[50−03] 次のうち,正しいものはどれか。

(1) 罰金を完納することができなかった者は,これに代えて一定期間拘留される。

(2) 刑の執行猶予の言渡を取り消されることなく猶予の期間を終了した場合と,仮出獄後,取り消されることなく残刑期間を終了した場合とは,同一の法的効果を生ずる。

(3) 懲役刑執行中に,再度罪を犯し,懲役刑に処すべきときは,再犯加重しなければならない。

(4) 法律上の減軽とは,必ず滅軽しなければならない場合をいう。

(5) 併合罪加重をした後でも,情状により酌量減軽をすることができる。

[50−06] 次の行為のうち,観念的競合となるものはどれか。

(1) 自動車運転免許証を偽造し,交通取締中の警察官のもとめに応じ,それを提示した場合

(2) 人を殺して,その死体を遺棄した場合

(3) トラックを運転中,不注意からバスと衝突し,バスの乗客数人に負傷させた場合

(4) 人を逮捕し,ひき続き監禁した場合

(5) アパートの各室から次々と金品を窃取した場合

[50−09] 罪刑法定主義に関する次の記述のうち,誤りはどれか。

(1) 少年の時,犯罪を犯した音が,裁判中に成人に達すれば,通常の刑を科し得るものとする法律を制定するのは,罪刑法定主義に反するものではない。

(2) 行為後の法律で刑が軽く変更された場合に,新法を適用することは,罪刑法定主義の要請ではない。

(3) 水利妨害罪(刑法123条)の水利権の根拠を,慣習に求めることは,罪刑法定主義に反しない。

(4) すでに無罪とされた行為を,更に処罰できないとすることは,罪刑法定主義の要請とは関係がない。

(5) 看護婦は医師・産婆と同じように業務上他人の秘密を知り得る地位にあるから,解釈上秘密漏泄罪の主体に含まれるとしても,罪刑法定主義に反しない。

[50−12] 逃走罪について,次のうち,正しいのはどれか。

(1) 少年院に収容されている者が,集団で逃走した場合,加重逃走罪になる。

(2) 刑務所に服役中の受刑者に,なわばしごを投げ入れてその逃走を助けた者の刑は,そのなわばしごを使って逃走した者の刑より重い。

(3) 警官に現行犯として逮捕されて,警察署に連行される途中に逃走した者は,単純逃走罪になる。

(4) 独房に居た受刑者が,ドアの鍵をこわして逃げた場合,拘置所内にいても加重逃走罪の既遂となる。

(5) 拘置所から法廷へ護送される途中の被告人が,看守の目を盗んで逃走しても,単純逃走罪にならない。

[50−14] 自動車運転者甲は,走行中に誤って通行人乙をはねとぱし,ひん死の重傷を負わせた。甲は最寄りの病院に運ぼうと思って乙を車に乗せた。乙の状態から見て行く途中で死んでしまうことは確実であるから無駄だと思いながらも,死んだら遺棄しようと思い約10分間走行した。山の中の道路のそばのところで乙の生死を確かめたところ,すでに死亡していたので,乙の死体を崖からつき落とした。甲の罪責は如何。但し,道路交通法違反の点は除く。

(1) 殺人罪・死体遺棄罪

(2) 業務上過失致死罪・死体遺棄罪

(3) 業務上過失傷害罪・殺人罪・死体遺棄罪

(4) 業務上過失傷害罪・遺棄致死罪・死体遺棄罪

(5) 業務上過失致死罪・遺棄罪・死体遺棄罪

[50−17] 次のカッコ内の犯罪が,成立しないものはどれか。

(1) 甲は強盗の目的で通行中の女性乙をあいくちで脅迫中,強姦の意思を生じ,林の中へつれこみむりやり強姦した。しかし強姦後,甲は何の金品もとることなく立ち去った。(強盗強姦罪)

(2) 甲は窃盗の目的で乙宅に侵入し,たんすをあけたところを家人乙に見つけられたので,乙の手足を縄でしばり,衣類をふろしきに包んで逃げた。(事後強盗罪)

(3) 甲はデパートで店員のすきを見て陳列中の宝石を盗んだが,その場でデパートのガードマン乙に逮捕され,そのまま近くの警察へ連行される途中,乙をつき倒し,後頭部打撲傷を負わせた。(強盗致傷罪)

