[H02−21] 下記の文章はX男Y女夫婦の嫡出子でX男Y女の共同親権の下にあるAの所有する土地をX男の第三者に対する債務の担保に供する場合に関する記述である。〔 〕内の@からHのなかから最も適切と思われる記述を選んだ場合,正しい組合せは後記1から5までのうちどれか。

この場合,X男とAとの利益が相反するので,X男はAに対する親権を行使することが出来ないからこの土地を担保に供するためには〔@X男の特別代理人を選任する必要があり,この特別代理人が単独で AX男の特別代理人を選任する必要があり,Y女とこの特別代理人が共同で BY女が単独で親権を行使して〕Aの代理をすることとなる。

この場合,X男とY女が共同してAの代理をした場合の代理行為は〔C無効行為であるが D取り消し得る行為であるが E無権代理であるが〕追認することができる。このような利益相反行為の場合,追認は〔FAが単独ですることができる GAが15歳に達していればすることができる HAが成年に達していればすることができる〕。

1.@CF  2.ADG  3.BDH  4.@EG  5.AEH

[H02−22] 「譲渡担保においては,目的物の所有権は担保権者に完全に移転し,担保権者がその所有権を担保の目的以外には行使しない義務を担保設定者に対して負うにすぎない」とする見解がある。乙から融資を受けた甲が自己の所有物を譲渡担保とする契約を乙と締結した場合に関する次のアからオまでの記述のうちから上記見解と矛盾しないものを選んだとき,その組合せとして正しいものは後記1から5までのうちどれか。

ア 甲の債務の弁済期経過前に,乙が目的不動産を丙に譲渡したときは,丙は登記がなければ,甲に対し,その所有権の取得を対抗することができない。

イ 甲の債務の弁済期経過前に,丙が目的動産を正当な権原なく占有するときは,丙に対し,甲はその動産を自己に引き渡すよう請求することができるが,乙は自己に引き渡すよう請求することができない。

ウ 甲の債務の弁済期経過前に,甲が占有している目的動産を譲渡担保の存在を知っている別の債権者丙に代物弁済として譲渡し引き渡したときは,乙は丙に対し,その動産を自己に引き渡すよう請求することができる。

エ 甲の債務の弁済期経過後で,譲渡担保に関する清算未了の間に,乙が目的不動産を丙に譲渡したときは,丙は登記がなければ,甲に対し,その所有権の取得を対抗することができない。

オ 甲が債務を弁済した後に,乙が目的不動産を丙に譲渡したときは,丙は登記がなければ甲に対し,その所有権の取得を対抗することができない。

1.ア エ  2.ア ウ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

[H02−23] 甲の乙に対する債権を担保する目的で,乙が自己の丙に対する債権の弁済を乙に代わって受領する権限を甲に授与し,甲に対し丙がその代理受領を承認するという方法が用いられることがある。このような代理受領の法的性質について次の文章の[ ]内に上記の甲乙丙のいずれかを補って文章を完成させる場合に,これらの語の使用回数の組合せとして正しいものは,下記1から5までのうちどれか。

「代理受領は,[ ]が[ ]に対して任意に弁済をする限りにおいて,その受領金を[ ]の[ ]に対する債権の弁済に充てることができるという効力の弱い担保手段である。すなわち,[ ]は,[ ]に対して直接支払を請求することはできず,[ ]に対する債権を他に譲渡した場合には,[ ]に対する責任を追及することはできても,自己が優先的に取立てをすることができることを譲受人に対して主張することはできない。また,[ ]は,[ ]に対して債務の弁済をしてはならないという拘束を受けるが,弁済をした場合にも,債務を有効に免れるので,[ ]としては,[ ]に対する損害賠償責任を追及することはできても,自己の債権の担保手段の消滅を阻止することはできない。

  甲  乙  丙   甲  乙  丙

1.4個 4個 5個2.5個 3個 5個

3.5個 4個 4個4.6個 2個 5個

5.6個 4個 3個

[H02−24] 次の(A)から(E)までに下記のアからコまでの発言の中から適切なものを選んで身分行為の意思に関するつながりの良い対話を完成させる場合に,適切な発言の組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

教授:婚姻意思とは,どういうものですか。

学生:(      A       )

