[60−02] 動産質権に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.質権の設定は,債権者と債務者の双方の意思表示の合致によって効力を生ずる。

2.質権者は,質権設定者の同意があれば質物を使用収益し,その収益を被担保債権の弁済に充当することができる。

3.質権者が質権設定者に質物を返還したときは,質権は消滅する。

4.質権は,質権設定者を代理人として,その者に質物を占有させることにより,これを設定することができる。

5.質権者が第三者に質物を引き渡したときは,質権は消滅する。

[60−05] 甲は,その所有する傾斜地を宅地に造成したうえ,乙に対しその土地上に建物を建築することを請け負わせた。この場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.建築工事が半分進んだとき,宅地造成工事が不完全であったために土地が崩れ,建築を続行することができなくなった場合,乙は建物を完成する責任はない。

2.建築工事が半分進んだとき,大地震が発生して甲所有の土地及び付近の土地に大きな亀裂が生じ,土砂崩れの危険があるため,その土地上に建物を建築することができなくなった場合,乙は甲に対し,出来高に応じた請負代金を請求できない。

3.建物が完成し,引渡が行われる直前,軽度の地震があり,建築工事が不完全だったために壁の一部に亀裂が生じた場合,甲は,請負契約を解除できない。

4.建物が完成して引渡が行われた直後,はなはだしく雨漏りがした場合,甲は乙に対し,瑕疵の修補を請求することなく,直ちに損害賠償を請求できる。

5.建物が完成して引渡が行われた直後,丙が甲からその建物を敷地とともに買い受けて居住していたところ,建築工事が不完全であったために間もなく外壁の一部が崩れた場合,甲は乙に対し瑕疵担保責任を追及できない。

[60−08] 債務者乙,丙及び丁が債権者甲に対して300万円の連帯債務を負っている場合(負担部分は100万円ずつとする)に関する次の記述のうち,誤りはどれか。

1.乙が債務を承認した場合,丙及び丁の債務についても,消滅時効の中断の効力が生ずる。

2.乙に対して甲が債務を免除した場合,甲は丙に対して300万円の支払いを請求することはできない。

3.甲に対して乙が200万円の反対債権を有している場合,この債権をもって乙が相殺を援用したときは,丙及び丁も200万円だけ債務を免れる。

4.乙に対して甲が300万円の支払請求訴訟を提起した場合,丙及び丁の債務についても消滅時効の中断の効力が生ずる。

5.丙が甲から300万円の支払を請求された場合,甲に対して乙が200万円の反対債権を有していても,この債権の全額を丙は相殺に供することはできない。

[60−11] 「ある土地を賃借しているAがその土地の上に所有する建物に抵当権を設定しその登記がなされた後,Bが土地の賃貸人Cの承諾を得てAから土地の賃借権のみを譲り受けた場合において,抵当権の実行により競落人Dが建物の所有権とともに土地の賃借権を取得したときは,BはDとの関係で賃借権を失い,また.Dがその賃借権の取得につきCの承諾を得たときは,Bは,Cとの関係において賃借人としての地位を失う。」という趣旨の判例がある。次の1から5までのうち,この趣旨と相容れないものはどれか。

1.Aが建物について設定した抵当権の効力は,土地の賃借権にも及ぶ。

2.Bは,単に抵当権の負担のついた賃借権を取得したにすぎない。

3.CがDの賃借権の取得について承諾を与えたときは,Cは,その土地をBとDとに二重に賃貸したことになる。

4.Cの承諾があるまでは,Dは,その賃借権の取得をCに対抗することができない。

5.CがDの賃借権の取得について承諾を与えるまでは,土地の賃借権は,BD間ではDが有していることになるが,BC間においてはBが有していることになる。

[60−14] 次の判決要旨と整合しない記述は,後記1から5までのうちどれか。

「解約手付の授受された売買契約において,当事者の一方は,自ら履行に着手した場合でも,相手方が履行に着手するまでは,民法557条1項に定める解除権を行使することができるものと解するのを相当とする。」

1.民法557条1項でいう履行の着手とは,債務の内容である給付の実行に着手することと解すべきである。

2.解約手付の交付があったときには,本条のような規定がなければ,当事者双方は,履行のあるまでは自由に契約を解除する権利を有しているものと解すべきである。

3.すでに履行に着手した当事者は,履行の着手に必要な費用を支出しただけでなく,契約の履行に多くの期待を寄せていたものとみることができる。

4.当事者の一方が履行に着手した場合は,その相手方も契約の履行に多くの期待を寄せていたものとみることができる。

5.当事者が履行に着手しても,その当事者が手付による解除権を放棄したものとみるべきではない。

(参照条文)