(4) 甲は強盗の目的で,所持金のないのを知りながらタクシーに乗り込み,目的地に到着して運転手から運賃を請求されると,乙の首をしめておどし,料金を支払わずに逃走した。(強盗罪)

(5) 甲は自宅の電気メーターを通さずにコードを引いて電気ストーブを使用中,検針員乙に発見されたので,内密にしてくれるように極力頼んだが,乙はこれを聞き入れず証拠にコードと電気ストーブを持ち去ろうとしたので証拠を湮滅するために乙を殺した。(強盃殺人罪)

[50−21] 刑事責任能力につき,誤りはどれか。

(1) 自己の行動を制禦する能力のない者でも,自己の行為が違法であり,道徳に反することを判断できれば責任能力がないとはいえない。

(2) 精神病者であっても12,3歳程度の知能があれば,責任能力がないとはいえない。

(3) 責任能力についての錯誤は,犯罪の成立に影響しない。

(4) 犯罪行為の当時心神喪失であったとしても,自ら犯罪を実行するつもりで自己を心神喪失の状態に陥し入れたのであれば,責任能力がないとはいえない。

(5) 心神耗弱者について死刑が適用されることはない。

[50−24] 判例のいう共謀共同正犯理論によれば,次のうち正しいものはどれか。

(1) 共謀共同正犯が成立するためには,各人が一か所に同時に集まって謀議がなされなければならず,順次共謀したのでは成立しない。

(2) 謀議に参加しただけで実行行為に加わらない共謀者は,犯行の日時,場所,方法等を詳細に知っていなければ,正犯とはならない。

(3) 窃盗の見張りは常に正犯である。

(4) 数人で強盗をすることを共謀したが,その中の一人が後悔してひそかに犯意を放棄したとしても,他の共謀者がこれを知らすに強盗を実行すれば,犯意を放棄した者も共同正犯の責を負う。

(5) 身分により構成する犯罪については,身分なき共謀者は実行行為を現実に共同しなければ,正犯とはならない。

[50−26] 甲の行為に関する次の記述のうち,殺人罪が成立しないものはどれか。

(1) 看護婦甲は,病人乙の看護をしていたが,乙が日夜激痛に苦しみ,また医師からあと数日しか命がもたないと聞かされていたので,死んだ方が乙のためだと考え,多量のモルヒネを注射して乙を死亡させた。

(2) 甲は,乙がいきなり手拳でなぐりかかってきたので,自分の身を守るためには乙を殺すしか方法がないと考え,そばにあった鉄棒を拾って乙をなぐり死亡させた。

(3) 医師甲は,妊婦から堕胎を依頼され堕胎したところ,胎児乙が生きたまま生れてきたので首をしめて乙を殺した。

(4) 甲は子供乙をアパートの一室に監禁していたが,乙が栄養失調におちいったので,そのまま放っておいて死んだ方が証拠がなくなって好都合だと思い,部屋のかぎをしめて放置しておいたところ,乙は死亡した。

(5) 甲は自分の息子乙が精神薄弱であるのを悲しみ,乙を殺そうと考え,乙に死んでもすぐに生き返るといって電車にとびこませ,乙を死亡させた。

[50−28] 次のうち遺棄罪(第2編第30章の罪)が成立しないのはどれか。

(1) 甲は冬の寒い夜,住宅街にある自宅の前で泥酔して寝ていた浮浪者に気付き,このまま放置しておくと死ぬかもしれないと思ったが,かかわりあいになるのをおそれて放置しておいた。そのため翌朝には浮浪者は死亡していた。