教授:子を嫡出子とするための便法として婚姻をした場合,その効力は,どうですか。

学生:(      B       )

教授:協議離婚の場合の離婚意思については,どのように考えますか。

学生:(      C       )

教授:夫の債権者からの追及を免れるため夫の財産を妻名義にして協議離婚した場合,その効力は,どうですか。

学生:(      D       )

教授:婚姻や協議離婚の意思について,どのような立場をとるのですか。

学生:(      E       )

ア 婚姻の届出をする意思をいいます。

イ 社会通念上夫婦といえるような関係を成立させる意思をいいます。

ウ 離婚の届出をする意思をいいます。

エ 夫婦としての関係を現実に解消しようとする意思をいいます。

オ 有効です。

カ 無効です。

キ 取り消し得るものとなります。

ク 身分意思とは,要式行為である身分行為をする意思と解すべきです。

ケ 身分意思とは,実質的な身分関係の形成に向けられた意思と解すべきです。

コ 身分意思とは,本来は実質的な身分関係の形成を欲する意思と解すべきですが,離婚については,法律上の婚姻関係を解消しても内縁関係を継続させることは社会通念上認められているので届出をする意思と解すべきです。

  A B C D E     A B C D E

1.ア オ ウ カ ク   2.イ カ エ オ コ

3.ア キ エ カ ケ   4.イ オ ウ キ コ

5.イ カ ウ オ コ

[H02−25] 一物一権主義には(ア)一つの物の上には両立しない二つ以上の物権は成立しえないということと(イ)一つの物権の客体には一つの物しかなることができないということの二つの意味があるとされる。次のAからFまではア又はイの命題からその帰結又はその例外についての記述であるが,同じ命題についての記述を選んだ場合に,その組合せとして正しいものは下記1から5までのうちどれか。

A 一筆の土地の一部についても取得時効は成立し得る。

B 土地に設定した抵当権の効力は,その土地に附加してこれと一体をなす物に及ぶ。

C 土地所有権者甲から空中部分の範囲に限って地上権の設定を受けた乙は,甲からの土地所有権譲受人丙に対し,登記を備えなければ,その権利を主張することができない。

D 甲が所有する土地につき,乙の抵当権が設定されている場合であっても,後から丙に地上権を設定することができる。

E 増築した風呂場のみを目的とする抵当権を設定することはできない。

F 共有者は一つの物の上にそれぞれ所有権を有している。

1.ABE  2.ACD  3.ACE  4.BCF  5.BEF

[H02−26] 割賦払の金銭債権について,「債務者が割賦金の支払を怠った場合には,『期限の利益を喪失させる』旨の債権者の意思表示により期限の利益が失われ,債権者は,残債務全部の履行を請求できる」という特約が付されている場合に,債務者が割賦金の支払を一回怠ったときの残債務の消滅時効の起算点に関してはA説とB説とがある。下記アからオまでの記述には,Aについて述べたものが二つ,Bについて述べたものが三つあるが,Aについて述べたものの組合せとして適切なものは後記1から5までのうちどれか。

ア この説によれば,債務者が残債務全部の支払をしなくてもよい間に残債務全部についての消滅時効が進行することになる。

イ この説によれば,債権者の意思により容易に残債務全部の履行を請求することができるのに請求しなかった債権者が請求した債権者より保護されることになる。

ウ この説によれば,割賦金の不払があっても債権者が引き続き割賦払を認める場合,割賦金の支払を怠ったことのある債務者が支払を怠ったことのない債務者に比べより多くの消滅時効の利益を受けることになる。

