっても,その動産について行うことができない。

5.債権者の代理人と称する者に対して弁済がなされた場合において,その弁済が債権の準占有者に対する弁済として有効とされるためには,弁済者は,善意無過失であることを要する。

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