(2) 甲は重病の内縁の妻の看護に疲れたので,面倒を見ずに放置しておいた。それにより妻は死亡した。

(3) 甲は養子にもらった子が夜尿症のためいやになり押入にとじこめて放置した。

(4) 甲は道に迷っているAの幼児に出会った。日頃Aを快く思っていなかった甲は,その幼児を山深く連れこんで置去りにした。

(5) 自動車を運転していた甲は誤って乙をはねて重傷を負わせた。それを見た甲はおそろしくなり,そのまま乙を放置して逃げ去った。

[50−33] 次の記述のうち刑法第65条第2項にあたらないものはどれか。

(1) 甲は友人乙を教唆して,乙の実父である重病人丙を山に運んで遺棄させた。

(2) 弁護士甲は公証人乙を教唆して,乙がその業務上知った丙の秘密を漏他させた。

(3) 他人の物品を業務上保管する甲は,業務ではなくして共同保管する乙と共同して他人の物品を横領した。

(4) 甲は自分が告訴した詐欺事件で警察官乙を教唆してその職権を濫用させて事件の被疑者丙を逮補させた。

(5) 医帥甲は,その妻乙と共同して,懐胎している婦女丙の同意を得て堕胎した。

<参考条文> 刑法第65条第2項 身分ニ因リ特ニ刑ノ軽重アルトキハ其身分ナキ者ニハ通常ノ刑ヲ科ス

[50−35] 次の因果関係についての記述のうち誤っているのはどれか。

(1) 甲は監禁されていた乙の頬に焼け火ばしをつけた。乙は甲の知らない心臓病であったためショック死した。この場合,条件説と客観的相当因果関係説とで,結論は異ならない。

(2) 甲は婚姻当時妻乙の血友病を知っていた。甲は乙を傷つけたが,医者の手当により軽いけがですんだ。ところが病院からの帰宅途中交通事故にあって死亡した。この場合,客観的相当因果関係税と主観的相当因果関係説とで,結論は異ならない。

(3) 甲は乙を自動車ではね,ひん死の重傷を負わせ放置しておいたところ,乙が落雷にあい死亡した。この場合,折衷的相当因果関係説と因果関係の中断論とで結論は異ならない。

(4) 甲はトンネル工事現場で,乙を誤って傷つけた。ところがトンネル工事現場に学問上すでに存在しなくなったと考えられていた病原菌がいたため傷口から感染して死亡した。この場合,折衷的相当因果関係説と客観的相当因果関係説とで結論は異ならない。

(5) 甲乙は飯場でけんかをし,甲は乙の腹部を刃物で刺し重傷を負わせたが,乙は応急手当をしてそのまま寝た。ところが,夜中にその傷が原因で腹膜炎をおこして乙は死亡した。この場合,条件説と折衷的相当因果関係説とで結論は異ならない。

[50−38] 養鶏業者甲は,鶏が盗まれるのを防ぐため,小屋に隠れて見張りをしていたところ,深夜,乙が鉄切りばさみをもって鶏舎に近づき,金網を切り始めたが,甲がいることに気づき逃げだしたので,乙を追跡して逮捕した。甲の行為は次のうちどれに当るか。

(1) 法令による行為

(2) 自救行為

(3) 正当防衛行為

(4) 緊急避難行為

(5) 過剰防衛行為

[50−40] 次の記述のうち,緊急避難が成立しないものはどれか。

(1) 旅館で火災が起き,泊り客の青年が,多くの客が非常口に殺到し,しかも非常口が狭かったので,自分が逃れるため,やむなく老人客をつきとばし負傷させた場合

(2) 消防署員が消火作業中,煙にまかれて窒息しそうになったので,隣家の垣根を壊してその場を逃れた場合

(3) 散歩していたところ,他人が,その連れていた飼犬をけしかけ噛みつかれそうになったので,やむなくその犬を蹴殺した場合

(4) 深夜,帰宅中の女性が暴漢におそわれたので大声で助けを求めたが,誰も来てくれなかったので,道路脇の家の玄関のガラス戸をうち破って玄関に逃げこんだ場合

(5) 乗客を乗せてタクシーを運転していた運転手が,対向車がだ行運転してきたので衝突を避けるためハンドルを切って,自動車を山林内に乗り入れ立木に衝突させて,会社所有の自動車を大破させて損害を与えると共に,客に重傷を負わせた場合。

[50−43] 事実の錯誤と法律の錯誤(違法性の錯誤)に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 公務員甲は,賄賂を貰っても不正の行為を行なわなければ罪とはならないと思って,賄賂を受け取った。事実の錯誤である。

(2) 甲は,駅の出札口で切符を買っている乙がそばに置いていた荷物を,誰かが置き忘れた物だと思って持ち去った。法律の錯誤である。

(3) 家主甲は,賃貸借契約終了後も不法に居すわっている借家人乙の住居は刑法第130条にいう「人ノ住居」にあたらないと誤信して,乙の留守中,合鍵でその住居に立ち入った。事実の錯誤である。