民法557条1項 買主カ売主ニ手附ヲ交付シタルトキハ当事者ノー方カ契約ノ履行ニ著手スルマテハ買主ハ其手附ヲ抛棄シ売主ハ其倍額ヲ償還シテ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得

[60−17] 次の文中の[ ]の部分に,A「債権の発生」,B「物権の変動」,C「一個の意思表示」の語句のうちから適切なものを選んで入れていった場合,Aの語句を使用する回数は,後記1から5までのうちどれか。

「法律行為によって当事者間に物権の変動が生ずるためには,意思表示が必要であるが,その意思表示は[ ]のみを目的とする意思表示を意味するのかどうか,言い換えれば,[ ]を生ずるためには,常に[ ]を目的とする意思表示とは別個の意思表示が必要とされる(甲説)のか,それとも.売買などでは[ ]から[ ]と[ ]とが生ずるとみてよい(乙説)のかについては,説が分かれる。甲説によれば[ ]が生ずる時期は理論的に明確であるが,[ ]を生ずる意思表示と[ ]を生ずる意思表示とを識別すべき外形的なものがないわが民法においては,両者を区別する必要がない,という批判がある。乙説によれば[ ]は[ ]から生ずることになるが,[ ]が生ずる時期は一義的に明確にならない.という批判がある。」

1.2回

2.3回

3.4回

4.5回

5.6回

[60−20] 弁済に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.預金者と同居していた者が無断で預金証書と印鑑を持ち出し,預金者と詐称して預金の払戻を受けた場合,銀行に過失がないときは,その払戻は有効な弁済となる。

2.債務者が,債権者に対し本来の給付に代えて,自己が第三者に対して有する債権を譲渡し,その対抗要件を備えたときは,代物弁済としての効力を生ずるが,その後譲渡債権の支払不能が確定したときは,元の債務が復活する。

3.差押を受けた第三債務者が自己の債権者に対し被差押債権につき支払をした場合,その支払は自己の債権者に対する弁済としては有効であるが,差押債権者に対してはそれが有効であることを主張することができない。

4.債務者が代物弁済として他人の動産を債権者に引き渡した場合において,即時取得の要件が備わったときは,その代物弁済は有効である。

5.債権者の代理人と詐称して債権を行使する者に対し弁済をした場合でも,その弁済が有効になることがある。

[60−23] 甲は乙に対して400万円の債務を負担していたが,唯一の資産である土地(時価1.500万円)を,自己の丙に対する500万円の損害賠償債務の支払いに代えて代物弁済し,これに基づく所有権移転登記を経由した。この場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.乙は,甲丙間の代物弁済を詐害行為として当然に取り消すことができる。

2.乙は,その土地の時価1500万円と甲の丙に対する債務500万円との差額について,甲丙間の代物弁済を取り消すことができるが,所有権移転登記の抹消は請求できない。

3.甲丙間の代物弁済が乙により詐害行為として取り消された場合,甲は,再び土地の所有権を取得し,丙に対し所有権移転登記の抹消を請求できる。

4.甲丙間の代物弁済が乙により詐害行為として取り消され,更に.その土地が1,500万円で換価された場合,乙は,その代金から甲の他の債権者に先立って当然には優先弁済を受けることができない。

5.乙が詐害行為の取消を理由として甲丙間の所有権移転登記の抹消を請求した場合,丙は,留置権を主張できる。

[60−26] 民法550条に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.贈与契約の当事者間において契約書その他の書面が作成されなかった場合,贈与者がたまたま自分の日記の中に当該贈与契約を締結した事実を記載していても,贈与者は本条による取消をすることができる。

2.本条による取消は,贈与者だけでなく受贈者もすることができるが,その意思表示は贈与契約の相手方に対してしなければならず,第三者に対してこれをしても,その効力を生じない。

3.本条による取消は撤回の意味であり,無能力を理由とする取消や,詐欺,強迫を理由とする取消とは性質を異にする。

4.本条の取消権は,20年間これを行使しなかった場合は民法167条2項により消滅する。

5.贈与契約の履行が終われば,本条による取消をすることができないから,いわゆる現実贈与においては,本条による取消が問題となる余地はない。

(参照条文)

