[63−21] 「売主は自己の債務の履行を提供しなければ,買主に対し代金債務の履行遅滞に基づく損害賠償を請求することができない。」という命題がある。次のAからEまでの記述のうちから,この命題を理由付けるものを選んだ場合,その分せとして最も適切なものは,後記1から5までのうちどれか。

A 履行期の定めのない債務は,債権者が債務者に対し履行の請求をすることによって履行遅滞となる。

B 買主は,代金債務の履行について同時履行の抗弁権を有する。

C 買主は,目的物の引渡しの日から代金の遅延損害金を支払う義務を負う。

D 債務の履行遅滞については,履行期に債務の本旨に従った履行の提供がないことのほか,履行しないことが違法であることも要件である。

E 債権者があらかじめ弁済の受領を拒んでいるときは,債務者は口頭による弁済の提供をすることができる。

1.A C  2.A E  3.B C

4.B D  5.D E

[63−22] 後記1から5までのうち,次の文章の内容と矛盾しないものはどれか。

「民法第557条第1項は,買主が売主に手付を交付した場合,売主,買主双方に売買契約の解除権が留保されるという法律効果が発生することとしている。もっとも.手付が解約手付としての性質を有することと,それが同時に違約手付の性質を有することとは両立することができる。同条第1項の『当事者ノ一方』とは,解約手付による契約解除の相手方のことであり,履行の『著手』とは,客観的に外部から認識することができるような形で履行行為の一部を行い,又は履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合を指すと解される。同条第2項は,解約手付による契約解除がされた場合には,売買契約は遡及的に消滅し,債務不履行に基づく損害賠償請求権も残存しない旨を定めているものと解される。」

1.買主が手付を放棄して契約を解除した場合には,売主は,買主に対し債務不履行による損害賠償を請求することができない。

2.売主,買主間で手付が授受されたが,解除権の留保につき特段の合意がない場合には,買主は手付を放棄して契約を解除することができない。

3.手付の授受に際して,買主に債務不履行があれば売主は手付を没収することができる旨の合意がされた場合には,買主は手付を放棄して契約を解除することができない。

4.売主は,目的物を買主に引き渡した場合には,手付の倍額を償還して契約を解除することができない。

5.買主は,売主から目的物の引渡しを受けていない限り,手付を放棄して契約を解除することができる。

(参照条文)民法第557条第1項 買主カ売主ニ手附ヲ交付シタルトキハ当事者ノー方カ契約ノ履行ニ著手スルマテハ買主ハ其手附ヲ抛棄シ売主ハ其倍額ヲ償還シテ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得

[63−23] 「民法上,期間の定めのない賃貸借は解約申入れによって終了し,期間の定めのある賃貸借は,明示又は黙示の更新がない限り,期間の満了によって終了するとされている。建物の賃貸借に関しては,借家法は,これらの点について特則を設けた。すなわち,借家法によれば,期間の定めのない建物賃貸借の解約申入れは,正当事由がなければ無効であり,期間の定めのある建物賃貸借は,事前の更新拒絶がなければ更新されたものとみなされ,かつ,この更新拒絶は,正当事由がなければ無効であるとされている。また,1年未満の期間の定めのある建物賃貸借は,期間の定めのないものとみなされている。ただし,借家法は,一時使用の建物賃貸借については,これらの特則を適用しないものとしている。」

この記述を前提にすると,下記1から5までの記述のうち,誤っているものはどれか。

1.期間の定めのない建物賃貸借で,一時使用の賃貸借でないものは,賃貸人が解約申入れをし,正当事由があるときは,終了する。

2.2年の期間の定めある建物賃貸借で,一時使用の賃貸借であるものは,賃貸人が事前の更新拒絶をしたときでも,期間の満了によって終了しないことがある。

3.2年の期間の定めある建物賃貸借で,一時使用の賃貸借でないものは,賃貸人が事前の更新拒絶をしたときでも,正当事由がないときは,期間の満了によって終了しない。

4.10箇月の期間の定めのある建物賃貸借で,一時使用の賃貸借であるものは,期間の途中で賃貸人が解約申入れをしても,期間の満了前には終了しない。

5.10箇月の期間の定めのある建物賃貸借で,一時使用の賃貸借でないものは,賃貸人が解約申入れをすれば,正当事由がないときでも,終了することがある。

[63−24] 特定物の売買契約に関して,「他人の権利の売主が死亡し,その権利者において売主を相続した場合には,権利者は相続により売主の売買契約上の義務ないし地位を承継するか,そのために権利者自身が売買契約を締結したことになるものでないことはもちろん.これによって売買の目的とされた権利が当然に買主に移転するものと解すべき根拠もない。また,権利者は,その権利により,相続人として承継した売主の履行義務を直ちに履行することができるが,他面において,権利者としてその権利の移転につき諾否の自由を保有しているのであって,それが相続による売主の義務の承継という偶然の事由によって左右されるべき理由はなく,また権利者がその権利の移転を拒否したからといって買主が不測の不利益を受けるというわけでもない。」と述べた判決がある。次の記述のうち,この判決の見解と異なるものはどれか。