エ この説によれば,債権者は,自己が望んでいないのに,残債務全部の履行の請求をすることを強いられることになる。

オ 実質的には,債権者が残債務全部について債権を行使した時から,その消滅時効が進行を開始することになる。

1.ア ウ  2.ア オ  3.イ エ  4.イ オ  5.ウ オ

[H02−27] 次の文章の[ ]に三種類の適切な語を補って文章を完成させる場合に[A]の部分の語と同じ語を補うべき[ ]の数は,[A]を含めていくつか。

「[ ][ ]間で委任契約が締結され,[ ][ ]間で復委任契約が締結されたことにより,民法107条2項の規定に基づいて[ ][ ]間に権利義務が生じた場合であっても,この規定は,[ ]の代理行為も[ ]の代理行為と同一の効果を生じるところから,[ ][ ]間にも直接の権利義務関係を生じさせることが便宜であるとの趣旨に出たものであるにすぎず,この規定のゆえに委任契約及び復委任契約上の権利義務に消長を来すべき理由はない。したがって,[A]が委任事務を処理するに当たり金銭等を受領したときは,[ ]は,特別の事情がない限り,[ ]に対してこれを引渡す義務を負うほか,[ ]に対してもこれを引渡す義務を負い,もし[ ]が[ ]にこれを引渡したときは,[ ]に対する受領物引渡義務は消滅し,それとともに,[ ]に対する受領物引渡義務も消滅することになる。」

1.4個  2.5個  3.6個  4.7個  5.8個

[H02−28] 下記1から5までは,Aが「甲倉庫に保管中の石灰」であることを特定してその石灰のうち5トンを卸問屋Bから買い受ける契約をしたところ,代金が未払のまま隣家からの類焼により甲倉庫に保管中の石灰全部が焼失したという事案に関する架空の判決及びその判決に対する論評を組み合わせたものである。ここでは判決の理由が付されていないが,論評からその理由を想定した上で,それ自体としてあるいはその判決に対する論評として最も適切でないものはどれか。

1.(判決)Bが甲倉庫で引渡しをするとの約定に基づき,石灰5トン分を分離しないまま,Aに甲倉庫に引き取りにくるように伝えたところ,翌日Aが甲倉庫に到着する前に焼失してしまった場合で,Bの代金請求を認めた。

  (論評)弁済の提供があったといえるとしても,その有無は,履行遅滞の責任を免れさせるための基準であるから,危険負担の移転を生ずる場合の基準である特定を生ぜしめるための債務者の行為と一致するわけではない。判決は,この点で混同している。

2.(判決)契約締結後,甲倉庫にある石灰が次々と他の買主に引き渡され,残り5トンとなったところで焼失したものであった場合に,Bの代金請求を認めなかった。

  (論評)判決で,危険負担の移転時期を画する基準として示されたところは,所有権の移転時期について有力な学説が示す基準と一致する。ただ,「代金の支払」は,反対給付の完了後は危険負担は問題とならないので基準の対象から外れるのである。

3.(判決)その石灰は,AがBから担保として自己の甲倉庫に預かっていたものを買い受けたものである場合に,Bの代金請求を認めた。

  (論評)本件で,売買契約締結時に目的物が買主に引き渡されているとみることができるならば,判決のように,危険負担についての一般論としであえて,民法第534条の債権者主義の規定による理由付けに固執する必要はなかった。

4.(判決)Bが,甲倉庫で引渡しをするという約定に基づき石灰5トンを同倉庫内で他から分離し,袋詰めしたところ,Aが引取りにくる前に焼失したものであった場合に,Bの代金請求を認めなかった。

  (論評)特定物の売買の場合にとられている債権者主義制限の思想に沿ったものであり,結論は妥当であるとしても,判決は,一般論として,危険負担は引渡しにより移転するとの立場を示すこともできたはずである。

5.(判決)Aは,まず引渡しのあった1トンの品質に瑕疵があると主張し,以後の受領を拒否していたところ,焼失したものであった場合に,Bの代金請求を認めた。

  (論評)本件は,危険負担の移転を特定によるものと構成するよりも,危険負担の移転を債権者の受領遅滞によるものと構成する方がすっきりする。

[H02−29] 甲の乙に対する債権を丙と丁とに二重に譲渡した場合に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。

1.丙への譲渡につき確定日付のある通知を甲が乙に送付した後に,丁は甲を代位して,丁への譲渡につき確定日付のある通知を送付し,これが先に乙に到達した場合,丁は丙に優先する。

2.丙への譲渡につき確定日付のある承諾書を乙が丙に交付した後に,丁への譲渡につき確定日付のある通知を甲が乙に送付しこれが丙の確定日付より先であっても,丙は丁に優先する。

3.丙への譲渡につき乙に確定日付のない通知が到達し,乙が丙に弁済をした後に,丁は甲より債権を譲り受け,甲が乙にこれを確定日付のある通知をしたとき,丁は丙に優先し,丁は乙に対し弁済を請求できる。