民法550条 書面ニ依ラサル贈与ハ各当事者之ヲ取消スコトヲ得但履行ノ終ハリタル部分ニ付テハ此限ニ在ラス

民法167条2項 債権又ハ所有権ニ非サル財産権ハ二十年間之ヲ行ハサルニ因リテ消滅ス

[60−29] 無能力を理由として取り消すことができるものは,次の1から5までの行為をうちどれか。

1.未成年者を受贈者とする負担のない贈与契約

2.未成年者が,法定代理人の同意を得ないでした売買契約を,法定代理人の同意を得ないで取り消した行為

3.禁治産者が,後見人の同意を得ないでした婚姻

4.禁治産宣告を受けていないが意思能力を欠く成年者がした売買契約

5.準禁治産者が,保佐人の同意を得ないで貸金の返済を受けた行為

[60−32] 次の約定のうち,有効となる可能性のないものはどれか。

1.利息をその発生のつど元本に組み入れる旨の債権者・債務者間の約定

2.受任者が死亡した場合には,受任者の相続人が受任者の地位を当然に承継する旨の委任者・受任者間の約定

3.債務は現実に履行することを要し,反対債権をもって相殺することができない旨の債権者・債務者間の約定

4.債権を譲渡した場合には,その旨の通知がなくても譲受人が債権の譲受を債務者に対抗することができる旨の債権者・債務者間の約定

5.債権の消滅時効が完成して,債務者が時効を援用した場合には,債務者において同一内容の債務を当然に負担する旨の債権者・債務者間の約定

[60−35] 次のAからCは,使用者責任における被用者に対する使用者の求償権を制限するための法律構成に関する見解である。これらの見解と下記ア,イの記述との組合せとして,成り立ち得ないものはどれか。

                (見解)

A 第三者に対する被用者の加害行為については,使用者も原因を与えているのであるから,求償権の行使に対して過失相殺の法理が適用される。

B 使用者の行為と被用者の行為とが第三者に対して共同不法行為となるときは,共同不法行為者相互間の求償関係における被用者の負担部分のみについて,求償権の行使が認められる。

C 使用者と被用者との間には契約関係があるので,被用者の契約義務違反に対する使用者の責任追及としての求償権の行使は,契約関係上の信義則によって制限される。

                (記述)

ア 使用者に,第三者に対する加害について過失がなければならない。

イ 労務が過度であること,企業施設が劣悪であることなどの諸要素を考慮することができる。

1.A−イ

2.Bーア

3.C−ア

4.C−イ

[60−38] 隔地者間における契約の成立について,某国の民法に以下のような規定があるものとする。

第X条 意思表示は,その通知が相手方に到達した時にその効力を生ずる。

第Y条 申込は,承諾の通知を発するまでの間,撤回することができる。

第Z条 契約は,承諾の通知が申込者に到達した時に成立する。

以上の規定を前提とした場合,契約の成立に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.承諾の発信前に申込の撤回の通知が到達し,承諾の通知が到達した場合には,契約は成立しない。

2.承諾の発信後に申込の撤回が発信され,承諾の通知が到達した場合には,契約は成立しない。

3.承諾の発信後に申込の撤回が発信され,承諾の通知が到達しなかった場合には,契約は成立しない。

4.承諾の発信後に申込の撤回の通知が到達し,承諾の通知が到達した場合には,契約は成立する。

5.承諾の発信後に申込の撤回の通知が到達し,承諾の通知が到達しなかった場合には,契約は成立しない。

[60−41] 甲地の全部につき乙地のために地役権が設定されている場合に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.乙地の所有者は,乙地と分離して,地役権のみを第三者に譲渡することはできない。

2.乙地の一部を譲り受けた者は,地役権を行使することができない。

3.甲地が共有地である場合,それが分割されたときは,分割後の各土地につき地役権が存続する。

4.乙地が共有地である場合,共有者の一人につき地役権の消滅時効の中断があるときは,他の共有者のためにもその効力を生ずる。

5.乙地が共有地である場合,共有者の一人は,その持分につき地役権を消滅させることができない。

[60−44] 根抵当権に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1.元本が確定した後,被担保債権が譲渡されても,その譲受人は根抵当権を取得することはできない。