1.権利者は,相続により売主の売買契約上の義務ないし地位を承継することになるので,権利者として権利の移転を拒否するためには契約を解除する必要がある。

2.権利者が権利の移転を拒否することができないとすると,買主が常に目的物の所有権を確定的に取得することになり,不当である。

3.買主が目的物の所有権を取得することができるか否かは,もともと権利者の意思に係っていたのであり,権利者の意思を尊重すべきである。

4.売主が善意の場合には,売主は契約を解除することができるのであるから,売主を相続した権利者が権利の移転を拒否しても,買主が不測の不利益を受けることはない。

5.売主が悪意であっても,権利の移転を拒否された善意の買主は,担保責任としての損害賠償を請求することができるのであるから,買主が不測の不利益を受けることはない。

[63−25] ファイナンス・リース契約に関する次の文章の[  ]内に「ユーザ−」「リ−ス会社」又は「サプライヤー」のいずれかの語句を補って文章を完成する場合,それらの語句が使用される回数の組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

「ファイナンス・リース契約とは,例えば,ある機械を必要とする者(ユーザー)に対してその購入資金を貸し付ける代わりに,リース会社が製造会社(サプライヤー)からその機械(リース物件)を購入して賃貸(リース)する契約のことをいう。すなわち,[  ]は,リース物件の選定には一切関与せず,[  ]の選定したリース物件を[  ]から取得して,これを[  ]にリースするので,その立場は,経済的には購入資金の貸主と同視することができる。そこで,[  ]と[  ]との間で締結されるファイナンス・リース契約においては,リース物件に瑕疵があっても,[  ]は責任を負わないことが約定されるのが通例である。また,[  ]は,[  ]に対し売主としての責任を追及しようとしても,両者の間には契約関係がないので,当然には追及することができない。そこで.責任追及の方法の一つとして,[  ]が[  ]に対して有する売買契約に基づく損害賠償債権等をあらかじめ[  ]に譲渡するという方法がある。」

  ユーザー  リース会社  サプライヤー

1.3回     4回     5回

2.4回     3回     5回

3.4回     5回     3回

4.5回     3回     4回

5.5回     4回     3回

[63−26] 「甲は乙に対し自己所有店舗を賃貸していたところ,乙の被用者丙が店番をしていた際に出火してこの店舗が全焼した。なお.乙には丙の選任につき過失がある。」

この事案に関して,下記のA欄は,出火についての乙・丙自らの過失の有無・程度を示し,B欄は,甲が乙に対し不法行為又は上記賃貸借契約の債務不履行に基づき店舗焼失による損害賠償を請求することができるかどうかについて記載するものである。下記の1から5までのうち,A,B欄の組合せとして適切でないものはどれか。

A欄B欄

1.乙 過失あり。 不法行為に基づく損害賠償を請求することができる。

  丙 重過失あり。

2.乙 過失あり。 不法行為に基づく損害賠償を請求することができない。

  丙 過失あり。

3.乙 過失なし。 不法行為に基づく損害賠償を請求することができない。

  丙 重過失あり。

4.乙 過失あり。 賃貸借契約の債務不履行に基づく損害賠償を請求することができる。

  丙 過失あり。

5.乙 過失なし。 賃貸借契約の債務不履行に基づく損害賠償を請求することができる。

  丙 過失あり。

(参照条文)失火ノ責任ニ関スル法律 民法第709条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス担シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス

[63−27] AがBに代位してCに対し債権者代位権を行使する場合に関する下記1から5までの記述のうち,正しいものはどれか。

1.AがBのCに対する金銭債権を代位行使する旨をBに対して通知した後,CがBに弁済をした場合でも,Cは,弁済による債務の消滅をAに対抗することができる。

2.AがBのCに対する債権の譲渡を受けた場合,Aは,Bに代位して債権譲渡の通知をCに対してすることができる。

3.AのBに対する債権は,BのCに対する債権の成立の前に成立しているものでなければならない。

4.BがB所有の不動産をCに仮装譲渡して,その登記名義をCに移転した場合,Bの推定相続人たるAは,Bに代位してC名義の所有権移転登記の抹消を請求することができる。

