[53−03] 次の記述のうち,括弧内の犯罪が成立するものはどれか。

(1) 窃盗の目的で他人の住居に侵入したところ,家人に発見され退去を要求されたが,そのまま居すわった場合。(不退去罪)

(2) 酒に酔って路上に寝ている知人を見つけたが,それを放置してそのまま通り過ぎた場合。(遺棄罪)

(3) 警察官が逮捕状を持って逮捕におもむいたところ,たまたまその相手が知人であったので逮捕を見合わせた場合。(犯人隠避罪)

(4) 妻が自殺する恐れのあるのを知りながら外出したところ,留守中に妻が自殺した場合。(殺人罪)

(5) 隣人が飲料水としている浄水に毒物が混入しているのを知りながら,恨みを晴らすために放置した場合。(毒物混入罪)

[53−06] 次の記述のうち,甲に括弧内の罪の未遂罪が成立するものはどれか。

(1) 甲は乙のポケットから財布をすり取ったが,即座に悪いことをしたと思い直して元に戻した。(窃盗罪)

(2) 甲は恐喝する目的で道を尋ねるふりをして通行人に近づいたが,警察官がやってくるのが見えたのであきらめた。(恐喝罪)

(3) 甲は強盗の目的で銀行に侵入したが,誰もいなかったので金庫を開けようとしたが開かなかったので,そのまま帰った。(強盗罪)

(4) 甲は保険金を詐取する目的で,保険をかけてある自己の家を焼燬し,火をつけられたと警察署に届け出た。(詐欺罪)

(5) 甲は強姦の目的で,13歳の少女に小刀を突き付けたが,相手方は畏怖することなく姦淫に応じたので姦淫した。(強姦罪)

[53−09] 次の自己のうち,甲の行為が公正証書原本等不実記載罪に該当しないものはどれか。

(1) 甲は乙から抵当権設定登記を委託されたが,それを奇貨として乙の代理人としてその土地を勝手に丙に売却し,所有権移転登記を申請したとき。

(2) 甲は乙の土地の権利証と印鑑を盗み,乙からその土地を譲り受けたもののように装い,所有権移転登記を申請したとき。

(3) 甲は乙と共謀し,債権者からの強制執行を免れる目的で自己の建物を乙に移転した如く装い,乙への所有権移転登記を申請したとき。

(4) 甲は債権者乙のために自己の建物に抵当権を設定したが,その後未だ抵当権登記をしていない事を奇貨として,更に別の債権者丙に対し抵当権を設定し,その登記申請をなしたとき。

(5) 乙から土地を買い受けた甲は,別の目的で保管を依頼されていた乙の印鑑を冒用し,自己への所有権移転登記を申請したとき。

[53−12] 甲は自動車を運転中誤って乙をひき重傷を負わせた。甲は乙を病院に連れて行こうと思っていったん助手席に乗せたがすぐに気が変わり,乙を元の路傍に降ろして走り去った。乙はその負傷が原因で死亡した。甲の罪責につき,次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 甲は乙の死の結果を防止すべき義務があるにもかかわらず放置したのであるから殺人罪の罪責を免れない。

(2) 甲の行為と乙の死亡との間に因果関係が認められるかぎり,甲は殺人罪の罪責は免れない。

(3) 甲に乙の死亡の認識・認容または乙の負傷を利用して乙を死亡させようとする意思がある場合にだけ,甲は殺人罪の罪責を負う。

(4) 甲は乙を元の場所に放置したにすぎないので,遺棄致死罪の罪責を負うことはない。

(5) 自動車事故がなければ乙は死ななかったのであるから,業務上過失致死罪の罪責を負うことはあっても,殺人罪の罪責を負う余地はない。

[53−15] 共犯独立性説,共犯従属性説に関する記述のうち,誤っているのはどれか。

(1) 共犯独立性説によれば,間接正犯の概念を必要としない。

(2) 共犯従属性説によれば,幇助犯の成立には少なくとも正犯の実行の着手を必要とする。

(3) 共犯独立性説よれば,教唆行為を実行行為そのものと見る。

(4) 共犯従属性説によれば,行為共同説は論理的帰結である。

(5) 共犯従属性説は,その条文上の根拠として刑法第61条1項・62条1項が考えられる。

[53−18] 甲は日頃から乙議会議員に対し恨みをもっていたので,その恨みをはらすため,数人の友人が集まっているところで,うわさを信じて「乙は二年前県議の地位を利用して多額の賄賂を受けとった」といって,乙の名誉を毀損した。次のうち,甲の名誉毀損罪の成否につき,誤りはどれか。