2.元本が確定した場合,その時に存在していた元本に,その後2年間に発生すべき利息及び遅延利息を加えた額まで極度額は減少する。

3.元本が確定した後,債務者が現存する債務額を支払えば,極度額がそれを上まわる場合であっても根抵当権は消滅する。

4.元本が確定した場合,その時に存在していた個別の元本債権は合体して1個の被担保債権となる。

5.元本が確定した後,保証人が被担保債権につき代位弁済しても,保証人は根抵当権を代位行使することはできない。

[60−47] 特定物の売買において,目的物が売主の責に帰すことができない事由により滅失したとき,その危険は買主の負担とする,というのが民法534条1項(債権者主義)の趣旨である。次の記述のうち,その論拠として不適切なものはどれか。

1.売主は,売買契約による拘束を受けるため,目的物を処分して危険を避けることができない。

2.買主は,売買契約によって,目的物の所有権を取得する。

3.売買契約上の債務については,その性質上,消滅に関しても対価的牽連関係が維持される。

4.買主は,契約した売買代金を支払えば,売買契約の成立後に生じた物の価格が騰貴したことによる利益を取得することができる。

5.売買契約の成立によって,買主は,目的物に対する支配可能性を取得する。

[60−50] 担保物権の性質に関する次の記述のうち,担保物権のいわゆる通有性に関係のないものはどれか。

1.留置権者は被担保債権の履行を確保するため,目的物の引渡を拒絶することができる。

2.動産の先取特権者は,目的物の売却によって債務者が受けるべき代金に対しても,その権利を行使することができる。

3.質権の被担保債権を譲り受けた者は,原則として,質権を行使することができる。

4.抵当権者は,被担保債権の一部が弁済されていても,抵当権を実行することができる。

5.抵当権者は,被担保債権がその発生原因たる法律行為の取消により消滅したときは,抵当権を遡及的に失う。

[60−53] 甲は乙との間で乙に土地を売り渡す旨の契約を締結し,約定に従って自己の債務の履行の提供をしたが,乙は受領しなかった。その後.甲が乙に対し売買代金の支払を求めた。この事案について,次のAからEまでの記述の中から.乙が同時履行の抗弁権を有するとする立場の根拠となり得るものを選び出した場合,その組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

A 民法533条は,「相手方カ其債務ノ履行ヲ提供スルマテハ自己ノ債務ノ履行ヲ拒ムコトヲ得」と規定しており,甲は既にその債務の履行を提供した。

B 民法533条の「履行ヲ提供スルマテハ」という文言は,代金支払請求がなされた時点における履行の提供の有無を問題にする趣旨である。

C 甲の財産状態が履行の提供後に悪化し,甲がその土地を第三者に売却して,乙への所有権移転登記及び引渡をすることができなくなる場合がある。

D 乙は既に受領遅滞にあり,これを理由として契約を解除されることもあり得るから,代金の支払請求の場合も,解除の場合と同様に解するのが相当である。

E 甲が契約を解除する場合は自己の債務を免れるが,解除しない場合には自己の債務を免れないのであるから,甲と乙の各債務の履行上の牽連関係は存続している。

1.A,C,D

2.A,C,E

3.B,C,D

4.B,C,E

5.B,D,E

[60−56] 次の文中の[ ]の部分に,後記1から5までの語句のうちから適切なものを一個ずつ選んで入れていった場合(使用しない語句もある。),二回使用される語句はどれか。

「取引関係において,第三者の保護がしばしば問題になるが,その根拠は必ずしも同一ではない。たとえば,譲渡禁止債権にみるように,契約当事者間の特約を知らずに取引をした第三者を保護している場合がある。これは[ ]の限界を画するものといえる。これに対して,[ ]を備えた第三者がそうでない第三者より保護されるのは,権利帰属にかかわる[ ]によるもので,これは,[ ]を円滑に機能させるためのものであり,いわばその延長線上にあるものといえる。さらに.虚偽表示のように,行為の有効な存在を信頼した第三者を保護する場合は,[ ]に基づくものである。」