5.BがCを認知した場合,Bの推定相続人たるAは,Bに代位してその認知を取り消すことができる。

[63−28] AがBに対して甲債権を有し,Cがこれを保証していたところ,利害関係を有しないDが甲債権を弁済した。この場合の法律関係に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1.Dの弁済により甲債権がAB間で消滅したとすれば,Dの弁済は,Bの意思に反しなかったはずである。

2.Dが弁済により甲債権を取得をしたとすれば,Dは,Aの承諾を得ていたはずである。

3.Dが弁済によりCに対するAの保証債務履行請求権を取得したとすれば,DはCの承諾を得ていたはずである。

4.Dが自己の代位をBに対抗することができたとすれば,AがBに代位を通知していたか,又はBがこれを承諾していたはずである。

5.Dが,甲債権を差し押えたAの債権者に対して自己の代位を対抗することができたとすれば,確定日附のある証書によりAの通知又はBの承諾がされていたはずである。

(参照条文)民法第474条 (注,第1項省略) 利害ノ関係ヲ有セサル第三者ハ債務者ノ意思ニ反シテ弁済ヲ為スコトヲ得ス

同法第499条 債務者ノ為メニ弁済ヲ為シタル者ハ其弁済ト同時ニ債権者ノ承諾ヲ得テ之ニ代位スルコトヲ得

 第467条 (注,指名債権譲渡の対抗要件)ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス

[63−29] 後記1から5までの民法上の担保物権のうち,次のアからオまでに掲げる項目の四つに該当し,他の一つに該当しないものはどれか。

ア 当事者の設定契約によって成立する。   イ 登記をすることができる。

ウ 目的物の占有権原になることができる。  エ 物上代位性がある。

オ 競売による目的物の売却代金から優先弁済を受けることができる。

1.不動産に対する留置権

2.一般の先取特権

3.不動産の先取特権

4.不動産質権

5.抵当権

[63−30] 次の説明を前提として,甲が乙に対して占有回収の訴えにより宝石の返還を請求することができる事例を下記アからオまでのうちから選んだ場合,正しいものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。

「占有者は,その占有を奪われたときは,占有回収の訴えによりその物の返還を求めることができる。占有を奪われたとは,占有者がその意思に基づかずに所持を奪われたことである。占有回収の訴えの相手方には,占有の侵奪者及びその包括承継人のほか,侵奪の事実を知って占有を承継した特定承継人も含まれる。そして,侵奪の事実を知って占有を承継したということができるためには,承継人が侵奪のあったことについての認識を有していたことが必要であり,単に前主の占有取得が何らかの犯罪行為によるものであって,前主が正当に権利を取得した者でないことを知っていただけでは足りないというべきである。」

ア 甲 宝石の所有者から寄託を受けた受寄者

  乙 甲が遺失した宝石を拾得した者

イ 甲 宝石の所有者から借り受けた者

  乙 甲から宝石を盗取した者から,盗品であることを知らないが,何らかの犯罪行為により取得されたものであることを知って宝台を譲り受けた者

ウ 甲 宝石の所有者から質権の設定を受けた質権者

  乙 甲から宝石を盗取した者から,盗品であることを知って譲り受けた者

エ 甲 宝石の所有者である夫から長期の海外出張のため保管を任されていた妻

  乙 甲を欺罔して宝石を詐取した者

オ 甲 宝石の所有者から寄託を受けた受寄者

  乙 甲から宝石を盗取した者

1.イ オ    2.ウ エ    3.ウ オ

4.ア イ エ  5.ウ エ オ

[63−31] 抵当権の効力に関する次の文章の[  ]の中に三種類の適切な語句を補えば,完全な文章となる。[ア]から[キ]までに[甲]の部分に補うべき語句と同じ語句が使用される組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