(4) 甲は乙の飼犬をのら犬だと思って撲殺した。法律の錯誤である。

(5) 甲は,失業中の乙が冗談に「世の中がおもしろくない。殺してくれ」と言ったのを真に受けて,乙の希望をかなえてやるつもりで乙を殺した。法律の錯誤である。

[50−48] 次のうち,窃益罪が成立しないのはどれか。

(1) 電車の車掌が運転終了後,車内を点検中,客が忘れたカメラを見つけて,これを領得した。

(2) 下宿人が腕時計を紛失したということを聞いていた下宿屋の女主人が,ある日下宿人が外出し部屋の掃除をしたところ,本箱のうしろに落としていた腕時計を発見し領得した。

(3) 劇場の切符売場の従業員が,友人にプレゼントするために入場券2枚を自分のハンドバッグの中に入れた。

(4) 湖上遊覧船の乗客が水中に落としたダイヤの指輪の回収を依頼された潜水夫は,湖底でその指輪を見つけたが,依頼主には見つからなかったと言いこれを自分のため領得した。

(5) 甲は友人乙と共同で仔馬を一頭買い飼育管理していたが,乙に無断でそれを売却した。

[50−51] 次のうち監禁罪の成立しないものはどれか。

(1) 甲は乙女をアパートの一室に閉じ込め,「逃げたら殺すぞ。外で見張っているからな。」とおどして,そのまま立ち去った。乙女は見張られているものと誤信して部屋から出なかった。

(2) いやがる女を無理やり自動二輪車の荷台に乗せて約500メートル疾走した。

(3) 男を部屋に閉じ込め施錠したが,その男は錠前破りの名人で,数分後錠をあけて脱出した。

(4) 男を荒縄で縛り約5分間ひきずり回した。

(5) 4,5歳の幼児を部屋に閉じ込め,施錠した。

[50−55] 次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 証言拒絶権を有する甲は,法律により宣誓のうえ,証言拒絶権の告知を受けたが,証言拒絶権を行使せず虚偽の陳述をした。甲に偽証罪は成立しない。

(2) 証人甲は,法律により宣誓のうえ,虚偽の陳述をしたが,裁判所はその証言を信用せず事実認定の資料として採用しなかった。甲に偽証罪が成立する。

(3) 証人甲は,宣誓のうえ,虚偽の陳述をした。宣誓手続に軽微な瑕疵があれば,甲に偽証罪は成立しない。

(4) 証人甲は,法律により宣誓のうえ,被告人乙の殺人・死体遺棄被告事件の第一回公判期日において,殺人・死体遺棄の各罪につき虚偽の陳述をした。この場合,甲に2個の偽証罪が成立する。

(5) 民事訴訟の原告甲は,本人として法律により宣誓のうえ,虚偽の陳述をした。甲に偽証罪が成立する。

[50−58] 次のうち,賍物故買罪の客体たる賍物にあたるものはどれか。

(1) 偽造した1万円札。

(2) 賄賂として収受した骨とう品。

(3) 偽証の謝礼として受けとった宝石。

(4) 窃盗本犯の公訴時効完成後の盗品。

(5) 横領したダイヤモンドと交換した絵画。

[50−60] 次のうち,いわゆる近代派固有の立場からの主張だけを列記したものはどれか。

(1) 主観的違法性論・共犯独立性説・目的刑論

(2) 行為者責任論・意思責任論・刑罰個別化論

(3) 犯罪微表説・社会防衛論・責任能力は刑罰適応性であるとする説

(4) 社会的責任論・教育刑論・注意義務違反は,行為者を標準として決すべきであるとする説

(5) 性格責任論・主観的違法要素を認める説・刑罰と保安処分との一元主義

[50−62] 店員甲は,店主乙から仕入代金の支払のため,取引先に渡すようにと,乙振出の額面10万円の小切手を預かったが友人丙に15万円の借金があることを思い出し,その借金の返済に充てるため,小切手を丙に郵送した。丙はその事情を知りながら小切手を受け取り額面を15万円に改ざんしたうえ,銀行に呈示し,15万円の払戻しを受けた。有価証券偽造(変造)罪・同行使罪を除いて,丙の罪責はどれか。