1.公信の原則

2.公示の原則

3.私的自治の原則

4.権利外観法理

5.対抗要件

[60−59] 次の1から5までのうち,法律行為はどれか。

1.無能力者の相手方のする催告

2.債務の履行の催告

3.債権譲渡の通知

4.弁済受領の拒絶

5.契約の解除

[60−62] 次の1から5までのうち,法律上当然に法律効果が遡及して発生したといえないものはどれか。

1.停止条件が成就したので,契約がその締結時から効力を生じた。

2.非権利者の処分行為を権利者が追認したので,その行為が当初から有効になった。

3.選択債権につき選択をしたので,債権の発生時から選択の効果が生じた。

4.譲渡禁止債権であることを知りつつ譲り受けたが,その後,債務者がそれに承諾を与えたので,債権譲渡が当初から有効になった。

5.相殺をしたので,債権消滅の効果が相殺適状時から発生した。

[60−65] 次のAからD及び,ア,イの記述は,それぞれ時効の援用に関する見解とそれに対する批判である。これらの見解とそれに対する批判の組合せとして成り立ち得るものは,後記1から5までのうちどれか。

(見解)

A 時効期間の経過によって確定的に権利の得喪が生じ,援用は訴訟における攻撃防御方法にすぎない。

B 時効期間の経過によって一応権利の得喪が生じ,援用によってそれが確定し,時効利益の放棄により一応発生した効果が消滅する。

C 時効期間の経過のみによって権利の得喪が生ずることはなく,援用により権利の得喪の効果が生じ,時効利益の放棄により時効の効果が生じないことが確定する。

D 時効は専ら訴訟法上の制度であり,援用は権利の得喪について時効期間の経過という法定の証拠を裁判所に提出する行為である。

(批判)

ア 実体法上の権利関係と裁判上の権利関係との不一致を認めることとなる。

イ 消滅時効期間の経過した債務の履行は,債権を復活させる効果とともに債権を消滅させる効果を有するという奇妙な結果となる。

1.Aーア Bーイ

2.Aーア Cーイ

3.Bーア Cーイ

4.Bーア Dーイ

5.Cーア Dーイ

[60−68] 契約解除により契約が遡及的に失効すると解する立場を純粋に貫くとしたとき,これと相容れないと考えられる記述は,次のうちどれか。

1.契約解除による原状回復義務は,不当利得返還義務の性質を有する。

2.債務者の本来の債務の保証人の責任は,契約解除による原状回復義務には及ばない。

3.契約を解除された債務者は,履行利益を賠償しなければならない。

4.原状回復義務の履行にあたっては,同時履行の抗弁権を行使し得る。

5.契約が解除されたときは,受領した金銭に受領の時からの利息を付けて返還しなければならない。

[60−71] 次の1から5までの記述のうち,丙が乙所有の土地を時効取得する可能性のないものはどれか。

1.甲が乙所有の土地と誤信して5年間占有した後,これを悪意の丙に売却し,丙が15年間占有した場合。

2.甲が乙から乙所有の土地を賃借して5年間占有した後,これを自己の所有地と称して丙に売却し,丙が10年間占有した場合。

3.甲が乙から乙所有のA地を賃借して5年間占有した後死亡し,甲からB地を遺贈された丙がA地をB地と誤信して10年間占有した場合。

4.甲が乙所有の土地を悪意で10年間占有した後,これを自己の所有地と称して善意の丙に売却し,丙が5年間占有した場合。

5.甲が乙所有の土地を自己の所有と誤信して5年間占有した時点で,その土地が乙所有の,土地であることに気付いたが,これを自己の所有地と称して丙に売却し丙が5年間占有した場合。

[60−74] 次の記述のうち,「土地賃借権が賃貸人の承諾を得て旧賃借人から新賃借人に移転された場合であっても敷金に関する敷金交付者の権利義務関係は,特段の事情のない限り,新賃借人に承継されない。」とする判例の見解の論拠として最も成り立ちにくいものはどれか。

1.土地賃貸借における敷金契約は賃貸借に従たる契約ではあるが,賃貸借とは別個の契約である。

2.土地の賃借権が旧賃借人から新賃借人に移転され,賃貸人がこれを承諾したときは,旧賃借人は,賃貸借関係から離脱する。

3.敷金返還請求権は賃貸借終了時にではなく,賃貸借の目的物返還時に発生する。

4.土地賃借権の譲渡に伴い敷金返還請求権が当然に新賃借人に承継されると解することは,敷金交付者にその予期に反して不利益を蒙らせる。

5.賃貸人は,賃借権の譲渡の承諾を求められた際,自己の利益を損わないように対応することができる。

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