(1) 友人がすでに,うわさを知っていたときでも,名誉毀損罪は成立する。

(2) もっぱら,恨みをはらす目的のときは,たとえそれが真実であっても名誉毀損罪は成立する。

(3) 乙県議がすでに死亡していたときは,名誉毀損罪は成立しない。

(4) 第230条ノ2の3項を処罰阻却事由に関する規定と解しても名誉毀損罪は成立する。

(5) 第230条ノ2の3項を違法性阻却事由に関する規定と解しても名誉毀損罪が成立しないとはいえない。

(参考)第230条ノ2の3項「前条第一項ノ行為公務員又ハ公選ニ依ル公務員ノ候補者ニ関スル事実ニ係ルトキハ事実ノ真否ヲ判断シ真実ナルコトノ証明アリタルトキハ之ヲ罰セス」

[53−21] 甲は,他人の家から現金在中の金庫を盗み出し,現金を取り出すために,かわらに運んでこじ開けようとしていたところ,そこをたまたま自動車で通りかかった甲の友人乙が,自動車に積んであったハンマーで,金庫をたたき壊し,現金を取り出して,甲乙で山分けした。甲乙についての次の罪責で正しいものはどれか。

(1) 甲乙とも窃盗罪

(2) 甲乙とも窃盗罪,器物損壊罪

(3) 甲は窃盗罪,乙は賍物収受罪

(4) 甲は窃盗罪,乙は器物損壊罪,賍物収受罪

(5) 甲は窃盗罪,器物損壊罪,乙は器物損壊罪,賍物収受罪

[53−22] 甲は財産強取の目的で,乙の反抗を抑圧して,乙の所持していた財物を得た場合,強盗罪が成立しないのは次のうちどれか。

(1) 得た財物が以前乙に貸していた甲の所有物であるとき。

(2) 得た財物が乙が逃走する際に落とした物で,乙が逃げ去った後に,甲が気付いて取得したものであるとき。

(3) 得た財物が甲が乙を制縛したが,乙は反抗心を抑圧されなかったものであるとき。

(4) 得た財物が丙の所有物であるとき。

(5) 乙が10歳であるとき。

[53−25] 次の文書偽造罪に関する記述のうち,誤っているものはどれか。

(1) 日本国の発給した他人の旅券を,自分が使用するために,自分の写真とはりかえる行為は公文書偽造罪に該当する。

(2) 拾った郵便貯金通帳を,不法に利用する意図で,貯金名義を自己の名義にかえる行為は公文書偽造罪に該当する。

(3) 公務員が内容虚偽の文書を作成する行為は,その権限の有無にかかわらず,虚偽公文書作成罪に該当する。

(4) 内容虚偽の申告をして市町村長をして,その旨を住民票に記載させる行為は,公正証書原本等不実記載罪に該当する。

(5) 自分の名前しか読み書きできない人に,貸借料の領収証であると偽って借用証書に署名させる行為は,私文書偽造罪に該当する。

[53−28] 罪刑法定主義に関する次の記述のうち,誤りはどれか。

(1) 過去の行為に対して新しく制定した法律を適用して処罰してはならないという原則は,罪刑法定主義の要請するところである。

(2) 犯罪後刑が変更され,裁判時の刑が行為時の刑より軽くなった場合,裁判時の刑を適用するのは罪刑法定主義の要請ではない。

(3) 刑の廃止の際,廃止前に犯した罪については,廃止後も処罰できると規定することば,罪刑法定主義に反する。

(4) 少年時犯した罪について,その者が成年に達した場合,通常の刑で処罰することは,罪刑法定主義に反しない。

(5) 裁判確定後,新たな証拠が発見された場合,それに基づいて裁判できないとするのは,罪刑法定主義の要請するところではない。

[53−31] 併合罪について,次のうち正しいものはどれか。

(1) 甲罪と乙罪の中間に罰金刑の確定判決丙罪があったときでも,甲罪と乙罪は併合罪となる。

(2) 順次犯された甲罪と乙罪があるとき,乙罪につき禁錮以上の刑に処する確定判決があった後に,甲罪が発覚したときは,甲罪と乙罪は併合罪とはならない。

(3) 併合罪中,甲罪につき死刑を選択したときは,他の罪乙罪につき罰金刑を選択して併科することができる。

(4) 甲,乙,丙三個の窃盗罪につき,併合罪として,懲役18年に処することができる。

(5) 甲,乙二個の殺人罪につき,併合罪として,懲役9月に処することはできない。

[53−34] 次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 甲を殺すつもりで銃を発砲したところ,弾がそれて傍にいた乙にあたり乙を死亡させた。この場合,法定的符合説と具体的符合説とでは,結論は異ならない。