4.丙,丁への譲渡につき確定日付のある通知を甲が乙に送付し,同時に乙に到達した場合,丙丁の優劣は決することができず,乙に関してもそれを対抗要件として主張することは認められない。

5.丙への譲渡につき事前に乙が確定日付のある承諾書を丙に交付した後に,丙が甲から債権を譲り受けても,その後に丁が甲からその債権を譲り受け,甲がその譲渡につき確定日付のある通知を乙にしたとき,丁が丙に優先する。

[H02−30] AからEまでに掲げられた登記請求権が主張されている場合に,物権的請求権としての登記請求権が行使されているととらえることが困難であるものを選んだ場合,その組合せとして正しいものは,下記1から5までのうちどれか。

A 甲の一番抵当権が被担保債権の弁済によって消滅したことにより,二番抵当権者乙が甲の抵当権の登記の抹消を請求する場合の乙の甲に対する請求権

B 甲が乙に対する債務を担保するため自己の所有地に抵当権を設定し,登記をしたところ,甲の債務の保証人である丙が,その債務を弁済しその抵当権の登記名義を乙から丙に移転することを請求する場合の丙の乙に対する請求権

C 甲が自己所有の土地を乙に売却し,乙がそれを丙に売却したときに,登記簿上の所有名義人甲に対し,丙が乙に代位して,その登記名義を乙に移転することを請求する場合の乙の甲に対する請求権

D 甲の所有地について,乙が偽造文書により乙の所有名義に移転登記をし,さらにそれを丙に売却して丙の所有名義に移転登記がされたときに,甲が丙に対し登記名義を甲に移転することを請求する場合の甲の丙に対する請求権

E 甲が新築した建物について,乙が偽造文書により自己所有名義の保存登記をし,さらにそれを丙に売却して丙の所有名義に移転登記をしたが,これに気づいた甲の抗議に応じ,乙が丙名義の登記の抹消を請求する場合の乙の丙に対する請求権

1.A B  2.A D  3.B C  4.B E  5.C D

ー[H02−31]から[H02−32]までー

土地所有者甲からその土地を買い受けた乙が,その後この土地を甲から買い受け,自己への移転登記を得た丙を相手どって,詐害行為取消訴訟を提起し,丙への譲渡行為の取消しと登記名義の乙への移転を請求するという事案に関する次のABCの会話について,[H02−31]と[H02−32]の各問に答えよ。

A:詐害行為取消権は,債務者の責任財産を保全することを目的とするものですね。だから( )でしょう。

B:しかし( )と考えられるではないですか。

A:それは否定できませんが,( )と考えるべきですよ。そもそも,B君のように考えると,( )ということとの整合性を欠くと批判がされませんか。

B:そんなことはありませんよ。( )のですから。

C:その点に関しては,そうでしょうね。ただ,乙の丙に対する請求については,( )ということを考慮すべきで,やはり,認めるわけにはいかないのではないですか。つまり,最初にA君が言った制度の趣旨から,乙の立場が丙の立場より不当に有利にならないようにすべきではないでしょうか。

B:しかし,それでは,( )ことと均衡を失することになりませんか。

C:いや,その場合はよいのですが,( )のですから別でしょう。

[H02−31] 空欄に下記アからコまでの文を補充して(同じものを2度使うことはできない。)ABC間の会話を完成させる場合に,使用されない文の組合せとして正しいものは,下記1から5までのうちどれか。