「宅地に付着している物件のうち,石灯篭及び取り外しのできる庭石等のように独立性の強い物件は宅地の[ア]であり,植木及び取り外しの困難な庭石は宅地の[イ]である。そのうち,[甲]たる物件は,抵当権設定当時宅地の常用のためにこれに付属させられていたものである。そして,宅地に設定された抵当権の効力は,[ウ]たる物件に及ぶことはもちろん,宅地に付加して一体をなすものとして,[エ]たる物件にも及ぶ。この場合,抵当権は宅地に対する抵当権設定登記をもって,その[オ]たる物件についてはもちろん.抵当権の効力から除外する等特段の事情のないかぎり,[カ]たる物件についても対抗力を有するものと解するのが相当である。そうとすれば,抵当権者は,抵当権に基づき,宅地に付着している物件が独立の[キ]として抵当権の効力外に逸出するのを防止する権利を有する。」

1.ア ウ オ  2.ア エ カ  3.イ ウ オ

4.イ エ カ  5.ア エ カ キ

[63−32] 下記の文章の( )中に「意思」・「表示」のうち適切なものを入れると「意思」が使用される回数は何回か。

A 心裡留保

  原則として,( )どおりの効果発生−−−−−−−−−−−( )主義

  ただし,相手方が真意を知り,または知り得るときは無効−( )主義を制限

B 虚偽表示

  無効−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−( )主義

  無効を善意の第三者に対抗できない−−−−−−−−−−−−( )主義

C 錯誤

  表意者に重過失あるときは無効の主張ができない−−−−( )主義を制限

D 瑕疵ある意思表示

  取消可能−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−( )主義

  詐欺の取消しは善意の第三者に対抗できない−−−−−−( )主義を制限

  強迫の取消しは善意の第三者にも対抗できる−−−−−−−−( )主義

1.3回  2.4回  3.5回

4.6回  5.7回

[63−33] 相続人A・Bは,甲不動産を各2分の1の相続分で相続し,その旨の登記を経由した。その後.A・B間の遺産分割の協議により,甲不動産はAの単独所有となった。Bの債権者Cは,登記が分割協議前のままの状態であったため,Bの2分の1の持分を差し押さえ,その登記を経由した。

この事例について,Aが甲不動産の単独所有権をCに対して主張することができるという見解を採るとした場合,その見解と矛盾しない記述を次のアからオまでから選んだとき,その組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

ア 遺産の分割は,相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものではあるが,第三者に対する関係においては,相続人が相続によっていったん取得した権利について分割時に新たな変更が生ずるのと実質上異ならないものである。

イ 遺産分割の遡及効は,第三者に対する関係では制限されるが,ここにいう第三者とは,相続開始の後で遺産分割の前に生じた第三者を指し,遺産分割の後に生じた第三者を含まない。

ウ 相続人は,遺産分割による権利の変動についていつでも登記をすることができ,しかも,第三者が共同相続の外観を信頼して相続人の持分につき権利を取得する可能性が大であるにもかかわちず,相続人がいつまでも登記なくして第三者に対抗することができるものとするのは,法律関係の安定を害する。

エ 遺産分割によって法定相続分と異なる権利を取得した相続人と遺産分割後に生じた第三者の関係をすべて対抗問題として登記の有無をもって決することは,登記に公信力を認める場合以上の保護を第三者に与えることになり,妥当でない。

オ 遺産分割によって相続財産中の権利が一人の相続人に帰属するのは,被相続人から直接に承継するのであって,他の相続人から移転するのではない。

1.ア ウ    2.ア イ エ  3.イ ウ エ

4.イ エ オ  5.ウ オ

[63−34] 受寄者が受寄物を第三者に盗まれたことを前提として,次のA・B二つの命題に該当するものを下記アからエまでの記述のうちから選んだ場合,適切な組合せは後記1から5までのうちどれか。

A 債権者が,債務者から損害賠償としてその債権の目的である物の価額の全額の支払を受けた場合,債務者はその物について当然債権者に代位する。

B 履行不能を生じたのと同じ原因によって債務者が給付の目的物に代わる代償を得た場合,債権者は債務者に対してこの代償を請求し得る。

ア 寄託者が盗取者から損害賠償として寄託物の価額の支払を受けた。

イ 受寄者が受奇物について盗難保険金の支払を受けた。

ウ 受寄者が受寄物の価額を損害賠償として寄託者に支払った。

エ 受寄者が受寄物を盗取者から取り戻した。

1.A−ア B−イ  2.A−イ B−ア  3.A−イ B−ウ

4.A−ウ B−イ  5.A−ウ B−エ

[63−35] 甲は,甲所有の山林につき,立木の所有権を留保して土地の所有権のみを乙に譲渡し,その後,乙はこの土地を立木を含むものとして丙に譲渡した。いずれの譲渡についても,土地所有権の移転登記がされているが,立木については別に公示方法は講じられていない。この事案について,次の見解がある。