(2) 甲の飼犬を殺すつもりで銃を発砲したところ,弾がそれて傍にいた乙にあたり乙を負傷させた。この場合,法定的符合説と抽象的符合説とでは,結論が異なる。

(3) 甲の飼犬を殺すつもりで銃を発砲したところ,弾がそれて乙方窓ガラスを破損した。この場合,具体的符合説と抽象的符合説とでは,結論は異ならない。

(4) 甲を殺すつもりで,乙を甲と誤認して銃を発砲し,乙を死亡させた。この場合,法定的符合説と具体的符合説とでは,結論は異なる。

(5) 甲を殺すつもりで銃を発砲したところ,弾がそれて乙方窓ガラスを破損した。この場合,法定的符合説と抽象的符合説とでは,結論は異ならない。

[53−37] 次のうち,詐欺罪が成立しないのはどれか。

(1) 「明日は必ず返すが,銀行に見せる必要があるので借用証書を貸してくれ」と嘘を言って,債権者から借用証書を返還させた行為。

(2) 二万円の時計を買い代金を支払ったが,店員がうっかりして三万円の時計を差し出したので,これさいわいと受けとる行為。

(3) 友人から借りうけた本を返すのが惜しくなり,返還の請求を受けた時,「あれは紛失してしまった」と嘘をついて返還を免れる行為。

(4) 所持金がないのにタクシーに乗り,目的地において,運転手のすきを見て逃げる行為。

(5) 定期券でA駅から乗車し,途中で定期券の有効期間が切れているのに気付いたが,B駅の駅員にその定期券を見せて改札口を出る行為。

[53−40] 甲は,会社でもらった給料袋を家にもちかえって開けたところ,明細書の金額より一万円多く入っていることに気がついた。ところが,翌朝出勤したところ,会社の給与支払責任者乙から「君の給料袋に一万円余分に入っていなかったか。もし入っていたなら,まちがって入れたものだから返して欲しい」と言われたのに,「そんな金は,入っていなかった」と答え,その後,この金を自己の用途に費消した。甲の罪責は次のうちどれか。

(1) 横領罪

(2) 詐欺罪

(3) 詐欺未遂罪

(4) 占有離脱物横領罪

(5) 犯罪不成立

[53−43] パチンコ店のアルバイト店員甲は,客乙に頼まれて,遊技中の乙のためにパチンコ機械を操作して玉を出してやった。甲の罪責は次のうちどれか。

(1) 業務妨害罪

(2) 横領罪

(3) 業務上横領罪

(4) 背任罪

(5) 窃盗罪

[53−47] 次の記述のうち誤りはどれか。

(1) 運送店に置かれていた小荷物の荷札を全部取りはずし,小荷物の宛先を不明にした行為は器物損壊罪にあたる。

(2) 隣家の飼猫を毒殺した行為は器物損壊罪にあたる。

(3) 他人の家の門柱を切り倒した行為は建造物損壊罪にあたる。

(4) 友人に差し入れた借用証が同人宅にあるのを見つけて破り捨てた行為は私文書毀棄罪にあたる。

(5) 市役所で課税台帳を閲覧中,その一枚を抜き取って持ち帰った行為は公文書毀棄罪にあたる。

[53−51] 次の組合せのなかで,誤りはどれか。

(1) フランク−−規範的責任論

(2) メッガー−−目的的行為論

(3) へ一ゲル−−応報刑論

(4) M・E・マイヤー−−共犯従属性論

(5) ロンブローゾ−−生来的犯罪人論

[53−53] 甲は乙から頼まれて預かっていた骨董品の花瓶を同人に無断で古物商丙方に持参し売却した直後,たまたま立入調査のために訪れた警察官から職務質問を受けたので,証拠を湮滅して逃げ出すつもりで,花瓶を警察官の足もとの床に投げつけてこなごなに壊し,警察官がひるんだすきに逃げ出した。甲の罪責は横領罪の点を除いて次のうちどれか。