ア 取消権の行使は,受益者のみならず債務者をも相手どって行われる

イ 取消権の行使には,債務者の無資力が要件となっている

ウ 取消権の行使は,特定物引渡請求権を保全するためにすることはできない

エ 取消権が行使されれば,その効果は,丙にも及ぶ

オ 取消権が行使されても,甲丙間の譲渡行為は有効である

カ 被保全債権が特定物引渡債権であっても究極的には損害賠償債権に変じ得るもので,債務者の一般財産により担保されるべきことにかわりはない

キ 被保全債権が特定物引渡債権である場合には,損害賠償債権のように金銭債権に変じた場合にはじめて,取消権を行使し得る

ク 乙と丙とは対抗関係にあり,本来登記の有無により優劣が決せられるはずである

ケ 目的物が動産の場合には,乙が直接引渡しを求めることができる

コ 目的物が不動産の場合には,甲の受領の拒絶を考慮する必要はない

1.ア オ  2.イ キ  3.エ カ  4.ウ コ  5.オ ク

[H02−32] A,B,Cの考え方に関する次の説明のうち,最も適切でないものはどれか。

1.Aは,「背信的悪意者も,民法第177条の第三者である。jと考えているわけではない。

2.Bは,「受益者は,取消し権の行使がその利益のために効力を生ずるところの民法第425条の『総債権者』には含まれない。」と考えているわけではない。

3.Bの立場では,乙は丙に対し直接移転登記請求をすることができることになるが,Aの立場では,いったん登記を甲に戻してから,乙への移転登記をすべきであることになる。

4.Cは,「取消権の行使は,詐害行為の効力を失わせるにとどまる。」という考えはとっていない。

5.A,B,Cいずれの立場でも,丙からの転得者丁が登記を受けており,丁が詐害行為につき悪意である場合に,乙以外の甲の金銭債権者が丁に対し抹消登記請求をすることができるわけではない。

[H02−33] 売主の瑕疵担保責任と債務不履行責任との関係に関する下記アからオまでの記述のうちから相互に矛盾しない一貫した説明となるものを選んだ場合,その組合せとして最も適切なものは下記1から5までのうちどれか。

ア 売主は,瑕疵ある物を交付した場合であっても,目的物が不特定物であれば,債務不履行責任を負う。

イ 買主が売主に対して瑕疵担保責任を追及することが一年の期間制限に服するのは,この責任が売買契約当事者間に認められる特別のものであることによる。

ウ 瑕疵担保責任は,債務不履行責任の特則であるが,前者につき定めのない事項に関しては,特定物売買についても,債務不履行責任についての規定が適用される。

エ 売主は,目的物が特定物か不特定物かにかかわらず,基本的には,売買金額に見合う程度の物を給付しなければならない。

オ 特定物売買では,売王は,目的物を交付すれば,その物に瑕疵があっても,原則として債務不履行責任を負わない。

1.ア イ ウ  2.ア イ オ  3.ア エ オ  4.イ ウ エ  5.ウ エ オ

[H02−34] 次の文章の[ ]の部分に,下記(ア)から(エ)までの語句のうち適切なものを選んで文章を完成させる場合,最も多く使われる語句と最も少なく使われる語句の使用回数の組合せのうち,正しいものは後記1から5までのうちどれか。

「隔地者間の意思表示の効力が発生する時期について,意思表示一般に関しては[ ]を妥当としている。契約の[ ]は意思表示であるから,この原則が妥当する。これに対して[ ]については一般に[ ]がとられていると解されている。外国では[ ]をとるところもあり,立法論としていずれが妥当かについては古くから議論されている。[ ]についていずれのしくみをとるかによる差異は次の三点である。第一は,[ ]の取消しができるとした場合にいつまでできるかである。[ ]は[ ]の取消しはその通知が[ ]の到達までに相手方に到達すればよいとする。第二は,[ ]の撤回が可能かである。[ ]は,いったん[ ]を発信した時は,その到達と同時か,それより早く到達する意思表示によっても,その撤回はできないとし,したがって,この場合は契約が成立するとする。第三は,[ ]の通知が郵便物の紛失などにより,相手方に到達しなかった場合に契約が成立するかである。[ ]は契約不成立とする。」

(ア)発信主義  (イ)到達主義  (ウ)申込  (エ)承諾

  最も多く使われる語句   最も少なく使われる語句

1.    5回            2回

2.    6回            1回

3.    6回            2回

4.    6回            3回

5.    7回            2回

[H02−35] 民法第255条は,共有者の1人が相続人なくして死亡した時は,その共有物の持分は他の共有者に帰属すると定めている。また,民法第958条の3は,相続人が不存在の場合に被相続人と特別の縁故のあった者による相続財産の請求を認めている。不動産の共有者の1人が死亡し,相続が開始したが,相続人がいない場合に,民法第255条を優先的に適用する説と,民法第958条の3を優先的に適用する説がある。民法第958条の3優先適用説の考え方に合致しない組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