「立木は本来土地の一部として一個の土地所有権の内容をなすものであるが,土地の所有権を移転するに当り,特に当事者間の合意によって立木の所有権を留保した場合は,立木は土地と独立して所有権の目的となるものであるが,該留保もまた物権変動の一場合と解すべきであるから,この場合には立木につき立木法による登記をするかまたは該留保を公示するに足る明認方法を講じない以上,第三者は全然立木についての所有権留保の事実を知るに由ないものであるから,登記または明認方法を施さない限り,立木所有権の留保をもってその地盤である土地の所有権を取得した第三者に対抗し得ないものと解するのを相当とする。」

丙が甲に対して立木の所有権を主張することができるかどうかに関し,下記1から5までの記述のうち,上記見解と同じ結論に至るものはどれか。

1.立木は,経済的価値からみても,土地とは別個の所有権の客体であると解すへきであるから,土地所有権の移転登記をもって,立木所有権の移転の対抗要件に代えることはできないと解すべきである。

2.立木は,明認方法が講じられ,又は立木法による登記がある場合に限り,土地から独立して取引の客体になると解すべきであるから,それかない以上,立木のみについて所有権が成立することはないと解すべきである。

3.立木の所有権の留保は立木を売買契約の対象としないという趣旨にすぎないから,これにより立木の所有権について物権変動が生ずるものと解することはできない。

4.乙は甲から立木の所有権を取得していないから,丙がこれを取得すると解することは,不動産について即時取得を認めることに他ならない。

5.甲は乙から立木の所有権の移転を受けたものではないから,甲と丙とは立木の所有権について対抗関係にある第三者と解すべきではない。

[63−36] 土地賃借権の時効取得に関する次の文章中の[  ]に下記のAからFまでの文章を入れると完成した文章となる。その順番として最も適当なものは,後記1から5までのうちどれか。

「わが国の民法上,土地賃借権は,[  ]から,賃貸人たる所有権者との関係を除外して土地賃借権の時効取得が可能かという問題がある。一般に,賃借権は,[  ]という物に対する支配権的な側面と,[  ]という対人的な請求権としての側面とがあり,しかも土地賃借権とりわけ建物所有を目的とする土地賃借権において,賃借人がその地上に登記した建物を有するときは,特別法によって,その支配権的側面が強化され,[  ]を考えると,[  ]という要件が充足されるときは,民法第163条により,土地賃借権は[  ]からその時効取得が可能である。」

A 賃貸人をして,目的物を使用収益の可能な状態において提供させること

B 土地の継続的な用益という外形的事実の存在とそれが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されていること

C 財産権の一種であること

D 特定の人をして特定の行為をさせることを内容とする債権とされていること

E 目的物を使用収益すること

F 実質的には,地上権又は登記された土地賃借権と同視されていること

1.A B D F E C

2.C B D A F E

3.C E D F A B

4.D E A B F C

5.D E A F B C

[63−37] 本問中の[  ]に「注文者」又は「請負人」のいずれか適切な語句を選んで文章を完成させた上,次の「見解」の根拠として適切でないものを下記のAからEまでの記述のうちから選んだ場合,その組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

見解 「請負契約における完成建物の所有権は,引渡しを待たずに,原則として建物完成と同時に注文者に帰属する。」

A 材料及び労務を[  ]に提供させておきながら,報酬も完済せずに,[  ]に所有権を取得させるの不当である。

B [  ]には不動産工事の先取特権が認められるが,実用性に乏しい。

C [  ]に原始的に所有権を認めれば,その者が引渡前の完成建物を担保に供したり,他に譲渡することにより,土地所有者ないし利用権者である[  ]の利益を害するおそれがある。

D [  ]が完成させ,かつ,占有している建物について,[  ]がその占有を侵奪した上,善意の第三者を入居させた場合,[  ]は,占有訴権によっては占有を回収することができない。

E [  ]は,特約のないかぎり敷地利用権を有しないから,その者に建物の所有権を認めても,必ずしもその者を保護することにはならない。

1.A B D  2.A B E  3.A C D

4.B C E  5.C D E

[63−38] Aが失踪したので,Aの妻Bの申立てにより,失踪宣告がされた。ところが,Aが生存していることが判明し,失踪宣告が取り消された。宣告の後で取消しの前にされた行為に関する次の見解のうち,最も成り立ちにくいものはどれか。