(1) 器物損壊罪

(2) 公務執行妨害罪

(3) 証憑湮滅罪,器物損壊罪

(4) 公務執行妨害罪,器物損壊罪

(5) 公務執行妨害罪,証憑湮滅罪,器物損壊罪

[53−55] 暴行に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 公務執行妨害罪における暴行は公務員の職務の執行を妨害しうる程度のものであることを要するので,公務員の身体に対して直接に加えられることを要する。

(2) 騒擾罪における暴行は,一地方の平穏を害する程度のものであることを要し,方法は限定されないが,不特定又は多数の者に対するものであることを要する。

(3) 暴行罪における暴行は,不法な有形力が人の身体に対して加えられることであり,少なくとも人の身体に直接触れるものであることを要する。

(4) 事後強盗罪における暴行は,窃盗犯人が財物を得てその取還を拒ぎ,又は逮捕をまぬがれ,若しくは罪跡を湮滅するために行うものであるから,強盗罪の暴行と異り,相手方の反抗を抑圧しうるものであることを要しない。

(5) 強要罪における暴行は,人をして義務のないことを行わせ又は行うべき権利を妨害するものであるから,人に対して加えられることを要するが,必ずしも人の身体に対するものであることを要しない。

[53−58] 犯人の所有に属する次の物のうち没収できないものはどれか。

(1) 公務員が賄賂として収受した土地

(2) 殺人犯人に頼まれた死体を山中に運搬するために使用した自動車

(3) 放火の用に供した燈油を犯行現場まで運ぶのに用いたポリバケツ

(4) 殺人に用いた猟銃を質入して得た現金

(5) 賭博場とするために貸した部屋の賃料

[53−63] 甲は,乙が丙方から窃取してきた宝石で乙から買い受けた。甲の行為についての賍物故買の成否に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 宝石が甲所有のもので,甲が丙に担保として預けていたものである場合でも,甲が盗品であることを認識していれば,賍物故買罪が成立する。

(2) 甲は,乙が宝石を窃取してきたものではなく横領したものであると思っていた場合には,賍物故買罪は成立しない。

(3) 甲は宝石が盗品であることは知っていたが被害者が誰であるか知らなかった場合,賍物故買罪は成立しない。

(4) 甲が盗品であることを知らずに宝石を買い取った後,乙から盗品であることを知らされた場合,その時点から賍物故買罪が成立する。

(5) 乙が12歳であった場合,賍物故買罪は成立しない。

[53−66] 公務員甲は,公務員乙から現金100万円をもらい受けたが,その現金は乙がその職務に関して丙から受け取った賄賂であった。甲のした行為につき,次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 甲が乙の収賄行為の発覚を防ぐ目的で現金をもらい受けたときは,収賄罪の幇助となる。

(2) 甲がその情を知って現金をもらい受けたときは,賍物収受罪となる。

(3) 甲が乙の収賄行為を上司に告げると脅して現金をもらい受けたときは,恐喝罪となる。

(4) 甲がその職務に関係なく現金をもらい受けた後,乙から事情を聞いて丙のために,自己の職務に関して不正な行為をしたときは,枉法(加重)収賄罪となる。

(5) 甲がその情を知らないで自己の監督下の乙から現金をもらい受けた後,丙の依頼をうけて,乙に対し,その職務に関して不正な行為をなすようにあっせんしたときは,あっせん収賄罪となる。

[53−71] 責任能力に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 心神喪失者とは,精神の障害により,行為の是非を弁別する能力のない者をいう。

(2) 心神喪失中の行為は責任能力がないため故意が阻却される。

(3) 心神耗弱者の行為については,死刑が科されることはない。

(4) 聾唖者はすべて限定責任能力者であるから,その刑は必ず減軽されなければならない。

(5) 結果犯においては,実行行為の時だけでなく,結果発生の時にも責任能力がなければ罰せられない。

[53−72] 次のうち,継続犯はどれか。

(1) 単純逃走罪

(2) 常習賭博罪

(3) 窃盗罪

(4) 背任罪

(5) 逮捕罪

[53−76] 次のうち誤りはどれか。

(1) 殺人の目的でピストルを入手したが,これにこめる弾丸を入手できなかった場合,殺人予備罪が成立する。

(2) 強盗の目的でナイフを用意し道ばたで待ち伏せていたが,通行人がなかったため目的を遂げなかった場合,強盗予備罪が成立する。

(3) 放火の目的で点火材料たるガソリンを購入した場合,放火予備罪が成立する。

(4) 通貨偽造の目的で印刷工を雇い入れた場合,通貨偽造準備罪が成立する。

(5) 身代金拐取の目的で,資産家の子供の通学経路を調査した場合,身代金拐取予備罪が成立する。

[53−78] 甲は道路上で道行人乙とけんかをし,丸太捧で乙の頭部を殴打して転倒させ気を失わせたが,そのまま同所から立ち去った。甲の行為と乙の死亡との間の因果関係に関する次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 乙が倒れていたのは側溝に近い場所で,乙が無意識に反転して側溝に転落し,溺死した場合,折衷的相当因果関係説と客観的相当因果関係説とでは,結論が異なる。