ア 民法第255条の規定は相続人不存在の場合における相続財産の国庫への帰属を定めた第959条の例外規定として設けられたものである。

イ 共有持分が相続債権者に対する弁済のため換価された場合に,その弁済後に残存する現金が財産分与の対象となることとの均衡を失するべきではない。

ウ 民法第255条の「相続人ナクシテ死亡シタルトキ」とは,相続人がいることが明らかでなく,相続人捜索,公告期間内に相続人としての権利を主張する者がいないため相続人の不存在が確定したときを意味する。

エ 共有持分の帰属者をいずれにするかは,被相続人の意思に合致するかどうか,具体的妥当性はどうか,などの点を考慮して決められるべきである。

オ 共有とは,本来1個の物の上に共有者が各自1個の所有権を有し各所有権が制約しあっている状態であるから,ある共有持分について相続人がいないときは,この制約がその限度でなくなるものとするのが,共有の性質上適切である。

1.ア イ  2.イ ウ  3.ウ オ  4.ユ オ  5.ア エ

[H02−36] 次の文章中の[ ]に「求償権」「原債権」「担保権」のいずれか適切な語句を,〔 〕に下記アからウまでの金額のうち適切なものをそれぞれ選んで補充し,文章を完成させる場合に[ ]内に「求償権」が入る回数と〔 〕内に入る金額との組合せとして正しいものは,後記1から5までのうちどれか。

「弁済による代位の制度は,代位弁済者が債務者に対して取得する[ ]を確保するために,本来弁済によって消滅するはずの債権者の債務者に対する[ ]及び[ ]を代位弁済者に移転させ,代位弁済者が[ ]の範囲内で[ ]及び[ ]を行使することを認める制度であり,代位弁済者が代位によって取得した[ ]を実行する場合に,その被担保債権として扱うべきものは,[ ]である。ところで民法第459条第2項により準用される同法第442条第2項は,求償権の内容は弁済額のほかこれに対する弁済の日以後の法定利息等とする旨定めるが,債務者と委託をうけた保証人との間で,この法定利息に代えて[ ]について法定利率を上回る約定利率による遅延損害金を支払う旨の特約がされた場合,この特約は有効である。この特約があっても,保証人が代位によって行使できる[ ]の範囲は[ ]の額によって限定され,もともと担保物が負っていた物的負担を増大させることにならないので,後順位担保権者等に不当な影響を及ぼすことはない。また,この特約によって[ ]の遅延損害金の利率が変更されないことも当然である。

 以上を前提にすれば,甲の乙に対する2,000万円の貸金債権(無利息,遅延損害金年1割)について,乙所有の土地に一番抵当権が設置され,丙が乙の委託をうけて連帯保証をして求償権の遅延損害金の利率を年1割5分と定めた後,丙が貸金の弁済期に甲に2,000万円を支払い,その後,この抵当権の実行を申し立て,この土地が3,000万円で売却された場合において,弁済期から1年後に配当がされたとき,丙が受けるべき配当額は,〔 〕である。」

ア 2,100万円  イ 2,200万円  ウ 2,300万円

1.3回ア  2.3回イ  3.4回イ  4.4回ウ  5.5回ウ

[H02−37] 〔  〕に下記AからEまでのうちの二つの文を補って次の記述を完成させる場合に,使用すべき文を選んだものの組合せとして最も適切なものは,下記1から5までのうちどれか。

「海は,古来より自然の状態のままで人々の共同利用に供されてきたもので,国の直接の公的支配管理に服すべきものである。したがって,〔  〕。しかし〔  〕。すなわち,〔  〕。これを所有権の客体たる土地とするかどうかは,立法政策の問題である。そこで現行法をみると,海の一定範囲を区画し,海水に履われたままの状態でこれを私人に帰属させるという制度は採用されていないと解される。」

A 海であっても,行政行為によって他の海面から区別して排他的支配を可能にした上で,公用に供することを廃止し,私人に帰属させる措置をとれば,その部分を所有権の客体となる土地として扱うことができないわけではない

B およそ人の支配の及ばない深海のような部分を除いては,海が本来の性質からいって全く所有権の客体となり得ないというわけではない

C 所有権の客体としての土地であるといえるためには,人による事実的支配が可能であって,かつ経済的価値を有する地表面であるものをいうと解されるから海であっても,この要件をみたせは所有権の客体となり得る