(1) 横領罪

(2) 横領幇助罪・詐欺罪

(3) 賍物収受罪・詐欺罪

(4) 賍物故買罪

(5) 賍物故買罪・詐欺罪

[50−67] 以下のうち甲乙間に共犯が成立するものはどれか。

(1) 甲は乙が丙宅で窃盗を働く計画をしているのを知り,乙に知らせないまま自動車を丙宅の門前に置いて,物を窃取してきた乙を逃走,賍物運般のため車に乗せた。

(2) 甲と乙とは,互に何の連絡もなく,別々に丙を殺そうとし,丙に致死量に達しない毒をそれぞれ飲ませたが,2つの薬品が競合して丙が死亡した。

(3) 暴力団員甲は,仲間の団員乙らが甲を除いて,対立抗争している他の団体の幹部丙を殺そうと謀議しているのを知り,乙等を手助けするつもりで先をこして単独で丙を殺害した。

(4) 甲は乙が放火すると言っているのを聞きとがめ,後をつけていったところ,案の定,乙は甲宅に放火した。甲は未だ容易に火を消し止められたのに,保険金を取るためにこれを放置し,全焼させた。

(5) 甲は乙から「某所から酒を窃取したいが,窃取した酒の売り先を周旋してくれ。」と頼まれ,キャバレーをしている丙に酒の買い入れを承諾させ,その旨をつげたので,乙は酒を窃取した。

[50−69] 次のうち結果的加重犯の成立するものはどれか。

(1) 他人の家の窓ガラスを壊すつもりで石を投げたところ,ガラスの飛び散った破片で中にいた人を負傷させた場合。

(2) 婦女を強姦したところ,数日後に被害者が前途をはかなんで自殺した場合。

(3) 病人を引きとって看護をしていた者が看護するのが煩わしくなり,病人が死ねばいいと思って寒夜戸外に放置し,そのままにしておいたところ凍死した場合。

(4) 被害者を不具にするつもりで日本刀で切りかかり傷を負わせたところ,数日後にその傷がもとで死亡した場合。

Dパトロール中の警察官を殺害しようとして,ピストルを発射したところ,警察官といっしょに,通行人まで死亡させた場合。

[50−71] 次の記述のうち括弧内の犯罪について未遂罪が成立しないものはどれか。

(1) 甲は無銭飲食をする目的で飲食店乙方に入り,飲食物を注文した。乙は甲の真意を看破したが,あわれに思って注文の品をそのまま出してやった。(詐欺罪)

(2) 甲は同居の姉乙を毒殺しようとして,朝食の食卓に毒物を混入した牛乳を出しておいたが,乙は出勤のため急いでいたので飲まなかった。(殺人罪)

(3) 甲は乙のロッカーから財布を窃取しようとして,かぎ穴に合かぎを差し込んだが,人が近づいてきたのでやめた。(窃盗罪)

(4) 甲は乙から金員を喝取する目的で脅迫状を乙宅に送ったが,乙が不在で,乙の妻丙がこれを受け収り,驚いて警察に届け出たので,甲は逮捕された。(恐喝罪)

(5) 甲は妻乙にかけた保険金騙取の目的で乙を車でひき殺し,事故死として警察に届け出た。(詐欺罪)

[50−73] 猟師甲は,無免許でたびたび密猟している乙と狩猟に出かけたところ,日ごろから憎んでいる丙が,前方の草むらの中で休んでいるのを見つけた。甲は,この際丙を殺そうと思って,近眼で,その上あわてものの乙に「あそこにいのししがいる。早く撃て!」といって,自分も丙に向かって発砲した。乙は甲の言を真に受けて撃ったところ,甲の弾丸ははずれたが,乙の弾は丙に命中して,丙は即死した。共犯従属性説を前提として,甲乙の罪責は次のうちどれか。

(1) 甲は殺人既遂罪・乙は業務上過失致死罪

(2) 甲は殺人未遂罪・乙は業務上過失致死罪

(3) 甲乙ともに殺人既遂罪

(4) 甲は殺人既遂罪・乙は過失致死罪

(5) 甲は殺人未遂罪・乙は過失致死罪

[50−78] 次の記述のうち,甲の行為が中止犯の適用を受けるものはどれか。

(1) 甲は,乙と共同して通行人丙から金品を強取する目的で短刀を突きつけて脅したが,その直後自責の念にかられ,乙に無断でその場から逃走した。一人になった乙は,丙にとり押えられ,金品を強取するに至らなかった。