(2) たまたま通りかかった丙が,日頃の恨みを晴らそうと乙を付近の川に投げ込み,乙が溺死した場合,折衷的相当因果説と条件説とでは結論は異ならない。

(3) 乙が倒れていた場所は交通ひんばんで,乙が自動車にひかれて死亡した場合,甲に乙が自動車にひかれることの認識があれば,客観的相当因果関係説と主観的相当因果関係説とでは結論が異なる。

(4) 乙には隠れた心臓疾患があって,殴打された際のショックでこの心臓疾患によって乙が死亡した場合,甲に乙にはこのような心臓疾患があるとの認識があれば,主観的相当因果関係説と条件説とでは,結論が異ならない。

(5) 乙は倒れていたところを自動車で病院まで運ばれたが,その夜大地震があって病院の建物が倒壊し,それにおしつぶされて,乙が死亡した場合,主観的相当因果関係説と条件説とでは,結論は異ならない。

[53−81] 犯人隠避罪に関する次の記述のうち誤れるものはどれか。

(1) 犯人の親族が犯人を隠避しても,犯人の利益のためにしたときは,その刑を免除することができる。

(2) 起訴前の拘禁中に逃走した者を隠避したときは本罪が成立する。

(3) 犯人の身代りとして警察に出頭し,自己が犯人であると申し立てたときは,犯人との通謀によるものでなくとも本罪が成立する。

(4) 被害者に追跡されている窃盗犯人に逃げ道を教えたときは本罪が成立する。

(5) 労役場留置の執行を免れさせる目的で,罰金刑に処せられた者を隠避しても本罪は成立しない。

[53−84] 刑の執行猶予について,次の記述のうち,正しいものはどれか。

(1) 刑の執行猶予は,刑の執行開始後でも行うことができる。

(2) 前に禁錮以上の刑に処せられ,その刑の執行猶予の期間中に,更に禁錮の刑に処せられたときでも,再度の執行猶予を行うことができる。

(3) 刑の執行猶予に保護観察を付するのは,再度の執行猶予のときのみである。

(4) 刑の執行猶予期間の満了と,刑の免除の言渡の確定とは,同一の法的効果を生ずる。

(5) 刑の執行猶予を取り消されることなく猶予期間を満了したときは,刑の執行を受け終わったものとみなされる。

[53−88] 不動産侵奪罪について,次の記述のうち正しいものはどれか。

(1) 建物の侵奪は建造物侵入罪の規定でまかなえるから,本罪の客体となる不動産は土地のみである。

(2) 他人の山林の立木を勝手に伐採しても本罪は成立しない。

(3) 未登記の土地はその所有権を第三者に対抗できないから本罪の容体とならない。

(4) 自己の所有地でも抵当権を設定してあるときは,抵当権者の承諾を得ずに他人に譲渡し引き渡せば,本罪が成立する。

(5) 本罪には親族相盗例の適用はない。

[53−90] 次のうち括弧内の犯罪が成立するのはどれか。

(1) 甲は誰もいるはずがないと思って,空家に放火したが,たまたま,その中で寝ていた浮浪者が直ちに消火したので,畳一枚を焼いたに止まった。(非現住建造物放火未遂罪)

(2) 甲は乙の住宅に延焼させる目的でこれに隣接する鶏小屋に放火したが,その屋根を焼いただけで近所の人に消し止められた。(現住建造物放火既遂罪)

(3) 火災現場を通りかかった甲はおもしろ半分に消火栓を壊して消火作業を妨害したため水不足のため火勢が強まり,住宅数軒が全焼した。(現住建造物放火既遂罪)

(4) 甲は乙宅を焼燬する目的で乙宅の床下に,30分後に発火するように装置した自動発火装置をしかけたが,発火前に発見され,発火装置を取りはずされた。(現住建造物放火予備罪)

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