1.BがAの生存につき悪意であるとしても,Bは,失踪宣告によって得たAの財産のうち,既に費消したものは返還する必要はない。

2.Bが再婚した場合において,B及び再婚の相手がAの生存につき悪意であるときは,その婚姻は,効力を生じない。

3.BがAの土地を相続したとしてCに譲渡した場合,Aの生存につきBが善意であってもCが悪意であるときは,Cは,Aに対しその土地を返還しなければならない。

4.BがAの土地を相続したとしてCに譲渡し,Cが更にその土地をDに譲渡した場合,Aの生存につきB及びCが善意であるときは,Dは,悪意であっても,Aに対しその土地を返還する必要はない。

5.BがAの土地を相続したとしてCに譲渡した場合,Aの生存につきBが悪意であってもCは,取得時効の要件を満たしたときは,Aに対しその土地を返還する必要はない。

(参照条文)民法第32条 失踪者ノ生存スルコト又ハ前条ニ定メタル時ト異ナリタル時ニ死亡シタルコトノ証明アルトキハ家庭裁判所ハ本人又は利害関係人ノ請求ニ因リ失踪ノ宣告ヲ取消スコトヲ要ス但失踪ノ宣告後其取消前ニ善意ヲ以テ為シタル行為ハ其効力ヲ変セス

失踪ノ宣告ニ因リテ財産ヲ得タル者ハ其取消ニ因リテ権利ヲ失フモ現ニ利益ヲ受クル限度ニ於テノミ其財産ヲ返還スル義務ヲ負フ

[63−39] 次の文章中の[ (A) ]から[ (E) ]までに,アからケまでの文章を選んで入れる場合,下記1から5までのうち,組合せとして適切なものはどれか。

「民法第102条は「代理人ハ能力者タルコトヲ要セス」と規定しているが,これは[ (A) ]ことを意味すると一般に理解されている。なぜなら,[ (B) ]から,[ (C) ]ものとしても,[ (D) ]ことを考えると,[ (E) ]からである。」

ア 任意代理においては無能力者を代理人としても差し支えない

イ 代理人の無能力を理由としてその代理行為を取り消すことができる

ウ 代理人の無能力を理由としてその代理行為を取り消すことができない

エ 代理行為の効果は本人に帰属し,代理人には帰属しない

オ 取り消された後,代理人は無権代理人としての責任を負う

カ 行為無能力の制度は行為無能力者自身を保護する制度である

キ 無能力者を代理人に選択した本人を保護する必要はない

ク 無能力者である代理人を保護することになる

ケ 無能力者である代理人を保護することにならない

1.(A)ア (B)ウ (C)カ (D)キ (E)ク

2.(A)ア (B)カ (C)オ (D)ケ (E)キ

3.(A)イ (B)オ (C)エ (D)カ (E)ク

4.(A)ウ (B)エ (C)オ (D)イ (E)ケ

5.(A)ウ (B)カ (C)イ (D)エ (E)ケ

[63−40] 次の文章中の[(A)]から[(C)]までに,アからケまでの語句を選んで入れる場合,下記1から5までのうち,組合せとして適切なものはどれか。

「貸金債権担保のため債務者所有の不動産につき[(A)]を締結し,債務者が弁済期に債務を弁済すれば,当該不動産を債務者に返還するが,弁済をしないときは当該不動産を債務の弁済に代えて確定的に債権者の所有に帰せしめるとの合意のもとに[(B)]がされている場合において,債務者が弁済期に債務の弁済をしないときは,債権者は,目的不動産を換価処分するか,又はこれを適正に評価することによって具体化する価格から債権額を差し引き,残額を清算金として債務者に支払うことを要するのであって,債権者がこの担保目的実現の手段として,債務者に対し,[(C)]をした場合に,債務者が清算金の支払と引換えにその履行をなすべき旨を主張したときは,特段の事情のある場合を除き,債権者の請求は,債務者への清算金の支払と引換えにのみ認容されるべきものと解するのが相当である。」

ア 担保目的の再売買の予約          イ 譲渡担保契約

ウ 停止条件付代物弁済契約          エ 所有権移転登記

オ 所有権移転請求権保全の仮登記       カ 引渡し

キ 所有権移転登記手続を請求する訴えの提起 ク 引渡しを請求する訴えの提起

ケ 競買を請求する申立て

1.(A)ア (B)エ (C)ケ

2.(A)ア (B)オ (C)キ

3.(A)イ (B)エ (C)ク

4.(A)イ (B)オ (C)ク

5.(A)ウ (B)カ (C)ケ

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