(2) 甲は,乙宅を焼燬する目的で乙宅の玄関口及び勝手口のそれぞれに紙屑を積み重ね,これを点火したがすぐに後悔して火を消し止めようとしてまず玄関口の紙屑の火を消しとめ,ついで勝手口に回ってみたところ,同所の紙屑の火は既に乙によって消し止められていた。

(3) 甲は,乙宅を焼燬する目的で乙宅の勝手口に紙屑を積み重ね,之に点火したところ細屑の火が勢いよく燃え上ったのをみて,後悔の念にかられるとともに恐しくなり,駆けつけた丙に消火を依頼して逃走した。紙屑の火は,丙によって消し止められた。

(4) 甲は,乙銀行の金庫から金品を窃取する目的で銀行に忍びこんだ。ところが,金庫が堅固で開けることができなかったため,翌日再び出直すことにして中止した。

(5) 甲は,乙に丙宅から金品を窃取してくるように命じた。これを受けて,乙は,丙宅に侵入しタンスに手をかけたが,傍に病人が寝ているのを見て,可愛そうになり,何も取らずに帰った。

[50−83] 次の記述のうちで公務執行妨害罪の成立しないものはどれか。

(1) 甲は,所得税の調査を免れるため,調査に来た所轄税務署員乙を殴打した。その際乙は所定の身分証明書を携帯していなかったが,甲も別にその提示を求めなかった。

(2) 甲は,不良仲間の丙が警察官乙に路上で現行犯として逮捕され手錠をかけられそうになっているのを見て,丙を逃すつもりで丙の手を引っばって乙から引き離し一緒に逃走した。

(3) 甲は,乙警察署が翌朝甲の所属している暴力団を捜査することを知り,捜査の妨害をするため,捜査に使用する車のタイヤを夜の間にパンクさせた。

(4) 甲は,警察官乙の差し押えた帳簿類を奪い取って,乙に向かって投げつけた。

(5) 甲は,公務執行中の警察官乙に向かって陶器製の徳利を振りかざして殴りかかったが,傍にいた人に取り上げられて,現に乙を殴りつけるに至らなかった。

[50−86] 甲は,自己の勤務する会社の社長乙から依頼されて,乙個人所有の5階建ビルの登記簿上の所有名義人となり,同ビルのl室に居住していたが,自己の所有名義になっていることを奇貨として,自己のものであるかのように装い,同ビルを不動産業者丙に売却して,その移転登記を済ませ,代金を受けとった。甲の罪責は,詐欺の点を除き,次のうちどれか。

(1) 窃盗罪

(2) 背任罪

(3) 不動産侵奪罪

(4) 横領罪

(5) 業務上横領罪

[50−88] 次の記述のうち,不動産侵奪罪にあたるのはどれか。

(1) 借家人甲は,家主に無断でその借家の敷地内に建坪約3.3平万メートルの物置小屋を建てた。

(2) 借家人甲は,賃料不払のため賃貸借契約を解除され,賃貸人の明渡請求を受けたが,無視してその後も居住を続けた。

(3) 甲は,夏を快適に過ごすため「山林内立入禁止」の立札があるにもかかわらず乙の山林内に立入り,約2ヵ月間テントを張って生活をした。

(4) 甲は,乙から耕作の為約1000平万メートルの土地を借りて野菜を栽培していたが,付近が市街地化してきたのでマンションを建てようと思い,土地の周囲に建築用の板囲をした。

(5) 甲は,隣地を自分の子供の遊び場とするため,白分の庭と乙所有土地との境界の鉄条網を無断で取り除いて境界を不明にした。

[50−90] 騒擾罪に関する次の記述のうち,誤りはどれか。

(1) 騒擾罪が成立するためには,一地方の平穏が現実に害されたことは必要でない。

(2) 騒擾罪は集団犯罪であるから,自ら暴行・脅迫をしない者も率先助勢者として処刑されることがある。

(3) 騒擾罪の際に行なわれる放火行為は,騒擾罪に吸収されて別罪を構成しない。

(4) 騒擾罪が成立するためには,多衆が共同して暴行・脅迫をするという共同意思を必要とする。

(5) 騒擾罪は内乱罪と異なり予備の規定はない。

ホームページに戻る。   年度別一覧<刑法>に戻る。