D 土地とは陸地をいい,陸地とは春分秋分における満潮位を基準として,その線上にある部分をいうものと解すべきである

E 海は特定人による排他的支配の許されないものであるから,そのままの状態では所有権の客体たる土地に当たらない

1.ABC  2.ABE  3.ADE  4.BCD  5.CDE

[H02−38] 「同意は,不法行為の成立を阻止する。」という法格言に関する下記アからオまでの記述のうち,現行の法体系の下における説明として適切でないものを選んだ場合,その組合せとして正しいものは後記1から5までのうちどれか。

ア 同意は,将釆取得することのある損害賠償請求権の放棄であるから明示的になされることが必要である。

イ 身体に対する侵害について同意をするには行為能力は必要ではないが,財産に対する侵害について同意をするには行為能力が必要である。

ウ 同意は,遅くとも加害行為があった時までには存在しなければならない。

エ 公序良俗に反する形態での法益侵害についての同意は無効である。

オ この格言は自己の法益は自己の自由な処分に委ねられているという私的自治の原則から説明することができる。

1.ア イ  2.ア オ  3.イ ウ  4.ウ エ  5.エ オ

[H02−39] 錯誤に関するAからEまでの考え方につき説明した下記アからオまでの記述のうちから明らかに誤っているものを選んだ場合,その組合せとして適切なものは,後記1から5までのうちどれか。

A 意思の欠缺とは,表示に対応した意思のないことであるところ,動機の錯誤は,心理的な意思形成過程における錯誤にすぎず,意思の欠缺を生じさせるものではない。民法に法律行為の効力に影響を与えるものとして規定されている錯誤は意思の欠缺の場合である。

B 動機の錯誤も,表示に対応する真意の欠缺が生ずる点で他の錯誤の場合とは異ならないし,実際の取引上は,むしろ錯誤の代表的な場合に属するから,取引の安全のためであれば,動機の錯誤の場合にのみ表示を要求するのは一貫しない。

C 意思と動機との区別は困難であり,心理的には,性状に関する錯誤のみならず,一般に意思欠缺の典型と考えられる同一性の錯誤も,実は動機の錯誤である。したがって,意思欠缺と動機の錯誤との概念区別は,正当でない。

D 物の性状に関する錯誤は動機の錯誤であるが,その性状が取引上黙示的に示されていると認められる場合には,その錯誤も意思表示の内容の錯誤となりこの場合には,動機も含めて錯誤がなかったなら有したであろう意思と表示との不一致が生じているから,意思表示の錯誤となる。

E 物の性状に関する錯誤は動機の錯誤であるから,その性状が明示された以外は錯誤があっても,法律行為の効果を考えるに当り,顧慮すべきでない。

ア A,Eは「意思表示の錯誤は,心裡留保,虚偽表示と同様,意思と表示の不一致の問題であるが,動機の錯誤は,原理的にはこれと異なる。」と考えている。

イ B,C,Dは,「錯誤がある場合には,要素の錯誤であるか否かにかかわらず,法律行為の効果に影響を生じさせるべきである。」と考えている。

ウ BとDには,意思表示の錯誤の現実のあり方のとらえ方に共通点がみられる。

エ BとCは,意思表示理論における動機の位置づけにつき基本的には共通の考えに立っている。

オ AからEまでは,すべて「動機の錯誤も意思表示の錯誤となる場合がある。」と考えている。

1.ア イ  2.ア ウ  3.イ オ  4.ウ エ  5.エ オ

[H02−40] 下記1から5までは,AがBに対する債務を担保するため自己所有の土地につきBのために抵当権を設定したところ,後にAからその所有権を譲り受けたCがBに対し抵当権設定登記の抹消を請求する場合の請求の根拠づけに関するCの主張であるが,このうち根拠の性格に共通性があるものが四つある。残りの一つはどれか。

1.BのAに対する被担保債権をCが譲り受けた。

2.BのAに対する被担保債権は,Bとの間の賭博でAが負けた賭金についてした準消費貸借契約によるものである。

3.抵当権を設定した後,被担保債権の弁済期が経過してから既に10年が経過した。

4.被担保債権は,BのAに対する貸金債権とされているが,実際にはBからAに金銭の交付がなかった。

5.Aは,別にBに対する債権を有していたので,その債権を自働債権としてBのAに対する被担保債権と相殺した。

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